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アメリカ大統領選
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【記録から未来へ】 図書館の究極の使命は、次の戦争を起こさせないこと 谷合 佳代子 去年(2014年)の8月16日に、わたしはフェイスブックで次のようなメッセージを書いた。 【大事なことなので大きな声で言います】 図書館の究極の使命は、次の戦争を起こさせないことです。 そのための知の世界を準備することです。 価値観は多様であり、多様であってよく、多様性を認めるべきです。 しかし、国家の正義と大義の下に、顔も知らない、個人的にはなんの恨みもない若者同士を殺し合いさせてはなりません。 図書館・博物館・文書館こそが、迂遠の道ながらそのための叡智と歴史の記憶を収集保管公開できる場所です。 MLAに働くすべてのスタッフは、正規・非正規を問わず、立場を問わず、そのことを自覚し、誇りと使命感を持ってほしい。 この「個人的図書館使命宣言」は245人から「いいね!」をもらい、43人にシェアされた。わたしの投
【オルタのこだま】 122号を読んで〜ハンナ・アーレントと「悪の凡庸さ」 武田 尚子 オルタ122号が届いたとき、福岡愛子さんの、映画[『ハンナ・アーレント』から何を受け取るか]をまず開いた。彼女の、2012年10月の初回の公開で静かな注目を浴びた同じ映画と、大きな人気をあつめた2013年10月の2回目の公開の間に、2012年12月の第二次安倍政権の発足があるという冒頭に近い言葉を読んで、アメリカに住む筆者は、日米両国の現在の政治的な空気の似ている事に驚ろかされた。いったいこの日本の現象は、君も行くなら我も行く、といった一時の気まぐれなのだろうか。それとも安倍政権の政策を時代錯誤の国家主義と警戒するアメリカ、リベラルの不安に匹敵するこの時代への不信が、あの映画を通して日本では、ナチス時代の過ちを日本の若者たちを中心に教え、心ある人々の反省を促しているのだろうか。 1960年にアイヒマンが逃
【オルタの視点】 弾圧された俳人の名誉回復と弾圧に協力した俳人の責任追及を マブソン 青眼 戦後フランスでは、「第二次世界大戦中のヴィシー政権は自発的にナチス・ドイツと協力したことはない」、「公職や知識人のほとんどが内心では対独レジスタンスの味方だった」というフランス自画自賛の神話が作られ、長らく信じられてきた。 しかし1972年に、フランス人ならぬロバート・パクストンというアメリカの歴史学者から、対独レジスタンスの神話を解体する名著が出された。それは、“Vichy France: Old Guard and New Order”(Robert Paxton, New York, Alfred A. Knopf, 1972、日本語訳『ヴィシー時代のフランス―対独協力と国民革命』、柏書房、2004)である。客観的な資料に基づいて、戦時中のフランス政府や多くの知識人が能動的にナチス軍部と協力し
【北から南から】フランス便り(その14) 最近のフランスの労働組合 鈴木 宏昌 日本と異なり冷夏だったパリの夏が終わり、新学期を迎えた。労働法関係の友達が調査で一週間ほどパリに来るというので、防寒の用意をしてくるようにメイルしたが、すっかり予想がはずれ、9月に入り、暑い日が続いている。その友達と一緒に、労働裁判所に行ったり、政労使の人たちから話を聞く機会があり、とても面白い経験をした。そこで、今回はフランスの労働組合のについてまとめてみたい。とはいえ、フランスの労働組合は多数あり、制度的にも日本の労働組合とは違うところが多く、しかも英米の制度とはまるで異なるので、うまく説明できるか自信はない。 フランスの労働組合の組織率は、全体で8%ぐらいと推定されているが、民間企業では5%を切ると言われている。2大ナショナルセンターであるCGTとCFDTでも、実際に組合費を払っている労働者の数は60-8
落穂拾記(28) 石橋政嗣氏と溶解した社会党 羽原 清雅 先日、博多に住む元社会党書記長、委員長を務めた石橋政嗣氏を訪ねた。89歳。大いに元気なのだが、政治についてはあまり語らず、報道関係者にも会うこともない。国会40年の政治活動は必ずしも思いを果たすことはできなかったが、昨今の社民党や政治状況には『失望』というよりは『あきれてものがいえない』といった印象である。 石橋氏は1951年長崎県議、1955年旧長崎2区で衆院初当選、1970年成田委員長のもとで7年間の書記長を務め、1983年飛鳥田辞任により86年まで委員長に就任、1990年土井氏の期待する立候補を蹴って政界を引退した。今も「平和・民主・人権」の信念は変わっていない。 筆者は自民党担当のほうが長かったが、野党、特に社会党を担当したのは佐々木更三・勝間田清一・成田知巳・飛鳥田一雄・石橋政嗣・土井たか子・田辺誠各委員長までで、必ずとい
【コラム】海外論潮短評(93) 失敗した多文化主義と同化政策 — 西欧における移民集団と社会の対立 — 初岡 昌一郎 アメリカの国際問題専門誌『フォーリン・アフェアーズ』3/4月号が、移民を受け入れた西欧諸国の昨今における社会的不協和を現行の多文化主義と同化政策の失敗という観点から考察した論文を掲載している。 この論文の筆者、ケナン・マリクは『ニューヨーク・タイム』のコラムを定期的に担当している。彼はインド系イギリス人で、サセックス大学卒業後、1980年代は新左翼運動に参加。現在は、啓蒙主義の立場から幅広い評論活動を行っており、移民に対する不平等を批判する立場で論陣を張っている。以下は同論文の要旨。 ================================= 白人優位に立つ人種主義の崩壊過程 ================================= 寛容で多様な文化を包含
■宗教・民族から見た同時代世界 荒木 重雄 東南アジアの無国籍少数民族ロヒンギャの悲劇 ────────────────────────────────── 民主化の流れがようやく国際社会で認められはじめたミャンマーで新たな火種 が燃え上がった。ベンガル湾に臨む西部ラカイン州でのイスラム教徒ロヒンギャ 族と仏教徒アラカン族(ラカイン族)との民族対立である。 ロヒンギャ族とみられる若者にアラカン族の少女が暴行された報復として、ア ラカン族がロヒンギャ族が乗ったバスを襲撃して10人を殺害。この事件を発端 に6月から7月にかけて民族暴動が燃え盛り、6月末時点で100人以上が死亡、 3千棟以上の住宅が焼き打ちで破壊され、9万人以上が難民となった。 襲撃の多くは治安当局に守られた仏教徒アラカン族によるもので、被害者のほ とんどはイスラム教徒のロヒンギャ族である。 ボートでバングラデシュ側に逃れたロヒ
群馬県の朝鮮人慰霊碑撤去に反対する85歳の抵抗 -猪上輝雄事務局長に聞く- 仲井 富 ◆はじめに 猪上輝雄さんとのつきあいは長い。わたしは1955年秋から、当時の日本社会党本部書記として青年部と軍事基地員会を担当した。砂川、百里、東富士などを米軍基地と自衛隊基地反対闘争のオルグとして駆けめぐった。そのなかで1950年3月、日本の米軍基地反対闘争で最初の完全勝利を勝ち取ったのが、群馬県妙義山の米軍山岳演習場反対闘争だった。その現地オルグとして、農民や婦人と寝食を共にして戦ったのが、当時25歳の猪上さんだった。猪上さんは社会党群馬県本部の書記長として、長年にわたって田辺誠、山口鶴男氏の地元を支えてきた。 1989年、社会党県本部を退職した彼が人生最後の闘争として取り組んだのが、太平洋戦争末期の群馬県における朝鮮人労働者の強制連行の記録を掘り起こすことだった。苦節9年、2004年に県立公園「群馬
<日中・日韓連帯拡大のために> 戦後70周年の日中関係の展望 「歴史問題」に代わって安保問題が新しい対立の焦点になる可能性 朱 建栄 ========================== 自己流の「国際関係の心理学」 ========================== 私は大学生の時から心理学が好きだった。大学院は国際関係が専門だった。来日以後、「国際関係の心理学」に興味を持ち、客員教授を務める上海の華東師範大学ではこれをテーマとする講座も行ったことがある。 「いい加減な学説」と言われるのを承知の上で自説を少し紹介するが、国と国の関係における地政学的な一般的法則以外、たとえば大国は周辺の小国から依存される半面、大体嫌われることや、とりわけ、数世代(およそ100年以内)の歴史的記憶がその国民の心理に持続的な影響を与え、それは今日の国際関係、二国間関係にまで表立った現象では説明できない作用を
あらためて今、「ヘイトスピーチとは何か」を考える 明戸 隆浩 1.「ヘイトスピーチとは何か」再び 筆者が訳者の一人としてエリック・ブライシュ『ヘイトスピーチ――表現の自由はどこまで認められるか』(明戸隆浩・池田和弘・河村賢・小宮友根・鶴見太郎・山本武秀訳、明石書店)を刊行したのは、今年2月のことだ。それから、およそ9カ月が過ぎたことになる。一般的な学術書の感覚では9カ月前というのは「ちょっと前」という感じになるわけだけれども、今回の翻訳について言えば、むしろずいぶん前のことのような気がする。そう思うのは、やはりこの間の「ヘイトスピーチ」をめぐる動きが、とても激しいものだったからだろう。 『ヘイトスピーチ』の「あとがき」にも書いたことだが、そもそもこの本を訳すにあたっては、2013年2月に始まった在特会などの排外主義団体に対する「カウンター」の動きに触発された部分が大きかった(実際筆者が翻訳
オランダ通信(2) オランダ人に理解し難い日本という国 リヒテルズ直子 ───────────────────────────────── マレーシアで村落調査をしていた時に出会ったオランダ人の夫との結婚を決意 して間も無く、今からおよそ30年あまり前のことです。休暇でオランダの実家に 帰っていた夫から手紙がきて、「裸で大声を掛け合いながら神輿を担いで行く日 本の男たちの祭りでの姿がオランダのテレビで放映され、夫の両親が思わず顔を しかめた」と書いてきたことがありました。私にはなぜその時に両親が顔をしか めたのかすぐに理解できませんでした。それは、その映像がどのようなコンテキ ストの中で放映されたものだったのかがわからなかったからです。 80年代はじめのオランダは、まだ、戦争の記憶を持つ人々が社会で活躍してい た時期です。戦時中に双子の弟と両親を奪われたユダヤ人ジャーナリス
尖閣諸島をめぐる国会答弁の変遷 ――1970年以前は尖閣の領有権を主張せず―― 苫米地 真理 ====================== はじめに ====================== 本稿は、筆者が2014年1月に法政大学大学院公共政策研究科に提出した修士論文「領土政策に関する政府見解の変遷――尖閣諸島をめぐる国会答弁を中心に――」の要約である。尖閣諸島に関する国会答弁を中心とした政府見解の変遷を検証し、その上で、尖閣諸島をめぐる問題を解決し、安定した日中関係を構築することを目的とした公共政策の史的研究である。 外務省のホームページにある「尖閣諸島についての基本見解」では、「尖閣諸島が日本固有の領土であることは,歴史的にも国際法上も疑いのないところであり,現にわが国はこれを有効に支配しています。したがって,尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在していません *1」
永続敗戦論からの展望 白井 聡 本年三月に、私は『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版)と題する著作を上梓した。本書が提起する「永続敗戦」という概念が着想されるにあたり、「二つの起源」を挙げることができる。 ============================ ■『永続敗戦論』の執筆動機 ============================ ひとつには、二〇一〇年の鳩山由紀夫政権の崩壊劇である。普天間基地を国外ないし沖縄県外に移そうとして政権は倒れた。この事件は、本質的に言えば、「アメリカの意思」と「日本国民の意思」のどちらをとるか取捨選択を迫られて、前者をとらざるを得なかった、ということだ。アメリカによって間接的に解任されたと言ってもよい。ところが、鳩山政権の末期、メディアはひたすら鳩山氏の政治手法の拙劣さや性格に攻撃を集中させていた。 鳩山氏の人格が実際のところ
第75号(通算第247号)(2024.7.20) ■【視点】 「植民地オキナワ」を抱える「頽廃化ニッポン」~最近の新聞を読んで 羽原 清雅 =================================== ■【視点】 美濃部選挙との比較にみる蓮舫氏の敗因 岡田 一郎 =================================== ■【視点】 パレスチナ問題の根源的な解決はあるか~イスラエル「建国」過程で見えてきたものとは・・・? 大類 善啓 =================================== ■【視点】 裏金事件、自民党の「みそぎ」は終わっていない!!~「政治資金規正法改正」で49.999円の領収書づくりに精励か。 山口 道宏 =================================== ■【フランス便り】38 羅針盤を失ったフランス 鈴木 宏昌
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