下の記事の秘匿も兼ねて、数学と一生縁を切りたい人を勇気付ける3冊を紹介したい。 好き嫌いで切り分けるのではなく、数学と緩やかに関わる一生であってほしい。 1.マルクス「数学手稿」 まずは、本人は経済学者のつもりだったと思うが、気付いたら思想界入りしてしまったカール・マルクスから。これは本人の著作というわけではなく、彼の数学ノートが死後晒されてしまったという屈辱の1冊である。クラウゼヴィッツをはじめ、多くの反故が本人の意思に背いて死後出版されているが、これは本当に焼き捨てた方がよかった本の1つだろう。 内容は1変数関数の微分に関するもので、極めて特徴的なのが"0/0"の連呼である。要するに、彼は極限の概念というか操作がまったく理解できず、微分したい点とその点自身の距離を計算してしまうものだから、0/0以外出てきようもない。解説の人の"0/0"を敢えて深読みしようという擁護も、却って痛々しさを