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介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格があれば、自分一人で独立開業し「居宅介護支援事業所」を立ち上げることができます。 居宅介護支援事業所の人員基準は「管理者」と「介護支援専門員」だけでいいので、自分一人で兼務できるからです。 しかし、現段階で厚生労働省が2021年4月からその管理者を「主任介護支援専門員に限定」する方針を固めているため、主任ケアマネではないケアマネが一人親方として独立開業できるのは2021年3月までになります(現在は経過措置中)。 仮に2021年3月までに開業できたとしても、翌月の4月には主任ケアマネを管理者に据えなければ人員基準を満たさないことになってしまいます。 主任ケアマネになるためには、ケアマネジャーとしての実務経験が5年(60ヶ月)以上あり、長期間の主任ケアマネ研修を修了する必要があるため、厚労省のこの方針によって「主任ケアマネの需要は高まっている」と言えます。
「介護の仕事は誰でもできる」などと言われたことが介護業界に波紋を広げたこともありましたが、実際問題「介護職の専門性」とは一体なんなのでしょうか。 この部分が明確ではないために「誰でもできる」という印象を持つ人も出てきてしまうことも否めません。 介護業界で働いている多職種の担当している専門分野は以下の通りです。 【各専門職の専門分野】 介護支援専門員はケアマネジメントや苦情の受付等 医療職(看護師等)は医療行為や薬や体調の管理等 リハビリ職(理学療法士等)は機能訓練やADLの評価等 管理栄養士は栄養管理や療養食の提供などの食事に関すること等 介護職はケアの内容に関わること等 介護職の専門性とは そもそも、「介護職の専門性」を個人レベルで考えなければならない時点で、その存在自体が「危ういもの」である気がします。 本当に確立したものがあるのならば、介護職全員が声を大にして同じ答えが出せるはずです
ヒヤっとするようなニュースが流れてきました。 「特養の職員が、入所者の男性に他入所者の薬を飲ませてしまいお亡くなりになった」というニュースです。 「薬を間違える」というミスは重大インシデントのひとつです。 ましてや、介助で飲ませているわけですし、その入所者がお亡くなりになってしてしまったとなると更に重大です。 ですから絶対にあってはならないことになるのですが、同業者としては他人事のようには思えず、思わずニュースを見ながら「ヒヤっと」してしまいました。 今回は「介護施設での服薬ミスの恐怖」について介護職員としての目線で記事を書きたいと思います。 ニュース概要 特養ホームで男性死亡 職員が別入所者の薬誤飲させる 東京・足立区 東京都足立区の特別養護老人ホームで15日、80代の男性入所者が意識不明となり、病院搬送後に死亡したことが、警視庁綾瀬署への取材で分かった。施設によると、男性には薬のアレル
どの業界でも言えることですが、雇い主と従業員の関係はまだまだ主従関係にあります。 介護業界においては尚更その風潮が強いと言えます。 その理由は 「まだまだ奉仕に属する仕事」 「働かせてやっているだけありがたいと思え」 という経営者側の考え方があるからです。 そういう風潮も大変問題だとは思いますが、もっと問題だと思うのは「そういう環境に文句も言わず泣き寝入りばかりしている職員」です。 自分が正しいと思うことさえ言えず、社会通念上や法律上で考えても「明らかにおかしい」と思うことまで甘んじて受け入れてしまっている体質があります。 そういう体質が更に経営者側の傲慢さと不埒な運営を増長させてしまっている原因ではないでしょうか。 今後はもっと従業員側の権利確保や主張をしていける環境づくりが必要だと思っています。 今回は「泣き寝入りをしてしまう介護職員にも問題があるのではないか?またその改善策はあるのか
記事の結論としては「キラキラしている理想主義者は現実が見えていない新人職員レベルの存在」で、「現実主義者は可能な限りの理想を見据えながら現実的に動ける存在」ということになります。 そして、「理想主義も兼ね備えた現実主義者は今後必要な存在である」とも書いたのですが、中には「キラキラってそんなに悪いこと?」というようなご質問を頂いたので、この記事にてご回答差し上げたいと思います。 「キラキラが悪い」とはどこにも書いていない ご質問があった記事を自分でも再度確認しましたが、私はどこにも「キラキラは悪い」「キラキラは介護現場からいなくなれ」などということは書いていません。 恐らく、記事の雰囲気や流れや結論から、「この人はキラキラは悪いことだと言っている」「自分のことを言われているのではないか」という「脳内飛躍系」のご質問だと拝察いたします。 自分も新人の頃はキラキラした理想を抱いていた時期もありま
以上のような状況のまま、新事実や進展の報道がされずまま1年半が経過しました。 そして2019年2月上旬に以下のような報道がされました。 ニュース概要 岐阜の介護施設連続死傷で元職員の男逮捕 岐阜県高山市の介護老人保健施設で2017年夏、入所者5人が相次いで死傷した事件で、県警は3日、あばら骨を折るなどして入院した90代の女性に対する傷害容疑で、元職員(33)を逮捕した。 【出典元】共同通信 「傷害容疑で逮捕」ということですから、警察は「事件と断定」したことになります。 逮捕されて終了ではないので、今後もなんらかの進展があるでしょうが、とりあえず大まかな真実が見えてきたと言えます。 違うニュースでは、被害者の次男が取材に応じています。 【独自】被害者次男「なぜこんなことできるのか」 岐阜・入所者死傷 2017年、岐阜・高山市の介護施設で入所者5人が死傷し、うち1人への傷害容疑で元職員の男が逮
「理想主義」の職員の特徴 そもそも、介護業界自体が今まで「理想ばかり」で成り立ってきた業界です。 「利用者のために身を粉にして働け」 「見返りを求めるな」 「やりがいのある奉仕の仕事」 という風潮がありました。 ですから、大体の人は「自分の中で理想を追求した時代」を経験してきています。 そういった風潮の中で、実際に介護現場で働き、現実を目の当たりにすることで「これは理想だけではやっていけない」ということを知り、辞めていったり現実主義へとシフトしていく人がいる中で、それでも理想を持ち続けて働いている人がキラキラ系と呼ばれる人達です。 こういった人達に共通しているのは「現実が見えていない」ということです。 未だ現実の介護現場を知らない新人職員然りです。 つまり、「現実を見ないまま経験年数だけ食ってしまった職員」だと言えます。 現実が見えていれば、 「出来ることと出来ないこと」 「介護職員は暴言
まずは隔離対応 利用者(入所者)がインフルエンザに罹患してしまった場合、殆どの介護施設では「隔離対応」をするかと思います。 隔離対応とは、1日中居室内で生活をしてもらい、居室外に極力ウイルスを持ち出さず他者との接触もしないような対応をすることです。 しかし、問題点が2つあります。 認知症のために意思疎通が図れない徘徊利用者の場合 介護や介助のために介護職員は接触しなければならない という問題です。 1.徘徊利用者の問題 徘徊するような利用者でなければ問題はありませんが、日常的に徘徊する利用者の場合、「自分がインフルエンザに罹患している」ということも認識できないため、高熱があろうがインフルエンザであろうが関係なく居室から出て来ます。 職員がその都度対応することになりますが、対応をするたびに利用者に接触することになり感染リスクが高くなります。 また、何度も出て来ようとするために、その利用者の対
介護施設でユニット型であれば全室個室になります。 他にも従来型個室があります。 ユニット型と従来型ではどう違うのか言えば、簡単に説明すると「ユニットという生活空間(ひとつのコミュニティ)に共有スペースが存在するのがユニット型で、病院の個室のような造りになっているのが従来型」と言えます。 病院や他の施設はどうなのかはわかりませんが、大体のユニット型特養では、個室全室に内鍵がついています。 外鍵をつけてしまうと、利用者ではない第三者(職員など)が外から鍵をかけて部屋から出れないようにしたり閉じ込めてしまうことになり「身体拘束」になってしまいます。 ですから外鍵は一切ついていませんが、内鍵がついています。 つまり、居室内にいる利用者が内側から鍵をかけれるようになっているのです。 内鍵は必要? 一般的に内鍵がついている理由としては 「他者の侵入防止」 「プライバシーの確保」 「鍵をしようがしまいが
勤続年数の長い職員の中には、昇格して主任や係長や課長になっていく人もいますが、出世や昇格をすることもなく後輩からも慕われることのないようなうだつの上がらない人もいます。 勤続年数が5年未満の職員でさえ半ば強引に介護リーダーをさせられる中、人員不足でもリーダーの声さえ掛からない「特殊な人達」の特徴を5つご紹介していきます。 特徴①「不潔」 ダメな介護職員にありがちなのが、中年の男性などで外見も雰囲気も「不潔」な人です。 それだけで周りのスタッフから忌み嫌われてしまいます。 不潔とは、外見以外にも「におい」も関係してきます。 外見や身だしなみに問題がなくても「不潔なにおい」がすれば該当します。 こういう人は忌み嫌われたまま仕事をしています。 しかし当の本人はそんなことは気にしていません。 そもそも、気にしていたら仕事を続けられません。 いやむしろ、嫌われているなんて思っていないのかもしれません
前回記事のタイトルに【介護職員も人間です】と書いていることからもわかるように、私自身は 「被害者である介護職員に同情している」 「警察が介入し殺人未遂事件として処理されていることを評価する」 「入所者から職員への加害行為が報道されたことは良いことだと思っている」 「むしろ、上記の対応は当然のこと」 というスタンスです。 もちろん、意見や考え方には色々あって、賛否両論もあるだろうとは思っていましたが、私の意見の根拠は「紛れもなく介護職員も人間だから」ということになります。 今回は、その根拠を大前提として「加害入所者を擁護する意見」と「被害職員を非難する意見」の2つについて物申したいと思います。 加害入所者を擁護する意見に物申す こういう入所者を擁護するような意見は、今までの介護業界はスタンダードだったわけですから、「正義感を振りかざしながら言い出す人がいるだろうな」とは思っていました。 意見
介護現場での珍しいニュースが流れてきました。 「グループホーム入所中の83歳の女性利用者が、入浴介助を受けている時に女性職員が着ていたパーカーの紐を引っ張り首を絞めたことで殺人未遂の疑いで逮捕された」というニュースです。 何が「珍しい」のかと言うと「利用者から職員への加害行為によって逮捕に至ったから」になります。 今まで、介護現場での事件の多くは、「職員が利用者や入所者に危害を加えた場合」が多く、反対に「利用者から職員に危害を加えた場合」のニュースは殆ど目にすることがありませんでした。 時々はそういうニュースもありましたが、利用者から職員への加害行為がニュースで流れる時には、3つの共通項がありました。 今回は「入所者が介護職員に犯罪行為を行い逮捕された事件」について記事を書きたいと思います。 利用者からの犯罪行為がニュースで報道される3つの共通項 利用者から職員への加害行為は、全国の介護事
介護施設での夜勤は殆どの場合が「ワンオペ(職員一人体制)」になります。 20名近い利用者を1人の職員で16時間も介護するのですから「平和な夜勤であって欲しい」と誰でも願うものです。 「平和な夜勤」と聞くと「暇な夜勤」と混同されそうですが、現役介護職員の私から言わせれば「微妙に違う」ので、今回記事に書きたいと思います。 ワンオペ16時間夜勤の過酷さ そもそも、職員たった一人で、利用者20名の介護をしながら16時間も勤務し続けるだけで「過酷」です。 定時の巡回だけでなく、コール対応やイレギュラーな事にも対応をします。 朝まで利用者に安全に過ごしてもらい、日勤帯の職員に引き継ぐまで気が抜けません。 慣れてくれば利用者の特徴や特性やルーティンがわかってくるので、スムーズには勤務できますが、相手は人間なのでいつも想定内であるわけではありません。 「平和な夜勤」とは? 利用者の急変や熱発などの状態の悪
介護施設で生活する入所者の多くは認知症がある確率が高いのですが、中には認知症のない「クリア」な入所者や利用者もいます。 特にショートステイや通所系の介護サービスを利用して、在宅生活を継続されている利用者の場合はクリアな利用者も多く存在します。 そういうクリアな利用者の中には、介護職員を呼ぶ時に「先生」と言う敬称で呼ぶ利用者が結構な割合でいます。 正直、私が最初にそう呼ばれた時は戸惑ってしまったのも事実です。 介護職員は何故、利用者から「先生」と呼ばれる(こともある)のでしょうか。 そして、介護職員としてはどう受け止めればいいのでしょうか。 今回は「介護職員は利用者から「先生」と呼ばれる(こともある)理由と受け止め方」について記事を書きたいと思います。 「先生」とは? まず先に「先生」についての定義を調べてみます。 先生(せんせい)とは、日本語の敬称の一つである。 使用例 一般的に先生という
介護業界は「利用者本位」という方針で、利用者の意思やニーズを尊重しています。 しかし中には 「一人でいたい」 「介護されたくない」 「ほっといて欲しい」 という利用者もいます。 「介護拒否」とも呼ばれていますが、介護サービスを提供する介護職員としては、こういった利用者とも関わっていく必要があるのです。 しかしその反面「利用者本位なのだったら、本人を尊重してケアを提供しないという選択肢もあるのでは?」という考え方ができなくもありません。 今回は「介護事業所が利用者に対して「何もケアを提供しない」という選択肢があるのか」ということについて記事を書いていきたいと思います。 「何もケアしない」という選択肢はない 結論から言ってしまいますが、介護サービスを提供する上で、「何もケアしない」という選択肢はありません。 しかし、利用者のニーズに基づいてケアを提供する以上、「介護されたくない」というニーズが
若者でもよく見聞きしますが、高齢者にも「寝れない自慢」が存在します。 寝れない自慢とは、若者の場合 「昨日は仕事が忙しくて2時間しか寝れなかった」 「忙しくて寝る間も惜しんで何かをしていた」 「朝方まで飲んでいて全然寝ていない」 というようなもので、要は 「寝ていないのに今この場に立っている俺凄い」 「寝ずに頑張っている俺って格好いい」 という趣旨と雰囲気を醸し出しアピールする言動のことになります。 ついでに言うと、それを聞かされる相手の反応や内心は 「どうでもいい」 「オレすげえアピール鬱陶しい」 という興ざめした気分なるのも特徴的です。 その「寝れない自慢」が、高齢者の話題でもよく耳にするので、「寝れない原因」も含めて、ご紹介しようと思います。 高齢者の場合、もう仕事を引退や隠居しているでしょうし忙しいということもないはずです。 ましてや施設へ入所していれば規則正しい生活となり、睡眠時
介護現場だけに限りませんが、対人援助を生業とする以上「自己覚知(じこかくち)」を常に意識しておく必要があると感じています。 今回は「他人や利用者を知る前に自分を知るという自己覚知」について記事を書きたいと思います。 自分が何者であるのか「自分を知る」 「自己覚知」とは他人を援助する前にまず「自分は何者であるのか?」「どういう価値観を持っている人間であるのか?」ということを自分自身で知っておくことになります。 私が「自分が何者であるのか?」と問われれば 「ひとりの人間」 「介護職員」 などという答えを出すでしょう。 それはそうだとして、もっとつっこんで 「どういう価値観を持っているのか」 「どういう性格なのか」 「どういう感情や意見を持ちやすいのか」 などということを自己分析していきます。 例えば、私だって苦手な上司や同僚もいれば利用者もいます。 ひと昔前なら、「上司の命令は絶対」「利用者に
2018年11月に「1か月で6人の入居者が死亡した老人ホーム」の報道がありました(その後、死亡者が7人に増える)。 その老人ホームでは、入所者が無くなる前に介護職員8人全員が退職をしていました。 当時、センセーショナルに報道され、「異常事態」「世紀末だ」「あってはならないこと」「介護現場の闇が浮き彫りになった」「また介護施設の事件だ」という世間の声も多く聞かれました。 今回は、鹿児島県の住宅型有料老人ホームで発生した介護事件について、有料老人ホームの種類の解説も交えて記事を書きたいと思います。 ※この記事は2018年11月~12月にかけて執筆したものを、2019年5月17日にリライトしたものです。 ニュース概要 ではまず最初に、2018年11月下旬に報道されたニュース記事を見ていきたいと思います。 鹿児島県鹿屋市の老人ホームで、今月までのおよそ1か月間に、入居者6人が相次いで死亡していたこ
介助全般に言えることですが、介護現場では「速さの美学」というものが存在します。 実際にはそういう美学は存在しないのですが、介護職員や事業所全体で「ケアを速く済ませられる職員は手馴れていてスムーズな対応ができる良い職員」という風潮があるのも確かです。 今回は「食事介助での速さの美学」について「利用者の尊厳は?」「喉詰めやムセ込みのリスクは?」「ベテランでも速さへの過信はまずいのでは?」ということについて記事に書きたいと思います。 「速さの美学」の背景 介護現場での「速さの美学」には一体どのような背景があるのでしょうか。 ①仕事は速い方が格好いい 介護現場に限らず、どの職業であっても仕事が速い人、テキパキとこなす人が重宝されます。 「あいつは仕事が速い」 「できるヤツだ」 などと言ってもてはやされます。 上司としても、同じ時間で多くの仕事がこなせる「出来る」部下は可愛いものです。 その延長で、
周りの人や同級生などから職業を聞かれることは誰でもあるかと思います。 「職業に貴賤は無い」という建て前上の社会なので、自分がやっている仕事に自信と誇りを持って「介護職員をやっています!」と返答できればいいのですが、介護職員をやっていると(特に男性は)なかなか言い出しにくいものを感じてしまうのも事実です。 何故、自分の職業を自信を持って言えないのでしょうか。 職業が恥ずかしいんじゃない 「介護職員」そのものが「恥ずかしい」と感じてしまう人もいるかもしれませんが、介護の仕事自体はとても価値のある職業です。 支えがないと座位が取れない利用者をベッドから起こし端座位にさせて、車椅子に移乗する介護技術は熟練の技が必要です(他にも介護の専門性は多々ありますが、私が新人の頃は端座位でのバランス感覚に苦しみました)。 長らく人材不足が叫ばれる職業ではありますが、明らかに必要とされている職業になります。 で
いつものように家のポストを覗くと、とあるチラシが入っていたのですが、そこには大きな見出しで「まずは高齢者を救える社会を作る」と書いてありました。 この見出しを見た時に、介護業界に身を置く私としては「まずは現役世代を救う必要があるだろう」と思ってしまいました。 福祉という名の業界で働いているので、「高齢者や社会的弱者を支援する」立場にあるのですが、どう考えても社会的弱者なのは「介護業界で働く現役世代」なのです。 今回は「本当に救われていく必要がある人は誰なのか」ということについて記事を書きたいと思います。 まずは若者が救われなければ高齢者を支えられない もちろん、一口に高齢者と言っても色々な環境で色々な立場で色々な状況の人がいます。 それは、若者だって同じことです。 一番怖いのは「全ての高齢者」=「社会的弱者」と決めつけてしまうことであり、現役世代が全ての高齢者を支えていかなければならないと
介護士の職業病で有名なのは「腰痛」ですが、介護士を長く続けていると「声が大きくなる」というイメージを持っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。 確かに、高齢者を相手にしていると、耳が遠い人も多いので普段の会話自体が声のボリュームを上げて話すことも多々あります。 職業柄、毎日毎日大きな声を出していると、「職場外や普段の声量も大きくなっていくのではないか?」という風に思われても仕方がないかと思います。 しかし、長らく介護職員をやってきて「そうでもないな」と思ったので記事に書きたいと思います。 声が大きい介護職員の分類 「介護職員は基本的に声が大きい」というイメージがあるかもしれませんが、私はそんなに声は大きくありません。 むしろ小さい方かと思います。 もちろん、耳の遠い利用者と意思疎通を図るために、耳元で大きな声で会話をすることもありますが、常日頃からそんなボリュームで喋ることはありませ
介護の教科書や参考書などで「全てのトラブルは不適切なケアが原因」という文言をよく見掛けます。 この文章をそのまま受け取ると 「つまりはどう足掻こうが現場で起こったトラブルは全て介護職員の責任」 ということになります。 もしそうならば「ちゃんちゃら可笑しい」理論になります。 今回は「介護現場での全てのトラブルを介護職員の責任にしようとする風潮」について物申したいと思います。 不適切なケアとは 確かに介護現場では不適切と言われるようなケア方法やケアとは言えないような対応をしている介護職員も存在します。 そういう態度の対応をしていれば、利用者ともトラブルになるでしょう。 これは誰もが理解できることです。 しかし、普通に対応をしていても、相手が認知症者だったり、権利者意識の強い利用者だったりすれば、トラブルに発展することは往々にしてあり得ます。 ここで言う「不適切なケア」とは、明らかに介護職員に落
厚労省が介護職員の処遇を改善するために「勤続10年以上の介護福祉士に月8万円支給する」という政策が2017年12月8日に閣議決定されました。 2019年10月から運用スタートとなるこの加算は、一見とても喜ばしいことに思えますが、実は相当闇深いと感じています。 問題点のひとつとして 「勤続10年以上の介護福祉士は殆ど存在しない」 「存在したとしても既に管理職などになっていて現場に殆ど出ない存在」 「現場で汗水垂らして激務をこなしている10年未満の介護士には効果が薄い政策」 という「勤続年数縛り」がありましたが、結局どうなったのでしょうか。 介護福祉士の平均勤続年数は6年と言われています。 勤続6年を境に、7年目、8年目、9年目、10年目…とその数はどんどん減っていくのです。 支給する人数が少なければ、業界全体や事業所単位で見ても改善にはならないのです。 しかし、厚労省が2018年10月31日
「うちは年収360万円も出すのに求人応募がない」 なんて嘆いている事業所を見掛けたり聞いたりしますが、正直なところ 「年収360万円じゃ誰も来るわけないでしょ」 と思うわけです。 しかもその年収は「介護福祉士資格者」であって、無資格者はもっと低くなるようです。 今回は「介護福祉士の年収が360万円では求人応募が来ない理由」について記事を書きたいと思います。 年収360万円の壁 事業所にしてみたら「360万円も支給してやる」なのかもしれませんが、介護福祉士にしてみれば「たった360万円しか支給されない」ということでしかありません。 そこにお互いの認識や考え方の違い、乖離、壁があるのです。 財源の壁 介護保険という税金で賄われている介護職員の財源には確かに限りがあります。 年収360万円も給料として貰えれば「御の字」と言われている業界です。 しかし、最近は年収400万円以上を普通に支給している
介護現場で働く介護職員が目指す、とりあえずの終着点とも言える資格は「介護福祉士国家資格」になります。 現場での実務経験が3年以上必要なのですから、せっかく介護職員として働いているなら、介護福祉士資格は取得しておきたいところです。 名称独占の資格なので、資格のステータスや難易度はそれほど高くはありませんが、「これからも福祉・介護業界で働いていこう」と考えている人は是非とも取得しておきましょう(介護業界に3年以上身を置いている人は既に取得済の人が大半でしょうが)。 そんな中、自分の周りや今まで出会ってきた人の中で「介護現場の経験が10年以上あるのに介護福祉士資格を持っていない無資格者」も何人かいました。 ※片手間で介護をやっている人やパートのままで収入増を望んでいない人は除きます。 今回は「正職員で今後も介護の仕事をやっていこうと考えていて、現場経験が10年以上あるのに介護福祉士資格を持ってい
総合事業とは 冒頭でも少し触れましたが、「新総合事業」についてもう少し詳しく解説したいと思います。 介護保険制度は長ったらしい漢字の羅列や同じことでも違う名称や呼び名があって、益々頭がこんがらがるシステムになっています。 ちなみに、総合事業は介護保険法では「介護予防・日常生活支援総合事業」として定められています。 図で表すと下記になります。 【出典】厚生労働省 恐らく、上記図を初見で見てすぐに理解できる人は少ないだろうと思います。 介護保険制度自体が「既に一般の人には理解しがたい制度となっている」というのは間違いありません。 その上で出来るだけわかりやすく解説しながら話を進めていきたいと思います。 そもそも「総合事業」と「新総合事業」との違いは? という細かいことまで気になってしまいますが、正直私もどういう使い分けをしているのかわかりません。 「新」がつくのか、つかないのか、という点です。
財源の問題 介護保険制度は文字通り介護保険で賄われています。 その財源に限りがあり、枯渇することが目に見えている状態であれば、現場職員に満足のいく収入を支給することができないのは当然です。 その状態で騙し騙し、切り詰めながら、職員の自己犠牲に頼りながら、時々繋ぎの起爆剤(各種加算や処遇改善手当や外国人介護士等)を投入しながら、なんとか首の皮一枚で繋がっているのが現状です。 つなぎ融資を繰り返す倒産寸前の会社の姿に酷似しています。 しかし介護事業は現在も「国の事業」を民間に委託したものなので、事業そのものが破綻してしまうことはないにしろ、しわ寄せが「民間企業」や「民間社福」や「現場職員」にきている時点で「破綻寸前」と言っても過言ではありません。 介護業界は不健全 そんな状況の中で、現場職員が身体と生活を犠牲にしながら継続している介護業界は絶望的な危機に陥っています。 現場職員は利用者のQOL
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