ことしの地域別最低賃金引き上げの「目安」額を決める中央最低賃金審議会の審議がヤマ場を迎えています。今月末には答申を出す予定です。また5年ごとに「目安制度のあり方」を見直す協議会も開かれ、今年度中のとりまとめをめざしています。まともに働けば人間らしく生活できる最低賃金を実現するために、時給1000円以上への大幅引き上げと制度の抜本見直しが求められています。 (昆弘見) ■ ランク分けが根源 現在、地域別最低賃金は、全国を4ランクに分けて引き上げの「目安」額を発表する方式をとっています。このやり方は、明らかに破たんしています。毎年、都市部と地方の賃金格差が広がりつづけ、もはや見過ごせない状況になっています。 最低賃金を時給で示す方式になった2001年と現在の格差を見てみます。01年の最低賃金額は、最高が東京都の708円、最低は青森県など7県の604円でした。その差は104円で、高低比率は85・