うちの息子は今小学4年生で、夏休みが終わってから学校に行かなくなった。 どうして行きたくないのか、俺は聞けなかった。聞く勇気がなかった。 夏休みに入る前まで、息子は学校が好きで好きで仕方がないという感じだった。 朝一番にランドセルを背負って家を出ることも珍しくなく、なのでおそらく夏休み中に友達と何かあったのだろう。 うちはマンション暮らしで、2年前に妻が亡くなった。事故だった。本当に突然のことだった。それで俺は少し病んでしまい、塞ぎ込んで、休職して、それから会社も辞めた。 幸い伝手もあって今はフリーランスとしてなんとかやっている。しかし当時は本当に駄目だった。 息子も相当つらかったはずだ。それなのに、俺には弱音ひとつ吐かなかった。むしろ、駄目になった俺のことを気遣ってくれていたんだと思う。子供の癖に、俺なんかよりよっぽど立派だ。 だからこそ、夏休みが終わり「学校に行きたくない」と言われたと