出産した女性は収入減、キャリア形成でも不利となるという「母の罰」「子育て罰」。ジェンダー研究者の上野千鶴子さんは「私は子のいない人生を選んできたが、なぜ産まないのかという『不産ハラスメント』をたびたび受けた。しかし、出産・育児は女性にとって不可欠な経験ではない」という――。 「産まない女より産む方がエゴイスト」という友人との会話 「子を産むエゴイズムと産まないエゴイズム、どちらが大きいと思う?」。子どもがいる女友だちにそんな質問をしたとき、彼女は「そりゃ産むほうに決まってるじゃない」と大笑いしながら答えました。見事な答えだと思いました。新刊『マイナーノートで』(NHK出版)に書いたエピソードのひとつです。 日本の社会では、産まない女は欠陥品と見なされてきました。生物学的にだけでなく、人格的にも欠陥があると思われてきたふしがあります。エゴイストとも言われますね。 天が与えた機能を使わないので