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アメリカ大統領選
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前回:第1回:大人だってラノベが読みたいんですっ!(ライトノベルの特異点はどこですか?:ゼロ年代後半から分かるラノベ史) ◆「空気」を読むのが苦手でした。私事から入るのは大変恐縮だが、中学校や高校に通っていた六年間、クラスの「空気」というものが非常に苦手だった。いわゆる「リア充」が空気を支配していて、陰キャであるところの僕はそれにサイレント・マジョリティとして従うことを余儀なくされた。「大体コイツはこういうキャラだ」というレッテルを半ば押し付けられて、それに従って生きるのに若干の息苦しさを感じていた。 僕が「生徒」という身分だったのは五年くらい前までの話だが、丁度そんな状況を的確に表していたのが鈴木翔の『教室内(スクール)カースト 』(2012)である。今にして思えば、カースト制のようにクラスの中でも順位があって……という話は、ゼロ年代の中盤から生徒たちの間では半ば常識のようなものとなって
前回:第0回:プロローグ「なんでライトノベルの特異点なんて探すんですか?」(ライトノベルの特異点はどこですか?:ゼロ年代後半から分かるラノベ史) ◆大人向けライトノベルの誕生一般的に「ライトノベル」というと、どうしても若者、とりわけ中高生向けの作品が主だと思われているフシがある。確かにテキストとイラストを融合させた新たな表現方法としてライトノベルが生まれた1980年代後半には、中高生と同じくらいの年齢であるキャラクターが主人公となって、読者が感情移入しやすい物語が多く作られたし、その流れが現在に至るまで続いている。また、近代日本文学研究者の一柳廣孝も「ライトノベルとはマンガ的・アニメ的なイラストが添付された、十代の若者層を主要読者とするエンターテインメント小説である」と記しており、これらの点からライトノベルのメインターゲットが中高生であることは疑いようもないだろう(※1)。 では、中高生向
◆はじめに:だから僕は、ラノベがよみたい。筆者の書架の一部。この他にもいくつかの棚と床、押入れに本が置かれている。中高生の時の僕にとって、ライトノベルはなくてはならないものだった。 10年以上前の話ではあるが、読書が嫌いだった当時の僕にとって小学校の始業前に必ず実施される「朝の読書」という代物は非常に苦痛だった。どうしても何かしらの本を毎日最低10分は読まなくてはならない上に、マンガや図鑑は学校のルールで禁止されている。活字離れがとか叫んでるくせにそんなことしたら活字離れするに決まってるだろ、と今なら思わなくもない。その時はそんなことを言っても仕方がないので、しぶしぶ小説の単行本に手を出してみたが今度はムヅカシイ漢字ばかりで意味が分からなかった。 そんな「朝の読書」に憂鬱さを感じる日々を送っていた中学1年生の冬、僕はとある一冊の本のことを新聞の書評で目にしたのだ。表紙や挿絵にキャッチーなイ
近年、デジタルゲームを社会に紐付けたり、その芸術的側面を分解して咀嚼する試みとしての「ゲーム批評」が盛り上がっている。 この1年で『デジタルゲーム大全』のような良書が上梓されたり、現在の批評シーンを引っ張っている東浩紀氏が代表を務める「株式会社ゲンロン」から発行された『ゲンロン8』が特集としてゲームを取り扱ったりした。また、批評は同人文化と密接に関わっているが、同人誌からもゲームを特集に組んだものが少なからず存在する。たとえば、批評系の大手サークルであり、昨年から様々な媒体にまで活動の垣根を伸ばした「エクリヲ」は『ゲンロン』より先にゲーム特集を組んでいるし、ゲームを専門とした同人サークルの姿は、文学フリマやコミックマーケットに足を運べば一目で確認できる。 今、ゲームはジャンルの垣根を超え、様々な場所で引用され、読み解かれている。このゲームを「語る」熱気は、批評の中だけで巻き起こっているもの
この連載記事は、〈アレ★Club〉事務局長の永井光暁が、普段の生活の中で食べたものについて思ったことをつれづれと書いていく、少し風変わりな食べ物エッセイです。 ● 職業柄、と言うわけではないが、飲食店の手伝い仕事をしていると、日に二〜三回ほど近所のスーパーに行く。店に必要なものをカゴに入れつつ、その日の夕飯のおかずやチョット試してみたい新商品なんかを見て回るが、謝恩品や特価品(大体の場合、1000円以上の購入で割引になるパターンが多い)に目が行くのは、商売人の家の人間だからなのか、それとも自分の生来の性格ゆえなのか、未だにはっきりとしない。 とはいえ、友人と一緒にスーパーで買い物をした時に、割引シールが貼られた生鮮食品や、世間的にはゲテモノであるためにほとんど売れなかったと思しき商品(たとえば「温めなくても美味しいレトルトカレー」や「ケーキ味のカップ焼きそば」などだ)を見つけて手に取ると、
「我々〈アレ★Club〉は、これよりWebマガジン『コレ!』を立ち上げる!」と、高らかに宣言するのは気恥ずかしいし、字面もどこか滑稽だ。なのでここでは、このWebマガジンの立ち上げ人である僕(堀江くらは)から、僕たち〈アレ★Club〉が何をやりたいのかをキチンと語ってみたいと思う。かなり正直に、包み隠さずに言いたいことを言うので、そのつもりで読んでいただければ幸いである。 僕たち〈アレ★Club〉は、いわゆる「評論・批評系同人誌界隈」ではそこそこ名の知れた存在だ。今から2年前の2016年、文学フリマに突然現れ、同人誌即売会の評論島では比較的多い初版100部を頒布し、大型書店でも委託販売をして結構な数が売れているのだから、そう言っても構わないと思う。一応断っておくが、別に「〈アレ★Club〉を知らないなんて遅れてるー★」とか言いたいわけではない(まだ僕たちのことを知らない人たちには、これを機
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