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最新の賃金構造基本統計調査(令和5年)によると、医師の平均年収(平均給与)は1,436万円となっています。ただし、医師の年収については別の調査データも複数あります。それぞれのデータの特徴や、医師の多くがアルバイトをしている状況など、医師の働き方を踏まえないと年収の現実は見えてきません。 ここでは、医師の年収に関する複数の最新のデータを活用しながら、医師の年収の実態や、年代・性別・診療科・勤務先・地域によって年収がどう変わるのかなどを詳細に解説していきます。 医師の年収に関する最新データの概要 医師の平均年収は1,436万円とされるが、この中にはアルバイトや副業は含まれず、アルバイト・副業込みの実際の年収は1,700万円程度。 男性医師の方が女性医師に比べて年収が高く、年代別では50~60代で年収が高くなる傾向。 勤務先別では公立系の病院に比べて民間病院がやや年収が高く、大学病院は他の病院や
高所得者の悩みの種となるのが、高額な税金。医師の年収の中央値(副業含む)は1,700万円と一般に比べて高額で、この場合所得税率は33%となります。住民税を合わせると43%の税率が課され、この収入帯になると、年収が100万円増えたとしても、そのうち約4割を税金として納めなくてはなりません。 加えて、所得制限によって各種控除の対象外となってしまうこともあり、年収が高くても手取りが増えず生活は苦しいという状況に陥ってしまう医師も多いです。 手元に残るお金を多くしたいと考える医師に有効なのが、様々な制度を活用して納税額を抑える節税対策です。医師が実際にどんな節税対策に取り組んでいるのか、1,913人の医師会員に聞いたアンケートの結果をご紹介します(回答者の属性)。 さらに、節税対策の概要と取り組むときの注意点について、医師向けの資産形成セミナーなどを多数手がけているリスクマネジメント・ラボラトリー
2024年4月から開始された医師の働き方改革で、医師の残業時間に罰則付きの上限規制が設けられました。その中で論点の一つとなったのが医師の「自己研鑽」です。 医師が病院など勤務先に滞在している時間でも、自主的に研鑽を行っている時間は労働時間としてカウントしないというもので、病院等の管理者からすれば、「自己研鑽」としての扱いを増やすことで医師の残業時間を抑えることができます。 一方、勤務医にとっては労働が「自己研鑽」に扱われることでその分の残業代が出ないことにもなるので、双方が納得のいくルールの下で適切に「自己研鑽」の判定をしていくことが求められます。 医師の「自己研鑽」は実際どのように運用されているのでしょうか?2024年4月に実施した医師1,802名のアンケートから見ていきます(回答者の属性)。 勤務先で「自己研鑽」に関するルールが設定されているのは3割弱 医師の主たる勤務先で、所定の勤務
「当直なし」という求人条件は、転職で重要視されるポイントのひとつです。多くの医師が「当直なし」勤務を希望し、中には必須条件に挙げる医師も少なくありません。 医師が「当直がつらい」「当直を避けたい」と感じる理由はどこにあるのでしょうか。医師のアンケート調査などをもとにご紹介していきます(回答者の属性)。 多くの医師が「当直なし」の転職先を希望 転職を希望する医師は、「当直」についてどのくらい重視しているのでしょうか。直近1年間に医師転職ドットコムを利用した1177人の医師が挙げた「転職の際に譲れない条件」について、登場回数が多い語句を大きく表示するワードクラウドで分析しました。 「当直」のワードはもっとも大きく、注目度が高くなっています。 また、「当直」と関連語句とのつながりに着目すると、「当直」と「ない」に最も強いつながりが見られました(下表)。「当直なし」の組み合わせの割合が高く、転職時
日々診療や研究、教育など様々な業務に携わる中で、多くの医師が何らかのスキル上の課題を感じています。一方で、そうしたニーズに対して医師向けの知識・技術習得を支援するウェブサイトやコンテンツ、サービスも少なからずあります。 医師はどのようなサイト・サービスを活用してスキルアップや学習に活かしているのでしょうか?2023年8月~9月にかけて実施した医師のアンケート自由回答を集計したところ、下表のようになりました。 m3の利用が最も多く、次いでケアネットが多くなっています。他には学会医療団体のサイト・セミナー等が回答として多くありました。 以下それぞれのサービスの詳細について紹介します(※医師転職研究所調べ)。内容は2024年2月時点のものとなりますので予めご了承ください。 m3 エムスリー株式会社が運営する言わずと知れた医療情報サイトで、32万人以上の医師が登録しており、医師向けのニュースや臨床
調査した医師の診療科 今回アンケートで回答した医師の主たる診療科の内訳は下表のようになっています。 回答の多い上位10科目は、一般内科、精神科、消化器内科、小児科、整形外科、麻酔科、皮膚科、消化器外科、産婦人科、循環器内科となっています。 医師がスキル面で課題に思っていることや改善したいこと 現在の業務について、スキル面で課題に思っていることや改善したいことを医師に質問したところ、診療科に応じた専門・関連領域のスキルの習得などが多く挙げられました。そのため、以下診療科別で自由回答を紹介します(回答上位10科目の診療科5つずつと、その他の診療科5つの回答を紹介)。 一般内科 糖尿病患者のインスリンコントロールについて知識がやや乏しいと自覚している。 (60代男性、一般内科) 診療のスピード (40代男性、一般内科) 胃透視の読影 (50代男性、一般内科) もっと総合診療の知識を深めたい (4
医師は内科・外科といった区別や、消化器、呼吸器などの臓器別などで多くの診療科、専門領域に分かれますが、各専門領域で研鑽を積んでいる医師は、それぞれどのような資格を重視しているのでしょうか?2023年8月に実施した医師1,500名のアンケートから見ていきます。 【結果概要】 医師の各診療科の資格において、最も取得率が高いのは「専門医」の資格となっている 診療科によっては複数の専門医が重視される場合や、精神保健指定医など専門医以外の資格が重視される場合もある 外科領域ではダヴィンチなどロボット支援手術の広がりを受けて、ロボット支援手術プロクターの資格なども重視されるようになってきている 「専門医」「認定医」「指定医」など医師の各種資格の取得状況 医師の専門資格としては専門医機構もしくは学会の指定する「専門医」が最も一般的にはなっていますが、その他にも専門領域によって認定医や指定医などの資格もあ
常勤先を退職したことのある医師は約7割 医師のうち、これまでに常勤先を退職した経験の有無について質問したところ、以下のような結果となっていました。 「ある」が69%となっており、約7割の医師がこれまでに退職した経験ありという結果です。 以下、退職経験のある医師を対象に退職事情について見ていきます。 医師の退職理由 医師に過去に常勤先を退職した理由について質問したところ、「医局人事から離れる」「職場でのパワハラ・理不尽な対応」「給与・条件の問題」「人間関係・方針の不一致」「勤務環境・労働負荷」「キャリアアップ・資格取得」「出産・育児・介護など家庭の事情」「条件の良い転職先が見つかった」「転科・開業などのキャリアチェンジ」「仕事のやりがい」などの回答が多く寄せられました。 医師からの自由回答(一部)は以下のようになっています。 医局人事から離れる/医局を辞める 医局人事から脱却するため。 (3
医師は常勤先とは別の医療機関でアルバイト(非常勤)で勤務することが一般的になっています。特に大学病院などでは常勤先での収入が少ない分、アルバイトが主要な収入源となる場合もあります。 医師のアルバイト勤務の現状はどのようになっているのでしょうか?2023年4月に実施した医師1,702名のアンケート結果を見ていきます。 目次 1. アルバイト(非常勤)をする医師の割合は7割以上 2. 医師のアルバイトでの収入はどれぐらい? 3. 医師がアルバイト(非常勤)をする理由は収入だけじゃない? 4. 医師はいつアルバイトしている? 5. 医師のアルバイト勤務での仕事内容 6. 定期アルバイト(非常勤)とスポットアルバイト、どちらが多い? 7. 定期で勤務するメリット 8. スポットで勤務するメリット 9. 求人サイト・紹介会社利用が77.8%―医師のアルバイト先の探し方 10. 医師がアルバイトの紹介
2022年10月に実施した医師2,250名への年収アンケート調査結果では、医師の年収の中央値はアルバイト・副業込みで1,700万円、主たる勤務先のみで1,300万円という結果となっていました。 こうした年収の状況は、内科や外科、精神科など診療科によってどのように異なってくるのでしょうか?アンケートで調査した医師の年収を診療科別にまとめました。 診療科別での医師の年収比較 医師の診療科別での年収の中央値(アルバイト・副業含む)と、年収2,000万円以上の割合をまとめたのが下表になっています。なお、調査した年収データは「1,400~1,600万円」など度数分布のデータとなっているため、200万円区切りの階級値での表示となっています(年齢についても同様)。 年収の中央値で見ると1,900万円が最も高くなっており、消化器内科、消化器外科、脳神経外科、泌尿器科、整形外科、麻酔科、救命救急、リハビリテ
医師の連携先として最も多い診療科 上位20科目 連携する他科で最も多い診療科について医師に調査を実施したところ、回答の多かった上位20科目は下表のようになりました。 最も多かったのが一般内科で、次いで、循環器内科、消化器内科の内科系科目が続きます。外科系では整形外科が最も多く、次いで消化器外科が多い状況となっています。 各科の医師が最も連携することの多い診療科 麻酔科であれば外科系と連携することが多いなど、医師自身の診療科によって連携先の診療科も異なると考えられます。 そのため、医師自身の主たる診療科別に、連携することが最も多い診療科を集計した結果が下表となります(細かいためクリックで拡大してご確認ください)。 消化器外科、呼吸器外科はそれぞれ対応する内科との連携が多い、眼科では内分泌・糖尿病・代謝内科との連携が多い、精神科では一般内科との連携が多いなど、診療科別に傾向が分かれていることが
医師にとってキャリアの選択肢の1つとなりうるのが開業です。2020年の医師・歯科医師・薬剤師調査では、医師数339,623人中、「診療所の開設者又は法人の代表者」は72,586人(21.4%)いるという状況となっています。 開業することのメリットやデメリットについて医師はどのように考えているのでしょうか?医師1,645名へのアンケート結果を紹介します。 目次 1. 開業の有無・経験 2. 今後開業をしたいと思っている医師はどれぐらいいるのか? 3. 開業したいと思った理由(開業未経験医師) 4. 開業したくない理由(開業未経験医師) 5. 開業するタイミング(開業未経験医師) 6. 開業医になることのメリット(開業未経験医師) 7. 開業医になることのデメリット(開業未経験医師) 8. 開業医を辞めた医師の理由 9. 開業することを決めた理由(開業経験のある医師) 10. 開業時に注意した
2024年4月から時間外労働の上限規制などが盛り込まれた医師の働き方改革の制度が開始されます。 開始まで2年を切った現在、医師の勤務状況や医師の働き方改革に向けた準備状況はどのようになっているのでしょうか?2022年6月に実施した医師2,002名へのアンケート結果を紹介します(回答者の属性)。 目次 1. 医師の勤務先の状況 2. 医師の勤務日数 3. 医師の残業時間(時間外労働) 4. 医師の当直回数 5. 医師の当直時の休息の状況 6. 医師の日直回数 7. 医師の日直時の休息の状況 8. オンコールの対応状況 9. オンコール時の電話・呼び出し頻度 10. 現在の勤務時間を長いと感じている医師の割合 11. 医師のアルバイト勤務の状況 12. 日勤・当直帯別での医師のアルバイト勤務日数 13. 医師の労働時間管理の状況 14. 医師の労働時間の短縮のための取り組み 15. 勤務先で実
医師では、特に研究職でなくても医学論文を読むことや自ら執筆することが広く行われています。こうした医学論文への関わりは医師のキャリアにとってどのような意味をもつのでしょうか?医師1,412名のアンケート結果を紹介します(回答者の属性)。 医師は医学論文をどれぐらい読んでいるのか? 医師は普段医学論文をどのぐらい読んでいるのでしょうか?その頻度について質問したところ、回答は下図のようになりました。 「日常的に読んでいる」が25%、「ときどき読んでいる」が42%、「あまり読んでいない」が25%、「全く読んでいない」が8%という結果となっています。 また、1ヶ月で読む論文の本数については下図のようになりました(「全く読んでいない」医師を除く)。 「0本以上2本未満」が28%と最も多く、「2本以上4本未満」が27%と次いで多くなっています。中央値は3本/月となっています。 一方で、「10本以上」とい
医師は求人サイトをどの程度利用しているのでしょうか?また、求人サイトを見てどのように感じているのでしょうか? 2022年2月に実施した医師1,613人のアンケート結果から、医師の求人サイトの利用状況について見ていきます(回答者の属性)。 直近1年間に医師の求人検索をしたことのある医師は85% 過去1年以内に医師求人サイトで求人検索したことがあるかどうか(常勤・定期非常勤・スポットのうちいずれか)を医師に質問したところ、結果は下図のようになりました。 85%と大半の医師が過去1年間で求人検索をしていたという結果となっています。 直近1年間で医師が探していた求人の雇用形態および希望条件 求人サイトで医師はどのような求人を探していたのでしょうか?過去1年間で求人検索をしていた医師を対象に、探していた求人の雇用形態と希望条件について質問したところ、以下のようになりました(希望条件については一部の回
医師の79%がヒヤリ・ハットの経験あり 医師が勤務中にヒヤリ・ハットを経験した割合について調査したところ、下図のようになりました。 実に79%の医師がヒヤリハットの経験が「ある」という結果となっています。 医師の経験したヒヤリ・ハットの例 多くの医師が経験したことのあるヒヤリ・ハットですが、その具体例としてはどのようなものがあるのでしょうか?自由回答では下記のようなものが寄せられました(一部紹介)。 処方・投薬のミス 処方ミス。似たような薬剤名が隣にあって、間違えてそれを入力してしまった。 (60代男性、一般外科) 処方したと思っていた薬剤が実際には投薬されていなかった。 (50代女性、精神科) 処方した薬剤が禁忌薬だった (60代男性、一般外科) 糖尿病薬の誤薬により低血糖 (50代男性、精神科) 処方量間違いのヒヤリ・ハット (40代男性、小児科) 患者の取り違え 違う患者へのオーダー
医師の仕事は全国さまざまな地域でありますが、都会で勤務するのと郊外や地方で勤務するのとではどのような違いがあるのでしょうか?医師のアンケートの自由回答[1]から、各地域のメリット・デメリットについて紹介します。 都市部の勤務で医師が感じるメリット・デメリット メリット(良い点) 都市部なので交通の便が良い (40代男性、消化器外科) 都会ではあり、文化的な生活を送っている人か多く、こちらの説明に対する理解度かいい (60代男性、消化器内科) 都会的で洗練されている (30代男性、呼吸器外科) 都会であり交通、買い物などが便利 (40代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科) 様々なバックグラウンドの方が受診してくれるので飽きない (40代女性、耳鼻咽喉科) 地下鉄があり時間の遅れがほとんどない (40代男性、精神科) 周囲に紹介先の高次機能病院が多い (40代女性、血液内科) 公共交通機関で乗り換
地域によって通勤時間や通勤手段の傾向は異なると考えられますが、医師の場合はどのようになっているのでしょうか?医師の通勤事情について、1,792名の医師へのアンケート結果を見ていきます。 都市部に住んで郊外や地方の職場へ通勤する場合も―医師の居住地と勤務先の関係 医師の居住地の地域について「都市部」「郊外」「地方」の3つの選択肢で質問したところ、結果は下図のようになりました。 都市部に住んでいる医師が60%と最も多く、次いで郊外が22%、地方が18%という結果です。 一方、医師の職場(主たる勤務先)の地域は、下図の結果となっています[1]。 都市部が51%と居住地の場合に比べてやや少なくなり、郊外が28%、地方が21%となっています。 居住地と医師の職場の地域についてまとめた結果が下表となります。 都市部→都市部、郊外→郊外、地方→地方の通勤がやはり多い状況となっていますが、都市部に住んでい
医師の情報収集の方法で最も多いのは「医学誌」 医師が専門領域に関してどのように情報収集をしているのかについて調査したところ、結果は下表のようになりました。 「医学誌」という回答が66.0%と最も多く、次いで「学会」が61.5%、「医師向け情報サイト」が59.4%と多い結果です。 年代別での医師の情報収集方法の違い 20代・30代 医師の情報収集方法を年代別で見ると、20代・30代の若手医師では「書籍」を情報収集の方法とする割合が60.4%と高くなっており、専門医用のテキストなど一定の教材を用いた学習をしている場合が多いと考えられます。 40代・50代 一方、40代・50代の医師では「学会」や「医師向け情報サイト」を通じた情報収集が比較的多い状況となっています。 60代以上 また、60代以上の医師では「医師向け情報サイト」の割合が69.9%と最も高く、「学会」は50.7%と低くなっています。
診察室や当直室の椅子 (50代男性、リハビリテーション) 当直室には、バストイレを備えてほしいです。 (50代男性、皮膚科) US、当直室のベッド (30代女性、乳腺外科) 当直室は清潔であって欲しい (30代男性、整形外科) 当直室の水回り (30代男性、精神科) WiFi・通信環境 医局のWifi環境 (30代男性、消化器外科) 医局や病院内のWifiは欲しいところです。 (20代女性、血液内科) 医局のパソコンでインターネットができるようにしてほしい (30代男性、循環器内科) ネット接続環境 (50代男性、緩和ケア) 快適なLAN (50代男性、整形外科) 手術室の環境 手術録画システム (50代男性、乳腺外科) 手術室のエネルギーデバイス (40代男性、消化器外科) 手術用顕微鏡 (50代男性、眼科) 腹腔鏡手術装置 (50代男性、一般外科) 手の外科用手術機器 (40代男性、整
新専門医制度への関与状況 新制度へ移行して3年が経過した中、専攻医や指導医など、新専門医制度に何らかの形で関わっている医師はどれぐらいいるのでしょうか?医師の回答は以下のようになりました。 「関わっている」が44%、「関わっていない」が56%という結果となっています。 さらに「関わっている」医師の内訳は下図のようになっていました。 「専攻医」が24%、「指導医」が33%、「専門医更新」が41%という状況です。また、2%の「その他」では、「専門医試験での評価」や「試験問題作成」などの回答がありました。 新専門医制度になって良かった点 新専門医制度に何らかの形で関わっている医師に、「新専門医制度になって良かった点」について質問したところ、以下のような回答がありました(一部紹介)。 特にない 特にないが、若手の先生が取りにくくなった影響ですでに取得している我々の優位性が増すという意味不明な状況に
性別では女性医師で、よりチーム主治医制が望まれる傾向 医師の病棟対応において一般的に(自身の業務に限らず)望ましいと思う体制について、男性医師(N=1,460件)・女性医師(N=423件)それぞれの回答結果は下図のようになっています。 チーム主治医制を望ましいと思う医師が男性の場合は44%なのに対して、女性では57%と多くなっています。 年齢別では若手医師でややチーム主治医制がより望まれる傾向 同様に年齢別に20代・30代(N=660件)、40代(N=629件)、50代以上(N=594件)の3区分で検証したところ、以下のような結果となりました。 チーム主治医制を望ましいと考える医師の割合で比較すると、20代・30代は51%、40代は47%、50代以上は43%と、年齢が若いほどチーム主治医制を望ましいと考える医師の割合が高くなっています。ただし、男女間の違いと比べると年齢別の違いはそれほど顕
病気やケガは昼夜・休日問わず発生し状態も変化していきます。そのような患者のタイミングに合わせるため、医師には実際に診療に従事している時間以外に、オンコールや当直といった「待機」の時間も必要になってきます。 しかし、オンコールや当直は労働時間にみなされない場合もあるなど、実働時間に比べて待機の時間に対する法律や報酬の面での評価は相対的に低くなっています。果たして、この状況は適切なのでしょうか?オンコールや当直の待機の負担について勤務医はどのように感じているのでしょうか?以下では、これに関して研究した最近の論文を紹介します。 オンコールや当直「待機」の時間は実働時間以上に医師の勤務意欲を低下させる 医療経済研究(医療経済学会雑誌/医療経済研究機構機関紙)に掲載されたこの論文[1]では、所定外の労働時間を実働時間と待機時間に分け、また待機時間の中でも当直とオンコール業務に分けて、それぞれの医師が
医師は医師免許取得後も知識や技能の習得など長期にわたる修練が求められます。それでは、医師が「一人前」として自他ともに認められるようになるためには、何が必要なのでしょうか?1,740名の医師へのアンケート調査をもとに見ていきます。 <関連記事> ・医師がキャリアの中で大切にしていることとは?医師1,740名へのアンケート結果 医師はいつ「一人前になった」と感じるのか? 医師に一人前になったと感じた時期について質問したところ、下表のような結果になりました(医師になってからの年数で回答)。 若い医師も含めて回答しているため「まだ「一人前」になったと感じていない」という回答が最も多くなっています。それ以外では、「10年目以上15年目未満」が26.1%と最も多く、次いで「5年目以上10年目未満」が18.6%と多くなっています。 医師を募集している医療機関では、即戦力として10年目以降の医師を念頭に置
医師の仕事は「滅私奉公」的な側面が未だに強いと言われることがあります。確かに医師の働き方改革の議論では、医師の長時間労働に支えられている医療の状況などを鑑みて、一般の職業とは異なる基準で時間外労働の上限が設けられる見通しになっています[1]。 一方で、医師の転職理由の調査では1番に「家庭・生活事情」が入るなど、最近では家庭やプライベートを大切にする医師も増えてきているようにも思われます。 実際のところ、医師は自身のキャリアの中で、どのようなことを大切にしているのでしょうか?2021年2月~3月にかけて調査した1,740名の医師へのアンケート結果をもとに医師のキャリア観について見ていきます(回答者の属性)。 キャリアに関する7項目のうち医師が重視していることは? 医師がキャリア上重視していることについて、「やりがい・患者や社会への貢献」「自身の成長」「家庭・プライベートの充実」「収入・将来の
新型コロナウイルスの感染拡大は、医療機関での医師の募集状況にも少なからず影響を与えています。実際にどのような変化が起きているのか、以下ではその背景も踏まえつつ最新の医師の採用動向について整理していきます。 コロナ禍での患者数の減少と医療機関の経営状況の悪化 まず、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、感染リスクを恐れた患者が受診を控えるようになり、医療機関を受診する患者数が以前よりも減少してきています。以下の中医協の資料では、小児科・耳鼻咽喉科・眼科をはじめとする多くの診療科で患者が減っていることが見て取れます。 また、株式会社メディウェルが2021年1月に実施した医療機関への調査(下図、n=78)でも、新型コロナが広まる前と比べて患者数が「減った」「どちらかといえば減った」とする回答が合わせて8割弱を占める状況となっていました。 患者数の減少はそのまま医療機関の収益の減少に繋がります。
2020年12月に実施した医師1,869名の年収に関するアンケートでは、「収入が減った」という回答が「収入が増えた」を上回るなど、コロナ禍で医師の収入にも影響が出ている状況が見えてきました。 今回はさらに医師の専門領域によって収入への影響がどのように出ているのか、診療科別での検証を行いました。 診療科別での医師の平均的な年収(アルバイト・副業込み) 医師の診療科別での年収(アルバイト・副業込みの収入)は下表のようになっています。年齢・性別の内訳でそれぞれバラつきがあるため、年代・女性割合も右側に付記しています。 脳神経外科・整形外科・麻酔科の年収の中央値が1,900万円と高くなっています。一方で皮膚科は1,100万円と最も低く、次いで形成外科・小児科・健診・人間ドックで1,300万円と低くなっています。 麻酔科など一部の診療科を除くと、診療科で女性割合の高い場合に年収の中央値が低くなる傾向
新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う自粛の中で、医師の就職・転職活動においてもオンラインで面談・面接をする場合が増えてきました。 就職・転職活動のオンライン化について医師はどのように考えているのでしょうか?2020年8月に実施した医師1,846名のアンケート結果を紹介します。 就職・転職での面接や面談のオンライン化に関する医師の回答 就職や転職活動における面談・面接のオンライン化についての意見を医師に調査した結果は下図のようになっています。 「状況によってオンラインで実施する場合と、直接顔を合わせて実施する場合があってよい」という回答が最も多く、49%を占めている状況です。 「全てオンライン化するのがよい」(10%)と「多くの場合でオンライン化した方がよい」(27%)で合わせて37%の医師が面談・面接のオンライン化をした方がよいと考えている状況です。 一方、「全てオンラインでなく直接顔
医師は長時間労働になりやすい職種の一つで、働き方改革による2019年4月からの残業時間制限でも適用除外を受けています。 当直を含めた連続勤務でなかなか家に帰れない、自宅にいても昼夜問わず呼び出しを受けてすぐに病院に行く必要がある、といった場合も少なくない中、医師の仕事と家庭との両立はどのような状況になっているのでしょうか? 2020年10月に実施した医師1,988名のアンケート調査結果を紹介します(回答者の属性)。 医師の勤務先および家族構成の状況 主たる勤務先 アンケートに回答した医師の主たる勤務先は以下のようになっています。 大学病院以外の病院勤務医が57%と最も多く、次いでクリニック勤務医が18%、大学病院勤務が15%を占める状況となっています。また、休職中は2%となっています。 以下、休職中以外の医師を対象に、仕事と家庭の両立の現状について見ていきます。 家族構成 医師の同居中の家
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