肺がん治療薬イレッサの薬害訴訟で和解交渉中だった今年1月、厚労省が日本医学会などに「下書き」まで示して、和解勧告を批判する見解を表明するよう働きかけていた問題で、同省が行った調査の報告書が公表されました。 報告では、厚労省による学会への働きかけが関係学会に広く行われ、これは同省の組織ぐるみの工作であったことを認めましたが、「通常の職務執行の範囲内」のことだと居直りました。下書き提供は「行き過ぎた行為」として、関係職員の「処分」をしましたが、通り一遍のお手盛り調査で、一件落着とするわけにはいきません。 公共の責任投げ捨て 800人以上の副作用死を引き起こしたイレッサの薬害訴訟では、東京、大阪の両地裁が1月7日、国と輸入販売元のアストラゼネカ社の責任を認め、被害者にたいし和解金を支払うよう求めました。マスメディアも、この和解勧告を評価し、国とア社に勧告受け入れを求める論調を強めました。 報告に