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2008.03.06 三校について (1) カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 三校は校正としては最終段階といえるもので、著者の校正は再校まで、三校では編集者が最後の確認を行なう、というのが一般的だと思います。 三校の作業では、再校で行なったのと同じように、一つ前のゲラ (三校では再校) に入っている赤字がきちんと直っているかどうかを確認します。 特に大きな直しがあったページは、慎重に見ることが大切です。 付き物 (扉、序文、目次、索引、奥付など、本文以外の部分を “つきもの” と言います) の校正については特に触れませんでしたが、本文の校正と同様に初校 → 再校と進めていきます。 そして、この三校において本文と付き物の校正がすべて足並みを揃え、本1冊分のゲラがすべて整うことになります。 再校との赤字の照らし合わせが済んだら、ページの番号 (ノンブル) に関わるものについて確認してい
2008.02.20 編集者の情報源 カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 編集者は、毎日何冊もの本の校正を同時平行で進めつつ、日頃から企画のためのアイディアを蓄えているわけですが、その主な情報源としては次のようなものがあるかと思います。 1. 新聞 ・雑誌 ・書籍 2. 書店 3. インターネット 4. セミナー・会合・学会などへの出席や専門家への取材 新聞は、ざっと見出しに目を通す (毎日続けていると、これだけでも世の中の動きが掴めるようになるものです) だけでも情報収集ができます。 そして、気になった見出しには付箋を貼っておき、後でじっくり読むようにします。 興味をもった記事はファイルしたり、ノートにキーワードなどをメモします。 雑誌はジャンルを問わず読むようにし、気になった記事はファイルしたり、ノートにメモします。 書籍は、日々刊行されるすべてのものを読むことは到底不可能なので
2008.02.06 本の装丁について カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 一般に、商品の売れ行きが その (パッケージ) デザインの良し悪しによって影響を受けることはよく知られていることですが、本のカバーデザイン (装丁) も、また然りです。 本の装丁は、社内あるいは外部のデザイナーの方にお願いすることになるわけですが、 「これでいきましょう!」 と決断するまでが本当に大変で (この色の方がいいかなぁとか、タイトルの位置をもう少し左に寄せた方がいいかなぁとか、あるいはもっと根本的な問題で、別の方向性でいった方がいいのかなぁとか ・・・) 、 いつもいつも悩んでしまいます。 単行本とシリーズ本では、装丁についての考え方が異なります。 単行本では1冊ごとにその都度装丁を考えていけばよいのに対して、シリーズ本では、シリーズ全体を通して、最初に決めた装丁で統一していくのが一般的だからです。
2007.12.27 原稿への指摘について (1) カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 著者にとっては完全原稿であっても、編集者から見ると、手を入れた方がよいと思われる箇所が以外に多く見つかってくるものです。 例えば、 1. 主語と述語がはっきりしない。 2. 接続詞がない、あるいは適当でないため、文と文がうまくつながっていない。 3. 文章が何行にもわたって続き、適度な改行がない。 4. 不適切に同じような表現が繰り返し出てくる。 5. 話の展開や描写の仕方に、もう一工夫が欲しい。 などといったものがあります。 著者は原稿を書き上げるまでに何度も何度も自分の原稿を読み直しては書き直す、という作業を行なっています。 しかし、そうして原稿に真摯に向き合っているうちに、自分の原稿を客観的に読むという姿勢が次第に薄れてしまい、結果として、問題箇所に気づかないということが起こります。 そこで
2007.11.21 単行本とシリーズ本 カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 私自身もそうですが、皆さんも、自分がお気に入りのシリーズを一つや二つは持っているのではないでしょうか。 読者の立場からすると、自分が興味ある、あるいは知的欲求に応えてくれるテーマについてシリーズで刊行されることはとても嬉しいことですし、1冊読み終えると 「次はどんな本が出るのかな」 といった期待感が生まれることもあり、その点で単行本とは また違った面があるわけです。 しかし、企画する側の出版社 (編集者) からすると、単行本とシリーズ本では (抱えるリスクも含め) 大変な違いがあります。 例えば単行本の場合は、残念ながら結果としてその本の売れ行きがあまり芳しくなかったとしても、その1冊のことで済むわけですが、シリーズの場合はその後何点も続いて本が刊行されていくわけですから、刊行したものの売れ行きが良くないと
2007.11.14 専門書について カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 「入門○○」 、「初めての○○」 といったレベルの本を読み終えた読者の中には、次のステップとして、 「自分が直面している課題を解決したい、 この入門書よりも上のレベルのことを学びたい」 といった思いから、初心者向けに書かれたものではなく、より高度な専門知識を得られる書を求める人たちがいます。 編集者としては、この点に注目することが大切です。 専門書は、 上のような読者の知的欲求を満足させるレベル ・内容の書であることが大切であり、 それを求める読者層をターゲットとして企画を立てることになります。 しかしながら、 同じ専門書でもそのマーケットの大きさは分野によって大きく異なっています。 例えば、 金融や経営に関する専門書と、 文学や哲学に関する専門書を比べてみると、 どちらの分野の専門書もそれを求める読者は確実に
2007.08.30 なぜ編集者になりたいのか? カテゴリ:編集者入門ミニ講座 (改訂版) 読書が好きだから、本が好きだから、できることならそれに関わる仕事に就きたいといった理由で編集者になりたいと思っている人もきっと多いのではないかと思います。 これは編集者を目指している人たちが持っている最もシンプルな動機だと思いますが、これだけでは 「なぜ、あなたは編集者になりたいのですか?」 と問われたときに、採用担当者の心を動かすだけの動機としては弱いのではないかと思います。 これは至極当然のことですが、本に関わる仕事をしている人たちというのは編集者だけではなく、出版社で編集部以外の部署の人たち、印刷会社や製本会社の人たち、本の流通を支えている取次会社の人たち、そして、本と読者との出会いの場である書店や図書館の人たちなど、実に多くの人たちがいるわけです。 そうした数多くの仕事がある中で、 あえて
2007.07.04 原稿や校正を読むときに大切なこと カテゴリ:Editor's Life あらためて言うまでもありませんが、編集者にとって、著者の原稿や校正刷を読む作業というのはとても大切な仕事です。 この作業において気をつけなければならない細かな点を挙げ始めるときりがないのですが、あえて一つ挙げるとすれば、自分自身を常にその本の読者レベルに置いて読むということかもしれません。 これは一見簡単なようですが、編集者自身が、たまたまその本のテーマについて知識を持っているときには、知識があるがゆえに難しいということがよくあります。 例えば、あるテーマの入門書の編集作業をするときに、その本の内容が編集者自身にとっては当たり前と思えるほどにやさしいと感じたとしましょう。 こうしたときに、編集者が頭を切り替えて、 「これは、このテーマについて ほとんど知識がない人たちが読む本だ」 ということを常に
2005.02.15 困った持ち込み原稿 (17) カテゴリ:Editor's Life 昨日、今日と、2つの持ち込み原稿が私のデスクに届きました。 (持ち込み原稿といっても、直接持参してくるよりも、郵便で送ってくる方が圧倒的に多いです。) 一方の原稿には、自己紹介から始まり、原稿の内容と狙い、後日ご連絡させて頂きたい旨が書かれた、それなりにマナーを心得た手紙が同封されていました。そして、もう一方の原稿には、特にこれといった自己紹介や原稿についての紹介もなく、 「読んでみて、興味があったら連絡を下さい」 という内容の簡単な手紙が同封されているのみ。 年に何度かは、同じようなスタイルの持ち込み原稿が届きます。 編集者にとって、後者のような持ち込み原稿ほど困るものはありません。その理由は、 1. まず何よりも、書き手がどんな人なのかがわからないこと 2. 原稿の内容も狙いも不明であること (こ
2006.07.14 アイディアと企画の違いに悩んで (4) カテゴリ:私の新人時代 編集者となったからには、少しでも早く自分の企画を立てたいと思うのは ごく自然なことで、新人の私も、 何か新しいアイディアを思いつくと、 それをノートに書き溜めていました。 いま思えば、それはまさに単なるアイディアで、企画といえるものではなかったのですが、 “アイディアと企画の違い” がわかっていなかった私は、 書き込んだノートを眺めては、 「この企画はいける!」 と大きな勘違いをしていました。 ノートに書き溜めたことをただ清書するような気持ちで企画書にまとめて上司のところへもっていくと決まって、 「これは君のアイディアであって、企画になっていない」 とダメ出しされました。 そして、 「アイディアと企画の違いは自分自身で掴みなさい」 と言われたことを覚えています。 先輩の編集者たちが書いた企画書を何枚も読
2006.02.17 フォントに関心をもつ (2) カテゴリ:入社直前ミニ講座 編集者は、フォント (書体) というものにとても気を使います。 それは、用いるフォントによって、本 (商品や広告) の印象が大きく変わってしまうからです。 このことは、フォントが命であるデザイナーの方々にとっては言うまでもないことですが、編集者も、フォントにこだわる (こだわらなければならない) 職業だと思います。 普段皆さんは、多くの本や雑誌を読み、また電車の中刷り広告や街のあちこちでたくさんの広告を目にしていると思いますが、 “そこで使われているフォントに注目して見る” という機会は、これまであまりなかったのではないかと思います。 いま手元に本や雑誌があったら見てほしいのですが、そこには実にたくさんの違ったタイプのフォントが使われていることに気がつくと思います。 タイトルに、扉に、本文中の見出しに、本文に、
2005.12.13 読者に読まれて、初めて本となる カテゴリ:Editor's Life 年内に刊行すべき本の編集作業を終えたということもあって、その安堵感からか、帰りの電車の中で自分が今年1年間に手掛けた本たちのことを振り返っては、いろいろと考えてしまいました。 編集者として、今年も 「本」 と言えるものをきちんと出すことができたのかどうか。 これはずっと以前から思っていたことですが、本というものは、読者に読まれてこそ 「本」 と言えるのであって、ただ本の形をしたプロダクトを作ったというだけでは、それはまだ 「本」 とは言えないと思うのです。 うまいたとえと言えるかどうかわからないのですが、例えば家も、人が住んで初めて本当の意味で 「家」 と言えるのであって、作ったままで誰も人が住んでいないものは、それは家ではなくて、建築家によって世の中に生み出されたオブジェの一つになってしまうと思う
2005.06.04 品切れと絶版、この似て非なるもの (4) カテゴリ:Editor's Life 出版社には、毎日いろいろな電話が掛かってくるのですが、その中で一番多いのは、やはり本の在庫についての問い合わせだと思います。その多くは書店や取次からのものですが、もちろん、個人の方からも掛かってきます。 書店さんとのよくあるやり取りとしては、 「○○の本、在庫ありますか?」 「すいません、その本は品切れ中なんです。」 「再版の予定はありますか?」 「いえ、いまのところ未定です。」 「わかりました。ありがとうございました。」 といった感じに、 かなりスピーディーに会話もやり取りされるのですが、 個人の方との場合には、 たまに、こんなやり取りがあったりもします。 「○○の本はありますか?」 「申し訳ございません。その本は、現在、品切れとなっております。」 「絶版ですか・・・。」 「いえ、絶版で
2005.05.12 献本した本が古書店に・・・ (5) カテゴリ:ちょっと一言 今日は仕事帰りに神保町の古書店街に立ち寄ってきたのですが、そこで入った一軒の古書店で、ちょっとした出来事がありました。 私は本屋さんに入ると、まずは自分の担当している分野の本が並んでいる棚に足が向いてしまうということもあって、そこでもその本棚の前に向かいました。そして棚を眺めていたところ、そこには、私が編集して2ヶ月前に刊行となったばかりの本が1冊置いてありました。 最初は、 読者の方が読み終えて古本屋さんに持ってきたんだな ~ 、 つまらない本だったのかな ~ という思いをもちながら、その本を棚から抜きとったのですが、なんと中を開いてみると、扉の裏から、私が挟み込んだに違いない 「謹呈」 という短冊が出てきてしまったのです。 編集者は担当した本が出来上がると、広告宣伝用として、あるいは書評依頼用として、様々
2022.01.04 シニア世代となって (2) カテゴリ:ちょっと一言 いまなお、このブログを見にきてくださる方々がおられることに心から感謝しております。 ありがとうございます。 気づいてみたら、「EDITOR NAVI」の更新を終えてから、すでに10年以上も経過していて、私自身もシニア世代となりました。今後は、定年のない自身のライフログの場として、twitterを中心に、興味・関心の赴くままに時折呟いていこうかなと思います。 *知らない間に楽天ブログのレイアウトが変わっていたようで、字間が妙に空いていたり、句読点が文章の先頭にくるなど、読みにくくなっている箇所が多々あることを、お詫び致します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう いいね!0 シェアする Last updated 2022.05.04 18:15:38 コメント(2) | コメントを書く
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