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大そうじへの備え
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9歳で難関の第1種電気工事士に合格 石川禾奈子さん(福島県白河二小3年) 第2種取得から4カ月で再び快挙 2024/12/14 11:10 9歳で第1種電気工事士に合格した石川禾奈子さん 福島県白河市の白河二小3年の石川禾奈子(かなこ)さん(9)は13日、大規模施設などの電気工事に従事できる国家資格の第1種電気工事士に合格した。8月に第2種電気工事士も取得しており、わずか4カ月間のうちに連続して快挙を成し遂げた。 第1種電気工事士は筆記と技能の両試験を突破する必要がある。試験は年2回行われ、今年は5万511人が申し込んだ。一般財団法人電気技術者試験センターによると、1万7004人が合格し、合格率は33・7%だった。資格を取得すると、500キロワット未満の高圧電流が流れる学校や商業施設などでの工事に携われる。 第2種を取得後、すぐに第1種の準備に取りかかった。西郷村の東陽電気工事社長で母の格
ライブで熱唱する吉岡さん(中央)ら キャラクター衣装でステージを盛り上げる吉岡さん(中央)ら 温泉地の魅力を発信する「温泉むすめ」のキャラクター声優による「温泉むすめ ミニライブ&トークイベントin飯坂温泉vol.3」は27日、福島市のパルセいいざかで開かれた。全国各地から延べ約700人のファンが訪れ、多彩なステージに熱狂した。 飯坂温泉観光協会の主催、福島市観光開発の共催、温泉むすめプロジェクトを運営するエンバウンド(東京都)の協力。 飯坂温泉の「飯坂真尋(まひろ)」役の吉岡茉祐(まゆ)さん、湯村温泉(兵庫県)の「湯村千代」役の高木美佑さん、小野川温泉(山形県)の「小野川小町」役の村上奈津実さんらが出演した。 トークステージでは、出演者が感じた飯坂温泉街の魅力を紹介。人工知能(AI)を用いたアバター(分身)に変身した飯坂真尋の応対システムも披露した。来場者がアバターに質問し、回答を予想し
「放射線被ばくと甲状腺がん、有意な関連なし」 福島医大研究グループが発表 2024/10/11 10:41 福島医大放射線医学県民健康管理センターの研究グループは、東京電力福島第1原発事故発生時に18歳以下だった子どもを対象にした福島県民健康調査の甲状腺検査のデータを解析し、「放射線被ばくと甲状腺がんの発見には有意な関連はない」との結果をまとめた。医大が10日、発表した。 研究グループには、高橋秀人特任教授らが所属している。2017(平成29)年までに甲状腺検査を受けた25万3346人の甲状腺がんの有無、外部被ばく線量との関係性を分析し、研究結果を取りまとめた。8月に英国の臨床医学関連の学術誌「eClinicalMedicine」に掲載された。 県民健康調査検討委員会の甲状腺検査評価部会は、4回目までの甲状腺検査について「甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」との解析結果を公表
古里の経験が創作の原点 大ヒット劇場アニメ「ルックバック」 監督の押山さん(福島県本宮市出身) 2024/09/10 10:10 時代の変化を捉えたより良い作品を生み出したいと意気込む押山さん 漫画が原作の劇場アニメ「ルックバック」が6月の上映開始以降、興行収入17億円を超える大ヒットを記録している。メガホンを取ったのは福島県本宮市出身のアニメーション監督・押山清高さん(42)。生まれ育った古里を思わせる景色が描かれている場面もある。「これからも多くの人に見てもらえる映画を作りたい」と意欲的だ。 今作は、原作ファンが多いのはもちろん、映像化の手法が評価されている。制作の過程で清書され消えてしまう「原画」をそのまま使い、少数精鋭のスタッフ陣が手がけた躍動感ある線が生きる仕上がりとなった。ただ、押山さんは「人の手だけでつくる作品はこれが最後だと思う」と時代の流れを注視している。 アニメーターの
【鉄路と生きる】阿武急より身近に 福島学院大と協定 イベント列車や駅舎活用 学生の発想生かしPR 2024/09/06 10:55 地域活性化に向けて協定書を交わす桜田学長(右)と冨田社長 あぶきゅう応援団などでつくる実行委が企画した阿武隈急行線の乗車ツアー=8月24日 阿武隈急行と福島学院大は連携して福島、宮城両県を結ぶ第三セクター鉄道・阿武隈急行線の利用を促進する。学生のアイデアを生かした貸し切りイベント列車の運行や駅舎を拠点とした情報発信などを展開し、住民に「阿武急(あぶきゅう)」をより身近に感じてもらう。通勤・通学など住民の足として欠かせないが、沿線人口の減少などで利用は低迷している。学生の柔軟な発想と大学の専門的知見を生かし、鉄路を盛り上げる。5日、包括連携協定を締結した。 取り組みの第1弾として、福島市の宮代キャンパスなどで11月に開かれる全国ろうあ青年研究討論会で臨時列車を運
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、8日で1年。日常生活は平時に戻りつつあるが、依然として流行の波を繰り返している。厚生労働省が4月に発表した最新の人口動態統計(概数)によると、昨年5~11月に計1万6043人が新型コロナで死亡。専門家は「命を落とす人がいることを改めて理解して」と訴える。政府は法改正や新組織発足を進め、次の感染症危機に備える。 今年4月以降は、治療薬や入院費の負担が増え、医療機関への受診控えも危惧される。 マスク着用といった感染対策は今後も状況に応じて求められる。国立病院機構三重病院の谷口清州院長(小児感染症学)は「国民が適切な感染対策を取るためにも、政府は重症化率や入院後の死亡率といった感染の実態が分かる情報をこまめに知らせるべきだ」と指摘する。 高齢者や基礎疾患のある人は重症化リスクが高い。同じ5類の季節性インフルエンザは、2019年の年間死者数が
被災地に本を送るな、という声が上がっているらしい。混乱の極みにある避難所などに、段ボール箱に本や雑誌を詰めて送ったところで、そんなものは誰も読まない、ゴミになるだけだ、という。もっともな批判に聞こえる。しかし、そうした批判の「正しさ」に萎縮して先に進めなくなるのであれば、それはとても不幸なことだ。 わたしは実は、東日本大震災のあと、三カ月足らずが過ぎた頃に、関わりのあった岩手県の遠野市で、全国に呼びかけて本を送ってもらい、それを被災地に献本する運動を始めている。そのときの体験を思い出しながら、書き留めておきたいことがある。 三陸沿岸の村や町からは、いくつもの声が聞こえてきた。本を読みたい気持ちはあるが、避難所に届いた段ボール箱を開けると、不要になった本や雑誌を詰め込んだのか、避難している人たちが読めるものは少なかった。学校に届けられた箱には、大人向けの週刊誌ばかり、ということがあった。いつ
「守れた命…」妻、後悔 福島県内で認知症の夫不明、遺体で発見 自宅介護 目を離した隙に 2024/02/24 09:31 夫が生前、服用していた処方薬に手を置く女性。「守れたかもしれない」と後悔を抱えて過ごしている 高齢社会の進行に伴い認知症の患者や、その疑いのある人が行方不明者となるケースが全国で増えている。福島県内に住む70代女性は、長く連れ添った70代後半の夫が昨年末に姿を消し、ひと月半ほど後に遺体で対面した。「守れたはずの命だったかもしれない」。女性は悔いを胸に日々を過ごす。夫の発症からおよそ3年間、自宅で献身的に支えてきたが、目を離した隙の、つかの間の出来事だった。 昨年末のある日。女性が家の玄関先で友人と立ち話をしていたわずかな間に、直前までそばにいたはずの夫の姿が見えなくなった。 「どこに行ったんだろう」と慌てて周辺を捜し、すぐに警察に通報した。警察と消防に近隣住民も加わって
福島県がJR利用詳細調査 新年度、赤字4路線中心 時間帯別や無人駅乗降者数など 実態把握し利活用策 2024/02/15 09:47 福島県は新年度、JR東日本公表の収支で赤字が明らかになった県内JR4路線を中心に、詳細な利用実態を初めて調査する。JR公表の利用状況だけでは測りきれない時間帯別、無人駅での乗降者数などを明らかにし、より実効性ある利活用促進策を打ち出す。14日、郡山市役所で開かれた水郡線活性化対策協議会のワーキンググループ(WG)の成果報告会で示した。 対象路線・区間は今後精査するが、JR公表の収支で赤字が判明した水郡線、只見線、磐越西線、磐越東線の4路線9区間のうち、沿線自治体の若手職員らが活性化策を議論してきた水郡線や磐越東線を主に調べる方向で調整する。 JRが利用状況を示すデータとして公表しているのは一定区間の1キロ当たりの1日平均乗客数、駅ごとの1日平均利用者数。駅ご
「命」つないだ新技術 古河電池いわき事業所(福島県いわき市)開発 宇宙用リチウムイオン電池 電力供給 予定外の活躍 2024/01/21 09:31 SLIMに登載された古河電池のリチウムイオン電池 SLIMの観測データ解析に意欲を見せる大竹教授 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小型探査機「SLIM(スリム)」の太陽電池が発電しない事態に見舞われる中、月面に着陸後の電力を確保したのが古河電池(本社・横浜市)いわき事業所(福島県いわき市)の開発した宇宙用リチウムイオン電池だ。着陸で電力を使い果たす予定だったが、想定よりも消費が少なく、残っていた電力を供給できた。同社製の電池は探査機「はやぶさ」などにも登載され、培ってきた技術がSLIMの「命」をつないだ。 「ほっとしている。最後はドラマみたいな予想外のミッションもこなしてくれた」。着陸が成功した20日、電池の運用を支援した古河電池い
ステンドグラスの完成を祝う歌声が響いた白河駅 大正時代の風情が残る福島県白河市のJR白河駅の駅舎で25日、ステンドグラス完成披露会が開かれた。関係者がテープカットし完成を祝った。 2021(令和3)年の駅舎改築100年を機に、ステンドグラス風のガラスから本物のステンドグラスに入れ替えた。 市内のステンドグラス作家・渡辺真さん(わたなべ工房)が手がけた。正面入り口上部に一辺約80センチの装飾ガラス5枚がはめ込まれ、入れ替えにより外光を柔らかな色調で取り込むことができるようになった。 テープカットに先立ち、鈴木和夫市長とJR東日本の三林宏幸執行役員東北本部長があいさつし、渡辺さんがステンドグラスの制作について解説した。 完成を祝い、市内を拠点に活動するゴスペルグループABOO SINGERS(アブーシンガーズ)が「オーハッピーデー」などを披露。記念品として限定100個の特製缶バッチが配布された
復元されて掛田駅に設置した路面電車に乗り込む来場者 福島交通(本社・福島市)は、1971(昭和46)年に廃線となった福島交通飯坂東線の路面電車1115号車を復元させ、福島県伊達市霊山町でバス待合所として利用されている掛田駅に設置した。 記念イベントが12日に掛田駅で開かれ、須田博行市長や福島交通の村上伸一郎福島支社長らがテープカットした。「路面電車を偲ぶ会」による朗読や霊山太鼓の演奏も行われた。来場者が路面電車に乗り込み、記念撮影を楽しんだ。偲ぶ会の安斎武会長(82)は「鉄道の街としてにぎわっていた当時の姿をしっかりと語り継いでいきたい」と語った。 復元された路面電車は、昨年11月まで伊達市の霊山こどもの村に展示されていた。老朽化が進み、解体して廃棄される予定だった。当時の歴史を知る貴重な資源であり、地元のシンボルとして保存すべきとの意向を受けて福島交通が1年がかりで修復作業を行った。当時
行政が頭抱える「勝手橋」 許可なし架設、管理者不明 台風13号で氾濫、福島県いわき市の宮川 2023/11/08 09:38 いわき市内郷地区の宮川に架かる欄干のない「勝手橋」。住民によると50年近く前からあるという 台風13号に伴う大雨から8日で2カ月。県管理河川「宮川」が氾濫したいわき市内郷地区の浸水域で、所管する県の許可なく架けられ、管理者の不明な橋が新たな課題となっている。被災後の県の調査ではこうした「勝手橋」は11カ所に上り、引っかかった流木などが流れをせき止め、浸水の一因となった可能性も指摘されている。生活路として暮らしに根付く一方、維持管理が行き届かず老朽化する危険も懸念される。勝手橋は全国に点在するが、県内の実態把握は進んでおらず、県や市町村は対応に頭を悩ませそうだ。 宮川を管理する県いわき建設事務所が、台風被害を受けて橋の状況を調べた。調査の結果、浸水した流域の3キロ区間
50年前、原発の安全問う 双葉高生が当時の校内新聞で特集 創立100年の年、再び世に 福島県双葉町 2023/10/24 10:11 50年前に執筆に関わった「双高新聞」を手にする官林さん 半世紀前の1973(昭和48)年11月17日に発行された双葉高の校内新聞「双高(ふたこう)新聞」に、原発の安全性を問う特集記事が掲載されていた。東京電力福島第1原発事故で栃木県に避難している同窓生が、福島県双葉町の自宅で見つけた。すでに1号機が営業運転を始めていた中、原発設置についての地域の意向をアンケートで浮き彫りにし、当時の住民の思いが垣間見える。高校は創立100年を迎えた。携わった同窓生は「休校中の母校の節目に、当時の高校生が持っていた問題意識を知ってほしい」と呼びかけている。 発行した年に東電福島第1原発の双葉町側敷地で6号機が着工した。こうした時代背景を受け、新聞部が特集を組んだとみられる。通
【処理水放出1カ月】ヒラメ単価1割上昇、常磐もの市場大きな変動なし 福島県「風評被害見られず」 2023/09/23 09:42 地元で水揚げされた魚介類などが並んだいわき市中央卸売市場の競り=22日午前6時25分ごろ 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まって24日で1カ月となる。福島県いわき市漁協が公表している市況によると、常磐ものの代表格ヒラメの1キロ当たりの平均単価は昨年に比べて約1割上昇した。県水産海洋研究センターのまとめでは、ほぼ全ての魚種の市場価格に大きな変動はなく、県は「海洋放出による風評被害は見られない」としている。 22日朝、いわき市中央卸売市場には本県沖で水揚げされたヒラメやカレイなどが並んだ。この日のヒラメは2500円~3千円の値が付き、市場関係者によると例年よりも値上がりしている。 福島民報社は市漁協の市況情報を調べ、主力漁法の底引き網漁が解禁された9月1日
トリチウム「魚に蓄積せず」 福島大などの研究グループ発表 青森、岩手両県沖で日本原燃再処理工場試運転前後分析 2023/09/07 10:41 福島大環境放射能研究所などの研究グループは、放射性物質トリチウムが海産物の体内に蓄積しないとの研究結果をまとめた。グループに参加した同研究所の高田兵衛准教授(46)が6日、発表した。日本原燃再処理工場(青森県六ケ所村)が2006(平成18)年に試運転を始めて海にトリチウムを放出した前後の海水と海産物を分析した。 福島大環境放射能研究所は2021(令和3)年度から本県沖で同様の調査を進めている。今回の研究結果について高田准教授は「東京電力福島第1原発の処理水海洋放出後のトリチウムの動きを知る上で重要な情報になる」としている。 発表によると、2003(平成15)年度から2012年度までに青森、岩手両県沖で採取された海水と海産物のデータを活用した。スケト
処理水放出を開始 試練の海いつまで… 福島県の漁業者にじむ無力感 県外サーファー「応援する」 2023/08/25 09:33 網の片付けをする漁師。奥は東京電力福島第1原発の排気筒=24日午前6時20分ごろ、浪江町・請戸漁港 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興へ向けて歩む福島県民、恵みの海は新たな試練の時を迎えた。処理水の海洋放出が始まった24日、漁業者は「ついに始まってしまった」と無力感をにじませた。一方、「廃炉を進める上では仕方ない」と冷静に受け止める人もいる。今後、長期間にわたる放出の間、風評の発生をどう抑えるか。県民は国や東電に安全対策の徹底と分かりやすい情報発信を強く求めた。 ■「きめ細かな情報発信を」 福島県民 沿岸部の漁港ではこの日も、漁から戻った漁業者が片付けなどの作業に追われていた。午後1時過ぎ、処理水の放出は始まった。少し波が立っていたが、海の様子はいつ
eスポーツの技能向上と温泉街の活性化を目指す渡辺さん 福島市飯坂町を拠点に世界で活躍しているプロゲーマー渡辺翔(かける)さん(25)は、飯坂温泉街からeスポーツの魅力を発信する。所属先の会社が年内にも温泉街の中心部に整備する交流スペースで、指導やゲームパフォーマンスに力を注ぐ。「飯坂温泉の活性化にも努めたい」と意気込んでいる。 愛知県出身の渡辺さんは、システムエンジニアを経て2021(令和3)年にプロ競技者のライセンスを取得した。「翔(かける)」のプレーヤーネームで活動し、人気格闘ゲーム・ストリートファイターを得意としている。 ■福島に移住、世界大会で躍進 渡辺さんはシステムエンジニア派遣業アスピロンド(本社・福島市)が運営するeスポーツチームに所属している。落ち着いて練習に専念できる環境を探していた際、同社の拝田遼平社長の勧めで、4月に埼玉県所沢市から福島市の穴原温泉街の住宅に転居。チー
【会津大学長 辞任の波紋】(下) 大学イメージ悪化懸念 不正行為、ランキングに影響か 2023/07/30 09:39 世界大学ランキングの結果を紹介する会津大のホームページ。宮崎氏の不正行為による影響でランキングの変動を懸念する声も上がる 27日に発表された会津大の宮崎敏明理事長兼学長(66)の辞任を受け、大学のイメージ悪化を懸念する声が上がっている。同大は世界大学ランキングに6年連続でランクインするなど、国内外で教育や研究が評価されてきた。ランキングの決定には、論文に関する評価項目があり、今回の不正行為でランキング低下などの影響が出る可能性がある。 英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した2023(令和5)年の世界大学ランキングでは、会津大は「801~1000位」に入った。日本国内では14位だった。文部科学省によると、ランキングは(1)教育(2)論文の引用数(研
【会津大学長 辞任の波紋】(中) 論文不正、基準不明瞭 実効性ある再発防止策を 2023/07/29 09:32 宮崎学長の辞任が発表された翌日の会津大。信頼回復へ実効性のある再発防止策が求められる 27日に発表された会津大の宮崎敏明理事長兼学長(66)の辞任の大きな理由は、執筆した論文に二重投稿と自己盗用の不正行為があったためとされる。文部科学省が作成したガイドラインで不正行為とされているが、どの程度の内容が不正とされるかは具体的に記されていない。論文の発表先の出版社や学会ごとに基準が定められており、研究者は不正防止のため自身による徹底した確認が必要となる。 二重投稿は自身の過去の論文と著しく重なる内容を別の論文として発表する行為。自己盗用は自身が執筆した過去の論文の文章や図表を適切に引用せずに掲載する。同省によると、2015(平成27)年度から2022(令和4)年度までの間に二重投稿1
宮崎敏明理事長兼学長が辞任へ 会津大が発表、31日付で 論文8本で二重投稿や自己盗用 2023/07/28 09:40 会津大は27日、宮崎敏明理事長兼学長(66)が執筆した論文8本で二重投稿と自己盗用の不正行為が確認されたとして31日付で辞任すると発表した。学内手続きを経ずに国への補助申請を進めたことも明らかにした。同大の理事長選考会議が辞任を勧告し、宮崎氏が辞表を提出した。理事長兼学長代行に8月1日付で趙強福(ちょう・きょうふく)副理事長兼副学長(62)が就く。福島県によると、会津大と福島医大が公立大学法人に移行した2006(平成18)年度以降、大学トップが任期途中で辞任するのは初めて。 ■代行に趙副学長 趙氏らが記者会見して発表した。会津大によると、二重投稿があったのは2008年から2012年までに発表した論文4件。先行論文と比較した結果、過去の論文と同じ内容だった。自己盗用があった
記者会見で謝罪する趙副理事長兼副学長(中央)ら 会津大の宮崎敏明理事長兼学長の突然の辞任が明らかになった27日、学内や大学のある福島県会津若松市に衝撃が広がった。大学トップの論文に不正行為が認定されたことに「尊敬できる先生。なぜこんなことになったのか」と困惑する。今年は開学30周年の節目に当たる。大学を長年支援している団体関係者からは「新学長の下で安定した大学運営を行ってほしい」との声も上がった。 大学関係者によると、宮崎学長は大学カリキュラムの改革などに力を入れていた。4月に市内で開かれた講演会では18歳未満の人口減少を念頭に、社会人が学び直すリカレント教育を強化する姿勢を強調。より優秀な学生が集うよう入試改革に着手する考えを示していた。ある教員は「リーダーシップがあり、まさに大学の顔。これからだったのに…」と落胆を隠さない。 福島民報社の取材で辞任を知った教員は「ショックだ。信じられな
【鉄路と生きる】鉄道網、国策で維持を 福島、山形、新潟知事 検討要望へ 柔軟な制度構築訴え 2023/07/21 10:00 福島、山形、新潟の3県知事は地方路線を含む国内の鉄道網を国策として維持する方策を検討するよう国に要望する。20日、新潟県佐渡市で開いた3県知事会議で決定した。JR只見線や米坂線など豪雨災害に伴う不通経験を持つ3県として地域住民や観光客らの移動を支える鉄路の重要性を訴え、路線存続に向けた制度構築などを求める。 鉄道を巡ってはコロナ禍に伴う利用者の激減によりJR各社の経営状況が悪化し、JR磐越西線や只見線など多くの地方路線の赤字が明らかになった。4月には地域公共交通の再編に向けた関連法が成立。経営難の地方鉄道の存廃について自治体や事業者が参加する国主導の「再構築協議会」の制度を盛り込んだ。国土交通省は今年度、沿線地域の実証事業などを財政支援する予算を確保している。 だが
福島民報社は福島テレビと共同で第41回福島県民世論調査を実施した。東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出に伴い「大きな風評被害が起きる」「ある程度起きる」との回答は合わせて87.8%に上り、3月の前回調査の計90.5%とほぼ同じ傾向となった。海洋放出する政府方針への国内外での理解度については「広がっている」との答えが初めて過半数となったが、政府が放出開始目標とする「夏ごろ」が迫る中、新たな風評の発生に対する県民の懸念は依然として払拭されていない現状が鮮明となった。 処理水の海洋放出に伴う風評被害に関する回答結果は、「ある程度風評被害が起きる」が55.7%(前回調査比0.7ポイント減)と最も多く、「大きな風評被害が起きる」が32.1%(同2.0ポイント減)だった。「ほとんど風評被害は起きない」は8.1%(同1.2ポイント増)、「全く風評被害は起きない」は0.7%(同
大宅壮一ノンフィクション賞に「黒い海 船は突然、深海へ消えた」 福島県いわき市の漁船沈没事故原因 国の報告疑問視 2023/05/19 09:20 「黒い海」を執筆した伊沢理江さん 大宅壮一ノンフィクション賞の選考結果が18日発表され、福島県いわき市小名浜の漁船第58寿和(すわ)丸の沈没事故を取材したフリージャーナリスト伊沢理江さん(43)の書籍「黒い海 船は突然、深海へ消えた」(講談社)が選ばれた。国は波をかぶったのが沈没の原因としたが、伊沢さんは関係者の証言などを基に国の報告に疑問を投げかけている。 伊沢さんは英国の新聞社勤務などを経てフリーになり、主にウェブメディアで執筆してきた。受賞作は初の著書。 賞は日本文学振興会の主催。表彰式は6月下旬に東京都内で実施する。 ◇ ◇ いわき市小名浜の漁船第58寿和(すわ)丸の沈没事故を取材し大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれた書籍「
5月8日から、新型コロナの感染症法上の位置付けが2類から5類へと移行した。2020年早春に始まったパンデミックは、3年余りの月日を経て、ようやく一つの区切りを迎えたことになる。感染規模の大きさ、死者数、そして当たり前の生活がこれほどまでの長期にわたって制限されたことは、一つの歴史として刻まれるだろう。 日本国内だけで、2020年春から2023年5月頭までの感染者数はおよそ3377万人、感染による死者数は7万4千人を超えている。ちなみに、100年前の大正時代、1918年から1921年に流行したスペイン風邪は、やはり同じ様に3年余り続き、日本での感染者数はおよそ2380万人、死亡者数はなんと38万人を超えていた。数字の上では、感染者数は今回のコロナの方がはるかに多く、そして死者数は医療の進化もあって、今回は大きく抑えられたと言える。 今回のコロナ禍の中で、お付き合いのあった方お二人を感染症で見
大正時代の終わりごろ、会津坂下町の住民が会津坂下駅と喜多方駅を結ぶ鉄路を構想した。「坂喜鉄道」と呼んだ。上京して国への陳情を重ねたが、日の目を見ることはなかった。失望は大きかったに違いない。町史に記録が残る▼実現していたら、環状線が生まれていたとされる。会津若松を出発した列車は磐越西線で喜多方に着く。そこで坂喜鉄道に乗り入れ会津坂下へ。さらに会津線(現・只見線)を走り、会津高田などをぐるりと回って会津若松に戻ってくる…。まるで東京の山手線を思わせる▼一城楓汰著「只見線敷設の歴史」(彩風社刊)は<会津盆地の鉄道風景がまったく違ったものになっていたであろう>と読む。新しい駅も開設されて人や物資が集まり、小さい街ができていたかもしれない。経済の様相や行政のあり方、住民一人一人の生き方も、かなり変わったのではないか▼JR磐越西線が豪雨災害から立ち直り、全面再開通した。只見線は全線復旧から半年が過ぎ
草野心平の飲酒量推計 福島高専5年生の村上紗彩さんが日記から数値化、毎日「適量の3倍」 2023/04/15 17:50 草野心平のアルコール摂取量を割り出した村上さん 草野心平が都内で経営した居酒屋「火の車」を再現したコーナー=いわき市草野心平記念文学館 福島県いわき市の福島高専ビジネスコミュニケーション学科5年の村上紗彩さん(19)は、同市出身の詩人草野心平(1903~1988年)の日記から飲酒量を数値化し、一日当たりのアルコール摂取量を割り出した。自身で居酒屋を経営するなど酒好きな一面は知られているが、村上さんの調査によると73歳にして適量の3倍を毎日飲んでいた。 草野好きの指導教員から「草野心平日記」を教えてもらったのが調査のきっかけ。どんな酒をどれだけ飲んだか日々の飲酒量が事細かに記されているのが気になり、草野が73歳だった1976(昭和51)年のうち240日分の飲酒歴をデータ化
村上春樹さん新作の舞台は福島県南会津町? 小説「街とその不確かな壁」に描写 2023/04/14 09:30 村上春樹さんの新作を並べた特設コーナー=福島市、くまざわ書店福島エスパル店 人気作家村上春樹さんの新作小説「街とその不確かな壁」(新潮社)は13日、発売された。主人公が館長を務める図書館が福島県南会津町にあると読めるような描写があり、ファンや地元関係者が関心を寄せている。 新作は3部構成で、2部は主人公の「私」が図書館長に就く場面から始まる。「私」が面接のため東京から図書館に向かう際、東北新幹線を郡山で降り、在来線で会津若松まで行き、ローカル線に乗り換える。山と山との間を縫うように抜けて着いた駅の前にはタクシー乗り場とバス乗り場があり、図書館までは歩いて10分ほどと描写されている。会津若松からのローカル線が会津鉄道だとすれば、「私」が降りた駅は南会津町の会津田島駅となり、駅から10
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