礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。 ◎西部邁氏は、いったい何に絶望していたのか 西部邁氏の入水〈ジュスイ〉が報じられた直後、インターネット上に、これは「偽装自殺ではないのか」、最近、安倍政権に批判的だったので「殺されたのではないか」などの言説があらわれた。 そういう出まかせを言ってはいけない。西部氏は、権力もしくは何らかの勢力によって抹殺されなければならないほど重要な人物ではない。危険な思想家というわけでもない。西部氏は、しかるべき理由、もしくは、しかるべき事情があって、「自殺」したのである。その理由や事情は、もちろん本人以外の者にはわからない。しかし、自殺であったことは、まず間違いない。 二〇一七年の一〇月二二日に死ぬ気だったところ、総選挙と重なったので延期したということを、チャンネル桜代表の水島総氏に