【ワシントン=島田峰隆】米国の野党共和党のベイナー下院議長が、オバマ大統領の頭越しに、イスラエルのネタニヤフ首相の訪米を招請し、米議会での演説を要請したことが、政界に波紋を引き起こしています。自国の首脳の意向を無視して一方的に他国の首脳を招いただけでなく、重要局面を迎えているイラン核協議に悪影響を与えると批判が出ています。 ベイナー氏は21日、「ネタニヤフ首相にイスラム過激派とイランの深刻な脅威について米議会で演説してもらうようお願いした」と突然発表しました。同首相招請にあたりオバマ氏や与党民主党に相談しなかったことも明らかにしました。 オバマ氏は20日の一般教書演説で、対イラン制裁の強化を含めて賛成できない法案には拒否権を行使すると表明し、新たな制裁に積極的な共和党との対決姿勢を示しました。ベイナー氏の今回の行動は政権をけん制し、対イラン強硬策を推進する狙いがあるとみられています。 アー