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コーヒー沼
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加藤和彦という人は果たして、知性の人なのか、感性の人なのか? 今井裕が語る音楽家・加藤和彦 「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」、「音響ハウス Melody-Go-Round」などのドキュメンタリー作品を手掛けた相原裕美監督の作品、「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」をいち早く見せてもらった。以前から高橋幸宏の提案で、加藤和彦のドキュメンタリーを作っているらしい、ということは聞いていたが、60年代から加藤和彦の音楽作品の数々を聞いてきた人間にとって、あの多才な加藤和彦を映画にまとめるのは至難の業となるだろう、と危惧していた。しかし、完成した作品は、高橋幸宏を筆頭に、北山修、松山猛から、小原礼、高中正義、つのだ☆ひろなどのバンドメンバー、坂本龍一、清水信之などのミュージシャン、クリス・トーマスや元マネージャー、レコード会社スタッフなど、各時代の関係者や友人たちの証言をもとに、
今、じわじわと再注目されつつあるCDという媒体。直撃世代のミュージシャン/ライターであるKotetsu ShoichiroがCDを掘り下げる連載〈CD再生委員会〉の第2回は、Kotetsuの音楽仲間でもあるtofubeatsさんへのインタビューです。 *Mikiki編集部 ★連載〈CD再生委員会〉の記事一覧はこちら CDみたいに傷ついて飛んだ記憶(shing02“殴雨”)……。CDについての連載を始めた所、第1回から各方面より様々なリアクションをいただいております。まるでいつの間にか忘れていた記憶の扉が開いたかのように……! さて今回は、新作EP『NOBODY』をリリースしたばかりのtofubeatsさんをゲストに迎えます! ワタクシと同じく90年生まれのCDど真ん中世代、CDというテーマに絞ったインタビューは珍しくもかなりマニアックな内容になると思います! 新作のテーマだという〈J-CL
ジンジャー・ルート(Ginger Root)4年ぶりのアルバムは『SHINBANGUMI』 テレビ局をクビになり起業する物語を描く ジンジャー・ルートがニューアルバム『SHINBANGUMI』を2024年9月13日(金)にリリースする。 米南カリフォルニア出身のマルチインストゥルメンタリスト、プロデューサー、ソングライター、ビジュアルアーティスト、キャメロン・ルー(Cameron Lew)によるプロジェクトのジンジャー・ルート。〈アグレッシブエレベーターソウル〉と自ら呼ぶ音楽性のEP『Spotlight People』を2017年にリリースして以来、YouTubeでのカバー動画、映画のセットで働いた経験から生み出されるこだわりのミュージックビデオを発信し、ハンドメイドでありながらも洗練されたシンセポップや、オルタナティブディスコ、ブギー、ソウル、シティポップにインスパイアされたサウンドを作
躍動する肉体を通して己の精神を表現する強靭な〈ダンス・アルバム〉――ジャズをプログレッシヴに革新してきたカリスマが、豪華なゲスト陣を招聘した恐れ知らずの新作で見据える新たな地平とは? 強いリズムに包まれるような 21世紀のもっとも重要なジャズ・サックス奏者のひとりであるカマシ・ワシントン。2018年の『Heaven And Earth』以降は、ミシェル・オバマの伝記映画「Becoming」のサントラや、ロバート・グラスパーやテラス・マーティンらとのディナー・パーティーで2枚のアルバムを手掛け、そして6年ぶりのニュー・アルバム『Fearless Movement』と共に帰ってきた。サンダーキャット、テラス・マーティン、ブランドン・コールマンら旧知の仲間に加え、アウトキャストのアンドレ3000、BJ・ザ・シカゴ・キッド、Dスモーク、コースト・コントラのタジとラス・オースティンなど、ヒップホップ
世界的なレコードブームがますます加熱する一方、じわじわと再注目されている媒体がCD。国内外のメディアでもCDリバイバルが語られる今、〈CD集めが趣味〉なんて若い方も増えてきているようです。そんな状況を受けて、CD直撃世代のミュージシャン/ライターであるKotetsu Shoichiroによる〈CD再生委員会〉が発足。CDの魅力や文化をコラムやインタビューで掘り下げる連載がスタートです! *Mikiki編集部 普通の人はCDなんてもう買わなくなった? いや~やっぱりレコードっていいですよね! なんか黒いしデカいしオシャレだし。「POPEYE」を全号持ってるシティボーイならレコードですよ。あとカセットもいいですよね、振るとカタカタいうし。まあでも一番音楽聴いてるのはサブスク、あとYouTubeですね~ってちょっと待って下さいよ! あっ、Kotetsu Shoichiroですけど。音楽を作ったり
日本におけるソウルミュージック研究の第一人者、鈴木啓志が10年ぶりに書き下ろした「メンフィス・アンリミテッド――暴かれる南部ソウルの真実」。米南部ディープソウルの中心、メンフィスソウルの奥深い世界を解き明かした一冊だ。そんな本書について、音楽ブロガーのアボかどがヒップホップ視点で綴った。というのも、同地はヒップホップにおける重要な場所でもあるからだ。メンフィスソウルからメンフィスラップへ、音楽の豊かな系譜を追う。 *Mikiki編集部 優れた奏者が集まったメンフィスソウルの魅力 メンフィスという地の魅力は奥深い。メンフィスブルース、メンフィスソウル、メンフィスラップ……と、地名を冠した音楽をいくつも生み出したこの地は、アメリカの音楽史における最も重要な地と言えるだろう。現代のヒップホップにおいても、先日新たなミックステープ『Ehhthang Ehhthang』をリリースしたグロリラや、サン
〈ビヨンセに会えた〉という人生最高の成功体験 ――ありがとうございます。改めて、今回はサイン会に行くことができて本当によかったですね。 「行かれた方はみんな言っているんですけど、もういつ死んでもいいですね(笑)。私はビヨンセが好きで去年ライブを観に行ったことも同僚とかに話しているんですけど、サイン会の後で会社のお客さんと会った時にもビヨンセの話をされたんですよ。〈ビヨンセがサイン会をしたらしいですね。僕の妻も好きだからずっとその話をしていたんですけど、行かれましたか?〉って。〈あの時ね、仕事を仮病使って抜けたりとか、色々と予定を調整して行かれた方もいるみたいですね〉と言われて、〈……それはSNSで回ってきたやつですかね?〉〈そうですね。結構リツイート数も多かったです〉〈……それは私めでございます〉ってやりとりもありました(笑)。 今日のお昼に予定していたお客さんとの数億円の契約締結のアポイ
ビヨンセのサイン会……? 2024年3月29日、日本のビヨンセファン、R&Bファン、音楽ファンはその現実感のない言葉に釘付けとなった。ビヨンセが新作アルバム『COWBOY CARTER』のリリース日、突如来日してタワーレコード渋谷店にてサイン会を行ったのだ。 サイン会ではビヨンセの真摯な対応も話題となったが、参加したファンがSNSで発信する姿にも注目が集まった。中でもX(旧Twitter)で大きなバズを巻き起こしたのが、仕事の予定を変更してサイン会に駆け付けたBEYONCE JPNさんだ。その当日の一連の投稿には、熱心なファンの興奮が詰まっていた。そこで今回はその喜びを分かち合うべく、BEYONCE JPNさんに取材を依頼。サイン会の様子やビヨンセの魅力を聞いた。 〈やったるで!〉なディーバマインドに共感 ――ビヨンセを好きになったきっかけはどういうものでしたか? 「ビヨンセをちゃんと認識
亀川千代が2024年4月7日に死去した。 亀川千代が亡くなったことは本日4月9日、ギタリストの田畑満によって発表された。亀川の家族のコメントによると、以前から病気の療養中だったという。54歳だった。 悲しいお知らせです 亀川千代君が先日4月7日にお亡くなりになられました 亀ちゃん 一緒に音楽ができて本当に嬉しかった 今まで本当にありがとう また会おうね 御家族には静かに過ごしていただきたいので どうかご配慮をよろしくお願いいたします 田畑 満 pic.twitter.com/1YTiLcSMIo — Tabatamitsuru (@Tabatamitsuru) April 9, 2024 亀川は、69年生まれのベーシスト。リーダーの坂本慎太郎らによって89年に結成されたバンド、ゆらゆら帝国に加入し、98年に同バンドでメジャーデビューを果たした。ゆらゆら帝国は、97年に加入したドラマーの柴田
音楽的な革命が起こっていた1990年代という時代を振り返る機運が高まっている。2023年末に掲載した〈93年の洋楽名盤〉〈93年の邦楽/J-POP名曲〉の2記事が好評だったこともあり、今年2024年は30年前の1994年を現在の視点から捉え直すために、Mikikiは〈94年の音楽〉と題して今年限定の連載を展開する。第1回は同年にリリースされた名盤、TLCの『CrazySexyCool』について。 *Mikiki編集部 90年代を象徴する“Waterfalls”と『CrazySexyCool』 95年を舞台にした映画「キャプテン・マーベル」(2019年)で、TLCの“Waterfalls”がかかる。キャロル・ダンヴァース(ブリー・ラーソン)とニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が車に乗っている場面で、“Waterfalls”のスムーズ&メロウなビート、ワウギター、エレクトリックピ
雑誌「ユリイカ」の特集号が刊行されるなど、注目を集めるシンガーソングライター柴田聡子が7作目のアルバム『Your Favorite Things』を発表、リリース直後から高い評価を受けている。岡田拓郎が共同プロデュースし、変化と深化が聴ける本作の音楽面について、音楽ブロガーのアボかどが寄稿してくれた。 *Mikiki編集部 R&B文脈の中のネオシティポップ 3月29日に刊行される2010年代以降のR&Bの潮流を追う書籍「オルタナティヴR&Bディスクガイド」は、R&Bという音楽の偉大さを改めて感じることができる一冊だ。この10数年、R&Bは隣接ジャンルであるヒップホップはもちろん、ベッドルームポップやK-POPなどにも影響を与えてきた。シティポップリバイバルもそれと全く無関係ではないだろう。 そして2024年、また一枚R&Bの影響を感じさせる傑作が生まれた。柴田聡子の『Your Favori
坂本龍一と福岡伸一が出演したNHK Eテレ「スイッチインタビュー」が、2024年3月9日(土)に特別アンコール放送される。 「スイッチインタビュー」は、異なる分野で活躍する2人の〈達人〉が登場し、ゲストとインタビュアーを〈スイッチ〉しながら、成功への道筋や独自の哲学を語り合う番組。それぞれの〈素顔〉が見えるだけでなく、通常のインタビュー番組にはない〈化学反応〉が醍醐味のクロストークが展開する。 今回、特別アンコールが決まったのは、昨年3月に逝去した音楽家の坂本龍一と生物学者の福岡伸一が対談した、2017年6月の放送回。共にニューヨークで活動し、長年親交があった〈教授〉と〈ハカセ〉が同地で繰り広げた貴重なトークの模様が特別編集版で届けられる。 まず「EP1」では、坂本が当時、街の騒音などのノイズを取り込み、秩序だった既製の音楽とは異なる楽曲に挑んでいたアルバム『async』についてのトークや
リリース毎に異なる表情を見せてきたシンガー・ソングライターが今回めざした場所は? 手繰り寄せられた新しいグルーヴ、新しい声――この歌はきっと君のお気に入りになる! ギターの弾き語りを出発点にして、作品ごとに新境地を切り拓いてきた柴田聡子。特にバンドと一緒にやるようになってからは進化が加速しているが、今回のニュー・アルバム『Your Favorite Things』はもっとも驚異的な跳躍を見せたアルバムだ。前作『ぼちぼち銀河』(2022年)で垣間見せたブラック・ミュージックへのアプローチを追求しつつ、またしても新しい世界を生み出している。 「『ぼちぼち銀河』を作っている頃から、自分は10代の頃からR&Bやブラック・ミュージックに接して育ってきたんだなって改めて感じていたんです。デスティニーズ・チャイルドとかデビューした頃から聴いてたんですよね。ただ、自分には合わないスタイルだな、と思っていて
はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日本語ロックの礎を築いた本邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松本と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。第3回に続く最終回は、4人の〈永遠のフレンドシップ〉について。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえんど』
はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日本語ロックの礎を築いた本邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松本と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。第2回に続く今回は、解散と『HAPPY END』の制作などについて。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえ
大きな足跡をメディア・アートに残した、坂本龍一の創造性の渦に触れる おおきな足跡を残したアーティストの全体像を把握するのは容易ではない。長年にわたって多分野の領域を横断し続けた作家だと、簡単に俯瞰するのは不可能に近い。とりわけ、坂本龍一の場合、その追悼は首尾よく行われ一旦の区切りがついたという感じがまだしない。これは21世紀初頭が商業音楽サイドから見れば産業構造に抜本的な変化が見られ過去と切断された時期でもあったし、彼が病から復帰したあと、新たな音楽の領域に身を置きながら亡くなるまで精力的に活動していたことも大きいのだろう。 21世紀になってからの坂本龍一の創造力の中心にメディア・アートがあったことはもう少し語られて良いかもしれない。現在東京の初台ICCで開催中の〈坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア〉は、そんな彼のアートの分野での業績を俯瞰した展示となっている。本人による演奏デ
2024年1月26日にリリースされたミーガン・ザ・スタリオンの新曲“HISS”が話題になっている。大ヒット中かつ批評的に高い評価も得ているが、特に注目されているのが先輩ニッキー・ミナージュとのビーフだ。ニッキーがすぐさまアンサーソング“Big Foot”を29日にリリースしただけではなく、ファンダムの過激な行動が問題化、一大騒動に発展している。今、USヒップホップ界を牽引する女性ラッパー2人の間に何が起こっているのか? アメリカのポップカルチャーをウォッチしつづけている辰巳JUNKに解説してもらった。 *Mikiki編集部 気鋭ラッパーとヒップホップ女王が不仲になるまで 2024年2月、グラミー賞をよそに、アメリカの音楽ファンはラップビーフをめぐって大騒ぎになっていた。女性ラッパーのリード曲として初めて世界・全米両方のBillboardチャートで初登場首位を成し遂げたミーガン・ザ・スタリオ
高中正義の76年作『SEYCHELLES』収録曲“トーキョーレギー”。同作はサディスティック・ミカ・バンドとサディスティックスを経た高中のソロデビューアルバム。『ALL OF ME』は76~78年のベストアルバムで、“トーキョーレギー”も収録している UKのクラブやDJ、ラジオに愛されたJフュージョン けれど……実をいうと、フュージョンは当初からカッコよかったのですよ。日本ではあまり知られていませんが、70年代末から80年代前半にかけて、ロンドンを中心とするイギリスのクラブシーンで日本のフュージョンはリアルタイムで人気を得ていました。当時のイギリスでは、ジャズファンクやフュージョンで踊りまくる〈ジャズダンス〉と呼ばれるムーブメントが盛り上がっていたのですが、そこで、日本産のフュージョンやジャズが盛んにスピンされていたんですね。 このあたり、深堀りしだすとキリがないので、簡単に触れるに留めま
“Bling-Bang-Bang-Born”に備わる強度とオリジナリティ R-指定とDJ松永によるヒップホップユニット、Creepy Nutsの“Bling-Bang-Bang-Born”が、日本だけでなく世界的なバイラルヒットを巻き起こしている。その要因になっているのが、アニメ作品とのタイアップ効果だ。 今年1月より放送がスタートしたTVアニメ「マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編」のオープニング主題歌となる本楽曲。そのオープニングアニメ内で主人公のマッシュ(・バーンデッド)が踊る動きをマネた、通称〈BBBBダンス〉にチャレンジする動画がTikTokを中心に世界中でブームとなり、それらの流行に紐づく形で、世界各地の配信チャートやストリーミングランキングを席巻しているのだ。 とはいえ、アニメの力だけでは、ここまで大きなムーブメントにはそうそうなり得ない。年間300本前後のアニ
はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日本語ロックの礎を築いた本邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松本と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。第1回に続く今回は、名盤『風街ろまん』にまつわる秘話が明かされた。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえん
俺は知ってる 全部全部知ってる――バンドを続け、向井秀徳が出した答えとは? 12年ぶりのニュー・アルバム『らんど』は、この男の生き様が凝縮された一枚だ!! MIYAの加入がすべての始まり ZAZEN BOYSの12年ぶりとなる新作『らんど』が遂に完成した。2017年に吉田一郎が脱退するも、翌年に385のMIYAを新メンバーに迎え、新体制での活動を開始。向井秀徳は2019年にNUMBER GIRLを再始動させていたが、並行してZAZEN BOYSとしてもライヴを重ね、磨き抜かれた13曲を収録したアルバムへと結実させた。 「NUMBER GIRLを再結成しようと思ったきっかけのひとつが、ZAZEN BOYSにMIYAが加入したことだったんです。MIYAが入って、新しい風が吹いたんですね。そこで私はすごく盛り上がりまして、この風に乗っかって、ババッと新作を作り、さらにはNUMBER GIRLを再
はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日本語ロックの礎を築いた本邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松本と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえんど』『風街ろまん』のアナログ盤だが、2024年1月下旬から再プレス
2023年は、音楽やエンターテインメントの世界で活躍したたくさんの偉大な方々がこの世を去り、多くの人々が悲しみに暮れた年でもありました。そんな一年の締め括りに、Mikikiは故人の偉業を邦楽編と洋楽編に分けて伝えています。 中でもYMOのメンバーだった高橋幸宏さんと坂本龍一さんが相次いで逝去したことは、国内外に大きな衝撃を与えた出来事で、傷が未だに癒えていないファンも多いことでしょう。 〈教授〉の相性で親しまれた坂本さんが3月28日に亡くなってから、早9か月。ピアニストとして、ソロアーティストとして、YMOのメンバーとして、映画音楽家として、作曲家として、プロデューサーとして……。坂本さんが遺した多面的かつ膨大な作品や仕事の数々は、そう簡単に総括できるものではありません。 そんな坂本さんの存在や遺産を、ユキヒロさんの記事と同様、タワーレコード各店舗のスタッフに個人的な視点から振り返ってもら
2023年も残りわずかとなりました。今年は、音楽史に大きな足跡を残したミュージシャンやアーティストが数多く旅立ち、特に大きな衝撃とともに深い悲しみに暮れるような訃報が多かった年だったと言えるのではないでしょうか。そんな2023年の振り返りの一環として、彼らの功績をたたえ、後世に残されたマスターピースを振り返ってみましょう。洋楽編は別の記事で掲載し、こちらでは邦楽編として国内のアーティストを取り上げました。 ★2023年末特別企画の記事一覧はこちら チバユウスケ 68年7月10日生まれ、神奈川県藤沢市出身のミュージシャン。 大学在学中にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを結成。モッズスーツを纏い、70年代のパンクやブルース、R&Bから影響を受けたパブロック/ガレージロックの流れを汲むロックンロールの音楽性で注目を集め、96年にシングル“世界の終わり”でメジャーデビュー。 そ
はっぴいえんど カタログ再発記念スペシャルトークイヴェント タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO 出演:松本隆/鈴木茂、安田謙一(司会) きみを燃やしてしまうかもしれません、の永久機関盤。 イヴェント取材後、渋谷マークシティの上りエスカレーターに揺られる。溢れかえる下り集団の他民族率に驚いた刹那、無意識の隧道を抜けて“浮かぶ驛の沈むホームに”の詞が唇のレール上を通過して行った。最新リマスターCD発売記念トークイヴェントに登壇した二人(松本隆/鈴木茂)の談話が、千切れ雲状に流れては脳裡を漂う。 「遠藤賢司さんの詞って割と、松本さんの詞と似ている気がしていた。コトバの選び方とかね」(茂)/「うん、彼は凄い才能だったよね」(隆)、記憶の単線上で“夜汽車のブルース”と“抱きしめたい”がタブレット交換する。音搦みで小坂忠の“機関車”が連結される。世代を超え、50年以上も愛される名曲
NHK総合のドキュメンタリー番組「映像の世紀バタフライエフェクト」で、ビートルズの特集が放送される。 95年からスタートした「映像の世紀」の新シリーズである「映像の世紀バタフライエフェクト」は、蝶の羽ばたきのような、ひとりひとりのささやかな営みが、いかに連鎖し、世界を動かしていくのか、世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像をもとに、人類の歴史に秘められた壮大な〈バタフライエフェクト〉の世界に迫っていく番組。 今年6月には、ビートルズの誕生から世界中の若者に与えた衝撃、世界の政治体制にまで及んだ影響を、彼らのベスト盤にちなんで〈赤の時代 1962~1966〉と〈青の時代 1967~1970〉の2つの時代に分けて描き出し、大きな反響を呼んだが、その特集の73分の拡大版が〈ビートルズとロックの革命〉と題して、2023年12月30日(土)に放送される。 70年の解散から半世紀が経った今も新しい
特に音色のインパクトが強力で、近年聴いたメタル系アルバムの中でも、とてもズシンとくるロックの歴史を背負った音色だと感じました。 そして、気の重くなるニュースばかりで明るい未来を見ることが難しい大変な時代ですが、ベテランのバンドが決して希望を捨てない生命力を見せてくれた気がして、とても勇気をもらいました。皆叫ばなくなったのに〈この世の中おかしくね!?〉と叫ぶ。大人として、ロックをする人間としての態度がもう格好良すぎる。ですので、これがダントツで1位です。 これを聴いた後に、ウリ・ジョン・ロートが「若い世代は音色について理解不足だ」と話す記事を見たんですよ。全くもって同意ですが、『色即是空』を繰り返し聴いた後だと、より説得力がありますね。 私はもちろん超絶技巧も聴きたいし、現代の感覚の新しい音楽も聴きたいけれど、最初に耳に飛び込んでくるのは音色。音色こそがアイデンティティであり、思想だと思って
2023年11月26日、チバユウスケがこの世を去った。今年4月、食道がんと診断されたことを受け治療に専念するため休養を発表していたチバだが、最期は家族に見守られながら穏やかに息を引き取ったという。 Mikikiでは、長きにわたりチバユウスケに取材を行い、その姿を目にしてきたライターの長谷川誠にチバについてのテキストを寄稿してもらった。読む前に理解しておいてほしいが、これは追悼文ではない。その功績をたたえる記事でもない。あくまで1人の男から見たチバユウスケの姿、ただそれだけが記されている。ぜひ熟読してもらいたい。 *Mikiki編集部 チバユウスケとの出会い チバユウスケは愛をシャウトで表現できる、類まれなミュージシャンだった。なぜ愛を叫び声で表現するかというと、愛とは甘ったるいものでも、たやすく成立するものでもないからだ。自らのすべてを賭け、渾身の力を振り絞り、真摯に対峙することで、初めて
浜崎容子(アーバンギャルド) 平成最後の稀代のウソつき野郎、令和になって過去がカムバック。21世紀の自己愛性人格障害、最終兵器スパンクハッピー。 何年経ってもサウンドはシャンパンの泡のようにキラキラとまぶしく、岩澤瞳さんの声はただ美しく、成孔さんの言葉はきっと誰もが一度は羨望のまなざしを向けた街中ですれ違う高級外車なのだろう。 私たちの国は相も変わらず街中に裸の女の子の写真が溢れていて、年間何億円プレイヤーという男の子たちのトラック走ってる。 アリスとロリータはファーストフードはもう食べない、SNSの世界でしか美少女は見ない。家出した少女は帰ってこない。 今夜も高級ホテルのフレンチのテーブルに座って、年寄りばっかり狙ってる。歌舞伎町にいた成孔さん、この現象はなんと呼びますか? あの女の子は友達の彼とキスした夜は、いつもリストカットしてた。 カッターナイフはまだまだ必要だと思っていたけど、真
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