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脂質異常症とは 脂質が過剰であるなど、異常な量の脂質が血液中に含まれる場合を脂質異常症という。血液中に含まれる脂質が多いと、動脈硬化になりやすくなる。 脂質異常症にはコレステロールやトリグリセリド(TG) が関与している。これらの値が高いと脂質異常症となる。 コレステロールには悪玉コレステロール(LDL) と善玉コレステロール(HDL) が存在する。悪玉コレステロールであるLDLは肝臓から末梢へとコレステロールを運搬する。それに対し、善玉コレステロールであるHDLは末梢のコレステロールを肝臓へ戻す働きをする。 脂質異常症の治療は悪玉コレステロールのLDLを減らし、善玉コレステロールのHDLを増やすように働く。つまり、基本は「LDL↓、HDL↑」となる。しかし、後で述べるがこれには例外がある。 脂質産生とLDL・HDLの働きと脂質異常症治療薬 ・脂質産生のメカニズム 脂質異常症の治療薬を理解
薬剤師であるほど研究で身につく論理的思考が重要 大学などの研究機関で「本気で研究を行ったことのある人」はどれだけいるでしょうか。研究者を目指す人であれば、当然のように大学院へ行って研究もそれなりに行い、大学教員からも指導を受けます。 しかし、普通に生活を行っている人では「研究」をどのように行うか全く分からないと思います。 ただ残念な事に、これと同じことが薬剤師にも言えます。薬学生だった時に本当の意味で「基礎的な研究」を本気で行った事のある薬剤師はかなり少数です。 薬剤師国家試験が第一 私立大学の薬学部は「薬剤師国家試験に合格させること」が一番の目標となります。そのため、研究を本気で行わせる私立大学は少数です。「研究とは何か」という、理系学生であれば必須となるであろう「論理的思考」が完全に抜け落ちてしまっています。 社会に出た後に向上心を持って働くにしても、添付文書やその他実験データから読み
血液が固まる仕組みとしては、「血小板血栓が作られる過程」と「フィブリン血栓が作られる過程」の2パターンがある。前者が血小板によって止血などの応急処置を行う場合であり、後者はフィブリンを生成することによって、より強固な血栓を作る場合となる。 つまり、血液が固まる過程を抑制することによって血栓を防止する薬も同じように、2つの種類があると予想できる。下図のように「血小板血栓が作られる過程」と「フィブリン血栓が作られる過程」の2つに作用すれば良い。 血液が固まる過程の中でも、血小板血栓の生成を予防する薬を抗血小板薬と呼ぶ。それに対して、フィブリン血栓が作られる過程を抑制する薬を抗凝固薬と呼ぶ。 抗血小板薬と抗凝固薬 前述の通り、いわゆる血液をサラサラにする薬(血液を固まりにくくする薬)には抗血小板薬と抗凝固薬の2種類が存在する。血小板血栓とフィブリン血栓のどちらの疾患を予防したいかによって薬が使い
日々の生活を行う上で、睡眠はとても重要です。睡眠の質が悪いと、翌日まで影響を与えてしまうことがあります。ただ、夜になかなか眠れない人は多いです。このような状態を不眠症といいます。 そこで、不眠症を改善するために使用される薬としてベルソムラ(一般名:スボレキサント)があります。ベルソムラはオレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる種類の薬になります。 ベルソムラ(一般名:スボレキサント)の作用機序 眠りを制御している部位は「脳」です。朝起きてすぐの状態はぼんやりとしていますが、時間が経過すると少しずつ活発に活動するようになります。これは、脳が覚醒されていった結果です。一方、夕方に近づくにつれて少しずつ眠たくなってきます。これは、脳の活動が抑えられ、「鎮静」に向かっているためです。 これら脳の覚醒や鎮静は、特定の物質によってコントロールされています。このような物質をオレキシンといいます。オレキシンは脳で
ちょっと不思議かもしれませんが、世の中には先発医薬品が存在しない薬もあります。普通は先発医薬品があり、その後にジェネリック医薬品が発売されます。しかし、全ての薬がそうでもありません。 今回は先発医薬品が存在しない薬を紹介していきます。 この薬は先発医薬品? ジェネリック医薬品? 先発医薬品のない薬の例としては、解熱鎮痛剤として多用されるアセトアミノフェンがあります。アセトアミノフェンは成分の名前ですが、このアセトアミノフェン製剤は全てジェネリック医薬品の扱いになります。 アセトアミノフェン製剤の商品名として、カロナールが最も有名です。そのため、カロナールを先発医薬品と勘違いしてしまう人もいますが、実はカロナール自体がジェネリック医薬品なのです。 このアセトアミノフェンは1800年代から医薬品として使用されている古い薬です。そして、現在でもその作用機序は不明です。脳に作用することによって熱を
毎年、冬に流行する感染症の1つにインフルエンザが知られています。インフルエンザの感染力は強く、一人が感染するとその周辺にいる多くの人に伝染していきます。 そこで、インフルエンザを治療するために用いられる薬としてファビピラビル(商品名:アビガン)があります。ファビピラビルはRNAポリメラーゼ阻害薬と呼ばれる種類の薬になります。なお、ファビピラビルはエボラ出血熱の治療薬として用いられることもあります。 ファビピラビル(商品名:アビガン)の作用機序 インフルエンザはウイルスによって発症する感染症です。その原因ウイルスはインフルエンザウイルスと呼ばれています。 細菌とウイルスは異なります。細菌は自分で増殖する力があり、1つの生命体として機能しています。一方、ウイルスは自分の力だけで増殖できず、宿主細胞を乗っ取ることで増殖するという性質を備えています。 ウイルスはDNAまたはRNAを遺伝情報として保
薬学系も含め、生命科学分野の論文では3分の2以上で再現性が取れないという報告があります。 学術研究では論文発表を誰よりも早く行うことがある意味、使命になります。論文によって自分の成果を全世界に向けて発信し、研究成果を認めてもらわなければいけません。 ただ、何でもよいから発表するのではなく、必ず「再現性」が求められます。再現性とは、論文に書かれた手順に従えば「誰が、いつ、どこ」で行っても同じような結果が得られることを指します。 ・再現性の重要性 たまたまデータが出たのでは意味がなく、いつ行っても同じ成果が出なければいけません。しかし、生命科学分野では、この再現性がとても低いことが指摘されています。 私も学生時代は研究を行っていましたが、生体(マウスなどの動物)を扱うときは特にこの傾向が顕著に出るように思います。 論文に書かれていることと全く同じ手順を踏んでいるにも関わらず、1つも同じような結
授業中に席を立ち上がって動き回るなど、いわゆる「落ち着きのない状態」を示す疾患としてADHDがあります。ADHDは注意欠陥・多動性障害とも呼ばれます。 そこで、これら子供の落ち着きのない状態を改善するために使用される薬としてストラテラ(一般名:アトモキセチン)があります。ストラテラはノルアドレナリン再取り込み阻害薬と呼ばれる種類の薬になります。 ストラテラ(一般名:アトモキセチン)の作用機序 ADHDによる主な症状としては、集中力が続かない「不注意」や落ち着きがなく動き回る「多動」、つい思ったことがすぐ行動に表れてしまう「衝動性」の3つがあります。これらの行動は子供であれば誰でも見られますが、その症状が行き過ぎてしまうとADHDと判断されます。 発達障害の1つがADHDです。子供によって不注意が目立つ人がいれば、多動・衝動性が目立つ人もいます。両方が表れる子供もいます。そして、障害という認
先発医薬品とジェネリック医薬品は同一ではありません。ただし、中には例外もあります。本当の意味で、先発医薬品とほぼ完全に同一ということがあります。 このような医薬品として、オーソライズドジェネリック(AG)があります。この医薬品の場合、新薬メーカーがジェネリックメーカーと契約して、ジェネリックメーカーに対して特許の使用権が与えられています。 オーソライズドジェネリック(AG)とは ジェネリック医薬品の中でも、オーソライズドジェネリック(AG)とは何かと言うと、早い話「先発医薬品と全く同じ医薬品をジェネリック医薬品として発売する」という事です。 新薬は特許によって守られています。特許が切れたと言っても、それは物質特許が切れただけとなります。そのため、製剤特許や用法特許が残っていれば、同じような医薬品として発売することができません。 さらに、薬に含まれている成分は有効成分だけではありません。添加
末梢神経は「自分の意思で動かすことが可能である体性神経」と「自分の意思ではコントロールが不可能である自律神経」の二つに分けることができます。 この中でも、自律神経はさらに交感神経と副交感神経の二つに分けられます。つまり、自律神経は二つの異なる神経系によって支配されています。 なお、交感神経と副交感神経は「それぞれ反対の働きをする」と考えれば良いです。 交感神経と副交感神経の働き それでは、交感神経と副交感神経の働きについて以下で確認していきます。まずは交感神経についてです。 運動をしている時、私たちは興奮している状態となります。この時、心臓の拍動数は早くなり、汗が分泌されるようになります。 このように、体を活発に活動させる時に働く神経が交感神経です。交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれています。 闘争として相手と戦う時、体は緊張して心臓の鼓動は早くなり、血圧が上がります。相手をよく見るた
PAE(持続効果)とは、「MICの値より低い濃度になっても抗菌薬の作用が持続する作用」を指す。 通常、菌が抗菌薬に触れると増殖が抑制される。その後、抗菌薬に触れなくなると菌の増殖が開始される。ただし抗菌薬の種類によっては、抗菌薬を取り除いたとしても菌の増殖抑制効果が残っている場合もある。 つまり、一度抗菌薬に触れたことにより、この抗菌薬の濃度がゼロになったとしても菌の増殖を抑える作用が残っているのである。このような効果がPAE(持続効果)である。 これらの知識を踏まえた上で解説していくが、濃度依存性の抗菌薬では「一瞬でも良いので、どれだけ高い血中濃度になったか」が重要となる。そのため、AUC/MIC(AUCに対するMICの割合)やCmax/MIC(最高血中濃度に対するMICの割合)が重要になる。 それに対して短い持続効果(PAE)をもつ時間依存性の抗菌薬の場合、単純に「MICより高い血中濃
・抗生物質と抗菌薬 感染症の治療薬として抗生物質と抗菌薬という言葉があります。この二つは似ているようで違います。 抗生物質とは、病原微生物を殺す作用をもつ薬の中でも「微生物が作った化学物質」を指します。世界初の抗生物質であるペニシリンは青カビから発見されましたが、青カビは微生物の一つです。 カビを厳密に言うと真菌であり、菌の一種となります。微生物であるカビが作り出した病原微生物を殺す化学物質であるため、ペニシリンは抗生物質となります。 ただし、技術の進歩によって人間の手によっても病原微生物に対抗するための化学物質を創出することができるようになりました。 完全なる人工合成によって作られた病原微生物に対抗する化学物質であるため、これらの物質を抗生物質の定義である「微生物によって作られた化学物質」に当てはめることはできません。 そこで、抗菌薬と呼ばれる言葉が登場します。 現在では抗生物質や人工合
脂肪酸の分解 脂肪酸を合成する経路があるなら、その逆に脂肪酸を分解する経路も存在する。脂肪酸の分解をβ酸化と呼び、このβ酸化によってアセチルCoA、NADH、FADH2を生み出すことができる。 β酸化に関与している酵素はミトコンドリアのマトリックスに存在する。そのため、細胞質の脂肪酸はミトコンドリアに移行する必要がある。脂肪酸をミトコンドリア内に移行させるにはカルニチンが必要であり、カルニチンと脂肪酸が結合することでミトコンドリア内膜を通過することができる。 アシルCoAは一回のβ酸化によってアセチルCoA一分子を遊離する。アセチルCoAは炭素数2の分子であるため、一回のβ酸化によって炭素数が2少ないアシルCoAとなる。 なお、β位の炭素を酸化するからβ酸化と言われる。 一回のβ酸化で炭素数2の分だけ減るため炭素数が偶数の脂肪酸の場合、「脂肪酸の炭素数 ÷ 2」の数だけのアセチルCoAが生
統計学入門 関連2群の差の検定 一標本t検定 符号検定 Wilcoxon(ウィルコクソン)検定 独立2群の差の検定 F検定 (等分散の検定) 二標本t検定 Mann-Whitney (マン・ホイットニイ)検定 計数値データの検定 X2(カイ二乗)適合検定 2×2分割表、l×m分割表 独立多群、関連多群の差の検定 Bartlett(バートレット)検定 一元配置分散分析法、Kruskal-Wallis(クラスカル・ワリス)検定 (独立多群) 二元配置分散分析法、Friedman(フリードマン)検定 (関連多群) 回帰と相関 直線回帰 ピアソンの相関係数、Spearman(スピアマン)の順位相関係数 Kendall(ケンドール)の一致係数 臨床への応用 バイアス(無作為化・盲検化) コホート研究、ケースコントロール(症例対象研究) 統計分布表 分布表(t分布表・X2分布表・標準正規分布表・F分布
大量のお酒を飲み続けることにより、次第にお酒なしではいられなくなってしまう病気としてアルコール依存症があります。お酒がないとイライラしてきたり、気分が晴れなかったりします。 このようなアルコール依存症になって症状が進行すると、お酒を止めようとしても手の震えや幻覚などの離脱症状まで表れるようになってしまいます。ここまで来ると、自分の意思だけでアルコール依存症を治療するのが困難になります。 そこで、これらアルコール依存症の治療に薬が使用されることもあります。これらアルコール依存症を治療する薬の中でも、「お酒を飲みたい!」という気持ちを抑える薬としてアカンプロサート(商品名:レグテクト)があります。 アルコール依存症治療薬の種類 レグテクトが承認される以前では、アルコール依存症治療薬として抗酒薬(嫌酒薬)と呼ばれる種類の薬が使用されていました。 アルコールは肝臓の代謝酵素によってアセトアルデヒド
糖尿病 糖尿病が悪化すると、人工透析や 失明にまで陥ることがあります 高血圧 脳卒中や心筋梗塞を防ぐために、 高血圧の治療薬はとても重要です 脂質異常症(高脂血症) 動脈硬化を予防し、血栓症を防ぐ ためには脂質の理解が必要です 認知症 単なる物忘れで済ませるのではなく、 認知症は治療すべき病気です 骨粗しょう症(骨粗鬆症) 寝たきりの原因に骨折があるため、 骨粗しょう症の予防は重要です 痛風と甲状腺 痛風は激痛を伴い、甲状腺は 新陳代謝に影響を与えます アレルギー疾患 アレルギー疾患として花粉症があり、 様々な種類の薬があります 抗血栓薬 脳梗塞や心筋梗塞の予防のため、 抗血栓薬が使用されます 婦人科、生活改善 婦人科の薬や喫煙、肥満への 医薬品を載せています 肝機能改善薬 肝臓の働きは重要であり、 機能が落ちると病気に陥ります 眼疾患(点眼薬) 目の病気は失明に繋がる 可能性が大きい疾患
役に立つ薬の情報~専門薬学 | 薬・薬学・専門薬学・薬理学など サイトマップ HOME 医薬品の作用機序 くすり入門 メディア掲載実績 出版キャンペーン お問い合わせ 役に立つ薬の情報~専門薬学 > 有機化学 有機化学 原子、分子、結合の性質 電子軌道 結合と共鳴 sp3、sp2、sp混成軌道の見分け方とヒュッケル則 結合性軌道と反結合性軌道、HOMOとLUMO オクテット則と電子の流れ I効果(誘起効果) メトキシ基の電子吸引性と電子供与性 キラリティーと鏡像(光学)異性体 IUPAC命名法 ひずみ:結合角ひずみ、二面角ひずみ、立体ひずみ ヘテロ環化合物 代表的なヘテロ環化合物 核酸化学 有機化合物の合成 有機化学の反応性:アルカン・アルキンの反応性、シン付加・アンチ付加 有機化学の反応性:アルキルへの反応 芳香族化合物の反応性 ハロゲンの反応 (SN1反応とSN2反応) ハロゲンの反応
・仮説の設定 帰無仮説(H0):「行・列の度数配置に差がない」と仮定する。 対立仮説(H1):「行・列の度数配置に差がある」と仮定する。 ・確率を求める 2×2分割表では、期待度数と観測度数の偏りを下の式によって表すことができる。 2×2分割表は自由度1のX2分布に従うので、X2分布表より自由度1のX2αを求める。 ・判定 X2≦X2αのとき、P≧αとなり帰無仮説を棄却できない。 X2>X2αのとき、P<αとなり帰無仮説を棄却する。有意差あり。 ……………………………………………………………………………………………………………… 例題 抗がん剤Aを投与したとき、効果がある患者と効果のない患者がいることが分かった。さらに、それには遺伝子のある部分がZ型であるかどうかが疑われている。そこで、抗がん剤Aの効果のあるなしとその患者の遺伝子がZ型であるかどうかを調べた。抗がん剤Aが効くか効かないかに
リポタンパク質 脂質は油であるため、水に溶けることができない。そのため、脂質を血液中に溶かすための特別な輸送系が必要となる。これがリポタンパクであり、脂質はアポタンパクと結合してリポタンパクとして血中をめぐる。 リポタンパク質はリン脂質、アポタンパク質、TG(トリアシルグリセロール)、コレステロールなどで構成されている。 「悪玉コレステロール」という言葉があるが、前述の通りコレステロール単独で血中に存在するわけではないので注意が必要である。 リポタンパク質にはカイロミクロン、VLDL、LDL、HDLの主な四種類がある。これらは、それぞれのTG・コレステロールなどの含有量の比や合成される場所が異なっている。 食事として体内に入ってきたTGは消化酵素によって脂肪酸(FFA)とMAG(モノアシルグリセロール)に分解される。小腸から吸収された後はTGに戻り、キロミクロンとなって血液を通り肝臓に輸送
このように考えれば、ベンズアルデヒドやカルボカチオンの混成軌道を簡単に予測することができる。なお、ベンズアルデヒドとカルボカチオンの炭素原子は全てsp2混成軌道となる。 ただし、非共有電子対も一つの手として考える。つまり、NH3(アンモニア)やカルボアニオンはsp2混成軌道ではなく、sp3混成軌道となる。 なお、この法則にも例外がある。それは、ヒュッケル則を説明した後に述べようと思う。 ヒュッケル則 化合物が芳香族性を示すのにはある条件がいる。 ・環構成原子が全てsp2軌道 ・環中のπ電子の数が「4n+2」を満たす このように芳香族性の条件としてπ電子が「4n 2」を満たすことが挙げられ、これをヒュッケル則 (Huckel則)という。ヒュッケル則は実際にπ電子の数を数えて見れば、簡単に理解できる。それでは、ベンゼン環のπ電子の数を数えてみようと思う。 ベンゼンはπ電子を6個もつ。そのため、
利尿薬 利尿薬は利尿作用(尿を多く出す作用)によって循環血液量を減少させる。これによって、前負荷を軽減する。利尿薬には次のような薬物がある。 ・炭酸脱水酵素阻害薬 (アセタゾラミド) ・ループ利尿薬 (フロセミド) ・チアジド系利尿薬 (トリクロルメチアジド) ・抗アルドステロン薬 (スピロノラクトン) 重要なのは、「水分はNa+と共に移動する」ということである。つまり、もしNa+の再吸収量が多いなら、水の再吸収量も多くなってしまう。 Na+の再吸収を阻害すれば、その分だけ水も再吸収されにくくなる。つまり、尿量が増えるのである。これによって利尿作用を表わす。 ・炭酸脱水酵素阻害薬 炭酸脱水素酵(CA) はNa+-H+交換系に関与しており、アセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)は近位尿細管で炭酸脱水酵素を阻害する。 炭酸脱水酵素によって炭酸(H2CO3) からH+とHCO3-が遊離する。こ
認知症 認知症患者は脳の中が変化しており、これによって知能の低下が起こる。 認知症は、大脳の障害によって起こる。大脳は記憶・判断・知覚・感情などの精神活動に関係しているが、この機能が障害されてしまうため、知能にも影響してくるのである。認知症では特に、記憶に関係している海馬の萎縮が早期から起こる。 病変としては、まず最初に脳の変化が起こる。これによって物忘れが起こり、日常生活にまで支障が出てしまう。認知症の初期における特徴としては、最近の出来事(短期記憶)が障害されるが、認知症を発症する前に起きた出来事(長期記憶)は残っている点である。 ・加齢による物忘れと認知症の違い 加齢によっても物忘れが起こるが、これらの物忘れは認知症とは異なった状態をとっている。 例えば、何年ぶりかのスーツが居間に掛けられているとする。なぜ自分のスーツが出されているのかを確かめるために家族に聞いたら、「今日は孫の卒業
コホート研究とケースコントロール(症例対照研究) 臨床で行われる研究には、実際の患者に参加してもらって試験する「臨床試験」や検査データや血液サンプルの提供を受ける「観察研究」などがある。臨床試験の代表的なものには、コホート研究やケースコントロールがある。 臨床試験は「前向きか後ろ向きか」でも分けることができ、コホート研究は前向きの研究でケースコントロールは後ろ向き研究に分類される。前向き、後ろ向きの違いは未来へ向かって調べるか、過去へ向かって調べるかの違いである。 前向き:未来へ向かって調べる(ex.コホート研究) 後ろ向き:過去へ向かって調べる(ex.ケースコントロール) ・コホート研究の例 ガンと喫煙の関係性を調べたい。40~50歳の無造作に選んだ男性1000人にアンケートを取り、今までに喫煙をしたことがあるかどうかを聞いた。その後の10年間において、何らかのガンが発生したかを調査した
抗原決定基、抗原受容体 リンパ球が自己と非自己を認識できるのは抗原決定基が存在するからである。リンパ球はこの抗原決定基を認識するのである。 抗原決定基は抗原性の最小単位であり、エピトープともいう。抗原決定基=エピトープ リンパ球の中でB細胞は細胞表面にある抗原受容体で抗原決定基を認識する。B細胞の抗原受容体なのでBCR(B cell receptor)という。 B細胞では抗体分子とほとんど同じ構造のものが細胞表面に出ている。これがBCR(抗原受容体)であり、特定の抗原決定基と結合する性質がある。 BCRと抗原決定基が結合するとB細胞は活性化する。ただし、2つ以上のBCRと抗原が結合して架橋という形をとらないと活性化しない。BCRと抗原が一ヶ所で結合しても活性化は起こらない。 また、一つのB細胞は一種類の抗原受容体しかもっていない。そのため、B細胞が作る抗体も一種類である。 あらゆる抗原に対
結合性軌道と反結合性軌道 水素原子は原子単一としては存在せず、実際にはより安定なH2分子として存在する。このとき、水素原子は互いに1s軌道同士を重ねることで結合を形成している。 水素分子は電子を一つずつ出し合うことで結合を形成しているのであるが、一つ重要な事として「結合を形成するときは結合性軌道と反結合性軌道の二つの軌道ができる」ということを覚えておいてほしい。 では「結合性軌道・反結合性軌道とは何か」であるが、その名の通り結合性軌道は分子同士を結合させるようにする軌道であり、反結合性軌道とは分子同士の結合を開裂させるように働く軌道である。 「電子軌道」で記述したが、電子の存在確率は波動関数で表わされる。そして、同じ位相 (「 と 」「-と-」など同じ波) であるなら結合性軌道となり、逆位相の組み合わせ ( と-の波) であるなら反結合性軌道となる。 基本的に多くの物質はエネルギーの小さい
相転移 相には気体、液体、固体があり、それぞれ気相、液相、固相という。物質がある相から他の相に変わることを相転移という。 固体が液体に変わる現象を融解といい、このときの温度が融点である。液体が気体に変わる現象が沸騰であり、この温度が沸点である。固体が液体にならずにそのまま気体になる現象が昇華であり、このときの温度が昇華点である。 下に水と二酸化炭素の圧力と温度によるおおまかな状態を示す。 このような図を状態図という。曲線OCは蒸気圧曲線、曲線OBは融解曲線、曲線OAは昇華曲線を示している。固相、液相、気相の三相が互いに平衡となっているO点を三重点という。 凍結乾燥では物質を乾燥させたいとき、液体状態を飛ばすことで生体機能を損なわずに乾燥できる。温度を高くすることでの乾燥は、「高温による変性」などが起こる可能性がある。そこで、「温度を下げる→圧力を下げる」という作業によって物質を乾燥させるこ
Mann-Whitney検定(ノンパラメトリック法) Mann-Whitney検定は独立2群の差を検定するときのノンパラメトリックな方法である。 ・統計量Uの求め方 Mann-Whitney検定では統計量としてUを求めなければならない。統計量Uの求め方であるが、片方の群のそれぞれの点に注目して、個々の点よりも大きい他方のデータ数を数える。 上の図でサンプルAに注目すると、aより大きい値はサンプルBにはない。bより大きい値はサンプルBに2つ、cより大きい値はサンプルBに3つある。この場合、統計量Uは+3=5となる。 ただし、サンプルBに注目して個々の点よりも大きい他方のデータ数を数えてもよい。この場合の統計量Uは1+1+2=4となる。統計量Uを求めるとき、どちらに注目してもよい。(普通、注目するのは数えやすい方にする) もし、両群に同じ値があるなら「相手よりわずかに値が大きい場合」と「相手よ
私が大学の学部生の頃、熊本出身の人に「そこの『リバテープ』を取ってくれ」と言われたことがあります。そのような単語を聞いたことがなかった私は『? 』という感じでした。 よく聞いてみたら絆創膏(バンソウコウ) のことであり、救急絆創膏のことを熊本県民は「リバテープ」と呼ぶらしいのです。そして、他県民にこのことを話してみたら救急絆創膏のことを「私は『バンドエイド』と呼ぶ」と言い出しました。 「この違いはいったい何なのだ」と思って調べたら、どうやら地域によって絆創膏の呼び名が違うことが分かりました。 以下に地域ごとの呼び名を記します。 リバテープは熊本に本社を置く、リバテープ製薬が製造・販売している商品です。そのため、九州の人は救急絆創膏のこと「リバテープ」と呼ぶらしいです。 ちなみに、私は救急絆創膏のことを「カットバン」と呼びます。
心不全の症状と前負荷・後負荷 心不全には「呼吸困難・息切れ」、「易疲労感」、「低心拍による症状」、「全身うっ血による症状」などが挙げられる。低心拍では低血圧や意識障害、ショックが起こる。全身うっ血では浮腫や肝肥大が起こる。 心臓は血液を送り出すポンプの役割を果たすが、「全身に血液を送り出すとき」や「血液が戻ってくるとき」などで心臓に負担がかかる。つまり、心臓に対する負担には「心収縮のときの負荷」と「心拡張のときの負荷」の二種類がある。 心臓が拡張するということは、静脈から血液が心臓の方に戻ってくるということである。そして、静脈から多くの血液が戻れば戻るほど、その分だけ血液を受け入れないといけないので心臓に負担がかかる。このように、静脈が関わる心臓に対する負荷を前負荷という。 また心臓が収縮するということは、心臓が血液を送り出しているということになる。そして、心臓から出ていく血液が多いと、そ
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