「現職でございます。選挙戦に向かっても、公務を最優先にしていく」。都議会本会議での3選出馬表明後、小池氏は約30人の報道陣にそう語った。出馬表明や公約発表が「後出しじゃんけん」ではないかとの指摘には「(各候補予定者が)それぞれ主体的に進めるべきもの」とかわしたものの、それぞれ言葉の中に現職としての強烈な自負をのぞかせた。 新型コロナウイルス感染が続くさなかだった前回2020年の知事選では、告示直前まで立候補を表明せず感染拡大への警戒を都民に呼び掛け続けた小池氏。メディアを通じた都民への露出は多くなり、約366万票を得て圧勝した。 今回はそれとは一変し、2期目最後の都議会定例会直前に都内の首長有志などから3選出馬の要請を受け、開会日の5月29日に出馬表明する――とのシナリオを思い描いていた。現職として早期に出馬表明し、各種団体から支援を取り付けて「横綱相撲」を進めようという思惑があったとみら