「水は使えたんですけども、ガス、電気が止まって大変でした」「温かいものを口にすることができなかったのが一番つらかったです。ある時は、食パンを1斤買って、それを朝昼晩、お水と一緒に食事をするようなこともありました。水だけのときもありました」 奈良県生駒市で生活保護を打ち切られ、その後、2度にわたる再申請も却下されたことにより精神的苦痛を受けたとして、50代女性のAさんが国家賠償法に基づく損害賠償を求めていた訴訟で、奈良地裁は5月30日、生駒市に55万円の賠償を命じる判決を言い渡した。冒頭の証言は、昨年12月に行われた原告尋問においてAさんが法廷で語った言葉である。 保護廃止後の生活状況について、Aさんは判決後の記者会見で「食事を取れない時が多く、精神的にいろんなことを考えられない状態に陥っていました」と極限状態にあったことを語った。なぜ彼女は生活保護を打ち切られたのだろうか。 2度にわたる再