【カイロ=伴安弘】1981年から30年間政権についていたエジプトのムバラク大統領が11日、辞任し、タンタウィ国防相を議長とするエジプト軍最高評議会が「暫定的」に全権を掌握しました。反政府デモが1月25日に起きてから18日目。30年間の非常事態令下での警察権力の横暴と自由の抑圧、高失業と貧富の格差などに対する怒りに加え、民主主議を求める国民の行動が大統領を退陣に追い込みました。 スレイマン副大統領はこの日夕、国営テレビで、ムバラク大統領の辞任と軍最高評議会への権力移譲を明らかにしました。今後、軍部の統治の下に現憲法の改正など一連の改革が進められ、9月に大統領選挙が行われることになります。 軍部の権力掌握を懸念する声も一部にありますが、反政府デモ参加者に中立で、「国民に銃を向けない」という姿勢を示し、公正な選挙を約束している軍には多くの国民が信頼を寄せているとみられます。 ムバラク大統領は辞任