【ボストン=坂本一之】米国の元国防次官補で知日派の重鎮であるジョセフ・ナイ米ハーバード大名誉教授は13日までに産経新聞のインタビューに応じ、石破茂首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し「実現は不可能だろう」と述べ、重要国との関係深化など現実的政策の「段階的なアプローチ」を提言した。日米が直面する「中国の挑戦(脅威)はなくならない」とし、日米同盟強化の重要性を強調した。 ナイ氏は、アジア版NATOについて「理念としてはいいかもしれないが、インドが参加することはない」と明言。地域の重要な国々が受け入れると思えない政策で、実現は困難だとした。 米側の対応に関し「構想自体に反対とは思わないが、『成功しないなら時間と労力を費やさないよう注意すべきだ』と(日本側に)伝えるだろう」と述べ、現実的な政策の推進を呼び掛けるとの見立てを示した。日本には防衛協力などが必要な重要国との関係深化を積み