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ブラック企業が合法化される5月31日の衆院本会議で、「働き方改革法案」が可決されました。安倍首相が本国会の目玉と位置づけるこの法案が通れば、労働基準法は骨抜きにされ、ブラック企業が合法化されることになります。 「ブラック企業合法化」というと驚かれるかもしれません。しかし、働き方改革法案という名の労働基準法改正案の原文を読んでもらえれば理解できます。 第四十一条の二 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働
私の著書『人権の経済システムへ サビ残ゼロ・最賃アップ・消費税3%が開く新しい社会』(Amazonオンデマンド出版)に関して、経済学者・立命館大教授の松尾匡氏から長大な書評をいただいたので、許可を得て転載させていただきます。 経緯を簡単に説明すると、7月にnoteでこの論考をリリースしたときに、松尾さんに購入いただき、分析内容と提言政策にほぼ全面的に賛同する旨のメッセージをいただきました。今回、Amazonで出版するに当たって簡単なコメントをお願いしたところ、思いもよらずA4で12枚にも及ぶ長大な書評をいただきました。 あまりにも長いので、松尾氏からいただいた短縮版を最初に掲載し、そのあと全文を掲載します。 この論考「人権の経済システムへ」は、供給サイドに偏する日本の主要な経済論壇の状況をするどく批判し、総需要サイドの視点からの対案を提起するものである。著者は、「エキタス京都」の関係者
9月26日号の日刊ゲンダイに「隠れの昭恵夫人 今度はカルトイベントの名誉顧問に就任」というタイトルの記事が掲載されました。記事を読むと、これは「昭恵がオカルトに毒されている」という問題よりはるかに深刻な、国家の根幹に関わる問題であることがわかります。 森友学園と加計学園に関与したとされる安倍昭恵夫人。雲隠れしたまま説明責任から逃げ続けているが、またぞろ怪しげなイベントの広告塔を買って出ていることが明らかになった。10月14日から2日間の予定で熊本県で開催される「みんなのFUJISAN地球フェスタ“WA”2017」というイベントの名誉顧問を務めるのだ。顧問には石破茂氏、谷垣禎一氏といった国会議員もズラズラと名を連ね、内閣府、経産省、防衛省といった主要官庁のほとんどが後援団体になっている。(下線部引用者) 「私人」である安倍昭恵氏が、どの宗教法人と関係があっても、それ自体はたいした問題ではあり
某所で経済について講演をしたので、若干修正をして公開します。 ******************************************************************************************************************************* 今日は、経済の話だけでなく、選挙の話、憲法の話、今噂になっている日本会議の話、そういったものがどういうふうに繋がっているのか、経済というのはそもそも何なのかというところから、お話していきたいと思います。 日本経済と労働の実態 まず、こちらのグラフをごらんください。一人当たり名目GDPこの20年間のグラフです。経済停滞していたのは先進国の中で、日本だけなんです。 「資本主義の終焉」や「人口構造」「グローバル化」「ネオリべラリズム」といった一般論ではなく、日本固有のメカニズムがある
Tweet 安倍政権が狙うブラック企業合法化 7月10日の参議院選挙の争点を、自民党は「アベノミクス」であると言っています。それに対して、リベラル・野党連合はそれはまやかしであって、本音は「憲法改正」であると考えています。確かに、日本国憲法の廃止は、安倍政権や日本会議にとって長年の悲願でした。自民党が2012年に出した憲法改憲草案は、基本的人権に対して「公の秩序」を優位に起き、立憲主義を否定するものです。賛否両論ありますが、国の根幹を大きく変えるものだ、という見解では、ほとんど全員一致すると思います。 でも、ちょっと待ってください。アベノミクスはそんなに簡単に扱っていいものなのでしょうか?そもそも「アベノミクス」とは何なのでしょう。それは、どのような経済を目指す経済政策なのでしょうか?正規と非正規の格差拡大?一部の富裕層への富の集中?否、それらはアベノミクスの結果の一側面ですが、アベノミク
本稿のまとめ 2011年3月11日の東京電力原発事故によって、東京にも放射性物質が降りそそぎました。、それが原因となって、あらゆる被曝症状が急増しつつある。その健康被害の実態を、理論によって裏付けながら、膨大なデータをもって実証すること、それが本稿の目的です。 まずはデータを御覧下さい。これは、Googleの検索キーワードのトレンドを表示する、Googleトレンドというサービスのデータです。膀胱炎・口内炎・動悸・生理不順、これらはすべて被曝症状の典型ですが、どれも2011年3月を明確に分岐点として、急増しています。このデータは、これら自覚症状を抱えている人の数と、非常に高い相関関係を持っていると考えられます。 私は、データ編で、膨大な量のグラフをもって、どれも2011年3月を境にして、関東を中心にあらゆる健康被害が急増している事、そしてそれらがストレスや「放射線恐怖症」のせいではありえない
理論編のおさらい 東京電力原発事故で、あらゆる健康被害が爆発的に増加しつつある。このデータを本稿でお見せいたしますが、その前に「理論編」のおさらいをしておきます。 ●東京の放射能汚染は、「放射線管理区域」相当の汚染状況である。 ●広島・長崎やチェルノブイリなどの過去の例からいって、被曝による健康被害の典型は癌ではなく、倦怠感・心不全・膀胱炎・ホルモン異常・免疫低下など、全身の多様な慢性疾患であること。 ●「科学的にいって放射能は安全である」という議論の元となっているICRPは、論理によってデータを排除し、残ったデータで理論を強化する「神話」の「循環構造」を構成している事。 ●東京電力原発事故の主たる放射性降下物は、セシウムを含む不溶性合金の放射性物質微粒子(ホットパーティクル)であることが実証されたこと。 ●人工放射性物質と自然放射性物質の唯一の違いは、ホットパーティクルを構成しうるか否か
人生の選択、その一般的な方法論 ありふれた言い方ですが、人生とは選択の連続です。どの就職先に就職すべきか、交際を申し込まれたけどどうしようか、学校はどこにするのか。そんないわば人生の岐路だけではなく、日常生活とは小さな小さな選択の集合です。あなたも毎日、色々悩んでいることだと思います。どの店でお昼ご飯を食べるか、喉が渇いたけど自販機でジュースを買おうかしら、気に入ったコートを見つけたけど高いな、上司に飲みに誘われたけどほんとは帰ってサッカー見たいな、運動したいけどめんどくさいなどうしようか―などなど。そうやってちょっと悩んだり、とりあえず流されてみたり、そして後悔したり。 悩むのも重要なことだし、悩んだり考えたりすることを楽しめるということは、大切な能力です。ただし、同じ悩むにしても、思いあぐねて時間だけがひたすら過ぎていくのか、それとも筋道を立てて思考して決定ができるのかは、大きな違いだ
はじめに 12日1号機の水素爆発、14日の3号機における水素爆発、15日2号機のサプレッションチェンバー爆発。これら相次ぐ事故によって、福島第一原発から今まで放出されてきた放射性物質の大部分は15日までに放出されてきたものであるかのように東電・政府は発表しています。 ところが、もっとも重要な放射能汚染は3月21日に起きていることは、あまり一般には知られていません。その汚染源が3月20日-21日にかけての3号機格納容器内爆発であること、それを東電・政府は当然知りながら、隠蔽していること―これがほぼ「事実」であると断定できるだけの判断材料がすでに揃いました。 ちなみに、こうした結論の大部分は、実のところ、以前に私が、3/24までに出したものです。それについてはTwitterで当時連続ツイートして、その成果をTogetterにまとめました(http://togetter.com/li/11529
三春充希さん(Twitter ID @miraisyakai)は、内閣支持率や国政選挙の分析を行う「未来選挙プロジェクト」を一人で運営しています。そのフォロワー数は14万人を越え、与野党を問わず多くの政治家からも注目される存在です。 その三春さんの初めての著書『武器としての世論調査―社会をとらえ、未来を変える』が、ちくま新書から出版されました。この本の、世論調査の基礎知識や豊富なデータ・深い分析などについては、他の方の書評に譲ることにします。本ブログでは、あえて「裏側」から、おそらくあまり注目されないであろう側面を取り上げます。 ブラック企業が合法化される5月31日の衆院本会議で、「働き方改革法案」が可決されました。安倍首相が本国会の目玉と位置づけるこの法案が通れば、労働基準法は骨抜きにされ、ブラック企業が合法化されることになります。 「ブラック企業合法化」というと驚かれるかもしれません。
消費税増税で日本経済がどうなるかシミュレーションしてみたので、その根拠と計算方法、そして限界を示しながら説明したいと思います。 先日、Twitterで、消費税増税後5年後、10年後のシミュレーション結果を提示したのですが、多くの人は、私のシミュレーション結果と、経済学者や政府が言っていることとの間に大きな乖離があることに驚いたことでしょう。なぜ、かくもかけ離れているのか、それは経済にかんする理解の相違に基づくわけですが、まずそれを本質的なところからまず説明してみたいと思います。 まず、一国の経済システムは主要な四つのプレイヤーに分かれます。企業・家庭・銀行・政府(日銀含む)、です。企業の内部にも様々な産業があり、それらが(たとえば卸売業と小売業を物流業が媒介するというように)複雑に連関しあっているわけですが、そうしたことを捨象すると、だいたい図のようになります。 この図では線はお金の流れを
普天間問題に関して、マスコミが基本的な事実関係を報道しないことが主要な原因であろうと思われるのですが、一般に誤解が蔓延しており、また今回の2+2日米合意声明についても、その背景や意味について理解が浸透していないため、ここに書き記しておこうと思います。 一番重要なことは、まだ辺野古に決まったわけではない、ということです。実際、辺野古の海を埋め立てる現行案の実現はほぼ不可能であり、辺野古に作られない可能性が日米合意にはあらかじめ組み込まれています。また、訓練の県外や「グアムなど」への国外への移転の検討も含まれています。鳩山首相が先日の記者会見でいったとおり、沖縄負担軽減の第一歩、いや半歩が始まったばかりなのです。それにも関わらず、「これで終わってしまった」という国内世論が作られてしまうことは非常に危険です。 まず、この問題のもっとも重要なポイントである、だけど国民には周知されていない、いわゆる
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