自動車エンジンの点火プラグなどを手がける日本特殊陶業(名古屋市)は1日、宇宙空間などで自律的に放熱と遮熱をする材料を量産する技術の開発に成功したことを明らかにした。人工衛星などでの採用を目指す。 シート状の「放射率可変材料」で、真空の環境で高温時には熱を逃がし、低温時には熱を閉じ込める。人工衛星は可動式の機械で熱を管理しているが、シートを貼るだけで代替できるため、軽量化やコストの低減が見込める。 シート状に平らに仕上げることが課題だったが、セラミック製品の焼成技術を生かし、量産化にめどをつけた。試作品を提供するなど国内外の航空宇宙メーカーに売り込みを始めており、2030年ごろまでの事業化を目指す。 日本特殊陶業は、電気自動車(EV)化で点火プラグの需要減が見込まれるため、新規事業の開拓を強化している。排ガス浄化センサーの技術を生かしたエビの陸上養殖や、パワー半導体の放熱基板などの事業化にも