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やる気の出し方
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連日、メディアを賑わしている「働き方改革」というテーマについて、よくよく考えてみると政府と企業で、それぞれ思惑が少し異なることが見えてくる。政府は、とにかく労働者の所得を上げたいのだ。GDP600兆円を目指す、安倍政権としては国内の景気を少しでも喚起させたい。そのためには日本国内の総需要を増やしたいので、まず国民の年収を増やしたい。経団連を通じて大企業にベースアップを強く要求しているが、日本における大企業の労働者は就労人口全体の1割にしか満たず、中小企業、とりわけ非正規従業員の給与水準をあげたいと考えている。 それで、安倍政権は、欧米では当たり前になっている「同一労働同一賃金」という考え方を日本でも導入して正社員と非正規労働者とのギャップを縮めたいと考えている。現在、少子高齢化の進展で生産年齢人口が極端に減少しているので、結果的に非正規労働者の賃金のアップ率は、正社員のアップ率を超えており
日本の労働生産性が、アメリカに対して、どうして、それほど劣っているのか? 要は、日本の労働者は役に立たない仕事を沢山させられているわけだが、その点について、1998年から3年間、米国子会社再建のためにアメリカで働いた経験から幾つか述べて見たい。私も、正直、アメリカでは、こんなに働き方が違うのかと驚いた。帰国後、その体験を自らは実践しながら、周囲にも何度か提案したが、残念ながら、なかなか簡単に受け入れられるものではなかった。やはり、会社の風土を根本的に変えるには、何代にも渡って海外駐在経験者がTOPを勤めることが必要だと思われる。 まず、最初にあげたい問題は、会議に関わることである。日本では、朝から晩まで会議や会議の準備で多忙を極めている人が居るらしいが、こんな会社の業績が良いわけがない。アメリカは、広大な国土で東海岸と西海岸では時差で3時間、飛行機で5時間も離れているし、殆どの企業はグロー
近年、ヒトを介さないモノとモノを結ぶインターネット、IoT (Internet of things)が大きな話題になっている一方で、ヒトとヒトを結びつけるためのインターネットによる信用創造が、これまでの経済の仕組みを大きく変えていくのではないかと思われる。 1.シェアビジネスを成立させるためには個人情報の与信が不可欠 シリコンバレーから始まったUber社によるライドシェア(いわゆる白タク)は瞬く間に世界中に広がった。まだ上場してはいないが、Uber社の時価総額はJR東海の何倍にもなるという。そして、もはやシリコンバレーで道路を走るタクシーの姿を見ることはない。タクシーに乗りたければホテルまで行って呼んでもらうしか方法がなくなった。しかし、よく考えてみれば、世界中からあらゆる民族が集まっていて、銃の携帯も許されており、凶悪犯罪の発生率も高いアメリカで、見知らぬ車に乗ることは怖くないのだろうか
落語は、「えー、お笑いを一席」から始まるように、「えー」という間投詞が話の中に頻繁に入ってくる。そして、この「えー」が微妙な間として落語の芸術性を高めているとも言われている。私は、少年時代から、落語が大好きで、中学校の時は学校放送で落語を演じたこともある。だから、この「えー」という間投詞には親しみがあり、自分でも頻繁に使っていたように思う。 以前にも、このコラムで書いたことがあるが、英語の能力が低いまま米国勤務を命じられた私は、着任してから3年間、個人教授からみっちりと企業経営者として恥ずかしくないエグゼクティブ・イングリッシュを学んだ。この個人教授の生徒となった日本人の中で、日本に帰国してから大企業の社長になられた方が何人もいる。この先生は、母国語が英語でない外国の子供達が米国の学校に転入してきた時の英語教育(ESL: English Second Language)の教師を長年務められ
3年前にサンフランシスコへ行った時、「勉強のために、Uber試してみる?」と言われて、同僚と一緒にUberタクシーに乗ってみて、本当に感動した。高級車で、運転手さんのマナーは良いし、呼べばすぐ来るし、これは既存のタクシー会社は潰れるかも知れないと思ったが、今回、シリコンバレーのタクシー会社は本当に潰れていた。もはや、シリコンバレーの街中でタクシーを拾うということはできない。タクシーに乗りたければ、Uberに会員登録してスマートフォンから呼ぶか、ホテルのフロントから呼んでもらうしかない。 Uberが、これほど一気に普及した理由として、3年前は市当局に登録した個人タクシーしか利用できなかったのが、つい最近の規制緩和で、いわゆる個人の白タクまでが、Uberに開放されたからである。そのため、車の品質はプロの個人タクシーに比べて、多少落ちたかも知れないが、利用価格は安くなったので、普及は一気に広がっ
今回、シリコンバレーを回ってみて、どこでも聞くことができたキーワードはDisruption (破壊)であった。なぜ、シリコンバレーでは、このような過激な言葉が蔓延するのだろうか? それにはシリコンバレー特有の、厳しい生き残り競争がある。既に、確固たる地位を築いた大企業に対して、勝ち抜いていくためには尋常なやり方では成功しない。つまり、今までの競争ルールを変えない限り全く勝ち目はないからだ。 毎年、シリコンバレーでは、17,000もの新たなスタートアップが生まれて、1年も経たないうちに11,000社が消えてなくなり生き残るのは6,000社に過ぎない。さらに、3年後に生き残っているのは20社にも満たなくなる。時価総額1,000億円以上にもなる、いわゆるユニコーンと言われる成功事例は、毎年1−2社あれば良い方で、全く皆無の年もある。 スタートアップが勝ち残るためには、今、存在しているビジネスルー
「モノ」と「モノ」をインターネットで結ぶというIoT (Internet of Things) について、何十枚ものパワーポイントを使って概念的な説明をしても、全く空虚な響きにしか聞こえない。IoTについて語るなら、やはり「モノ」を中心に議論しないとだめだ。「モノ」を作る、運ぶ、動かす、売る、修理するという現実のプロセスの中で、IoTを考えて行く必要があるだろう。そう、IoTはインターネット世界を仮想世界から現実世界にまで拡大して行くことを言うのかも知れない。 2年前、シリコンバレーの中心地サンノゼで、アマチュアのための試作環境を提供するTechShopを見学させて頂き、アメリカに住む人々のモノ作りへの強い嗜好性、いわゆる「Do it yourself」の世界を見せて頂いた。今回は、モノ作りのプロフェッショナルが活動する拠点 APROE (Advanced Prototype Engine
人工知能が、これだけ急速に進歩を遂げたのは、コンピュータサイエンスの進歩と並行して脳科学が進歩したからに他ならない。両方の進歩が相乗効果を持って両者の進歩を推進させた。人工知能とロボティックス、ビッグデータとの三位一体の進歩が大きく貢献していると先述したが、これに脳科学とバイオメカニクスが加わると実に多様な研究分野の拡大に繋がっていく そうした中で、NASAでロボティックスを研究しているサンスパイラル教授との議論は大変面白かった。彼は、NASAで、人工知能とロボティックス、脳科学とバイオメカニクスを一緒に研究している。将来、宇宙空間で生活するには高度なロボットが絶対に必要だからだ。彼が主張するのは、ロボット制御で一番大事なのは自律分散制御だという。いちいち、センターコントロールに、どうしたら良いかと問い合わせるような制御系では、ロボットはうまく動けないという。 例えば、鶏の頸椎を切断しても
今、シリコンバレーで最も注目を集めている企業はネットフリックスだという。オンラインで映画をストリーミング配信するネットフリックスが、なぜ、GoogleやFacebook以上に注目を集めているのだろうか? それは、ネットフリックスが、全世界で6,000万人近くのユーザを抱え、全米の通信量の3分の一を占有するということだけではない。ネットフリックスが、映画の世界で、従来、誰も考えられなかったマーケッティング手法を開発したからだ。 これまで、家庭で映画をテレビで観るときは、ソファーに座って背をもたれかけて、例えば居間で、家族一緒に観るものだった。しかし、ネットでオンライン配信される映画を観ている人たちは、大抵、机の上のパソコンの画面で前のめりになって観ている。この新たな聴衆たちは、2時間の映画を2時間も使って観たりはしない。退屈な場面はスキップし、感動した場面は何度でも観る。ネットフリックスは、
オレオレ詐欺の被害を防ぐため、母から全ての銀行通帳を預かって母の貸金庫に保管した後で、母から次のような話を聞いた。「先週、M銀行から10年以上取引がない口座をどうなされますか?」と電話が掛かって来たとのこと。そう言えば、半年ほど前に、母から、M銀行の通帳を間違ってシュレッダーにかけてしまったと聞いたことがあった。その時は、「また、好い加減なことを言って!」と聞き流していたのだが、続けて辻褄があった話を聞いたら捨て置けない。 ところで、今回は、M銀行と匿名化しているが、考えてみると日本のメガバンクは全て頭文字がMである。 「母さん、ところで、その通帳に幾ら入っているの?」と聞くと、「多分、400万円くらいかな?」と言う。それは、ほっとけないと突然本気になる、私。「ところで、どうして、その通帳なくしたの?」と聞く。「いや、記載が一杯で古い通帳だと思ってシュレッダーしたら、新しい通帳が見つからな
「イスラム国」による後藤健二さん殺害は、本当にショックである。心よりご冥福をお祈りしたい。日本の大手メディアの「イスラム国」に関する報道を一手に引き受けていた後藤さんが亡くなってしまい、我々は、もはや、「イスラム国」で、今、何が起きているかについて、正しい報道に接することが出来なくなってしまった。後藤さんは「イスラム国」にとって決して敵ではなく、むしろ、ひょっとしたら理解者になったかも知れないのに、その大事な人を殺してしまうというのは「イスラムの大義とは何か?」と疑問を抱かざるを得ない。 「イスラム国」は国ではなく、単なるテロ集団だと決めつけるアメリカや日本政府の言い分も、必ずしも正しいとは言えない。「イスラム国」が支配する地域は、アサド政権が統治を放棄した東シリアと、同じくマリキ政権が統治を放棄した北部イラクで、そこの住民は、どこの政府からも守られない棄民であった。そして「イスラム国」を
前日本将棋連盟会長、永世棋聖の称号を持つ米長邦雄九段が亡くなられてから、もうすぐ2年になる。亡くなられる半年ほど前の、富士通も後援する人工知能関連のフォーラムで講演された米長九段のお話は、今でも鮮明に覚えている。末期がんに苛まれた痛々しいお身体をサポーターに支えられながら、ようやく壇上にお座りになられてから、その弱弱しい風貌から想像も出来ないほど力強いハッキリした口調で、ほぼ1時間にも渡ってコンピューターと将棋について語られた。 この講演の半年ほど前に、米長先生は富士通社員が開発したコンピューター将棋ソフト「ボンクラーズ」と戦って惜敗されている。この「ボンクラーズ」というへんてこりんな名前は、過去の棋譜をビッグデーターとして活用し、人工知能の技術を応用した初代コンピューター将棋ソフトである「ボナンザ」をベースとして「クラスター手法」で高速化したという意味を込めて名付けられている。この「ボナ
福島を「フクシマ」とカタカナで表現されることを福島県人は最も嫌う。日本を代表する農業県である福島県の農産物が、未だに放射能に汚染されているような誤解から風評被害を生む可能性があるからだ。実際には、厳しい検査を全数受けている福島県の農産物は近隣県のものより、むしろ安全である。それでも、福島県人も含めて、かなりの方々が福島県産の農産物を避けるのは、何万年も消滅することはないと言われる放射能汚染土壌の中で育った農産物に対して「未だ3年しか経っていないのに、どうして安全と言えるのか?」という純粋な疑問をもっているからであろう。 そうした疑問に丁寧にわかりやすく答えているのが、中西友子先生が書かれた「土壌汚染」という著作である。東大農学部で放射線照射によって農産物の品種改良に長年携わってこられた中西先生は、同僚の先生方を募って、震災直後から、福島第一原発による深刻な放射能汚染地域に入り、土壌や農作物
お世話になった皆様へ 本日付けで、44年間勤めた富士通、4年間勤めた富士通総研を退任します。この間、多くの素晴らしき出会いにめぐり合うことができ、そのお陰で有意義な人生を送ることが出来ました。応援して頂いた皆様に心よりお礼を申し上げます。この長きに渡り、一番思い出に残っていることは、小さいながら現地子会社のCEOとして米国駐在を経験させて頂いたことでした。その経験が、私の、その後の人生に大きな影響を及ぼしました。 米国から帰国後は、製品部門、海外事業部門、研究開発部門の総責任者などの重職を経験させて頂きました。また、富士通総研に移ってからは、見よう見まねで経営コンサルタントの仕事のやり方を学ばせて頂きました。これだけの多くの勉強の機会を与えて頂きながら、富士通グループを卒業し、社会に貢献する時期が若干遅すぎたかも知れません。こんなに富士通グループに長く居続けた理由は、多分、とても居心地が良
先週から、私はアメリカ合衆国年金を受給できるようになった。アメリカ駐在期間が3年と短期間であったため受給金額は、ほんの僅かではあるが、やはり外国から年金を頂けるのはとても嬉しいし、米国政府には心から感謝している。しかし、ここに至るまでの過程は、そう簡単ではなかったので、今後、このアメリカ合衆国年金を申請される方に、多少ご参考になるかと思い、申請から受給までの経過を書いてみた。 最近は日米両国政府が双方から重なって年金徴収を行わなくて良い相互協定が結ばれたため、私のように日本企業から米国へ一時駐在する社員は、日本で年金を納めている限り、米国での年金支払いが免除されることになった。従って、アメリカ合衆国年金を受給できることもない。また、大昔は、アメリカも日本からの駐在員に対して、年金の徴収はしておきながら、アメリカ滞在が10年以上でないと受給資格が得られず、掛け捨てになってしまうという不合理な
今日のTVニュースにて、韓国フェリー事故で遭難した高校生が撮ったビデオを視て、胸が締め付けられるほど心が痛んだのは私だけではないだろう。これから夢多き将来がある高校生が400人近くも無駄に命を奪われたことは何とも許しがたい。先々週、米国出張中に多くの米国TVニュース番組が、この事故にかなりの時間を割いていることに驚いた。世界中が、この韓国発のニュースに大きな衝撃を受けたに違いない。韓国では、既に首相が責任を取って辞任し、朴大統領にまで責任追及が及び始めている。しかし、私には、この事件の根本原因は首相や大統領にあるとは思えない。つまり、その本質を考えるときに韓国社会が既に崩壊しつつあるとしか思えないのである。 先々週、シリコンバレーを訪問した時に、多くの人が言っていたことは「シリコンバレーは、もはやコリアンタウンとなった」と言うことだった。確かに、サムソンがシリコンバレーに巨大は開発拠点を築
本日の日米首脳会談にてオバマ大統領が「日米安保条約第5条の適用範囲としてアメリカは尖閣諸島を守る」と宣言したことは、日本にとって大きな成果であった。しかし、こうした領土紛争に関してアメリカの態度は常に全くぶれていないことに注目したい。 オバマ大統領が話した内容を英語でチェックしてみると、日本の施政権配下(Japan’s administration)にある尖閣諸島(Senkaku ilands)をアメリカは守ると言っていることに注目したい。これは、まさに日米安保条約第5条で記述していることと全く矛盾しないが、ここで私たちが意識しないといけないのはアメリカ合衆国として、施政権(Administrative Power)と領有権(Sovereign Power)を、はっきり区別しているということである。 アメリカは英国の植民地から独立して以来、原住民であるネイティブアメリカン(俗に言うアメリカ
本日の日経新聞に依れば、原田泳幸さんが日本マクドナルド経営の第一線から去られるとのことである。私が、原田さんと初めてお会いしたのは、2002年米国勤務から日本に帰って来て富士通のパソコン事業の責任者に就いた時だった。日本のパソコン業界団体である電子技術産業協会(JEITA)パーソナル情報部会の部会長に就任した私の最大の仕事は、日本のパソコンのリサイクル事業を開始することにあった。当時、アップルジャパンの社長であった、原田泳幸さんにとっては、Windows95の出現以来飛躍的にシェアを伸ばしてきたマイクロソフトパソコンに対抗するのに必死で、とてもリサイクル事業どころではなかったに違いない。 同じ、Windowsパソコンを引っ提げて日本で事業を行う外資系パソコンメーカーですら、付き合いだから仕方がないという感じで、しぶしぶ会議に参加している中で、日本でのアップルパソコンの事業責任者であった、原
アメリカでカーネギー財団とMITで合計20年間もオープン・エデュケーションの研究に携わり、現在 京都大学高等教育研究開発センター教授として活躍される飯吉 透先生は、今、まさにオープン・エデュケーションの最先端を行くMOOC(無料オンライン公開講座)の伝道師である。先日、京都大学を訪れ、MITとハーバード大学が共同で運営するMOOCであるedXに、日本の大学として初めて参加した京都大学のオンライン公開授業を推進されているリーダーである飯吉先生にインタビューをさせて頂いた。大変、貴重なお話を聞かせて頂いたので、日本の高等教育の動向に関心がある皆さまと共有したい。 伊東:先日、神戸で飯吉先生の講演をお聞きして大変感動をうけましたので、今日は、いろいろお話をお伺いに参りました。こちらへ伺う前に、先生と梅田望夫さんとの共著「ウエブで学ぶ」も読ませて頂きました。私自身も梅田さんとは同じ時期にシリコンバ
今日は、大晦日。2013年に出張してきたアメリカ、EU、中国で見聞きしたことを振り返ってみて、今、世界はどのように変わりつつあるか?そして日本は、世界から、今、どのように見られているかを、私なりに総括してみたい。 まずは、2013年1月、今、世界でもっともホットな国アメリカ。そのアメリカの中で、もっともホットなシリコンバレーを訪問した。5月にはパリで日本とEUの官民合同会議に参加。同じく5月には、中国南部の広州、香港と世界最大のギャンブル都市となったマカオを訪問。11月には再度、中国。三中全会後の中国はどうなるかをヒアリングするため北京へ行った。この4度の海外出張で、今世界がどうなっているかを語るのは、誠に、おこがましいが、結果的に良い場所を選んで周ったものだと思っている。 まず、まず米国のシリコンバレー。本当にホットである。私がシリコンバレーに居た1998年から2000年までのITバブル
無償オンライン公開授業(MOOC)に関して調べていると、必ず、バングラディッシュ系アメリカ人であるサルマン・カーンという人物が登場してくるので、彼の著作「世界は一つの教室『学び×テクノロジー』が起こすイノベーション」を読んでみた。サルマン・カーンがバングラディッシュ系アメリカ人という意味は、彼がバングラディッシュから米国に移住してきた両親からアメリカで生まれたという意味である。 私達が一般に『インド人』と呼んでいる人たちは、実はインド国籍を持つ人だけでなく、パキスタン、バングラディッシュ、スリランカ国籍を持つ人達を含めている場合が多い。英国ロンドンには多くのインド人が住んでいると言われているが、実際には、その殆どがバングラディッシュ人である。中東のカタール、アブダビ、ドバイに暮らす多くのインド系の人達も殆どバングラディッシュ人である。 なぜ、多くのバングラディッシュ人が出稼ぎのために国を出
日本と異なり、アメリカの一流大学は、ほとんどが私立である。しかも、その私立大学の授業料は日本の大学に比べて高く年額400万円くらいである。しかも、アメリカには日本のように大学の授業料を親に出して貰うと言う文化がない。従って、奨学金の恩恵を受けられない多くの学生は学生ローンの世話になる。つまり、4年間で合計1600万円の借金を負うことになる。日本では、大学を卒業する時点で学生はゼロスタートということになるが、アメリカの多くの学生は過酷なマイナススタートを強いられることになる。 その上、アメリカでは大学新卒一括採用という習慣がないので、ここ数年は、大学新卒の就職率は20%を切っている。だから、新卒の学生は、何年か、インターンやスタートアップでキャリアを磨きながら生涯の職を見出すことになる。この間、ローンの返済で苦しむ学生の中には自己破産するものも少なくない。アメリカ社会のこうした仕組みが貧困の
今年1月、米国富士通研究所がパロアルトのコンピュータミュージアムで開催したフォーラムにて、スタンフォード大学のヘネシー学長をお招きし、講演をして頂いた。この講演で、ヘネシー学長は、「スタンフォード大学での授業は、全て質疑応答形式や演習が中心で、いわゆる一方的な講義はしません。講義はMOOCで聴いてもらうことにしています」とお話になった。従来の大学での授業形態は、大学で講義を聴いて、学生は自宅で予習、復習をするというのが一般的だった。今、スタンフォード大学を始めとするアメリカの一流大学では、学校の授業で先生から生徒への一方向性的な講義はしない。 つまり、講義は自宅でオンラインにて聴くものだとされている。これが所謂「反転授業」と呼ばれるものだ。学校と自宅と学習形態が逆転しているから反転と呼ぶらしい。本来は、大学では、一時間の講義に対して、予習1時間、復習1時間を想定しているらしいが、日本の学生
今朝の日経一面での報道、世界の半導体製造装置の最大手である東京エレクトロンとアプライド・マテリアル経営統合のニュースには少なからず驚いた。この一位、三位連合の統合会社は同じ業界で世界第二位である欧州の巨人ASMLを圧倒的に引き離す王者として君臨することになる。この東京エレクトロンの元社長である佐藤潔さんとは、スイスのダボス会議で知り合い、その後、佐藤さんがヨーロッパの複数の子会社社長として転出されロンドン勤務になってからは「Facebook上の友達」としてお付き合いをさせて頂いている。先日は、東京に出張された佐藤さんから人形町の割烹で御馳走して頂き、「オフミーティング」をさせて頂いたが、もちろん、こんなことは全く話題にも上っていない。 それでも、私には、このたび会長から社長に復帰され東京エレクトロンの再興に奮闘されている、東さんの、この決断が唐突で奇異なものには全く見えない。お相手の、アプ
昨日、大阪で関西地区のユーザー会が主宰するマネジメントセミナーで講演をさせて頂いた。同じセミナーで講演された徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」で有名な株式会社いろどり代表取締役 横石知二さんの、お話はさすが聞きしに勝るものであった。あまりに素晴らしい内容なので、私が感動した部分を、ここに抄録として、ご紹介させて頂こうと思う。命を張った、ご自身のご経験に基づくお話は聴講者全員の心に響くものであった。以下、横石さんのお話の一部である。 今、徳島県の小さな町、上勝町が世界から注目されています。昨年は、37か国から上勝町を見学に来ました。何故かと言えば、日本の高齢化問題、過疎化問題、そして地域格差と、、こういった問題が、いずれ自分の国にも来ると言うことに関して世界各国の意識が高くなってきました。日本が、この分野で超先進国であるなか、どうやって解決していくのかということを世界が注目しています。先週も、
マイクロソフトがノキアの携帯電話事業を7000億円で買収した記事が、本日の新聞を賑わしている。「いよいよ」かとも思え、「とうとう」かとも思える不思議な感慨である。今から、20年ほど前に富士通の英国子会社ICLがノキアのパソコン事業を買収した。コングロマリット、ノキアが次々と事業売却を進めて、いよいよ通信インフラと携帯電話機事業へ注力することを決めた瞬間だった。まだ、携帯電話機が大きなビジネスになりそうだなど、誰も思わなかった時期である。 ICLは、元々英国の国営企業でコンピューター関連事業では英国ではダントツのNo1企業だったので、富士通の子会社になったという意識は極めて希薄だった。このノキアのパソコン部門買収も、富士通本社の経営幹部には殆ど知らされずに突然行われたように聞いている。当時の日本のパソコン市場はNECのPC98が独占状態で、富士通のパソコンなど全く出る幕もなかった。そこで、富
マイクロソフトのCEOであるスティーブ・バルマー氏とは、何回も会って会話をしているが、その都度、地声の大きさには驚かされる。「この人の声は大きいのだ」と身構えていても、いざ、本人から最初の一声が発せられると、またそこで再び驚くのだ。多分、バルマー氏は、ヒソヒソ話は一度もしたことがないだろうし、そもそも出来ないのだろう。この手の人は絶対に悪い人ではない。社員を集めたパーティーで、自社の庭の池に飛び込むようなハプニングをやってのけるバルマー氏の振る舞いは根っからの営業に見え、とても数学では天才的な才能を持つエンジニア出身とは思えない。 バルマー氏は、マイクロソフト創業時から、ゲーツ前CEOと二人三脚で事業を拡大してきた中で、常に表舞台で活躍してきたゲーツ氏を陰で支えてきた。先日、シリコンバレーの、あるベンチャーキャピタルが、一人で創業したスタートアップには、金を出さないのだと言っていた。第一番
今日、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)の客員研究員でデューク大学のジェイコブス・ヴィグダー教授から「米国経済の行方」と言う題の講演を聞かせて頂いた。金融学や経済学ではなく公共政策学という観点から分析したヴィグダー教授の論理展開は、私にとって非常に新鮮で、しかも判り易かった。大変、良い話を聞いたと思うので、皆さんにも、その一部をお分けしたい。 ヴィグダー教授は、今後を予測する経済指標として、「一人あたりのGDP」と「貧富の格差」を重要視している。特に「貧富の格差」は国の経済が持続的に成長することを阻害する大きな要因になると主張されている。教授は、今夏、初めて4週間の長期休暇を取られ、生まれて初めて日本を訪問されることとなった。家族と一緒に旅行された日本の各地には、公共政策を研究する上で、大きなヒントが沢山隠されていると言う。今回は、そうした休暇中に講演をして頂いたというわ
この講演録は、今年1月に富士通グループ各社の経営TOPと労組のTOPを一堂に集めた、富士通労働組合主催の全富士通労連 第20回労使フォーラムにて、私が講演させて頂いたものである。正確に言えば、富士通労組の機関紙クリエイトの編集責任者である三富祥史氏が、私の講演から、そのエッセンスを抽出し、足りないところは補足説明も加えて記事としてまとめられたものである。従って、私が、今読んでみても、随分立派な講演だと感心する内容にまで研ぎ澄まされている。お時間のある時に、ご一読頂ければ幸いです。 <講演録> 「グローバルに活躍する!」 ~どうしたらなれる? 常識の違いを知る~ はじめに 私が部会長を務めている日本経団連「産業政策部会」には、トヨタ自動車㈱や㈱資生堂、味の素㈱など、日本を代表する企業の役員の方々が参加されていますが、そうした皆さんに「あなたの企業が抱えている最大の経営課題は何ですか?」と伺う
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