鉄道の駅でよく見かけるようになった可動式ホーム柵。普段利用している駅に知らぬ間に設置されていて「いつ工事したの?」と驚いた経験はないだろうか。市営地下鉄で唯一、ホーム柵が設置されていなかった鶴舞線で、9月から設置工事が始まった。作業にはどんな苦労や工夫があるのだろうか。なかなか見ることができない深夜の工事に密着した。 9月9日午前0時15分。終電が走り去った庄内緑地公園駅(西区)の赤池方面ホームに作業服姿の60人ほどが集まった。しばらくして案内放送が流れると、通常の進行方向とは逆方向から電車が入ってきた。 車内をのぞくと、人ではなくピンク色の緩衝材に包まれた大きな箱のようなものがぎっしり。鶴舞線の車両をメンテナンスする日進工場(日進市)から、120メートル分のホーム柵を26のパーツに分けて運んできた電車だった。