「原発は1度事故が起きると被害は甚大で、その影響は極めて長期に及ぶため、安全性の確保のために極めて高度な注意義務を負っている」。福島第1原発事故をめぐって東京電力の元会長ら3人を「起訴相当」とした検察審査会の議決です▼原発を扱う会社幹部の責任を強調しています。東電は、福島第1原発を襲った津波と同じ規模の津波の試算を得ていたのに、対策が間に合わず運転停止になる恐れがあると考え、「関係者に根回しを進め」、被害回避の対応を怠ったからです▼「安全神話」に漬かった東電と規制当局も批判しています。「(試算した津波は)実際には発生しないだろう、原発は大丈夫だろうというような曖昧模(も)糊(こ)とした雰囲気が存在していたのではないか。安全神話の中にいたからと、責任を免れることはできない」と▼関西電力大(おお)飯(い)原発の運転差し止めを命じた、5月の福井地裁判決も「安全神話」を痛烈に批判しました。「地震大