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ドラクエ3
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製品を壊すことなく行う検査を非破壊検査といいます。透過力の大きいX線やγ線で金属の対象物を照射し,溶接などの欠陥個所を検査するもので,透過したX線やγ線を写真フィルムや乾板に受けてその写真像を解析し,問題の場所を探ります。日本で発生した貴重な事例としては,1971年に千葉県で起きたイリジウム被ばく事故があげられます。 ・事故の概要:千葉イリジウム被ばく事故 1971年9月18日午後3時頃,千葉県内にある造船所の構内にステンレス製の自動車のアンテナのようなものが落ちており,A氏はそれが何かわからないままズボンのベルトにさし,好奇心から自分の下宿に持ち帰りました。その日の夕方,A氏の下宿には5人の友人が訪れてその線源をさわり,うち2名は部屋に宿泊,その後4日間に他の友人数名も出入りしました。2日後,造船所でも非破壊検査に用いる強力な放射線源イリジウム(Ir-192)(1.63TBq)が紛失して
再処理施設において、使用済燃料貯蔵プールへ作業員が転落した。備え付けの浮き輪が投げ込まれ水没を防いだが、引き上げに時間がかかり約30分を要した。作業員は、しっかり浮き輪に捕まっており、受け答えもはっきりして、会話しているが、話し中に、かなり咳き込んでいる。汚染水を飲んだだけでなく、呼吸器へも入った可能性が高い。外傷はないとのことである。 ※使用済燃料貯蔵プールは、原子炉の燃料として使われたウラン化合物の熱の冷却および放射能の減衰のために保管される場所であり、使用済燃料を一定期間保管貯蔵する場所である。深く沈んで、使用済燃料に近づくと、場合によっては致死線量位の重大な外部被ばくをすることもあり得るが、使用済燃料までの水深は深く、転落程度で到達できる深さではない。(使用済燃料貯蔵プール概要 章末コラム参照)
原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲。原子力施設に起因する放射性物質または放射線の異常放出が発生した場合、緊急に講ずべき対策として、周辺住民等の屋内退避や、避難等放射線被ばくを低減するための必要な措置をとるための判断のめやすとなる原子力施設からの範囲(距離)をいう。原子力施設の種類ごとに、EPZの目安が与えられている。
被ばく後、2〜3年目から15年頃まで白血病リスクが上昇します。また、被ばく後20年以降に固形がんリスクが上昇します。被ばく線量に比例して、放射線発がんリスクが上昇します。放射線影響研究所は、日本人が被ばくした場合の生涯リスクを推計しています(表3参照)。200mSvの被ばくを受けた場合、子供ほど発がんリスクが高くなります。 表3 放射線発がんリスク 自然発生生涯リスク(過剰リスク/200mSv)
テキストのPDFファイル も用意しました。 詳細版 第2章 (452KB) 詳細版 第3章 (564KB) 詳細版 第5章 (712KB) 詳細版 第7章 (572KB) 詳細版 第8章 (500KB) 詳細版 第10章 (564KB) ダウンロードして閲覧できます。 右クリックして保存してください (詳しくは、 PDFファイルのダウンロード方法を 見てください)。
1)JAERl-M92-144, p229-231, JAER1992. *1β線最大エネルギーはPa-234mから放出されるβ線である。 体表面の汚染部位から放出されるβ線の放出割合を100%とした場合、線源の外表面に出てくるβ線の割合を線源効率と呼んでおり、線源から放出されるβ線が線源内部で自己吸収されれば線源効率を低下させ、後方散乱されれば線源効率を増加させる。上記核種のエネルギー範囲であればその値に幅はあるものの、50%程度と見て良いであろう。以上の機器効率と線源効率を乗じることにより、サーベイメータの入射窓面積20cm2当たりの放射能量(Bq)を得るための換算係数((Bq/20cm2)/cpm)が得られる。β線サーベイメータ校正用としては一般にU3O8線源が使用されており、その換算係数は約0.045であるが、図1に示すようにβ線エネルギーが低くなれば換算係数は高くなる。 いくつ
1) 測定の目的 緊急時に放射性物質が原子力施設外に放出されるような場合、周辺住民も放射線防護の直接の対象となります。周辺住民に対しては、緊急時環境モニタリングによる予測線量に基づき屋内退避か避難等の防護対策がとられます。防護対策は、急性障害の発生を防止すること、被ばく者に応急処置や放射線障害に対する治療を実施すること、確率的影響の発生を実行可能な範囲で低減すること等を目的としているため、状況に応じた適切な空間放射線量率を測定することが必要となります。 このページのトップへ 2) 測定方法―サーベイメータの種類― 緊急時に環境の空間放射線量率を測定するためには、表2に示すようなサーベイメータが主に使用されます。γ線の測定には、NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータ、GM計数管式サーベイメータ、電離箱式サーベイメータがあります。中性子線の測定には、3He計数管やBF3計数管を用いた中
体内汚染の診断は、体内からの放射性物質もしくは放射線の検出により行います。そのため、口角スワブ・鼻腔スメア(拭い取ったもの)や傷口からの分泌物等に汚染が認められれば、体内汚染を示唆する有力な証拠であり、同時に核種の同定や線量評価にも利用されます。また、便・尿・嘔吐物等の排泄物を計測・測定することも重要です。 なお、口や鼻腔周囲の体表面汚染や傷口汚染があれば、原則として体内汚染を疑います。 このページのトップへ 1) 体内汚染時の問診 一般的な問診(核医学の診断・治療の有無を含めて既往歴・現病歴)を行うことは、いうまでもありません。体内汚染があることが判明している場合およびその疑いがある場合には、本人もしくは随行してきた放射線管理要員等に対し、次のような項目について問診を行い、できる限り情報を得るように努めます。これらの情報から、体内動態や除染方法が明らかになることがあります。 汚染の原因と
緊急被ばく医療に関する資料、ビデオ、テキスト、スライド等をまとめています。一部の資料はダウンロードして閲覧することもできます。 基礎資料 ビデオ テキスト Q&A/用語集 定期刊行物 参考資料 基礎資料
放射線による皮膚損傷は,「放射線熱傷」や「β線熱傷」などのように呼ばれることがあります。しかしながら,放射線皮膚損傷の治療を行うに当たっては,まず,この病態が「熱傷」とは言うものの,温熱による熱傷とは病態が全く異なる事を理解しておく必要があります。 温熱による熱傷では皮膚表面から順じ深さに応じて物理的に損傷を受けていきます。一方,放射線による皮膚損傷の程度は表面からの深さではなく,細胞の成熟度によって異なります。このため障害の顕在化は細胞の周期に依存します。治療にあたっては,まず放射線による皮膚損傷の症状と発現時期を知っておかなくてはなりません。 表2-11 放射線による皮膚障害と発現時期 皮膚障害の種類 発現時期
放射性核種が鼻腔や口あるいは傷部を介して,体内に取り込まれてしまうことを内部汚染といいます。内部汚染に伴う被ばくを,内部被ばくと呼びます。体内に取り込まれた放射性核種は,その物理的な半減期や排泄による生物的な半減期により徐々に減少していきますが,その程度は放射性核種や摂取経路によって異なります。 ・内部汚染の確認 内部汚染の確認は,綿棒やスメア(スワブ)を用いて行うことができます。例えば,吸入による放射性核種の摂取のおそれがある場合は,鼻孔スメア(図2-14)を採取し,スメアの放射能を測定することで内部汚染の確認を行うことができます。経口や傷部を介しての内部汚染の場合も同様であり,口角スメアや傷部のスメアなどを採取します。なお,内部汚染の確認に使用した試料は,後の内部被ばくによる線量評価に必要となる場合もあるので,袋などに入れて保管しておくことが重要です。 内部汚染の確認は前述したような方
基礎講座 I(除染・搬送コース) 「緊急被ばく医療のあり方について」の考え方 (PDF197KB) 放射線防護と事故事例 (PDF2.0MB) 緊急被ばく医療に必要な放射線測定の基礎 (PDF1.3MB) 放射線測定実習−サーベイメータによる放射線測定− (PDF1.7MB) 参考資料 サーベイメータの取扱方法 (PDF1.5MB) 除染実習−汚染を伴った外傷患者の取り扱い− (PDF2.4MB) 搬送実習−汚染を伴った傷病者の搬送− (PDF803KB) 付録:救急連絡票の記入例 (PDF333KB) このページのトップへ
PDFファイル(2MB) PDFファイルも用意しました。ダウンロードして閲覧できます。右クリックして保存してください (詳しくは、PDFファイルのダウンロード方法を見てください。 お使いのadobe acrobatのバージョンが9以下の場合、正しく表示されないことがあります)。
放射性核種が体内に沈着した患者さん(傷病者)の処置は、吸収線量と将来の生物学的影響の低減化を図ります。これには2つの方法、 吸収と内部沈着の低減 吸収した核種の除去と排泄の促進 があり、いずれも被ばく後できる限り早い時期に開始する方が効果は大きくなります。 一般に治療の効果は、放射性核種が循環系に入っていない場合に最も高くなります。また、細胞内に取り込まれる(incorporation)前に行う必要があります。安定同位元素による希釈または阻害は、放射性核種の排泄率を高め、組織に沈着する放射性核種の量を低減します。放射性核種が既に標的組織または細胞に吸収されている場合、排泄促進効果は少なくなります。体内汚染の治療に際して最も留意する点は、 放射性核種に対する適切な薬剤の選択 被ばく後のタイミングのよい投与 です。また、放射性核種が酸、フッ素(六フッ化ウラン-UF6等)、水銀、鉛等との化合物で
原子炉施設等で原子力災害が発生し大気中に大量の放射性ヨウ素が放出されたと想定した場合,放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積され内部被ばくを引き起こす可能性があります。 この甲状腺内部被ばくの予防策には,屋内へ退避し窓などを閉めて放射性ヨウ素を吸入しないようにしたり,飲食物を摂取しないようにしたり,放射性ヨウ素の影響の少ない地域への避難することが重要と考えられます。また,放射性ヨウ素の吸入が想定される場合には,防護薬剤として安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム,KI)の予防服用が推奨されています。 安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム)をあらかじめ服用しておくことにより,放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを防ぐことができます(図2-17)。
4.ヨウ素を含む製剤の服用による副作用 4−1 ヨウ素に対する過敏症 ヨウ素過敏症は、ヨウ素に対する特異体質を有する者に起こるアレルギー反応である。服用直後から数時間後に発症する急性反応で、発熱、関節痛、浮腫、蕁麻疹様皮疹が生じ、重篤になるとショックに陥ることがある。 また、ヨウ素を含む造影剤によるアレルギー反応は、造影剤過敏症として知られている。 さらに、低補体性血管炎(Hypocomplementemic Vasculitis)はヨウ素に過敏である場合があり、ジューリング疱疹状皮膚炎(Dermatitis Herpetiformis Duhring)は、ヨウ素に過敏であると考えられている(35,36)。 ヨウ素に対する過敏症を有する者が、ヨウ素を含む製剤を服用すると、アレルギー反応を引き起こす。 4−2 甲状腺機能異常症 血中甲状腺ホルモンの濃度の上昇による甲状腺機能亢進症や、その低下
*作業者の吸入摂取の場合における単位摂取量あたりの50年間預託実効線量(参考:ICRP Publication 68) 表2-2に示すように,プルトニウムは他の放射性核種に比べ,実効線量係数が高いことが確認できたと思います。この理由は二つあり,一つはα線を放出する放射性核種(α放射体)であること,もう一つは長期間に及び体内に残留するためです。α線は表皮で遮へいされてしまうために,皮膚に付着していたとしても被ばく上は問題となりませんが,体内に取り込まれると,放射線感受性の高い皮下組織や臓器にα線が直接達します。さらに,α線の放射線荷重係数はβ線やγ線に比べて20倍も高い値となります。また,プルトニウムは,骨や肝臓に数十年にわたって留まることが知られており,なかなか排泄されにくい性質を有しています。これらの理由により,プルトニウムは最も放射線毒性の高い核種の一つとなっています。 体内に取り込ま
災害対策本部が、安定ヨウ素剤予防服用の措置を講じた場合、実際的には、周辺住民などが退避し集合した場所などにおいて、周辺住民などに確実かつ速やかに服用させる必要がある。安定ヨウ素剤予防服用については、その効果を最大とするため、安定ヨウ素剤の配布後、対象者は直ちに服用するものとする。40歳未満の者を対象とし、原則1回のみの服用とする。 3−1)服用対象者 安定ヨウ素剤の服用は、40歳未満の者を対象とする。 40歳以上では、放射線被ばくにより誘発される甲状腺発がんのリスクが認められないことから服用対象者とはしない。 特に新生児、乳幼児や妊婦の服用を優先させる。 乳幼児は、甲状腺濾胞細胞の分裂が成人に比べて活発であり、放射線によるDNA損傷の影響が危惧され、安定ヨウ素剤予防服用の効果もより大きい。すなわち、放射性ヨウ素の内部被ばくによる若年者の甲状腺がんの発生確率が成人に比べて有意な増加が認められ
1) 確率的影響と確定的影響 確率的影響と確定的影響の特徴は表8に示すように、確率的影響には発がんと遺伝的影響が含まれます。理論的には、突然変異細胞の誘発がたとえ一個であったとしても、その個体に発がんや遺伝的影響の発現の可能性があります。被ばく線量が増えると影響発現の確率が増加するため、確率的影響と命名されました。実験動物を使った研究では、発がんは被ばく線量の増加とともに増加します。原爆被爆者の次世代についての研究では、奇形、性比、成長と発育、染色体異常、悪性腫瘍頻度、死亡率、遺伝子突然変異率等の遺伝学的指標について増加は認められていません。ICRPは、放射線防護の観点から安全側に立って、被ばく線量と発がんの確率の関係は直線的に増加するとしてきました。つまり、この線量までは被ばくによる発がんの確率の上昇はないとする線量(しきい値という)はなしとする立場です。 表8 確率的影響と確定的影響の
5.安定ヨウ素剤予防服用に係る防護対策 原子力災害時に放射性ヨウ素が放出され、その放射性ヨウ素の吸入により甲状腺への影響が著しいと予測される場合、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を効果的に抑制するため、安定ヨウ素剤を予防的に服用することとする。 その際、安定ヨウ素剤予防服用に係る防護対策は、その効果を最大とするために迅速に対応する必要がある。このため、安定ヨウ素剤予防服用に係る防護対策を開始するための線量のめやすを指標として定め、屋内退避や避難等の他の防護対策とともに、より実効性のあるものとしておく必要がある。 5−1 国際機関における安定ヨウ素剤の服用に係る介入レベル等 IAEAは、実効性の理由から、安定ヨウ素剤予防服用に関して、介入レベルとして回避可能な放射線による甲状腺の被ばく線量100mGyを、対象者の性別・年齢に関係なく推奨している(14)。 この「回避可能な放射線による甲状腺の被ば
・救急医療上のポイント 一般外傷および一般疾病の救急治療:発電所補修作業員については作業中の外傷が,周辺住民については避難中の外傷や一般疾病(脳卒中,心筋梗塞など)の発生が予想されます。 汚染を伴う場合であっても,一般外傷や一般疾病などで救命処置を要する場合は,救命処置を優先して行います。 汚染を伴う外傷は,創面を生理食塩水で洗浄し,清潔なガーゼで被います。遊離する汚染を除去しておけば,健康影響を生ずる可能性は低いです。 ・除染のポイント 除染より救命処置が優先されます。 除染の始めは脱衣からです。脱衣により放射性物質の90%が除去されます。靴底の汚染にも充分注意します。 避難住民の除染を行う場合には,精神面を考慮しながら行います。住民の汚染は,そのほとんどが健康に影響する量よりはるかに少ない(しかしサーベイメータには充分反応している)量ですから,冷静に除染を行います。 ・住民対応のポイン
内部被ばくに関する線量換算係数としてICRPでは,Dose Coefficient(線量係数)という数値を勧告しています。これは,1Bqを経口あるいは吸入により摂取した人の預託実効線量で単位はSv/Bqです。ただし,吸入による1Bqの摂取量とは,吸い込んだ放射能が1Bqであって呼吸気道に沈着した放射能ではないことに注意する必要があります。 また,ICRPは放射性核種それぞれについて経口または吸入摂取した作業者についての実効線量係数と子供および成人の一般公衆についての実効線量係数を勧告しています。前者はICRP Publ.68(1994)に,後者はICRP Publ.72(1996)にまとめられています。なお,線量の積分期間は,作業者および成人の一般公衆で50年,子どもでは摂取した年齢から70歳までとしています。 以下に,緊急時に考慮すべき放射性核種について,ICRP Publ.72に勧
司会 それでは、基調講演に移ります。「安定ヨウ素剤予防服用の考え方と実際」と題しまして、放射線医学総合研究所の明石真言先生にお願いいたします。座長は、前川和彦先生にお願いいたします。 前川先生は、東京大学医学部医学科を卒業され、現在は公立学校共済組合関東中央病院病院長、財団法人原子力安全研究協会研究参与でいらっしゃいます。また、原子力安全委員会の被ばく医療分科会及び緊急被ばく医療のあり方に関する検討会の主査をされています。それでは前川先生、よろしくお願いします。 ●前川 それでは、早速基調講演に入ります。今日の基調講演のテーマは、「安定ヨウ素剤予防服用の考え方と実際」です。この後にありますシンポジウムの前座として、総括的なお話をしていただくことになっています。 慣例によりまして、演者の明石先生の略歴を簡単に紹介させていただきます。先生は山形大学医学部を卒業後自治医科大学でレジデント(研修医
・種類 電離放射線とは,下記の電磁波,粒子線のうちで,直接的または間接的に空気を電離する能力をもつものです(単に「放射線」と呼ぶことが多い)。なお,網膜が光として感じる可視光線,医療器具の殺菌に使う紫外線,携帯電話の電波なども同じ電磁波ですが,電離作用がないため電離放射線ではありません。 X線は,医療分野においてはCTやX線検査で広く用いられており,また,リニアック,テレコバルト照射装置,ラルストロンなどを用いた放射線治療に高エネルギーX線やγ線が使われています。近年,重粒子線もがんの治療に用いられ,高い治療成績をあげています。 ・透過力 電離放射線は,物質を透過する性質がありますが,図1-1に示すように放射線の種類によって透過力に大きな差があります。α線は,薄い紙すら透過できませんので,外部被ばくは問題になりません。中性子線は非常に透過力が強いため,JCO事故では施設の外にいた一部の人々
放射線被ばくによる全身の健康影響を評価するための量である。実効線量は、組織当たりの等価線量に組織荷重係数を乗じたものを、各組織で加算して算出される。単位は、シーベルト(Sv)である。法令で定める実効線量の線量限度は、女性を除く放射線業務従事者に対しては、5年間で100mSvかつ1年間で50mSvであり、一般公衆に対しては1年間で1mSvである。線量限度についてはコラム参照。なお、平成12年の法令改正以前は、実効線量は実効線量当量と呼ばれていた。
・癌治療線源盗難事例1:ゴイアニア事故 1987年9月,ブラジルのゴイアニア市で,廃院に放置されていたセシウム照射装置からセシウム(Cs-137)線源の入った回転照射体が2人の若者により取り外して持ち出されました。この段階から2人の放射線被ばくが始まり,2〜3日後から2人は下痢,目まいなどに悩まされ始めました。1週間後には線源容器に穴を開けることに成功し,この時点から放射能汚染が始まりました。ここで2人は線源を廃品回収業者に売却しました。業者は暗いガレージの中で線源の粉末が光っているのに気付き,家の中に運び込み,その後数日にわたって家族,親類,隣人が,これを眺め,手で触れ,体に塗ったりしました。作業人とその家族全員の体の調子が次第に悪くなり,その内の1人が青白い粉に原因があると思い,ゴイアニア公衆衛生局に届けました。セシウム(Cs-137)は極めて水に溶けやすく散らばりやすいため,汚染地域
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テキストのPDFファイル も用意しました。 第1章 (1,8MB) 第2章 (572KB) 第3章 (580KB) 第4章 (484KB) 第5章 (524KB) 第6章 (764KB) 第7章 (620KB) 第8章 (452KB) 第9章 (464KB) 第10章 (476KB) ダウンロードして閲覧できます。 右クリックして保存してください (詳しくは、 PDFファイルのダウンロード方法を 見てください)。
4. 急性障害と晩発障害 目次 | 第1章 | 第2章 | 第3章 | 第4章 | 第5章 | 第6章 | 第7章 | 第8章 | 第9章 | 第10章 | < 前のページ | 次のページ > 細胞死または突然変異という細胞レベルの放射線影響に様々な要因が加わり、個体レベルの放射線影響へと発展すると考えられています。個体レベルの放射線影響に関しては、いくつかの分類が行われています。その一つに被ばく後の放射線障害の発生時期によって急性障害と晩発障害に分類することができます。 1) 急性障害 急性障害は、比較的短い期間に大量の放射線を全身または身体の広い範囲に受けた場合に、被ばく後、遅くとも2〜3ヵ月以内に現れてくるものです。通常、放射線被ばくとの因果関係は明瞭です。急性障害は、組織・臓器を構成している細胞の細胞死によって起こります。一般的に、細胞分裂が盛んに起こっている組織・臓器ほど細
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