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こどもの友達が家に上がりこんで困るというSNSの投稿に対し、「元放置子」と名乗る人たちが「放置子には関わるな」と投稿し、波紋を広げています。居場所がないこどもが身近にいたとき、どう対応すればいいのでしょうか。NPO法人チャイボラ代表理事の大山遥さんと考えました。 「自宅に上がりこんで夜遅くなっても帰らない」「おやつや食事を要求する」「自分の子がいじめられる」など、迷惑行為やトラブルの種として「放置子」がたびたび話題になっています。 「放置子」という言葉はネット上で数年前から使われているスラングで、児童虐待防止法の虐待の定義とは異なるものです。親が多忙や無関心なケースも含んだ広い意味で使われていますが、ネグレクト(養育放棄)や、身体的・心理的な虐待などで自宅にいづらい事情がある子も含まれているとみられます。 2024年1月、「息子の友達である放置子につきまとわれて困っている」という投稿がXで
地方の女子学生の進学の選択肢が少ない原因のひとつにロールモデルの不在があるとして、東京大学の学生団体「#YourChoiceProject」が、地方の女子高校生の大学受験に向けて約2年かけて先輩や同級生が伴走する「メンタリングコミュニティ事業」を始めています。 「#YourChoiceProject」は、地方の女子学生が直面する教育分野でのジェンダーギャップを解消するために、地方から東京大学に進学した女子学生たちが2021年に活動を始めました。 YourChoiceProjectの活動の様子 写真提供:#YourChoiceProject 男子は難関大、女子は地元 東大の学部生の女性割合は20.1%(2022年度)、地方女子の割合は9%(2021年)。遠方在住の女子学生に月3万円の家賃補助がある住まい支援を2017年度に始めましたが、女子の割合は大幅には増えてはいません。 #YourCho
徳島県神山町に2023年4月に開校した私立の高等専門学校「神山まるごと高専」。すべての学生の授業料を無料にする「奨学金基金」の設立や坂本龍一さんの最後の作品となった校歌など、話題に事欠きません。全国から集まった1期生の44人は、ここでどんなことを学んでいるのでしょう。授業を見学させてもらいました。 【画像】「神山まるごと高専」ってどんな学校? 起業家を育てる新しい学び舎 徳島県神山町の鮎喰川の両サイドに校舎と寮がある。寮(写真中央)は、旧神山中学校の校舎を使用している Akiko Kobayashi / OTEMOTO 徳島阿波おどり空港から車で約1時間の山間部にある、人口5000人に満たない徳島県神山町。町のシンボルである鮎喰川のほとりに、平屋建ての学び舎はありました。 教室の外はまばゆい新緑に囲まれ、ウグイスの鳴き声がときどき聞こえてきます。2023年5月下旬の昼下がり、ラフな服装の学
「私はいわゆる底辺高校で講師をしています。底辺校の実態を知ってほしいです」。OTEMOTO編集部にこんなメールが届きました。「ここでは生徒が見捨てられています。でも、ちゃんと指導すると伸びる子もいるんです」。そう訴える非常勤講師のヤヨイさん(仮名)に、詳しく話を聞きました。 「出席しない子、起きていられない子、すぐキレる子、日本語が不自由な子など、社会にスムーズに溶け込むのが難しそうな生徒が目立ちます。でも、彼らの中には『もっと学びたい。教えてほしい』と思っている子たちがいるんです」 OTEMOTOにメールをくれたのは、関西の公立高校で非常勤講師をつとめる40代のヤヨイさんです。現在、2つの高校で週1〜2回、2、3年生を対象にデザインの授業を担当しています。 写真はイメージです Adobe Stock / milatas 数年前、それぞれの高校に初めて着任したときの印象は「なんでここまで生
学生の頃、体育や運動部の活動は「選ばれし者」だけが輝ける時間でした。体育が苦手で部活も続けられなかったという漫画家の田房永子さんは最近になって、身体を動かすこと自体は嫌いではなかったのだと気づきます。あのとき、運動を続けられなかったのはなぜなのかをエッセイで振り返ってもらいました。 小学生の頃から体育が苦手でした。 走っても投げても飛んでもクラスで最下位。キックベースはルールが理解できなくて3塁に走って男子にブチ切れられたり、マラソンの授業は「みんなが走り終わったら教室に戻れる」という謎のルールがあり、いつも私がビリでみんなを待たせる重責を負うので本当にやりたくなかった。みじめな思いばかりする科目でした。 中学生になると、母から毎日「運動部に入りなさい」と言われるようになりました。何かに打ち込んでほしかったのでしょう。しかし運動部は朝練も放課後もバリバリやらなきゃいけない。入る気になんてな
日本の出生数が急減し、2022年は初めて80万人を下回る見通しとなっています。加速する少子化を食い止めようと国も地方も対策に取り組んでいますが、中には「ズレた少子化対策」をする自治体も少なくないと、人口問題リサーチャーのニッセイ基礎研究所の天野馨南子さんは指摘します。そんな地元に見切りをつけているのは、20代の女性たち。何が起きているのでしょうか。 50年間で子どもが7割減 ーー2022年の出生数が統計史上最低となりそうで、小倉将信こども政策担当相は「強い危機感」を表明しました。天野さんは、地方自治体の少子化対策に「ズレ」があるとレポートで指摘しています。どういうことなのでしょう。 複数の自治体で少子化対策のアドバイスをしてきましたが、間違った対策をしているところが少なくありません。お風呂の巨大な栓を閉めないまま、ひたすら細いシャワーの水を入れ続けて「人が増えない増えない」と言っている。地
茶髪、ミニスカートの制服、ルーズソックス姿で渋谷を闊歩する姿に象徴される、1990年代の女子高生ブーム。当時、女子校に通っていた漫画家の田房永子さんは「あの頃の大人たちは、女子高生を自分たちよりも力と知恵を持った者かのように錯覚していた」と話します。大人になってからわかった、女子高生が大人にしてほしかったことについて、エッセイを寄せてくれました。 私は東京都内の私立の女子校に、中学高校の6年間通っていました。 大人になり、親になって、女子校でこんなことを教えてもらいたかった、と思うことがいくつかあります。 私が高校1〜2年の頃、世の中は1990年代、女子高生ブーム真っ盛りでした。テレビや雑誌で「ブルセラ」や「援助交際」などの用語が毎日飛び交い、大人たちは「女子高生の性の乱れ」や「金銭感覚の狂い」を嘆いていました。 私が通っていた女子校は校則が厳しかったのもあって、生徒たちはおとなしい雰囲気
国税庁にお酒の研究や鑑定をする部門があることはあまり知られていません。しかも、酒造りは「女人禁制」だったとされる時代もあることから、女性が働くことがイメージしづらい分野でもあります。そんな業界で、女性初の酒類総合研究所のトップをつとめた研究者がいます。 118年の歴史があり、日本で唯一の国のお酒の研究機関である独立行政法人酒類総合研究所。前身である国税庁醸造試験所の時代から働いていた後藤奈美さんは2016年、ここで女性初の理事長に就任しました。 後藤奈美(ごとう・なみ) / 独立行政法人 酒類総合研究所 前理事長。京都大学大学院農学研究科食品工学専攻修士課程修了。1983年、国税庁に入庁し、醸造試験所(のちの酒類総合研究所)に配属。大阪国税局鑑定官室を経て醸造試験所に戻り、ワインの研究を積む。1991年から1年間、フランスのボルドー大学に政府給費留学生及び科学技術庁パートギャランティーとし
女性用の服にもポケットをつけてほしいーー。そんな声に斜め上から応えているアパレル経営者がいます。その名も「元鈴木さん」。ペットボトルや日傘、酒瓶が入る巨大ポケットをつくっちゃいました。何が彼女のものづくり精神をかき立てるのでしょうか。 女性のポケットはフェイク。ならば... 男性用のジャケットにはポケットがついているのに、同じ製品の女性用にはポケットがない。同じ値段なのにーー。2022年7月、そんなツイートが話題になりました。 「ビジネスで使うジャケットなのにペンを入れられない」「デザイン上はポケットがあるように見えるのに、小さすぎるか、フェイクでしかないこともある」など、機能性を疑問視する声が多く上がり、複数のメディアでも取り上げられました。 女性用の服にもポケットがほしいという声は、以前からあがってました。そのニーズを数年前にキャッチし、「ならば」と大容量ポケットがついたスカートを開発
子どもたちはいつから「男のくせに」「女なのに」という感覚を身につけるのでしょうか。学校の中で自然に身についていくジェンダーの影響について、多様性教育を実践する小学校教師に聞きました。 小学4年生の漢字テキストの例文には、性別役割分担を固定化させかねない表現があった Toshiki Hoshino 「台所で、母の手伝いをする。」 「ぼくは、カブトムシの研究をしている。」 これは、小学4年生の漢字テキストの例文です。 東京都の私立桐朋小学校で多様性教育を実践してきた星野俊樹さんは、20年ほど前に原型がつくられたこの小学校のテキストに、次々と赤字を入れていきました。 テキストの改訂時期がきたため校正を手伝っていたところ、料理は母親がやるものだ、昆虫が好きなのは男の子だといった、性別に基づく固定観念につながりかねない例文が少なからず見つかったからです。 「子どもたちはもともと思い込みや偏見をもたな
東京の私立小学校でジェンダー教育を推進してきた星野俊樹さん。その原動力となった、自身のつらかった子ども時代の経験を語ってくれました。 ※この記事には差別的な描写があります。 東京の私立小学校で教師をつとめる星野俊樹さんは、ジェンダーやセクシュアリティについて子どもたちとともに考える機会をつくってきました。 関連記事:男子は実験、女子は片付け? 小学校で女子が「お世話役」になる理由 その原動力となったのは、星野さん自身が「ジェンダー規範にとらわれていたから」。つらかった子ども時代の経験をもとに、ジェンダー教育の必要性について語ってくれました。 星野俊樹(ほしの・としき) / 1977年生まれ。桐朋小学校教諭。大学卒業後、出版社勤務を経て小学校教員に転職。東京都内の公立小学校に6年間勤務した後、学園法人桐朋学園桐朋小学校に着任。社会的排除に向き合う人権教育に関心がある。 Toshiki Hos
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