性淘汰―ヒトは動物の性から何を学べるのか 作者:マーリーン ズック発売日: 2008/10/01メディア: 単行本 性淘汰にかかる有名な仮説にオスの派手な広告はパラサイト耐性にかかる正直なハンディキャップシグナルだという「ハミルトン=ズック仮説」があるが,本書はその論文の共著者マーリーン・ズックによる2002年の本である.原題は「Sexual Selections: What We Can and Can't Learn About Sex from Animals」.出版後6年たっての邦訳ということになる. 本書は性淘汰についての科学啓蒙書ではない.残念ながらハミルトン=ズック仮説が解説されていたりするわけではない.副題からちょっと推測されるように,一般に広く広がる自然主義的誤謬,偏見からの認識のゆがみについての本であり,自らリベラルフェミニストであると自認し,かつ進化生物学者である著者