こうしたプレイヤーたちのゲームプレイを取材していくドキュメンタリー映画というのが、表向きの部分である。しかし本作はよく見れば、映画はもちろんのこと、主な題材であるビデオゲーム、そしてアートの領域を横断するかのような異質な作品でもあるのだ……これは1つの視点で語るのは無理だ。複数の領域で語れるなら、複数の領域それぞれで語るしかない。 「ニッツ・アイランド」はそういう複数の視点にまたがる映画なのだ。とにかく映画やゲーム、アートのいずれかに興味がある方は、今すぐこの映画で何が目撃できるか試してほしいとしか言えない。映画・ゲーム・アートそれぞれの視点で見えたものとは……。 「映画」視点――まるでデジタル世界のアレハンドロ・ホドロフスキー。まさかの美しい、新しい現実感の提示 まさかのデジタル世界のアレハンドロ・ホドロフスキーではないか……。実は映画としての「ニッツ・アイランド」はかなり低い期待で観に