小沢一郎民主党元幹事長の検察審査会による強制起訴の決定について、「専門家である検事が不起訴としたものを素人である検察審査員が起訴とするのはおかしい」とか、「だから無罪必至だ」とかの論評をくわえる人たちがいます。しかし、これは制度の根本を否定する考え方だといわなければなりません。 そもそも検察審査会の制度は、検察官が「不起訴」とした決定が、適切かどうかを市民の常識からみて判断する制度です。従来、政界・官界・財界の汚職事件などで、岸信介、中曽根康弘両元首相などの汚職疑惑が起訴の対象にならず、たびたび国民の批判の対象となってきました。 検察審査会の制度は戦後すぐ設けられましたが、審査の結果に強制権限がありませんでした。それが、司法改革のなかで、裁判員制度と同じ昨年の5月から、2度の「起訴相当」決議をおこなえば、強制的に起訴となるように権限が強化されたのです。 構図に合うよう捜査 もちろん、検察審