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災害への備え
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運送会社が荷主を選ぶ時代が始まっている。不採算な仕事を強要したり、ブラックな運行をしたりする荷主に対して、運送会社が反旗を翻し始めている。これは、運送会社が荷主に逆襲するチャンスなのだろうか。 「会社とトラックドライバーを守るためには、今まで取引のあった荷主であっても、取引関係を解消する覚悟が必要です」 車両台数60台ほど、中堅運送会社である八大(東京都中央区)の代表取締役 岩田享也氏は、ため息をつく。 岩田氏は数年前から「物流の2024年問題(以下、2024年問題)」を見据え、コンプライアンス違反の運行などを強いてくる荷主との取引を見直してきた。 筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)が先日、当媒体に寄稿した「いつまで荷主にナメられるのか――もはや爆発寸前、中小『運送会社』の“積年の恨み”の正体」(2024年8月3日配信)でも触れたとおり、かつて荷主にとって、運送会社は、 「すげ替えの利く
国土交通省は、深夜運行する高速バスのフルフラットシートの安全対策について検討すると発表した。運行の安全対策をまとめ、11月頃にガイドラインとして策定することで、フルフラットシート高速バスの普及促進を目指す。 高速バスは長距離移動の手段として重要な位置を占めており、新幹線など鉄道や飛行機と肩を並べる存在だ。その他の移動手段に比べて価格が安価という大きなメリットがあり、移動時間は長めだが、飛行機や新幹線の半分以下の費用で移動できる場合もある。寝台特急がほぼ廃止された現在では唯一の深夜便といってもよいだろう。 乗客はバスのリクライニングシートで寝るのだが、このようなバスに乗ったことがある人なら経験したことがあるだろうが、まともに寝られない。ほとんどの高速バスの座席は約135度までしかリクライニングしないため、乗客は中途半端な姿勢で横にならざるを得ない。一夜を過ごし、目的地に到着したときには疲労困
2024年上半期、テスラとBYDのEV販売減少が報じられたが、グローバルでのシェアも増えている。報道の「EV失速」表現は誇張されており、季節変動を無視したデータ比較が影響。冷静なデータ分析が求められる。 本連載は「ビーフという作法」という。「ビーフ」とは、ヒップホップ文化における対立や競争を意味する。1984年にウェンディーズのCMで使用されたキャッチコピー「Where’s the beef?(ビーフはどこだ?)」は、相手を挑発するために使われたが、その後、ヒップホップの世界で広く受け入れられるようになった。本連載はそれにならい、モビリティ業界に関するさまざまな問題やアプローチについて率直に議論する場を提供する。他のメディアの記事にリスペクトを払いつつ、建設的な批判を行うことで、業界全体の成長と発展に貢献することを目的としている。 ※ ※ ※ 時事ドットコムが2024年4月18日、「EV失
京葉線のダイヤ改正で上り2本を除いた通勤時間帯の快速と通勤快速が廃止され、所要時間が長くなり利便性が低下。運転士からは人員不足や混雑対策の改善を求める声があり、市民からも強い関心と意見が寄せられている。 2024年3月16日、ついに京葉線から上り2本を除いた通勤時間帯の快速と通勤快速が消えてしまった――。 快速が消えた19時台、筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)は東京駅から海浜幕張駅まで各駅停車で行ってみたが、仕事後の各駅停車で40分、快速通過駅とされる各駅には1両から 「2~3人が降りる程度」 で、悶々(もんもん)とするものがあった。これで立って毎日帰るのかと想像するとげっそりだ。 これよりもさらに遅い時間帯に都心と千葉市の間を通勤利用する筆者の母は「途中の駅で席が空いて座れるようになった」といいつつも 「だからといって通勤時間が延びるのはいいことではない」 としていた。今回はそんな
北陸新幹線のルート選定をめぐる議論は、地域的な利害や意見が複雑に絡み合っている。ここでは、小浜・京都ルートと米原ルートの論点と背景を整理し、それぞれの支持者と主張を見ていく。 京都府内の反対で北陸新幹線のルートが揺れている。各方面からさまざまな意見が出され、小浜・京都ルートから米原ルートへの転換を求める声が高まっている。特に、今回の建設費の倍増は、小浜ルートの費用対効果を0.5と半減させ、米原ルート派に追い風となりそうだ。 筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)としては、小浜~京都~松井山手間などの時間短縮効果が高い(同区間の最短3時間が30分弱、2時間半短縮される)小浜ルート推しなのだが、今、誰が米原ルートに賛成し、どのような主張を展開しているのか。少し整理してみたい。 また、米原ルートを否定するにしても、支持するにしても、少々議論が不足しているかもしれない。米原でも小浜でもない案はない
「芳賀・宇都宮LRT」は宇都宮市の発展を加速させ、開業から半年で37万人が利用、地価も上昇している。今後の成功のカギは、中心市街地の魅力を向上させ、郊外の商業施設との差別化を図ることだろう。 2023年8月に開業した次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT」は、開業からわずか半年で街の様相を一変させ始めた。JR宇都宮駅東口と芳賀・高根沢工業団地を結ぶ14.6kmの路線は、予想以上の効果を生み出している。 現状明らかになっているデータを見ると、LRTは好調だ。開業半年で利用者数は当初予測の約31万2400人を上回り、6か月目(2024年1月26~2月25日)には 「約37万人」 となっている。累計乗客数は7月2日に400万人に到達している。 不動産市場への影響も顕著だ。栃木県の公表した2023年の基準地価を見ると県内の最高価格は駅東公園前停留所近くの「宇都宮市東宿郷3の3の16」の14万9000
東京の街では、再開発や都市開発の波が急速に押し寄せ、かつての風情や独特の雰囲気を持った街並みが徐々に姿を消しつつある。多くの人々にとって、都市の発展や利便性は歓迎すべきものだが、同時に、どこか懐かしさや哀愁を感じさせる「怪しい街」へのニーズも根強い。 東京という都市は、急速な再開発と都市整備の波によって、かつての風情や独特の雰囲気を持つ街並みが次第に姿を消している。多くの人々にとって、都市の発展と便利さは歓迎されるべきことだが、一方で、どこか懐かしさや哀愁を感じる「怪しい街」の存在は、心の奥底で求められている。 こうした「怪しい街」は、単に古びた街並みや治安の悪さだけでなく、その地域特有の歴史や文化、人々の営みが交錯する場所であり、独特の魅力を持っているのだ。筆者(昼間たかし、ルポライター)の考える「怪しい街」とは、次のようなものだ。 ●昭和の面影を残す独特の街並みが広がる地域 昭和の時代
専門家は、自衛隊に熱狂するマニアを冷淡に扱う。公式情報を盲信し、細部に固執する彼らの主張は実際の軍事現場と乖離しており、戦略的な視点を欠いているからだ。 防衛省自衛隊のマニアは多い。民間の立場から軍事分野に趣味的な興味を向ける愛好家である。インターネットの普及により近年ではマニアによる軍事問題の主張も目立つようになっている。 しかし、専門家はマニアには冷淡である。 ・自衛隊の当事者 ・関連領域の研究者 ・新聞ほかの専門記者 のいずれも 「話は聞くだけ無駄」 と相手にしていない。 なぜ、専門家は軍事マニアを忌避するのか。 現実と乖離(かいり)しているからである。公式発表をうのみにし、細部にばかりこだわり、社会的制約を無視した空中楼閣の話しかできないからだ。
もう飽きられた? 四国DMV「乗客2割減」で大暗雲、駅には鉄オタたった2人だけ 牟岐線も存続危機で今後どうなる 阿佐海岸鉄道は徳島、高知の両県と沿線・近隣の地方自治体などが出資する第三セクター。海陽町の海部(かいふ)駅と東洋町の甲浦駅間8.6kmを結ぶ鉄道路線の阿佐東線を運行してきた。 しかし、沿線の急激な人口減少や少子高齢化で2010年度に年間輸送人員が3万人台に落ち込んだ。その後、利用促進で多少盛り返したものの、2019年度の輸送密度(1km当たりの1日平均輸送人員)は 「135人」 で、存廃論議が起きてもおかしくない閑散路線であることに変わりない。 このままでは“じり貧”を打開できないとして、徳島県主導で導入したのが世界初の営業運転になるDMVだ。この際、高さ8mの高架駅である海部駅では道路との接続に用地買収が必要になるため、JR四国からJR牟岐線の阿波海南~海部間1.5kmの譲渡を
横浜市民と観光客が抱く横浜のイメージには大きな違いがある。市民は日常生活を重視し観光には無関心で、観光客は有名スポットに集中。市民の38.3%が市内観光をほとんどせず、観光客との接点も少ない。横浜の多様性を誇り、日常生活の魅力を発信する必要がある。 「横浜市内在住者」と「横浜市外在住者」が抱く横浜市のイメージには、驚くほど大きな違いがある。後者は一般的に ・港や海 ・中華街 ・みなとみらい などの観光スポットをイメージしがちだが、前者にとっては ・実家のある場所 ・生活の場所 ・地元 である。より生活に根ざしたイメージだ。まぁ当たり前だ。 横浜には歴史的建造物や公園、港など、歴史を感じさせるものが数多くあることは紛れもない事実だが、そもそも市内在住者は普段、そうしたものに接しているのだろうか。
電池メーカーとして成長し、市場での地位を確立したBYD。豊富な労働力を活用して高品質な製品を低コストで提供するという戦略が、同社の急速な成長の鍵となった。 中国の電池メーカーが驚異的な成長を遂げ、世界最大の電気自動車(EV)メーカーとなった比亜迪(BYD)。その飛躍的な躍進は世界に衝撃を与えた。同社の創業者・王伝福氏は卓越した洞察力とユニークな経営手腕を発揮し、この成長を導いた。同社は、電池事業で培った「人とテクノロジーの融合」の生産方式を武器に自動車業界に参入。2005年に発売した「F3」は瞬く間に中国市場を席巻。各国の政府の後押しもあり、急成長を遂げた。本連載では、BYDの急成長の要因を分析し、その実力を明らかにしていく。 ※ ※ ※ 連載第1回となる前回の記事「進撃のBYD! 最近CMでおなじみも、創業者はどのような人物なのか? 逆境を超えた“電池王”に迫る」(2024年6月16日配
BYDの快進撃は、創業者王伝福氏の逆境を乗り越える挑戦と革新の結果である。独自の生産方式と公共交通の電動化戦略で、深セン市をはじめ多くの都市でEVタクシーとバスを普及させた。いまや技術革新で世界市場を席巻する企業へと成長している。 中国の電池メーカーが驚異的な成長を遂げ、世界最大の電気自動車(EV)メーカーとなった比亜迪(BYD)。その飛躍的な躍進は世界に衝撃を与えた。同社の創業者・王伝福氏は卓越した洞察力とユニークな経営手腕を発揮し、この成長を導いた。同社は、電池事業で培った「人とテクノロジーの融合」の生産方式を武器に自動車業界に参入。2005年に発売した「F3」は瞬く間に中国市場を席巻。各国の政府の後押しもあり、急成長を遂げた。本連載では、BYDの急成長の要因を分析し、その実力を明らかにしていく。 ※ ※ ※ 中国のEVメーカー・比亜迪(BYD)の快進撃が続いている。日本国内で各所に正
熊本県内の路線バス事業者5社は、バスと熊本電鉄電車の運賃支払い方法として、2024年内までに全国交通系ICカードの使用を廃止し、代わりにクレジットカードなどのタッチ決済を導入する方針を固めた。本当に大丈夫なのか。 バリアフリーとは、既存のバリアーを何らかの形で補うことであり、ユニバーサルデザインとは、最初から誰もが使えることを意識してモノやサービスをデザインすることである。 ユニバーサルデザインは1985年頃、自身も車いすの利用者だった米国の建築家ロナルド・メイスによって提唱された。彼は、誰もが使いやすくするためのユニバーサルデザインの7原則を提唱した。 1.公平:誰もが不利になることなく、みんなが公平に利用できること 2.柔軟:利用する上での自由度や柔軟性が高いこと 3.簡単:必要な情報が直感的にすぐ理解できること 4.理解:難しく、長い説明書等を読まなくても使い方がすぐに分かること 5
5月中旬、ホンダが中国での自動車販売減少を受けて、現地合弁工場の人員削減を行うと報じられた。広汽ホンダはEVを販売しているが、ガソリン車をどうするのか。 5月中旬、ホンダは中国での自動車販売の落ち込みを受け、現地の合弁会社の工場で希望退職を募集して、人員削減を行うと報道された。 ホンダは、中国においてふたつの会社 ・広汽ホンダ:広州汽車集団との合弁会社 ・東風ホンダ:東風汽車集団との合弁会社 で、ガソリン車を中心に生産してきた。今回人員削減の対象となったのは、広汽ホンダのほうで、工場で生産業務を行う正社員を対象とし、従業員全体の14%にあたる約1700人が応募した。ちなみに広汽ホンダは、2023年末にも900人の派遣労働者を解雇したとの報道もあり、ますます整理が進んでいる。 人員削減の背景には、中国における新エネルギー車の台頭によるガソリン車の販売の落ち込みのほか、ホンダの電気自動車(EV
東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道が乗り入れているにもかかわらず、米原駅周辺は活気がない。というか、本当に何もない。名誉挽回のチャンスのカギはどこにあるのか。 筆者(昼間たかし、ルポライター)は先日、当媒体に「滋賀「米原駅」がびっくりするほど栄えてない理由 新幹線が停まるのになぜ?」(2024年5月19日配信)という記事を書いた。「駅は利用したことがあるが、改札から一歩も出たことがない」の“米原駅あるある”がウケたのか、ヤフーニュースには1000件を超えるコメントが寄せられた。 また、「スタッフゥ~」のネタでおなじみのお笑いタレント・狩野英孝さんがなぜか同日、X(旧ツイッター)に記事を投稿してくれた(1500いいね!)。狩野さん、ありがとうございました。米原への深い愛(多分)を感じました。 さて前回の記事の反応で、滋賀県の北東部に位置する米原駅(米原市)と同市がびっくりするほど栄
飲酒運転・ひき逃げ・店舗突入が常態化した背景には、1960年代の国策がある。ノーベル経済学賞に最も近い日本人といわれた経済学者の宇沢弘文氏は著書のなかで、無秩序な自動車依存とそのコストの問題を指摘している。 飲酒運転・ひき逃げ・店舗突入が毎日のように報じられる。なぜこのような状況が常態化したのか――。一言でいえば「国策」の結果である。 日本でモータリゼーションが始まる1960年代に、ある高名な経済学者が 「できるだけ多数の国民が自動車を保有することが交通政策の理想」 だと主張して、 1.自動車税の低減 2.自動車保険の普及と低率化 3.自動車ローンの低金利策 4.高校体育実技で運転実習を行う 5.運転免許を簡単に取れるようにする 6.自動車取締法規を簡素化する などと提言している。 さらに道路がなければ自動車は機能しない。戦後すぐに衆議院議員となった田中角栄元首相(1918~1993年)が
筆者が教えている大学でも、学生が公共交通について真剣に学び、考えるようになったのは、大学や大学院に入ってからだという。これが路線バス崩壊の最大の原因ではないのか。 路線バスの「2024年問題」がクローズアップされ、2030年には路線バスドライバーが3万6000人不足するといわれている。それとともに、 ・ドライバーの離職と人手不足の原因である利用者離れ ・コロナ後、ローカルバスの99.6%が赤字という事実 もマスコミで報じられるようになった。つまり、給与を支払うための資金が極端に不足しているため、ドライバーの数を満たすことができないという、気の毒なほど厳しい経営状況が社会的に共有され始めているのだ。しかし日本では、残念ながら 「よし、路線バスを使おう」 という動きはない。 最近、筆者(西山敏樹、都市工学者)はTOD(Transit Oriented Development、公共交通指向型開発
関東の鉄道は、1列車あたりの収入を増やすために乗客を窮屈にさせている。筆者は最近関西地方を訪れ、そうではないことを思い知らされた。なぜか。 昔から関東の鉄道を利用している人なら、「通勤電車の座席の座り心地が悪い」とか、「ひとりあたりの座席スペースが狭い」とか、特に気にならない人も多いだろう。 特にJR東日本の209系が登場してからは、乗客は座る場所をきっちり決められ、スペースにぴたっと体を収めなければいけない傾向が強まってきた。 昔のように、7人分のスペースに6人が適当に間を空けて座るということはできなくなっている。もっとも、立っている人がこのように座っている人を見ると怒りたくなるので、今のような形になったのかもしれない。 しかし、関東の通勤電車の座席は快適とはほど遠い。座席は決して広くはなく、わりと硬めだ。多くの場合、隣の人と体を触れ合わせなければならない。
長年、恋愛婚活コンサルタントを務め、大手結婚相談所や行政機関で婚活セミナー講師を行ってきた筆者によると、男性の鉄道オタクは「壊滅的」にモテないという。いったいなぜか。 オタクは市民権を得て、もはや隠すものではなくなった。女性の場合、漫画やアニメ、ゲームといった“サブカル趣味”をアピールするほうが人気が出るほどだ。 しかし、すべてのオタクが恋愛市場で輝いているわけではない。大変申し訳ないが、男性の鉄道オタクは 「壊滅的」 にモテない。なお、女性の鉄道オタクは問題ではない。鉄道オタクは圧倒的に男性が多いので、女性が鉄道オタクなら申し込みが殺到する。 しかし、長年、恋愛婚活コンサルタントを務め、大手結婚相談所や行政機関で婚活セミナー講師を行ってきた私(菊乃)から見ると、男性の鉄道オタクは恋活・婚活市場において 「需要がない」 のである。 というわけで、本稿では「壊滅的にモテない」「恋活・婚活市場
東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道が乗り入れているにもかかわらず、米原駅周辺は活気がない。というか、本当に何もない。なぜなのか。 滋賀県の北東部に位置する米原駅――。 同駅には東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道が乗り入れているにもかかわらず、駅周辺は活気がない。というか、本当に何もない。 「駅は利用したことがあるが、改札から一歩も出たことがない」 という人も多いだろう。もはや“米原駅あるある”である。同駅がなぜこれほどまでに繁栄から取り残されているのか、今回改めて考えてみた。 東西分断と乗り換え利便性米原駅の位置(画像:OpenStreetMap) 米原が鉄道の要衝となったのは、1889(明治22)年の東海道本線開通と、その後の北陸線の分岐点となったことに始まる。こうした事情から、駅周辺には鉄道施設が数多く設置され、大正から昭和初期には「鉄道の町」として発展。1964(
日本を含む東アジアでは、LCCの普及率が世界標準を下回り続けている。大都市が多く、国土も広く、航空インフラもある程度整っているにもかかわらず、なぜ伸び悩んでいるのか。 機内食や手荷物などの有料化、座席数の増加などで、LCCは大手航空会社の半額以下に迫る圧倒的な低価格を実現し、市民権を得た。 1980年代以降、航空業界の自由化が進むにつれ、LCCは世界中でシェアを拡大してきた。現在では、 ・サウスウエスト航空(米国) ・ライアンエアー、イージージェット(欧州) ・エアアジア、ライオンエア(東南アジア) など、ある程度の航空インフラが整っている国ではすでに大きなシェアを獲得しているところもある。しかし、日本を含む東アジアでは、その普及率は世界標準を下回り続けている。 大都市が多く、国土も広く、航空インフラも一定水準あるにもかかわらず、なぜLCCが伸び悩んでいるのか。その理由を本稿で説明しよう。
BYDは2024年2月、「ガソリン車より安い電気自動車」をスローガンに、新エネルギー車の低価格戦略を発表した。なぜBYDだけがこれほど車両価格を安くできるのか。 中国EV最大手の比亜迪(BYD)は、2024年2月に「ガソリン車よりも安い電気自動車」というスローガンを掲げ、新エネルギー車の低価格戦略を発表した。 2024年モデルにてバッテリー式電気自動車(BEV)「秦PLUS EV」が10万9800元(約230万円)から、プラグインハイブリッド車(PHEV)「秦 PLUS DM-i栄耀エディション」は7万9800元(約165万円)からである。この低価格戦略に対して、外資系や地場の自動車メーカーも、やむを得ず追随して価格を下げざるをえなくなった。 それにしても、自動車関係者であれば、なぜこれほど価格を下げることができたのだろうか、と疑問に思うであろう。特に新エネ車開発に携わっていた人ならばなお
かつて福岡県の筑豊地方には多くの炭鉱会社があった。その従業員のなかに「スカブラ」と呼ばれる、従業員同士の“潤滑油”のような役割を果たす人たちがいた。現代社会は「スカブラ」から何を学べるか。 かつて、福岡県の筑豊(ちくほう)エリアに炭鉱が多く存在した。 「北部九州を縦貫する遠賀川流域は、かつて我が国最大の産炭地だった筑豊炭田と呼ばれ、膨大な量の石炭を供給することで日本の近代化と戦後復興に大きな貢献を果たした。しかし、1960年代の石炭産業の斜陽化にともなって筑豊地域の炭鉱は次々と閉山し、昭和51年(1976)の貝島大之浦露天掘炭砿の閉山によって、筑豊炭田は終焉を迎えた」(飯塚市の資料より) 当時、たくさんあった炭鉱会社で「スカブラ」と呼ばれている労働者がいた。語源は ・仕事が好かんとぶらぶらしている ・スカしてぶらぶらしている ・スカッとしている などと定かではない。 彼らは、炭鉱に降りても
地中海と紅海を結ぶスエズ運河は、世界の物流の10%が流れる大動脈である。しかし、このような状況にもかかわらず、世界の海運は平常レベルを保っている。なぜだろうか。 スエズ運河の迂回が始まってからすでに100日以上が経過した。フーシ派が紅海南端にあるマンデブ海峡で船舶を狙うミサイル戦争を始めたのは2023年の末である。以降、商船はスエズ運河ルートを避けて、アフリカ大陸の最南西端に位置する喜望峰を遠回りする経路に切り替えている。 しかし、影響は限定的となっている。スエズ運河は世界物流の1割が通過する大動脈であり、その不通は世界経済を揺るがすといわれている。しかし、その事態に至ったにもかかわらず世界の海運は平時のままである。海上運賃も平時変動の範囲にとどまっている。 それはなぜだろうか。 それは、実際のところ、スエズ運河は 「死活的な価値を持っていない」 からである。そのため、喜望峰廻りとなっても
なぜガソリンスタンドは減り続けるのか。経済産業省が発表したデータによると、2022年度末のガソリンスタンド数は2万7963か所で、ピークだった1994年度末の6万0421か所の半分以下になるという。 今や、全国でガソリンスタンドが「3か所以下」の市町村は343市町村。さらに、10市町村では「ゼロ」になっている。2016年の経済産業省の調査では「最寄りSS(サービスステーション)までの道路距離が15km以上離れている住民が所在する市町村」の調査は302か所となっているが、現在はその数はもっと増加していると考えられる。 4月24日に民間組織「人口戦略会議」が公表した「消滅可能性自治体」は、にわかに注目を集めた。この分析では全国で744の市町村が2020年から50年の30年間で、子どもを産む中心の世代となる20~39歳の女性が半数以下に減少し「消滅可能性」があるとされた。 この消滅可能性自治体の
ローカル線の廃止は、地域の衰退や利便性の低下につながりかねない。鉄道には単なる輸送手段以上の価値があり、収益性だけでなく多様性という観点からも議論されるべきである。 この記事は「ローカル線」がテーマである。しかし実は大都市圏の利用者にも無関係ではない。2024年3月のJR東日本のダイヤ改正で京葉線の通勤時の快速列車が廃止され、沿線の利用者から強い抗議が寄せられたことは記憶に新しい。 大都市圏でも「みどりの窓口(有人窓口)」が次々と減らされている。代わって ・電子チケット ・指定席(多機能)券売機 ・オペレーターと話せる対話型券売機 などが増えているが、利便性をアピールしているものの鉄道好きの筆者(上岡直見、交通専門家)でさえ使いにくくて困惑する。利用者のニーズを無視して、JR側の都合だけで機能を限定したシステムになっているからである。 筆者は東京から在来線で約2時間ほどの町に時折行く用件が
コロナ禍以来、特別区と武三地域のドライバーの数はかなり増えたはずだ。しかし、世間やメディアの認識は「タクシー不足」である。これは本当なのだろうか。 4月8日、「日本版ライドシェア」が特別区・武三地区(東京23区 + 武蔵野市 + 三鷹市)から解禁された。サービスは今後各地で続々と展開される予定だが、タクシードライバーになるにはタクシー事業者への登録が必要である。 タクシー不足は地方では確かに深刻だが、特別区・武三地区では実際どうなのか。そして、ドライバー自身はこの状況をどう感じているのか。 コロナ禍などの影響で、多くのドライバーがタクシー業界を去った。しかし、状況が落ち着いた現在、 「タクシードライバーは儲かる」 という情報がネット上を飛び交い、業界の門を叩く人が増えている。筆者(二階堂運人、物流ライター)は現役ドライバーでもあるが、ある大手タクシー会社では、1か月で100人近い新規採用者
「常識的な隊員も多いのに」 陸自“大東亜戦争”SNS投稿を生み出した3つの組織病理、元中級幹部自衛官が解説する 自衛隊の行動が問題視されている。陸上自衛隊32普通科連隊がSNS上で「大東亜戦争」の用語を使用した。陸上幕僚監部(陸幕)や海上自衛隊練習艦隊が靖国神社に昇殿参拝した事例である。 世間からすれば理解しがたい事態である。「政府機関」である自衛隊が侵略戦争を肯定し軍国主義を支持する行動を取ったためである。 なぜ、自衛隊はこのような振る舞いをしたのだろうか。 単に「教養が欠如している」ためである。そこに高尚な“思想”というほどのものはない。 「右派は正しい」という認識靖国神社(画像:写真AC) では、どのように欠如しているのだろうか。 ひとつ目は、「ライト・イズ・ライト(右派は正しい)」である。 自衛隊には「右派っぽいことをいっておけばよい」の雰囲気がある。 ・中国や北朝鮮、韓国への批判
京阪ホールディングスは、大阪市内を走る京阪中之島線の延伸決定を延期した。同社は、2030年に夢洲に開業予定の統合型リゾート(IR)の先行きが不透明であることを理由に挙げている。 京阪ホールディングス(HD)は大阪市を走る京阪中之島線延伸について判断を先送りした。夢洲で2030年に開業を予定する統合型リゾート(IR)の先行きが不透明なためとしている。東西3km、南北最大300mの細長い形で堂島川と土佐堀川の間に位置する大阪市北区の中之島。 大阪市役所、日本銀行大阪支店、大阪府立国際会議場などが並ぶ都心部の一角だが、この地下を東西に鉄道が走る。2008(平成20)年に開業した京阪電鉄の中之島線だ。 中之島線は北区の中之島駅から中央区の天満橋駅を結ぶ3km。駅は五つで、うち 「4駅」 が中之島にある。島内4駅で最も東に位置する北区のなにわ橋駅から中之島駅行きの電車に乗った。通勤時間でないからか、
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