初心者に双眼鏡を覗かせると必ず出る「何倍ですか?」という質問がある。当然「8倍です。」というように答えるのだが、なにか物足りなそうだ。普通の双眼鏡にはA×Bという表示がある。Aが倍率である。後ろのBは対物レンズの有効口径をミリ表示した数字だ。初心者向けに言えば覗く方と反対側のレンズの直径である。(厳密には違ってしまうが当たらずとも遠からずなのだ) 倍率は初心者にとって唯一の判断基準になってしまうことが多い。これは車で最高スピードが何キロでますか?という程度の質問レベルなのだ。答えられるが、その製品の性能を表す基準としては全く役に立たない。確かに1000m先の物を見た時に倍率8倍では125mまで近寄って見たのと同じ大きさに見えるはずである。倍率20倍なら50mまで近寄って見るのと同じなのだ。それなら大きく見える方が良いではないか?というのは早計である。 倍率が高いと見える範囲が狭くなるのと、