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マジョリティとは「権力にアクセスしやすい人」 ──「マジョリティの特権」とは、何を意味しているのでしょうか。 マジョリティの特権とは、たまたまマジョリティ側の社会集団に生まれてきたり、マジョリティ側の属性を持っていたりすることで、「労なくして得られる優位性」「自動的に受ける恩恵」を指します。 その際、英語の意味は「マジョリティ=多数派」ですが、社会的公正教育の文脈では、より権力にアクセスしやすい立場にいるのがマジョリティ、権力から遠い立場にいることをマイノリティと捉えます。 例えば、私が教えている上智大学の英語学科では女子学生が約7割を占め、男子学生は約3割です。教室の中では確かに少数派に属していますが、だからといって男子学生が社会の中で性別においてマイノリティというわけではありません。英語学科を一歩出れば、男性は優位な社会構造の中にいるからです。 また、同じ人間であってもある部分はマジョ
5月24日、映画『帰ってきた あぶない刑事』が公開された。 オリジナルドラマ(『もっとあぶない刑事』含め)が放送されたのは、1986年から1989年。劇場版もコンスタントに制作され、2016年、『さらば あぶない刑事』でついに、タカとユージの定年退職による警察官人生最後の活躍が描かれた。これで本当に「さらば」になるのかと思っていたが、まさかの8年後、2人は探偵になって戻ってきた――。 「かっこいい…」と思わず漏れる感嘆の声 サイコー! そうカタカナで書きたくなるような興奮が残る。ユーモアとアクション、そしてロマンス、気障な台詞。昭和、平成と愛された「あぶ刑事」の、愛すべきすべての世界観を抱きしめながら、タカとユージが2024年に降臨し、横浜を疾走する――そんな映画だった。 鳴ってほしいところで柴田恭兵による挿入歌『RUNNING SHOT』が鳴る。笑いたいところで2人のユーモラスな掛け合い
昭和から続く上野の人気スポットアメ横。JR上野駅前からJR御徒町駅まで高架沿いに続く約500メートルの商店街だ。 5月中旬の平日、アメ横を訪ねてみると、そこには、戦後の闇市の時代から、昭和、平成を経て大きく変貌した令和のアメ横が存在していた。 アジア系の訪日外国人客が多い 御徒町駅の北口から交差点を渡るとすぐにアメ横の入り口だ。すでに駅構内からアジア系の訪日外国人客が多い。商店街に入ると、すぐに土産物屋に人だかりができている。近づいてみると北海道土産を格安で販売中だ。賞味期限が迫っている「白い恋人」は50%オフ。これらの商品をアジア系の観光客がまとめ買いしていく。 「北海道土産はとても人気。ここで買えば安いからいっぱい買います」 仲間と中国語で話をしていた若い女性客に声を掛けると、片言の日本語でこう答えてくれた。
ChatGPTを手がけるアメリカのオープンAIが5月13日(現地時間)に生配信で発表した、最新AIモデル「GPT-4o」。次々に披露された最新機能の中でも、英語で話した内容をリアルタイムでイタリア語に翻訳するデモンストレーションは大きな話題を呼んだ。 AI技術によって言語の壁がますます低くなっている今、企業から多くの支持を集める翻訳ツールがある。DeepLだ。 現在は32言語、700の組み合わせでの翻訳に対応しており、独自のアルゴリズムで作られた翻訳精度の高さから、日本国内でも広く使われている。 海外支社とのやりとりなどで多く活用 ドイツに本社を置くDeepLは、2016年から機械翻訳システムの開発に着手し、2017年8月にDeepL翻訳をリリースした。今では翻訳テキストの文字数に上限がある無料版から、セキュリティ対策を施した有料版、文章作成サポートツール、機械翻訳をプロダクトなどに直接組
近畿日本鉄道は大阪・京都・奈良・三重・愛知の2府3県にまたがり、総営業キロ501.1㎞と大手私鉄で日本一長い路線網を持つ。その路線には、大きく分けて2つの軌間(レール幅)が存在する。 近鉄特急のフラッグシップ「ひのとり」や「アーバンライナー」、2階建ての「ビスタカー」が往来する名古屋―大阪難波間、京都・伊勢志摩方面は一般的に「標準軌」と呼ばれる1435mmの軌間。もう1つは1067mmの「狭軌」で、大阪阿部野橋を発着する南大阪線、同線と直通運転する列車が走る長野線や吉野線などで採用されている。 標準軌と狭軌の路線が出会う駅 この2つの異なる軌間の路線が出会うのが、奈良県橿原(かしはら)市の橿原神宮前駅。同駅には標準軌の橿原線と、狭軌の南大阪線・吉野線の3線が「Y」の字のように乗り入れる。
政府は5月10日、コロナ禍が明けて慢性化している高速道路の渋滞緩和策として、特定の時間帯や区間で料金を変動させるダイナミックロードプライシング(以下:ロードプライシング)を2025年度から全国で拡大する方針を固めた。 読売新聞では、この発表よりも早く、5月6日の朝刊に1面でこのニュースを掲載したため、その後インターネットなどで議論が沸き起こっている。改めてこのニュースを整理しておきたい。 渋滞する時間は高く、空く時間は安く 交通機関や観光施設などは、原則として、あらかじめ決められた運賃や料金でそのサービスを提供するが、需給バランスを取るために季節、曜日、時間などで運賃・料金を変動させる施策を取ることがある。これが変動料金制、いわゆる「ロードプライシング」である。 航空運賃は、かなり以前から購入日によって、あるいは同じ日でも便によって価格が異なるので、「運賃は不変である」という考えはすでに大
千里ニュータウンの足となった北急 北大阪急行電鉄は、大阪の地下鉄Osaka Metro御堂筋線終点江坂(吹田市)より先、千里ニュータウン方面の足となる南北線を運営する鉄道である。大阪市高速電気軌道(株)を正式社名とするOsaka Metroの前身は大阪市交通局だが、大阪市を脱した吹田・豊中市域の、それも開発途上だった地域に延ばすため阪急と大阪府が主要株主となる別会社となった。「北急」と呼ばれる。 開業は1970年2月24日。アジア初開催、過去最大規模で国の威信をかけたと言われるEXPO’70「日本万国博覧会」が千里丘陵で開かれた年である。当時は我孫子―新大阪間であった御堂筋線を万博会場アクセス路線とするため、新大阪―江坂(吹田市)間を市営地下鉄として、さらにそれと一体で北急の江坂―万国博中央口間を作った。万博は3月から9月の会期中に約6400万人が訪れた。 そして万博閉幕後、北急の路線は江
「はじまりがあれば終わりは必ずくる」は、NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』(NHK総合毎週月曜~木曜22時45分~23時)のセリフである。 「夜ドラ」は名作が続々生まれている注目の枠で、『VRおじさん〜』もひそやかな夜の楽しみにうってつけ。今週最終回を迎えるにあたり、おそらく寂しさとともにどんなふうに終わるかワクワクしている視聴者も多いことだろう。 ※以下、物語のネタバレを含みます。 女子高生に扮したおじさんが恋をした 同作は長らく生きてきて成功体験と言えるものがない、40代のおじさん・直樹(野間口徹)がVR――Virtual Reality(「仮想現実」)の世界にハマって、そこで出会った人に恋をする物語だ。 原作は暴力とも子の描いた漫画で、すでに完結しているから、最終回はわかっているといえばわかっている。だが、とかくドラマは原作とは違うところがあるものなので、予断を許さない。終わりよけ
突然ですが、みなさんは、成績を上げようと思ったら、どちらの参考書を使いますか? ・要点がきれいにまとまっていて、情報が整理されている参考書 ・要点がわかりにくく、自分で整理する必要のある参考書 おそらく多くの人は、こう考えると思います。 「え? そんなの整理されていて、見やすい参考書のほうがいいに決まってるよ!」と。当然のことですよね。 要点がまとまった参考書は成績が伸びない でも、実は東大生が使っている参考書を分析していると、シンプルで、イラストや図が少ない参考書や、あまり情報量が詰め込まれていない参考書を使っている場合が多いことに驚かされます。 「要点がまとまった参考書を使うと、成績が上がる」というのは、実は間違った認識である可能性があるのです。 その証拠として、こんな話をしましょう。現在、参考書や、ネット上の教材の数は、昔とは比べものにならないほど多くなっています。
5月20日、台湾で頼清徳政権がスタートした。与党・民進党は8年の蔡英文時代を経て、3期12年政権を握ることになった。新総統の就任は1996年の李登輝氏以来、陳水扁氏、馬英九氏、蔡英文氏と続き頼清徳氏が5人目である。 就任演説は今後4年間の台湾の方向性を示すもので、日本、アメリカ、中国を含め国際社会が注目する。今回、中国の統一圧力が強まる中で頼氏が中国との関係をどう語るのかが大きな関心を集めた。 頼氏の就任演説は「一つの中国」も「独立」も触れず、現状維持を明言し、台湾を守る強い決意を示した。頼氏は蔡英文氏の継承者という立場を鮮明にして選挙戦を戦い当選した。したがって、蔡氏の現状維持路線を受け継ぐのは既成方針である。その現状維持とは民主化し、台湾化した中華民国の現状を守っていくことである。統一反対はいわずもがなであるが、独立に進まないことも含意している。 頼氏の演説は現状維持の大枠を継承しつつ
ポテトチップス、じゃがりこ、堅あげポテト、かっぱえびせん――。人気スナックの品質を保つために、スナック最大手・カルビーがDXの試行錯誤を続けている。 カルビーでは原料、生産から物流、営業まで、さまざまなデータを持つ。2019年にDX推進委員会を立ち上げ、データをつなげることや、DX人材の育成に取り組んでいる。当初はトップダウンから始まり、ITベンダーから教わることもあったDX化だが、数年でどう変化してきたのか。 DXは現場人材じゃないとダメ? 「アナログをデジタルに置き換える、泥臭いところからやっています」。こう語るのは、カルビーDX推進部の森山正二郎部長。 最初に手がけたのは、生産の要である工場だった。人手不足もあり、省人化や作業の効率化は急務。そこで滋賀県の湖南工場をDXのモデル工場に指定し、解決策を探ってきた。 たとえば生産日報。多くのチェック項目があり、特に管理職は日報の管理にかな
「にしてつ」の名で親しまれ、日本最大級のバス事業者としても知られる九州の大手私鉄が西日本鉄道だ。 主力の路線は九州一の繁華街、福岡市の天神に位置するターミナル駅の西鉄福岡(天神)を起点に福岡県内を南下し、炭鉱で栄えた街・大牟田に至る全長約74.8kmの天神大牟田線だが、同線を含むほかの西鉄各線とは接続していない小さな路線がある。福岡市東部の貝塚駅から、玄界灘にほど近い西鉄新宮駅までを結ぶ貝塚線だ。 開業は天神大牟田線より約1カ月遅れの1924年5月23日で、2024年で100周年。2007年に西鉄新宮から先、津屋崎までの約9.9kmが廃止され、路線名もそれまでの「宮地岳線」から現在の貝塚線に変わったものの、1世紀にわたって福岡郊外の足を担い続けてきた。 「都会のレトロ電車」600形 「都会のレトロ電車、という感じでしょうか」。貝塚線の運転関係を担う貝塚電車営業所長の高本敬介さんは、同線をこ
出版不況が続く中、丸善ジュンク堂書店が仕掛けた「EHONS」が右肩上がりの成長を遂げている。EHONSは書店の中で、絵本の世界をモチーフにしたグッズの企画・販売を行う常設ショップ。2021年10月に東京・丸の内でオープンして以降、大阪・梅田、福岡・博多、広島、東京・池袋と次々に拠点を広げている。絵本の世界が、なぜここまで受け入れられているのか。実際の店舗に足を運び、担当者から人気の秘密を聞いた。 取り扱われていたのは、絵本作家20名ほどの商品群。『めがねうさぎ』(ポプラ社)のせな けいこ氏や、ヨシタケシンスケ氏、柴田ケイコ氏など、そうそうたる人気作家の関連商品が一堂に会している。陳列されていたのは、付箋やメモ帳、ボールペンなど実用性の高い文房具類から、ぬいぐるみやアクリルスタンドまで多種多様だ。中には、おにぎりがすっぽり入る『パンどろぼう』(KADOKAWA)の「おにぎりぼうや」の形をした
シャープは大阪府堺市にある子会社・堺ディスプレイプロダクト(SDP=堺工場)で生産していたテレビ向けの液晶パネルを9月末までに停止する。2023年3月期に最終損益で2000億円を超える赤字を出した主因となっていた。これで、国内でのテレビ向け液晶パネルの生産は消滅する。 「世界の亀山モデル」と謳い一世を風靡してから約20年。シャープの経営陣は何を見誤ったのか。『シャープの謎』(2004年6月)を上梓していた筆者が、「あのときのシャープ」に時計の針を戻し、成長ステージの落とし穴について論じる。 液晶ビジネスの「誤算」 「液晶のシャープ」と注目されたシャープの全盛期に社長を務めた町田勝彦氏に「経営者にとって最も重要な資質は何か」と聞くと、「予見力」と答えた。「予見」が当たったのだから説得力があった。 液晶テレビが大ヒットし、シャープの売上高は、2001年度から6年間で1.9倍に急拡大し、3兆円を
物流業界の「同意なき買収」が、新たな展開を迎えている。 小売業向け3PL(倉庫から配送まで物流の一括受託)大手のAZ‐COM丸和ホールディングス(丸和HD)は、低温食品物流を手がけるC&Fロジホールディングスに対し、5月2日から6月17日まで株式公開買い付け(TOB)を実施している。C&Fの同意を得ずにTOBを進めている状態だ。 そこに対抗提案を持ちかけている1社が明らかになった。宅配便大手・佐川急便を要するSGホールディングス(SGHD)だ。5月17日にC&Fが候補の1社であることを明らかにした。SGHDは今回の件を含めさまざまな検討をしているとし、「決定した事実はない」としている。 これを受けて5月20日、C&Fの株価はTOB価格が引き上げられるとの思惑から前週末比700円高の4500円とストップ高となり、年初来高値をつけた。5月21日終値は4890円となっている。ますます過熱する物流
2024年元日に発生した能登半島地震。大都市を襲った阪神・淡路大震災や広範囲に被害を出した東日本大震災と比べると、マスメディアにとっては局地的な災害という捉え方なのか、最近はトップニュースで報じられることがほとんどなくなった。 被災した現地の現状は? しかしながら筆者にとっては、数年前に石川県の地方銀行である北國銀行でセミナーを担当し、現地でバスや鉄道を運行している北陸鉄道の方々と意見交換をしてきた経験があり、現地の状況が気になっていた。 もちろん発災直後は人命救助優先の局面だったので、現地に足を踏み入れることは控えたが、震災から3カ月が経過した4月を迎えて、訪ねても邪魔にならないかもしれないと思うようになり、2つの会社に連絡を取った。 幸いにして対応してもらえることになり、大型連休直前に現地を訪れるとともに、北國銀行および北陸鉄道に話を聞くことができた。
不動産経済研究所の発表によれば2024年3月の東京23区の新築マンションの平均価格が1億2476万円と過去最高水準になったといいます。 つい先日、友人が麻布台ヒルズに誕生したタワーマンションのアマンレジデンス東京の内覧会に呼ばれたそうです。 「で、買ったの?」 と尋ねたところ、 「買える値段じゃなかった」 と即答しました。数億円ぐらいの物件なら躊躇なく買える友人でも、検討すらできない価格だったそうです。 「ちなみに高めの部屋の管理費がいくらだと思う?」 と訊かれたので、 「月30万円ぐらいじゃない?」 と答えたところ、 「違うよ、月300万円だった」 という話でした。 超富裕層からみれば「お手頃な価格」 ちょっとだけ解説をさせていただくと、この管理費はおそらく物件の価格が300億円台といわれている一番広いタイプの部屋の場合でしょう。アジアの超富裕層から見ればこの物件、300億円で買ってもお
生成AIを軸とした、ビッグテックによる「AI開発競争」が第2幕を迎えた。 5月14日(アメリカ太平洋時間)にGoogleは、例年通り年次開発者会議「Google I/O 2024」を開催。今年は例年以上に「AI」にフォーカスした基調講演を行った。 一方でそれに先回りするように、5月13日にはOpenAIが同社の生成AI「GPT-4」の改良版にあたる「GPT-4o」を発表し、話題をさらった。 両社の発表には明確な共通点がある。 それは「画像・音声対応」と「即応性」だ。 こうした要素を両社が重視するのは、AIの活用が一般化するために必須のことだからである。 それはどういうことなのか、そして、この変化はスマートフォンなどにどのような変化をもたらすかを考えてみよう。 自然な対話を実現する「Project Astra」 Google I/Oでの発表の中でも、来場者が特にざわめいたのは「Project
「知事が交代するからといって、すぐに着工できるわけではない。静岡の問題で見えにくくなっていたが、これから根本的な問題が顕在化してくるだろう」。JR東海のある関係者はそう語る。 リニア中央新幹線の着工に反対してきた、静岡県知事の川勝平太氏が5月9日に辞職した。川勝氏は自然環境などへの影響を理由に静岡工区(全長8.9キロ)のトンネル着工に真っ向から反対していた。これを受けてリニア工事は大幅に遅れ、JR東海は2027年としていた品川―名古屋間の開業を断念した。 川勝氏に代わる新しい知事を選ぶ選挙が5月26日に投開票される。この結果次第で、膠着状態を脱する可能性が出てきた。 JR東海の広報は、「静岡工区の1日でも早い着手に向けて、地域の皆様のご理解とご協力が得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら真摯に取り組んでまいります」とコメント。中央新幹線の早期開業に向けて全力で取り組む姿勢
テレビ取材は年間300本以上。食品スーパー「アキダイ」社長の秋葉弘道氏(55)は、青果のプロとして全国区の人気者だ。 その秋葉社長は昨年、自らが持つ株式会社アキダイの全株式を、食品スーパー「ロピア」を展開するOICグループに譲渡した。50代半ばの経営者として脂の乗った時期に事業承継の決断を下した秋葉氏にその真意を聞いた。 ──そもそも事業承継をしようと考えたのはなぜですか。 23歳で自分の店を持ったときから、「50歳になったら仕事をやめよう」と思っていたんです。それまでに人一倍、一生分を全部働いてしまおうと。 実際、市場で仕入れをやり、店頭に立ち、閉店後は事務作業もやるので、2時に寝て5時半に起きるような生活をずっと続けています。店を持って以来、丸2日続けて休んだことはありません。 「社長がいなくなったらどうなるのか」 コアな仕事をずっと自分が担っていたので、40歳を過ぎたあたりから、50
2019年度にはキー局合計で8461億円あった放送収入がコロナ禍で乱高下したのち、2022年度には7999億円に下がった。そして2023年度は7623億円へとさらに落ちてしまった。減少率はマイナス4.7%、その前がマイナス4.8%だったので同じ傾向が続いている。中でもフジテレビは前年比マイナス8.1%で最も大きく下がっている。 ゴールデンタイムのPUT(総個人視聴率)もコロナ禍で乱高下し、2022年度は32.3%と前年度から3.5%も下がったが、2023年度は31.1%と1.2%ダウン。前年度ほどではないが、依然下がり続けている。コロナ期に人々が配信サービスを使うようになったためだ。 前の決算で放送業界は「今後下がっていく」ことを覚悟したが、今回の決算ではいよいよ下降傾向が決定づけられた形だ。放送というテレビ局の屋台骨だった事業が完全にピークを過ぎ去り、あとは下がっていくだけだと見えてしま
「トンネル工事に遅れはつきもの。掘ってみないとわからない」――。トンネル工事に従事する鉄道関係者に話を聞くと一様にこんな答えが返ってくる。 トンネル掘削に伴う大井川の水資源や南アルプスの生物多様性に与える影響を理由に工事が始まらず、2027年の開業を断念したリニア中央新幹線に続き、北海道新幹線もトンネル工事の遅れを理由に、2030年度札幌延伸の延期に追い込まれた。北海道新幹線の整備を行う鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、鉄道・運輸機構)の藤田耕三理事長が「2030年度の札幌開業が困難である」と5月8日、斉藤鉄夫国土交通大臣に報告した。 「開業前倒し」が一転 新函館北斗―札幌間の着工は2012年。このときの計画では2035年度の完成・開業を目指していた。しかし、早期開業を熱望する地元の声を受け、2015年の政府・与党申し合わせで開業を5年前倒しして2030年度(最長で2031年3月)とす
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