(久しぶりにキーボードを買ったので試運転がてら打ってみる。) 東京本郷の東大赤門をくぐるとすぐ左手に教育学部が入っている図書館団地の一辺が見える。そこの三階フロアに教育社会学研究室があり、ここから今わが国の教育のあり方に向けて数々のメッセージが発信され続けている。大方の同意を得られると思うが、その質と量と説得力の強度と影響力の及ぶ範囲においてそれらは「奇跡」に近い。同じフロアに同居している教育行政学研究室が改組消滅と聞くと感慨はいっそう深いものがある。が、感慨にふけってばかりもいれらないので、この「奇跡」をどう受けとめるのか、自問してみる。 --------------------------------------- 広田照幸による問題へのアプローチはもはやお馴染みのとおりである。たとえば近著『<愛国心>のゆくえ』(17--18)より では、「望ましいかどうか」をどのように考えて