能登豪雨に襲われた石川県の能登半島北部で、鳥獣被害の増加を懸念する声が上がっている。輪島市の門前町浦上地区では、記者の目の前でイノシシが畑を荒らしていた。避難せず、自宅で暮らしている高齢女性は「最初は『うり坊』が可愛いと思ったが、今では腹立たしい」と頭を抱える。 秋になり女性が自宅そばの畑で育てているのは、サツマイモやサトイモだ。イノシシはこうした作物が好物らしい。 以前は1~2頭見かける程度だった。だが、豪雨後は住民が避難して出歩く人がほとんどいないのを察しているのか、小さいイノシシも含めて集団で来るようになった。 女性が見ていることに気づいても、動じずに畑に居座っている。 「1週間ほど前から増え、多い日は7~8頭で来て作物をあさっている」 こうした状況に、輪島市の担当者はいくつかの要因を推測した。 豪雨による土砂崩れなどの影響で鳥獣の侵入を防ぐ防止柵やネットが壊れて、イノシシの侵入路が