サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
iPhone 16
ytsumura.cocolog-nifty.com
ヘリウム不足がさらに深刻です。ガスクロを使う同業者に、キャリアガスの水素への転換を真剣に検討する動きが出てきました。 地域や納入元により切迫感に少し差があり、「文書で納品停止を通告された」「口頭で納期の遅れを知らされた」などです。 重要な情報から先に書きます。 岩谷産業 お問い合わせフォーム このページから照会したところ、最新の見通しを教えていただけました。 どのような内容かここに書ければいいのですが、「ご回答メールは、お問い合わせいただいたお客さま個人にお送りするものですので、当社の許可なく回答内容の一部またはすべてを転用、二次使用することはご遠慮ください」とのことです。必要な方はそれぞれお問い合わせください。 私のラボに関して言えば、「次が納品されない場合に備えて、手持ちのヘリウムが無くなる時期から逆算して、間に合うタイミングで水素の流路を確保できるようにしておかなければ」と思いました
最新情報:ヘリウム不足はいつまで続くか (2012/12/5) 昨年2月に ヘリウムがなくなる? という記事を書きました。実際に影響が出るのは数年先と思っていましたが、急に現実化してきました。ブログ 障害報告@webry さんでリンクがまとめられているので引用させていただきます。 ヘリウムの出荷停止措置について - 大東医療ガス Daitoh Medical Gas - 埼玉県越谷市で各種ガス販売 http://daitoh-mg.jp/2012/11/helium-stop.html ヘリウムガスの供給不足 - blog - 川口液化ケミカル http://www.klchem.co.jp/blog/2011/09/post_1566.php SUPERCOM on WWW 12.最近のヘリウム供給事情 http://semrl.t.u-tokyo.ac.jp/supercom/49/4
記事に間違いがありました。太字が訂正した部分です。申し訳ありませんでした。(4月17日訂正) 放射性の廃棄物について、香川さんという方から コメント をいただきました。 100bq/kgという、放射能汚染取扱い基準についてお尋ねします。 このレベルを超えるものを無資格の者に対処させる事は、法律違反なのではないでしょうか? 結論から言えば、137Csについては、1万Bq/kg以下の濃度なら放射線障害防止法の「放射性同位元素」に該当しません。ですから、この法律による管理対象になりませんし、放射線取扱主任者の選任も必要ありません。 ■ 放射線障害防止法で定める放射性同位元素 私たちの身の回りのほとんどの物、また、私たち自身の身体も、放射線を放出しています。放射線の害を防止するためのいろいろな法律では、どの程度以上のものを放射性物質として扱うか線引きしています。 放射線障害防止法 と 放射線障害防
10月21日にパリ近郊で開かれた第24回国際度量衡総会で、キログラム原器廃止の方針が決議されました。すぐに廃止というわけでなく、第25回総会(2014年)以降になるようです。 何がキログラム原器に替わる質量の新標準になるのでしょう? この報道をめぐって、朝日新聞と毎日新聞の間に一見食い違いがありました。どちらが正しいのかちょっと調べて、ついでにあれこれ考えました。 ■ アボガドロ定数かプランク定数か 朝日新聞朝刊(10月22日)の「ニュースがわからん!キログラム原器 なぜ廃止なんじゃ」(Web版)では次のように書かれています。 ホ 質量の新しい定義は、どうするんじゃ? A 検討されている有力な方法が二つある。一つは、純度の高いケイ素の結晶に含まれる原子の数を正確に数え上げ、一定数をもって1キログラムと定義する方法。ケイ素は半導体材料として研究が進み、純粋で大きな結晶を作りやすいから選ばれた
放射性物質による食品汚染が広がりを見せています。 各界の専門家・非専門家が続々意見や解説を発表し、現在食品分析から離れている私は、追いかけるだけで精一杯です。 ただ、「図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み」は何年か後に改訂することになると思います。そのときには放射性物質の分析のページを書き加えることになりそうです。 最も短く、最もわかりやすく、それでいてほどよく幅広い範囲の解説を書くために、情報を咀嚼しているところです。 さて、「すべて分析化学者がお見通しです!」の出版の経緯をふり返っています。 今回は分野と著者がどう決まったかについて。 環境と食品。この二つは絶対にはずせませんでした。普通に暮らしている人が目にする分析値は、この二つに関わるものが圧倒的に多いからです。 (あと、健康診断や病気のときの検査値もありますが、これはちょっと事情があって対象外としました。) それから、一
学業や仕事や生活上の必要に迫られて何かを勉強するとき、私は読みもの的な関連本を探します。標準的な教科書を用意するのはもちろんですが、できれば、くつろぎながら読めて、生の手ごたえがあって、その分野の全体像がおぼろげにわかる・・・そんな本があれば教科書の理解が進みます。 分析化学の読みもの本は、そういったきっかけで手に取られるような気がします。分析化学そのものに興味を持つというより、食品や環境の問題に興味があったり、分析関連の資格や仕事をめざしていたりで、半分勉強・半分楽しみで読んでみようと思うものではないでしょうか。 そんな本の中では、分析化学会近畿支部の「はかってなんぼ」シリーズが不動の地位を占めていると言って良いでしょう。 最初の 「はかってなんぼ 分析化学入門」 が出版されたのは2000年。日本分析化学会近畿支部のメンバーが各章を執筆。科学史から説き起こし、ダイオキシン、環境水、表面分
私の書籍紹介はいつも遅れがちです。常に読みかけの本を大量にかかえていて、つい新刊書を積んだままにしてしまいます。 この本「別冊化学 化学のブレークスルー【機器分析編】」は雑誌ですから、なるべく早く紹介したいと思っていましたが、やっぱり遅くなってしまいました。残念ながらもうAmazonでは取り扱っていません。とりあえず Twitter では5月に短く紹介しましたが。以下の文章を読んで買いたくなった方、入手できなかったらすみません。 分析化学の11の分野それぞれの専門家が、ここ10年の革新論文を5報ずつ選んで解説し、研究の進歩を概観しています。自分に関係のあるところだけさっと読むつもりでしたが、結局全部読んでしまいました。 各分野の最先端の分析、豪華俳優が競演する舞台といったところでしょうか。日頃関係のない分野については用語の意味さえさっぱりわからないのですが、各著者が熱をこめて紹介しています
国際単位系またはSIと同じ意味で「SI単位系」とする言葉使いをときどき見かけます。これはおかしいのでは? というのが今回のテーマです。 私は「当然おかしい」と思ってきました。しかし最近、科学用語の使い方についてかなり厳密な姿勢で書かれた書籍の中でこの言葉が使われているのを見て自信が揺らいでしまい、ちょっと記事にしておく気になりました。 まず、おかしいと考える理由です。 SIはフランス語 Le Système International d'Unités (*)の略称ですから、Sは「系」を意味します。ということは、「SI単位系」は「国際系単位系」となり、重複します。 このことを指摘した意見がネット上にないかと探したら、Wikipediaの 「国際単位系」のノート にありました。 「SI」という略語自体がフランス語で「国際単位系」という意味なので、「SI単位系」は「国際単位系の単位系」という「
福島第一原発周辺の海水の分析結果は「基準値の○○倍」と報道されますが、その数値の上昇ぶりには本当に驚きます。4月5日にはついに「750万倍」と報道されました(FNNが1億倍と報道しましたが、これは海水でなく流入水そのものの分析値)。 分析値を扱う仕事に就いて24年、「基準値の750万倍」と聞くのは初めてですし、最後であってほしいものです。 幸い昨日(4月8日)の発表では最高で「基準値の6万倍」と減少しています。「幸い6万倍」という言い方も最後であってほしいです。 (東京電力が発表した分析結果:4/5、4/8) こんな倍率が並ぶと、もとの「基準」は何なのかと気になります。報道では131Iで40Bq/Lが基準値だそうですが、食品衛生法に基づく飲料水の暫定規制値が300Bq/kgに対して、飲むわけでない海水の基準が1桁小さいことになります。 東京電力の発表には「炉規則告示濃度限度Bq/cm3(別
「すべて分析化学者がお見通しです!」の「第2章 食品を分析する」の中のフタル酸エステルと塩ビ手袋の部分に、小比良さん からtwitterで次のようなご指摘をいただきました。 私もあの部分については少し違和感のようなものを感じました。知らない人が読むと「環境ホルモン」は怖いもので、その使用が分析によってストップしたと読めそうな気がしました。 (twitterはページがいくつにも分かれてしまって全部をリンクするのはたいへんです。この他の部分はecochemさん作成のまとめ 「すべて分析化学者がお見通しです!」@Togetter の3月5日周辺を読んでください。) 小比良さんにダイレクトメッセージでより詳しくご意見をおききしました。たしかに、次のように間違って読まれるかもしれないと思われました。私の見解とともに書いておきます。 A DEHP(フタル酸エステルの一つ)は環境ホルモンだから規制された
やや挑発的なタイトルですが・・・ 食品安全情報blog の畝山さんが 「すべて分析化学者がお見通しです!」を紹介 してくれました。ずいぶんほめていただいて、感謝・感謝です。 結論的にはほめてくれているのですが、素直に喜べないくだりがあります。 分析という仕事は従事している人が比較的多く、何をやっているのかも一般の人からは比較的わかりやすい仕事だと思います。 ただ動物を使って安全性の研究をしている人達からの評判は実はあまり良くありません。分析屋は、なんだかよくわからないものを「検出」しただけでその生物学的意味などお構いなしにとにかく危険だと騒ぎたがるし、自分が検出した物質は最大限に悪いまたは良い影響があると誇大宣伝してはばからないし、なんらかの「基準値」違反があったらそれだけで「手柄」として大々的に騒ぎたがる・・・そういうイメージがあります。分析屋が騒ぎを引き起こすとそのせいで訳のわからない
まず医薬品分析の専門家、立木秀尚(たちきひでひさ)さんをご紹介します。 立木さんは東和薬品(株)の研究所勤務で、動物実験や臨床試験で得られた血液などに含まれる薬物や代謝物を主に分析しています。 LC/MS/MS(高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析)ユーザーの間ではたいへん有名な方です。MSMSメーリングリストを主宰し、医薬品業界のみならず、関連業界を巻き込んだネットワークを構築しておられます。 このメーリングリスト、ベンダーさんご禁制、ユーザーが本音情報を交換し合う、知る人ぞ知る秘密組織。オンラインはもちろん、オフラインで資料を読みながらお酒を飲む宴会兼勉強会という恐ろしい企画もあるとか。 さて、立木さんが書いた医薬品分析の世界。ひときわ文化の香り高い上質な読み物となっています。はるか昔の中国の伝説と現代の医薬品分析に通じるものとは? 錬金術が生み出した偉大な道具とは? そんな話
最新情報:ヘリウム不足はいつまで続くか (2012/12/5) ガスクロマトグラフィーの利用者にとっては気になる記事です。ナショナルジオグラフィック日本版 2011年2月号に、次のように書かれています。 しかし、米国学術研究会議(NRC)によれば、ヘリウムは枯渇しつつあるという。現在、世界中で利用されているヘリウムのほとんどが米国産だ。米国は1960年代にヘリウムの備蓄を始めたが、96年になって、備蓄している全てのヘリウムを2015年までに売却することを決めた。 その後は、ロシアやアルジェリア、カタールといった産出国が、世界の市場を支配することになるだろう。ただし、こうした国々のヘリウムも40年ほどで底をつくと言われている。 今日もガスクロのキャリアガスとしてヘリウムを使っている私は焦りました。 ヘリウムって、空気の中に無尽蔵に含まれているんじゃないの? 備蓄とか底をつくとかどういうこと?
※ 化学分析員に関する最新統計を踏まえた記事はこちらです。 化学分析員の10年(8)三つの視点から 夏休みです。高校生にとっても大学生にとっても進路を考える季節。電車や駅では大学・専門学校のオープンキャンパスの広告が目につきます。 私は「分析屋」を自称していますが、あまり認知度の高い仕事ではないと思います。どんな仕事なのか、今回は統計データに基づいて淡々と書いてみます。少しでもこの分野に興味を持つ高校生・大学生が増えて、進路の選択肢に加えてくれますように。 賃金構造基本統計調査 ご紹介する統計は厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査です。平成21年6月分の賃金等(賞与、期末手当等については平成20年1年間)について、7月に調査を行ったものです。下記サイトで公開されています。 賃金構造基本統計調査のページ(厚生労働省) 賃金構造基本統計調査 (政府統計の総合窓口(e-Stat)) 賃金の
このところネットでの匿名・実名論争がまた盛り上がっているらしい。きっかけはどうも「勝間和代のクロストーク」で「ネット上でも実名で表現を」(2009年10月04日)の提起があったかららしい。 それで私の 匿名のかたへの批判・反論はしません がスラッシュドット・ジャパンの ネットでも実名を使うべきか? のコメントからリンクされ、にわかにアクセスが増えた。 これだけなら新しい記事を立てるほどでないのだけど、思い出したことがある。 私は「匿名のかたへの批判・反論はしません」と書いたとき、現実に匿名の人から批判されたり批判したりする状況にあったわけではない。先回りしてこんな宣言をしたのは、要するに、匿名の人と議論をしていて途中から「アンタは匿名だから」という理由で態度を変えたりしてはいけないでしょ?ということだ。 世の中なにが起こるかわからないもので、大勢の(というほどでもないが)匿名の人がこのブロ
「図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み」に対していただいたコメントが10ほどになりました。本を読んでいない人にもわかるように、一つずつこのブログで補足説明をしていこうと思います。 比較的単純なテーマから。今回は数値の丸めについて。 普通の四捨五入 「丸め」というのは、測定値などの最後の何桁かを切り捨てたり切り上げたりして少ない桁数の数値にする操作です。誰でも小学校で教わる「四捨五入」は丸めの一法です。四捨五入では、丸める桁の数字が4以下なら切り捨て、5以上なら切り上げ、0ならそのまま・・・ですね。 JIS Z 8401の規則A ところが、四捨五入では困ったことがあります。それは、多数の数値を四捨五入によって丸めた場合、平均するとわずかに正の誤差が生じることです。 なぜなら、切り捨てられるのが1,2,3,4の4個、切り上げられるのが5,6,7,8,9の5個の数字なので、全体として切
「検出」か「不検出」か? 分析に縁のない人にも、両者が大きく違うことはぼんやりわかると思う。検出限界ぎりぎりの「検出」とぎりぎりの「不検出」、実際の物質量としてはほとんど同じでも、与える影響の大きさが天と地ほど違う場合がある。 残留農薬、環境汚染物質、品質管理・・・機器分析では、この図のようなデータ(クロマトグラムまたはスペクトル)を使って「検出」か「不検出」かを決めることがよくある。 では問題。AからCの中で「検出と不検出の境界」を表すピークはどれでしょう。つまり、一般的に「この大きさ以上のピークが現れたら『検出』、これ以下なら『不検出』」と合意されているのはどの図でしょう。(S/N=3を検出限界とする。) こんな図なんか見たこともないという人は、直感的にどれか考えてみてほしい。 ある程度化学分析の経験を積んだ人は、正解と思う図を選んだだろう。 私はずっとAが正解だと思ってきた。自分の使
いただいたメール、コメント、トラックバックをまだ全部読めていませんが、とりあえず、最もシンプルな解法とその変法を掲載します。 この解き方は、私が学生時代に、当時京都大学理学部に在学していた森谷勲さんから聞いたものです。よき学友に恵まれたことを感謝します。 解答の図 AB上に点Fを角FCBが20度になるようにとります。 角EBCが50度なので角BECも50度となり辺CB=辺CE。 角CFBが80度となるので辺CB=辺CF。 従って、辺CF=辺CE。 角ECFが60度になるので三角形EFCは正三角形。辺FC=辺FE。 角FCDも角FDCも40度なので辺FC=辺FD。 従って辺FD=辺FE。三角形FDEは二等辺三角形。 角CFBが80度、角CFEが60度なので角DFEは40度。 二等辺三角形の底角で角FDEと角FEDはどちらも70度。 角FDCが40度だから、角CDEは70-40=30度。 また
この記事は主に、このブログの普段どおりの読者(分析技術者・研究者・アクセス解析に興味のある人・数学の問題を探している人など)に向けて書きます。 「ニセ科学」という言葉をときどき目にしたり聞いたりするようになりました。菊池誠さんの 「ニセ科学」入門 によれば、「見かけは科学のようでも、実は科学ではないもの」だそうです。 私は、分析化学会近畿支部の夏期セミナーで菊池さんの講演を聴いたこと、そして分析化学会の機関誌に柘植明さんが「ぜひ日本分析化学会においても、ニセ科学問題を取り上げていただければ」と書かれたことをきっかけにニセ科学問題に注意を向けました。「化学」4月号の特集「ニセ科学を見抜くための基礎講座」も読んでいました。 そして、ひとことでは表しにくい複雑な経過をたどって「ニセ科学」というより「ニセ科学批判」についてこのブログで約2週間議論しました。 現時点で私自身の「ニセ科学問題の重要性」
この記事を読む前に必ず 「ニセ科学」関連・本当の最終記事 を読んでください。 「ニセ科学」を主題とする記事はこれで最後にします。将来分析化学会で何か動きがあればまた書くかもしれませんが。 これまでにいただいたコメントを踏まえて、この記事でできる限り私の立場を説明します。さらに何か疑問点があれば新しい記事は作成せずこの記事のコメント欄でお返事します。 ■ 「ぶんせき」誌投稿への意見をブログに書いたことについて もともとは私が、柘植さんの投稿への意見である 分析化学会は「ニセ科学」と向き合うか をブログに書いたことに端を発しています。このこと自体は不適切ではないと考えます。分析化学会は公開の掲示板を運用しており、そこに機関誌の内容への意見を書き込むことは問題ないでしょうし、別サイトに書いてリンクを張ることも問題ないと思います。 ただ、学会内だけに向けた文書か一般に公開したものかの区別をはっきり
この記事を読む前に必ず 「ニセ科学」関連・本当の最終記事 を読んでください。 柘植さん・荒木さん・菊池さんからコメントをいただきましたが、論点が多いので一度に全部はお答えできません。大事なことからお話します。 ■ 私が受けた二つの印象 私が危惧したのは、柘植さんの「ぶんせき」誌への投稿が次のことを主張しているように読めたからです。 1.「ニセ科学」に関して「学会として」何か動きを起こす。(個人でなく集団の活動) 2.一般の人に対して「何がニセ科学か」を選別して示す。(「ニセ科学」の認定と啓蒙) 柘植さんのコメントによれば、1も2も柘植さんの意図するところではないそうです。また、荒木さんと菊池さんによれば、昨年の物理学会のシンポジウムは学会内有志によって企画されたものであり、1に該当するものではないそうです。 そうであれば私の危惧は取り越し苦労ということになりますが、私は菊池さんのウェブサイ
この記事を読む前に必ず 「ニセ科学」関連・本当の最終記事 を読んでください。 日本分析化学会の機関誌「ぶんせき」8月号の「談話室」に河合潤さん(京大大学院工学研究科)が「似非科学否定は慎重に」のタイトルで書いている。2月号の同欄に柘植明さん(産総研計測フロンティア研究部門)の「ニセ科学と『向き合って』みた」が掲載されたのを受けての文章だ。 このところ「ニセ科学」はインターネット上を中心に話題を呼んでいる。分析化学会近畿支部の 夏期セミナー で菊池誠さんがこのテーマで講演したことは一昨日書いたとおり。 自ら進んでニセ科学問題に関わっている科学者たちの主張は主に2点あるように見える。一つめは「ニセ科学が簡単に受け入れられてしまうのは国民一般の科学リテラシーが低いからだ。科学教育をもっと充実させるべき」、そして二つめは「それぞれの分野の専門家は、自分の専門に近いニセ科学を放置しないできちんと批判
この文章は長くなる見込みです。しかもくどくどしています。そこで、最初に結論を書きます。 「TICでもTICCでも良い。でもTICの方が短いから私は好き。」 結論だけ必要な方は、ここで読むのをやめてください。 なお、それぞれの語は次の語の略語です。 TIC : total ion chromatogram (全イオンクロマトグラム) TICC : total ion current chromatogram (全イオン電流クロマトグラム) 1.TICとTICC 推奨状況の現状 国際純正・応用化学連合(IUPAC)は 2013年の勧告 でTICを非推奨、TICCを推奨としています。日本質量分析学会の「マススペクトロメトリー関係用語集(第4版)」はTIC、TICCとも認めていますが、後で述べるようにTICCの意味を限定していますので、一般的なユーザーにとっては実質的にTICが推奨語と思われます。
利用したサービスは ココログ出版 。ココログユーザーだけが利用できるサービスだ。(ココログフリーは不可。) このサービスを選んだ第一の理由は、縦書きレイアウトがきれいだから。本の内容は俳句&短い文章&写真なので、縦書きにしたかった。 多くのブログ出版は横書き仕様を中心にしている。ブログは横書きだから当然だ。 でも、新聞にしても雑誌にしても文庫本にしても、日頃読みなれている紙媒体は縦書きばかりだ。横書きといえば理系か政府白書か外国語の本みたいな固い本ばかり。コンテンツが俳句でなくても、本にするときには縦書きにしたいユーザーも多いのではないか。 ココログ出版を選んだ第二の理由は、装丁がしゃれているから。大きさ比較のために新聞のテレビ欄(四つ折り)の上に置いてみた。 小さめの文芸書の単行本サイズ。自費出版といえば無地のレザックの表紙を思い浮かべるが、これは全くそのようなイメージでなく、書店で買っ
自分がネット上で提供している知識や表現している人格をどこまで信用してもらいたいか考えてみる。そして、その程度信用してもらうためにはどんな方法を採るのがいいかも考えてみる。 酔うぞさんが インターネットで発信者の信用をどう確保するか? で述べられたとおり、「インターネットという一つのバケツの中にあまりに違う情報の入れすぎなのではないか?」と感じている人は多いかもしれない。公的機関や大企業が開設しているページも個人の日記やおしゃべりも、ネットバンキング等の財産に関わる情報も、同じネット内で流通している。フィッシング詐欺のようなことも起きる。 しかし、いろいろなものが混在していて危なっかしいのは、別にネットだけではない・・・というのも、誰でも考えるところだろう。高い殺傷能力のある自動車が個人で所有できて歩行者と同じ道を走り回っているし、満員電車には痴漢もいるし様々な感染症の媒介スペースになってい
ネットで実名を名乗るのはなんとなく怖い・・・と感じる人は多いと思う。 では、実際、どんな怖いことが起こるのか?私も実名を名乗っているから、この点には興味がある。しかし、意外に「こんな怖いことがあった」の例は、あまり見つからないし、自分自身も経験がない。時おりニュースになる「匿名の中傷メールが多数届いた」等の被害は、ネットで実名を名乗ったからというよりは、リアル社会で実名が知られている人の話ばかりだ。 たとえばこんな危険 現実に起こったということでなく、頭の中で想像を働かせたらこんなことが思い浮かぶという例をまず。たとえば、Java House メーリングリスト での「匿名かハンドルか」の議論の中で、ハンドルネームの人によって こんな懸念 が書かれている。 ・勤務先等に「この人物には問題がある」という趣旨のメールが送られる。 ・メールのFrom欄に私のアドレスを記述し、勤務先や個人的に関わり
前回、「大学の化学系できちんと統計の基礎を教えているところは少ない」と書いた。その理由を考えてみる。 その前に、私が上記のように認識している根拠を述べる。本当に化学系ではあまり統計を教えていないのか。 一つは、私自身が大学(薬学部)及び大学院修士課程(薬学研究科・有機化学専攻)で履修した内容。統計に関する講義が開かれていたのかどうかすら覚えていないが、受講しなくても卒業できたから、必修でなかったことは確かだ。まわりの学生が統計の講義を取っているという話も聞いたことがなかった。研究室で小規模に教えられることもなかった。 二つめ。社会人になってから現在まで、同業者で統計の知識がある人が非常に少ないと感じる。 三つめ。現在日本薬学会から示されている 薬学教育モデル・コアカリキュラム において、生物統計に関しては、パラメトリック検定とノンパラメトリック検定、t-検定、Mann-Whitney U
このブログにも 本館ページ にも、アクセスカウンタを付けようと思ったことがない。一番大きな理由は、手軽によそのサイトと比べられるのがいやだから。 でも自分自身はアクセス数を知りたいから、本館ではアクセス解析を使っているし、このブログは BlogPeople のログイン画面で確認している。 私の場合、累計アクセス数はほとんどどうでも良くて、日ごとの変動が知りたい。感覚的にこの程度と思っている自サイトの平均水準に比べて、多いか少ないか。どんな話題を書いているときによく読まれるのか。こういう目的のためには、リアルタイムで累計が刻まれていくカウンタよりも、BlogPeopleのように「昨日のリンクリスト配信回数」が一日に一回更新される方式のほうが便利だ。(ただし、読みに行くのを忘れた日の分は消えてしまう。) 読者との交流という意味では、アクセスカウンタはいいなとも思う。一回一回の訪問に対して個別の
根強く続く匿名vs実名論争。時を経るごとに議論が深まっている部分もあるが、むなしく繰り返される対立の構図もある。むなしい部分を減らすための、シンプルな提案。 議論になりそうな内容を書く実名ブロガーは、目立つところに「匿名で行われる批判に対するポリシー」を示しておいてはどうか。 設定するポリシーの類型は、主に3通りある。 1.黒木ポリシー 実名を名乗っていない人であっても、固定的な仮名を名乗り、まとまったネット上の人格を表現している場合は、公開している情報量に応じて、実名の人や他の固定的な仮名の人を批判できる。「黒木ルール」として有名。(「匿名」による批判の禁止ルールについて) 2.津村ポリシー 実名を名乗っていない人を批判しない。実名を名乗っていない人から批判されても反論しない。(匿名のかたへの批判・反論はしません) 3.三中ポリシー 実名を名乗っていない者は石ころと同じ。〈石〉がそこにあ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『技術系サラリーマンの交差点』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く