TOP > 記事・レポート > オピニオンアーカイブ > 「したたかな生命~進化・生存のカギを握るロバストネスとは何か~」 第1章ニューヨークの大停電で、機能不全に陥ったホテルと平常通りだったホテル 竹内薫: 今日は北野さんと私のトークということですが、まず導入として、なぜ『したたかな生命』という本をつくったのかというところから、少しお話ししようと思います。 我々は実はもともと物理畑の出身です。北野さんはロボカップ(※編注:ロボット工学と人工知能の融合・発展を目指す組織)をやったり、生物学、特にシステム・バイオロジーの方にいかれたり、計算機科学などが非常に強い分野でもあるわけです。我々はどうして会ったのかというと……あれは何でしたっけ? 北野宏明: イタリアのボローニャでのシンポジウムですね。 竹内薫: ああ、分かりました。北野さんはソニーコンピュータサイエンス研究所の副所長(※編注:20