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論文は多くの場合英語で書くわけですが、残念ながら論文の質は一部英語の文章力で判断されてしまいます。 文章が読みにくければ、査読者の読む気がうせます。そうなると良いスコアを得ることは非常に難しいものです。 ChatGPTをご存知でしょうか?無料でAIになんでも聞けるツールなのですが、なんとその英文校正能力が素晴らしいのです。 これを上手く使えば、英語のハンデをうまく解消できます。 この記事では、ChatGPTで英文校正をする際、どういう点に気をつければよいか、自分の経験をもとにまとめました。 論文の英文校正はChatGPTがピカイチ ChatGPTとはAI(自然言語処理)により、まさに「AIとチャットする」無料のサービスです。 OpenAIというプロジェクトで歴史があるようですが(詳しくは調べていません)、特に去年にtrainingが完了した現在のバージョンは、本当に素晴らしい出来です。 こ
前回の記事でCounterfactualについて紹介して、なんでランダム化試験だと因果効果が推定できるのかを示しました。 この記事では、観察研究での因果推論はどう考えるのか説明していきます。 観察研究での因果推論とは、8-9割くらいの臨床研究のテーマです。 でもこれを知らずして論文を書いている方が8-9割と推測します。 理解しておくと必ず役に立ちます。 観察研究の場合Counterfactualはこう考える 「アスピリン飲めば心筋梗塞が減るか」ということを考えてみます。 ランダム化試験では、 アスピリン飲んでる人と飲んでない人の属性が同じ →アスピリン飲んでる人と飲んでない人のcounterfactual outcomeが同じ →Pr (Ya=1=1|A=1) = Pr (Ya=1=1|A=0) * Pr (Ya=1=1)とは、「もし全員アスピリンを飲んでいたとしたと仮定した時の心筋梗塞の
独学で因果推論を学ぼうと思うと、どの解説も難しく感じます。 ある程度勉強している私がそのような日本語の解説をみても難しく感じる程なので、初学者にはかなりハードルが高いかも知れません。 このシリーズ、誰でもわかるように、かなり噛み砕いて疫学や因果推論のコンセプトを解説します。 今回の記事では、「counterfactual」「consistency」「exchangeability」という、因果推論の根本となる概念の説明です。 因果推論特有の数式にも慣れましょう。 Counterfactual(反事実現実)を理解する 因果推論をざっくりというと、「もし〇〇が起こっていなかったら☓☓となっていたか」を知ること。 今心筋梗塞だとして、もし飲酒をしてなかったら、心筋梗塞になっていなかったのかどうか でもこんなのはわかりませんよね。 *よく教科書に「タイムマシンがなきゃわからないですよね」ってありま
エナジードリンクは健康に悪い、というのが定説です。でも疲れたときにはつい飲んでしまいます。 私達が知りたいのは、「エナジードリンクは歯を溶かす」「エナジードリンクを飲みすぎると死ぬ」といたずらに恐怖を煽る話でなく、「エナジードリンクを飲むリスクは具体的にどの程度なのか」という真実の情報です。 しかし実際科学的に調べてみると、やはりあまり勧められる飲み物ではなさそうです・・・ この記事では、エナジードリンクの健康への影響に関する最新の科学的エビデンスを、わかりやすく紹介します。これを知った上で、どの程度飲むか自分で判断して決めましょう。 エナジードリンクとは何か、はっきりさせておく エナジードリンクは、レッドブルやモンスターなどの「砂糖入り飲料(清涼飲料水)」をいい、スポーツドリンクとは異なる性質をもちます。 エナジードリンクは、「注意力やエネルギーを高めるための飲料」というコンセプトです。
ビッグデータの時代。解析方法も発展した。 データをたくさん使った観察研究なら、色々言える気がします。 お金も手間も時間もかかる、ランダム化試験ってやる意味あるんでしょうか。 また、観察研究とランダム化試験ではどれくらい結論に差がでるものなのでしょうか。 そもそも、本質的にはどんな違いがあるのでしょう。 誰しも思うこれらの疑問を、「観察研究で示されたエビデンスが、実は真逆だとRCTで示された事案」を基に解説していきます。 ランダム化試験(RCT)ってなんでやるんでしょう。 そりゃあ、ランダムに割り振ってアウトカムを見れば、フェアな比較で「その介入の効果」という因果関係が言える気がします(因果関係と相関関係の違いはこちら)。 しかし、今や色んな情報が取れるし、解析方法も進歩しています。 観察研究でよくないですか? ランダム化試験って、「〇〇が☓☓に効くか」という1つのことを証明するために、何千
ある因子と病気との因果関係を調べることが疫学の最もコアな部分で、その方法は因果推論と言われます。 因果推論は近年目覚ましい発達を遂げ、今やかなり数学的です。 しかしこの発展につき、実は熾烈な論争があります。 この記事を読むことで、疫学·因果推論についてより深く洞察できるようになります。 疫学の因果推論、誰のコンセプトが正しい?【ハーバードで炎上】 このブログでも度々紹介している「因果推論」ですが、非常に数学的です。 ・DAGという「因果関係の枠組み」をベースとして、 ・Counterfactualを考えてそれを数学的に表現し、 ・Exchangeabilityやconsistencyという「数学的条件」を駆使して因果効果を算出します。 これの生みの親が、ハーバード大学院のJames Robinsです。 彼は数学科卒、MD取得後、そのキャリアを疫学方法論に捧げた方です。 DAGやその応用法な
ratio, proportion, rate, percentage:どれも「比」を意味しますが、実は意味が違います。 この記事ではこれら「比」の単語の科学的に正しい使い方を解説します。 *口語での使い方ではないので注意ください。 Ratio, proportion, rate, percentageの違いを解説 「比」という概念は科学で(科学でなくとも)非常に重要です。 日本語でも「割合」という似たような単語がありますが、英語には「ratio, proportion, rate」あたりが該当するかと思います。 しかし科学論文において、これら3つの英単語は同義語でないのです・・!! どういう意味、定義なのかはっきりさせて置くことは、これらを科学的に厳密な意味として用いている論文を解釈する上で必須の知識となります。 この記事は一昔前のAmerican Journal of Epidemio
科学的な説明をしても伝わらない。 別に難しいこと言ってないのに、理解してくれない。 この悩みを抱える医者、疫学者は多いです。 学歴の高い低いに関係なく、伝わらない事がよくある。 これは、聞き手の「要素還元主義」的な考え方が原因だと思います。 これを噛み砕いて説明していきます。 多くの日本人は「要素還元主義的思考」に囚われている コーヒーは健康に良いことを説明したい。 私:「食習慣と健康のアウトカム(死亡率など)を記録した数万人のデータを用いて、コーヒーをたくさん飲む人ほど死亡率が低いということがわかっている。他の色々な因子で調整しても(他の因子の条件が同じだとして比較しても)、同様の結果だった。さらに、今までの数十の研究を合わせて解析しても(メタアナリシス)、同様にコーヒーは死亡率低下と関連した」 (これを平易に説明した) 相手は、あまり釈然としていない。 相手:そうじゃなくて、「コーヒー
研究をする方は、p値(p value)とはよく向き合うと思います。p<0.05なら差がある、p≥0.05なら差がない。だいたい差を証明したいので、「p<0.05、よっしゃー!」という感じだと思います。 一方、「p値だけみるのは駄目だ!」という偉い人の意見も聞いたことがあるかもしれません。 あなたはきちんとp値の意味を解釈できますか? この記事では、p値の正しい解釈、歴史、実践的解釈の順に完全解説をしていきます。 p値の解釈を極めましょう。 *簡略のため、この記事ではone-sidedとtwo-sidedについては無視します。そして、使用している統計モデルが正しくバイアスが無い前提です。 p値の解釈とは? Question: 30人のクラスが2つありました。クラスAとクラスB。全員の握力を測定、クラスAの平均は30kg、クラスBの平均は35kgでした。握力はクラスBの方がクラスAより高い、と
うがいは日本発の研究が多いです。 調べてみると、 ・うがいによりウイルス・細菌がどれだけ減るか ・水やイソジンによるうがいの効果は? ・お茶によるうがいの効果は? という観点で研究されているものがありました。 それぞれの最新の研究を紹介していきます。 うがいによりウイルス・細菌がどれだけ減るか イソジンの効果を検証したin vitroの研究を紹介します(Infect Dis Ther. 2018;7(2):249–259.)。 ・用法の指示通り(30倍希釈、15秒)に使うことで、Klebsiella pneumoniaeとStreptococcus pneumoniaeという肺炎の原因としてメジャーな細菌の活動度が減少しました ・同様の方法で、インフルエンザH1N1、SARSコロナウイルス、MARSコロナウイルス、ロタウイルスの活性が劇的に落ちました ・濃度が高いこと(薄めすぎないこと)が
前向き研究と後ろ向き研究、違いをはっきり把握していますか? ランダム化試験=前向き、コホート研究=後ろ向き、と考えていませんか? 違います。だったら「前向き」「後ろ向き」を定義する必要が無いわけです。 この記事では、ハーバードでの定義を紹介し、その意味を解説します。 世界共通の定義はおそらく無いですが(それが問題)、ここに紹介する定義に従えば、まず間違いありません。 前向き研究と後ろ向き研究の違い、はっきり分かりますか? 「前向き・後ろ向き」に関して、私のほろ苦い経験をお話します。 ある臨床研究(病院のデータを使ったコホート研究)を国際誌にsubmitして、reviseとなりました。 reviewerのコメントの一つに、「この研究は後ろ向きのように感じられる」というものがありました。 私はmanuscriptに「前向き研究」と書いていました。 しかし、このときは前向きか後ろ向きか定義に自信
市販のサプリはほとんど健康効果が見込めません。 ビタミンDだけが、「条件に当てはまる(多くの)人がサプリからの摂取を考えるべき唯一のビタミン」と言えます。 食品からの十分な摂取は難しい。 この記事では、ビタミンD摂取と健康の関連性、サプリの効果、副作用等を、科学的根拠を基に優しく解説します。 「ビタミンDサプリを飲むべきタイミング」を知りましょう。
「人工甘味料は危険だ・太る」と悪影響を煽る記事をよく見かけます。 ただ、それらは概して科学的根拠に基づいていません。 実は人工甘味料の健康への影響については、かなりの研究で多くのことがわかっています。 この記事では現時点でのエビデンス=科学的根拠をまとめました。 現時点で科学的に妥当と考える事を知り、悪戯に不安を煽る記事に見分けをつけ、自分の判断で「賢く」人工甘味料を使用できるようになりましょう。 *2021/8/30 エビデンスをupdateしました。 人工甘味料とは? 人工甘味料とは、砂糖より数百〜数万倍甘いため、砂糖と同じ甘さを出すために必要な量が少ない、人工的に合成された物質です。 人工甘味料自体はカロリーを少し含むものもありますが、極微量で甘くなるので、カロリーフリーが謳われます。
感染予防のため、人々の生活習慣が変わりました。 日本ではマスクしていないと白い目で見られるようになり、アメリカ含め一部の国ではマスク着用が義務化されるようになりました。 つい数ヶ月前まで、アメリカ人がマスクを着けるなんて異常事態だったのに。 この背景には、マスク着用による感染予防効果のエビデンスが見直された経緯があります。 新しく凄い研究が行われたわけではありません。 *唾液がフィルターされるんだからマスクした方が良いに決まってる、と思うあなたへ。 マスクの表面を触った手で顔を触れれば、マスクしている意味はありません。 ディスポーザルで使わないなら、より効率的にウイルスをマスクの表面に集めてしまう、という考え方もできます。 「理論的に効果があるはずだ」というものを立証するのが疫学研究で、立証されないものはされるものの数十倍多いです。 薬の臨床試験がなかなかうまく行かない(=新薬の候補はたく
「エビデンス」とは、その因果関係(コーヒーが心血管病を予防するか、など)がどれくらい信頼できるかです。 「エビデンスレベル」とは、その因果関係の信頼性のレベルです。 *** 少し細かく説明します。 エビデンスは研究をもとに決まります。 よって、研究の信頼性=エビデンス、ということになります。 実は研究のデザインによって、信頼性が大きく異なります。 ↓ ・患者一人だけを対象にした症例研究は、その人にしか当てはまらないかもしれないので、信頼性は低い ・1000人のコホート研究(1000人の生活習慣や病気罹患を追跡調査した研究)は、それなりに信頼できる ・10万人の研究は、より信頼性が高い ・ランダム化研究はもっと信頼できる ・10個のランダム化研究を併せて解析したもの(メタ解析)は更に信頼できる
最新論文から「酒に関するエビデンス(科学的根拠)」をわかりやすく紹介し、正しい酒の飲み方を提案します。 お酒は健康に悪いのか、百薬の長なのか。 ビールより少量のワインがいいのか。 巷に溢れるアルコールに関する嘘・デマを見抜けるようになりましょう。 *2021年9月27日にエビデンスを更新しました。 *飲みすぎが健康に悪いことは当たり前すぎるので、この記事では解説しません。 「お酒と健康」の嘘と真実:少量でもNGか お酒と健康の関連性については、実に数十年以上研究が行われてきています。 それにより、科学的に妥当と考えられる一定の見解が形成されつつも、それでも決着のついていない事柄もあります。 これを正しく理解するには、 ・最新のインパクトのある一つの論文 だけでは不十分で、 ・その研究に至った歴史(数千本の論文の大まかな概要) を知っておく必要があります。 まずは、この後者を1分で紹介します
2020年1月、British Medical Journalというイギリスで最も権威の高い医学誌に、「発酵性大豆食品摂取と死亡率低下の関連」という日本からのコホート研究が掲載されました。この論文を「納豆を食べると死亡率が10%低下する!」と様々なメディアが取り上げ、話題となりました。本当に納豆を食べれば死亡率が10%低下するのでしょうか。 この記事では、このBMJ論文の背景、解釈についてわかりやすく解説しました。 納豆を食べると死亡率が10%低下する!?日本からの最新論文 元論文はこちらです:https://www.bmj.com/content/bmj/368/bmj.m34.full.pdf 論文のタイトルは「Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortal
ご無沙汰してます! 今回は、最近出版した私の論文の解説です。 「歯周病は心臓に悪い」って聞いたことがないでしょうか? これを実際に検証したものです。結果やいかに!? 歯周病は心血管病のリスクなのか 歯周病はかなり ...
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