ある暑い五月の午後。バス停のすぐ側にあるカフェでアイスコーヒーを注文したら、3ドルも要求された。ホットコーヒーは1ドル75セントなのに、なぜアイスコーヒーの値段は3ドルもするんだ、と聞いたら、アイスコーヒーを作るには濃いコーヒーをいれなければいけないので、コーヒー豆が余分に必要なんだと言う。「そんな馬鹿な、コーヒー一杯いれるのに必要な豆の代金なんて10セントにもならないはずで、仮に倍の量の豆が必要だったとしてもそこまでの料金差の理由にはならない」と言い返したかったのだけれど、バスが向こうから近づいているのが見えたので3ドル払って店を出た。というのは今回の話のプロローグ。 翌日。前日のことを思い出しつつ、あれじゃ「コーヒー豆が余分に必要だから高いんだ」という、ありえない説明にまるでわたしが納得したみたいで気分が悪かった。が、それはともかくある講演を聞きにポートランド州立大学に来たので、カフェ