西暦859年から877年の18年間は、元号で貞観(じょうがん)とよばれます。天変地異の続いた時代でした▼貞観6年、富士山が大地震をともなって噴火し、周辺を噴石で埋めました。9年に、阿蘇山も噴火します。そして11(869)年、陸奥の国で大地震が起こり、津波が三陸沿岸を襲いました▼地震とともにあたりが光り、激しい揺れに家も城も崩れ落ちる。雷のような海鳴り。津波は、たちまち城下に達し、陸地を海原に変えた。人々は、舟にも乗れず、山へも逃げられず、おぼれた…。当時の記録を再現してみました▼東京の石原知事が、福島原発の事故について語っています。「マグニチュード9とか10メートルの津波というのは誰も想像しえない、まさに未曽有のこと」。しかし、マグニチュード8・4級の貞観地震を知る専門家は、当時を上回る津波への備えを求めていました▼産業技術総合研究所の岡村行信さんは、東京電力の想定とは比べものにならないほ