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アインシュタインの伝記本の下巻に機械翻訳の酷い部分があって、回収騒ぎになっている。私はK社の編集長に教えてもらって知ったのだが、うーん、たしかに目茶苦茶な訳だよ、これ。 まずおかしいのは、そもそも商業出版の本に機械翻訳を使っていること。私も長年、サイエンス作家として科学書の翻訳や監修をやっているが、いまだかつて、機械翻訳を使った翻訳にお目にかかったことはない。以前、機械翻訳のソフトを試してみたことがあるが、インターネットのサイト翻訳なら使えても、商業出版のレベルには遠く及ばないことがわかり、いまだに人間が翻訳している。 それは、この道のプロから見ればあたりまえのことだが、いったいなぜ、誰が、機械翻訳を使ったのか、疑問が残る。 訳者の一人がアマゾンの書評欄に「弁明」を書いているが、監修者に訳稿を見せずに、勝手に出版してしまったそうだ。もし、それが本当なら、今度は、担当編集者の仕事に大きな疑問
高橋洋一さんから、こんなメールが来た。 *** 私にとって当たり前でも他人に話すと驚かれることがあります。 本「鳩山由紀夫の政治を科学する」に載せなかったのは残念と編集のAさんに言われましたので、竹内さんのブログでも載せて、本の販促活動にしましょう。 * 事業仕分けは何だったのですかといわれるときは、このような話をするのですが、ある人から「事業仕分けは自民党の要求を役人が通そうとするのを切るから面白い」といわれて面食らった。 事実関係を言えば、自公政権での概算要求は8月末に出されたが、政権交代したので、概算要求はやり直しで、10月15日に民主党政権の概算要求が出された。その概算要求は、要求官庁にいる民主党議員の政務三役が財務省に出したものだ。 ちなみに、自公政権での概算要求はシーリング(要求上限)があったので88兆円、民主党政権の概算要求はシーリングがなかったので95兆円。 事業仕分けは、
ラジオでも厳しくコメントしたのだが、スパコンをやめてしまえ、という仕分け人の決定には呆れてしまった。 蓮舫議員は、亡国へ思いきって舵取ったね。 情報・通信を制するものは世界経済をも制することが可能だ。スパコンだけでなく、量子テレポーテーション・コンピュータ・暗号などの研究は、10年ー50年後の日本経済の鍵を握っている。 そんな簡単なこともわからないのか。 科学技術に関して、こんな無知な仕分け人が全てを決めしまうとは・・・「理系」内閣がいきなり亡国へ向かうとは残念なことだ。 誰かが蓮舫議員にはっきり「バカは休み休み言え」と諌言すべきではないのか。この人に、日本の将来にとって欠かせない科学研究と、そうでない科学研究を区別する能力はない。 連日、テレビで仕分け人の発言を聞いているが、「自分にわからないものは要らないもの」という短絡的な決めつけが目に付く。この人たちは、全知全能の神様のつもりなのだ
昨日のJ-WAVE JAM THE WORLDは、富野由悠季監督がゲストだったが、珍しく直前収録となった。(通常は生放送。) やはり、実際に「現場」で戦い続けている人は発言の深さが違うなと、その映像哲学に感銘を受けた。 *** 戦いの「リング」に自分で上がらない人が、リングの上の人間に「机上の空論」の説教をすることが多いのはなぜだろう。 以前、K賞を受賞した人の作品を老舗出版社に紹介したところ、編集長から、「なぜその作品が文学としてダメなのか」を綿々と綴ったメールが来て、吐きそうになった。編集長独自の小説のセオリーらしいが、なんとも説得力に欠けるメールだった。 基本的に「作家Aみたいな作品を書け」という論じ方をする編集者は「ダメ編」である。これまで、何人もそういう人を見てきた。読者は作家A’にはお金を払わない。だって、すでに人気作家Aがいるんだから。 なぜ、編集長クラスになってから、急に「
性悪説では、人間というものは、そもそも悪いことをするようにできていると考える。 性善説では、人間というものは、そもそも善いことをするようにできていると考える。 もちろん、現実の世の中は、この両極端のあいだのさまざまなグラデーションの人間が蠢(うごめ)いている。 なんで、こんなことを考えているかといえば、高橋洋一さんと夕食をともにし、その席で件(くだん)の「事件」の一部始終をご本人の口から聞いたからだ。(私の口からは、その詳細を語ることはできない。高橋さんは、公に語っても信じてもらえまいと、諦めている。) 前にこのブログで、警察発表が「作文」のようで、非論理的なために理解しがたい、と書いた。あまりにも内容が不自然であり、当日の高橋さんの取った行動が説明できないからだ。(どのような点を不自然だと私が感じたのかは過去ログをご覧いただきたい。) 警察発表が不自然だったのは、そもそも善意から出た行為
執筆中の本とも関係するので、足利事件と飯塚事件について調べている。 科学技術が進歩するにしたがい、過去の問題点があらわになることもある。足利事件では、1990年代前半のDNA鑑定の結果が冤罪を生み、無実の人が17年という歳月を奪われてしまった。 DNA鑑定に関して、足利事件と共通点の多い飯塚事件の場合、去年の10月に死刑が執行されている。試料が残っておらず、これからの再鑑定はできないようだが、「犯人」とされた人物の家族のDNAを採取して、再審請求がなされる可能性があるという。 驚かされるのは、法務大臣に就任後、初めての死刑執行に、冤罪の可能性のある事件を選んでしまった森法務大臣の判断能力だ。もちろん、自ら選んだのではなく、法務省の役人が選んだのだろうが、飯塚事件では、科学警察研究所のDNA鑑定と帝京大学によるDNA鑑定が大きな食い違いを見せていたのだから、他の事件に先んじて死刑執行を急いだ
うーん、ウィキで「カルーツァ=クライン理論」を見てみたら、記述が書きかけのせいもあるんだろうけれど、1921年にカルーツァとクラインが提唱したことになっていて、これはまちがい(汗) 1921年のカルーツァが最初で、1924年にクラインが再提案したはず。 こちらも英語版は正確に書かれている。 日本語のウィキは、かなり、情報がいい加減なんだね。特に科学系の場合。 これだと、新聞記者が引用できるレベルにはない。科学系の大学院生で、オレの批判をしているような暇がある人は、ウィキの自分の専門分野の記述を修正するほうが、よほど建設的だと思うけどな。(税金使って勉強してるんだから、サイエンスライターの悪口ばかり考えないで、少しは世の中のためになることをしろ!) しつこいようだが、オレは、そもそも「批判」の対象。ウィキの修正なんかしたら炎上しちゃうから、まちがった記述を見つけても、手が出せない・・・。
最近、ウィキペディアが、どんどん使いづらくなってきた。 自分の項目なんか見てみると、「こいつはいったい誰のことだ?」という印象が強い。 自分の作品も、評価の高かったものや売れたものはほとんど無視されている。マラソンを走ったあとに、そのタイムなどは無視されて、途中でけつまずいて転んだことだけ詳しく書かれているような感じ(笑) 今、書いている本と関係するので、南部陽一郎で引いてみたら、「1970年に後藤鉄男とともに南部-後藤の弦理論(ひも理論)の提案をおこなったが、正しくないことが証明された。」って書いてあって、思わずのけぞってしまった。いったい、誰が証明したんだろう(汗) 超ひも理論のどんな教科書を見ても、「南部=後藤の作用」は載っているし、ちゃんとしたボソンひもの作用だよね。ただ、後にポリヤコフがもっと使いやすい形を提案して、主にそちらが使われているけれど。(南部=後藤の作用は非線形) 1
三省堂のトークショウでの「裏話」は、さすがにブログでも公表できないが、書ける範囲でボクなりの「見方」をまとめてみたい。 「バカヤロー経済学」の「先生」が高橋洋一さんであることは、事件の前にブログでもオフィシャルサイトでも何度も書いていたので、いまさら封印しても意味がない。「先生」の事件について、そろそろ、ボクなりの意見を書くべき時期だと思う。 ボクが個人的に抱いた疑問は以下の通り: ・わざわざ貴重品ロッカーに貴重品を預けておきながら、鍵を締めない人っているのか←どこにでもある暗証番号式 ・奥様と一緒にスーパー銭湯を訪れた「先生」が、フロント横の、防犯カメラが目に付く貴重品ロッカーで窃盗をはたらく不自然さ←防犯カメラに気づかない? ・「いい時計だったので、どんな人が持っているのか興味があり、盗んでしまった」という供述の文章は意味不明←警察の作文だから無理がある? ・事件の数日前にテレビで「脱
ここ数年、サイエンスライターをやっていて嫌なことが立て続けに起きた。高飛車で人格が破綻している科学者にも大勢出会った。サイエンスライターを「無料宣伝係」として「使う」だけの大学教授も多い。 20年間、「科学応援団」として地道に活動してきたが、自分の中での葛藤が大きくなりすぎて、ここら辺で科学(者)のダークサイドを書かないと、もう仕事が続けられないことに気がついた。 たとえば、猫好きを公言して、ペットの殺処分をゼロにしようと努力しながら、一方で動物実験を無条件に認めるのは欺瞞だ。単に友人や知人が日常的に動物実験をやっているから黙っていただけなのであり、常に自分の心にウソをつき続けてきた。 一部の科学者や大学教授たちの、人を人とも思わないような振る舞いにも、そろそろ愛想がつきかけている。 科学は決してバラ色ばかりじゃないし、ダークサイドも描かなくてはならない。最近、そんな心境になりつつある。
草彅剛さんとは面識も利害関係もないが、今日のJAM THE WORLDの「カッティング・エッジ」のコーナーで精神科医の和田秀樹さんから聞いた話は、意外と真相に近いのかもしれないと感じた。 和田さんによれば、泥酔状態で自宅に近づくと、急に気が緩んで周囲に迷惑をかけてしまうことがあるのだという。 和田さん自身、酔っぱらって自宅マンションまで帰り着いたのに、一階ロビーにあるソファで寝てしまい、朝になって起きて初めて、自分が自宅内ではなくロビーのソファで寝ていることに気づいた経験があるそうだ。 草彅さんは、自宅マンション前まで帰り着いたものの、気が緩んでしまい、まだ自宅内に入っていないのに、洋服を脱いで、大声で不満をぶちまけてしまった可能性がある。 「ほぼ自宅」という場所が、和田さんの経験と草彅さんの今回の事件とで共通している。 もちろん、草彅さん本人が何も憶えておらず、(和田先生によれば「ブラッ
ある大学の若手研究者からお手紙を頂戴した。 その人は「研究者がみんなサイエンスライターとなれば、サイエンスライターはいらない」という発想で科学者や技術者が「表現」を磨くことを提唱しているらしかった。 これは、現在の日本の科学書界を支配している大御所たちの考えと同じ考えだ。あるいは東大の科学インタープリター養成講座のコンセプトでもある。 *** 私は20年間、サイエンスライターをやってきて、このコンセプトはうまくいかない、という実感をもっている。 実をいえば、私が科学書界の大御所たちから、バッシングされ続けるのも、この意見の相違が大きいように思う。 *** 「科学者」にコツを教えればみんな「作家」になれるのなら、それに越したことはない。でも、それは不可能だ。作家(ライター)に求められる表現技術は、そんな甘いものではない。幼い頃からたくさんの本を読んできて、十年も二十年もプロとして学び続けて、
今年はサイエンスライターを始めて20年目。 駆け出し時代のゴーストライターなども含めると、今年中に100冊目の本を上梓することになりそうだ。(海外版や文庫版、複数のペンネームがあるので、自分でも精確には数えられない!) *** サイエンスライターという仕事は、常に文系的な「わかりやすい表現」と理系的な「精確な記述」のせめぎ合いに悩まされる職業だ。常に両方から文句を浴びせかけられる。 実際、そういった「両方からの文句」を言われなかった本といえば、ジャンルを飛び出してしまった「ねこ耳少女の量子論」くらいのものじゃないだろうか。 *** いまだに忘れられないのは、ある出版賞の最終選考において、二年連続で「難しすぎて訳がわからん」、「中身の正確性に欠ける」と審査委員から酷評された体験で、あのときの悔しさと心の傷は消えることがないように思う。 でも、昨年、18年飼っていた愛猫のカロアが死んで、「宇宙
隊長の広告年金が急に減額になり、緊急事態になっている。 三十数年間、サラリーマン一筋でやってきて、厚生年金のほかに広告業界の年金にも入っていたらしい。毎月、給料から天引きされて年金を「積み立てて」きたはずなのに、いざ受け取り始めたら、二段階、三段階で減額され、怒りのやり場もないらしい。 第一段階では、厚生年金プラスアルファでもらえるはずの企業年金が、厚生年金に「繰り込まれ」てしまい、 「これじゃ、詐欺じゃないか!」 となった。第二段階では、後期高齢者医療制度の開始で、問答無用で年金から天引きされた。そして、今回やってきたのが第三段で、残っていたプラスアルファの月5万円の給付額が、突然、9千円になってしまったのだ。 まあ、端から見ていても、なんとも気の毒で、ようするに「天引き」というのは、なんの保証もなしに金を盗まれて終わるのだな、ということを勉強した。 世界的な金融危機のせいで、運用が完全
電話で編集者に檄を飛ばした。 横山くんとの対談宇宙本の題名で揉めている。 横山くんは、奥様と相談のうえ、「宇宙の向こう側」という案を出してきて、オレも詩的でいい感じだと思ったから賛成したのだが、さきほど担当編集者から連絡がきて、「題名会議で却下されました」というのだ。 編集「すみません、もっとインパクトのある題を提示されまして」 オレ「どんな題なの」 編集「××、××、××、××」 オレ「なんか、Googleの検索キーワードを並べただけじゃん。それのどこがインパクトなんだ」 この商売15年やってきて、これほど面白みのない題名も初めて見た。 オレ「その意見を出した人は、原稿を読んでくれているんですか」 編集「あ、いいえ、目次だけです」 あのなー、原稿を読まないで、テキトーな意見言うなよ。労力かけて、原稿に目を通してくれたんなら、意見も言ってくれていいけど、なんにもやってないんだったら、現場に
詳しくは日立評論の7月号が出るまで書けないのだが、一昨日の松井孝典先生との対談で、大きな衝撃を受けたことが一つある。 それは、東大の入試における、物理と地学の選択率である。 オレが高校生の頃、物理、化学、生物、地学は四科目とも必修だったが、今では、高校生の2/3は物理を全く教わらないのだという。地学にいたっては、95%の生徒が教わらない! その結果、入試の理科系科目の選択率は、生物=8割、化学=6割、物理=1割、地学=1分(「ぶ」ですよ、ぶ)になってしまったというのだ。 *** うーん、湯川博士、朝永博士が国民的な英雄で、ブルーバックスの都筑先生の「四次元の世界」が100万部も売れていた時代は、いったいどこへ行ってしまったのか。 (宇宙論や天文学も含めた)地学の基礎には物理学があるし、化学の基礎にも物理学があるはずだが、いまや、誰も物理を知らない時代がやってきたわけだ。日本独自の現象だと思
以前やっていたテレビのニュース番組でもそうだったが、J-WAVE JAM THE WORLDでは、なるべく科学者や科学関係のゲストを迎えて、科学応援団に徹している。新聞の書評や科学コラムでも、常に科学や科学書の「いいところ」を見つけるよう努力しているのだ。 しかし、オレのそういった努力は、科学コミュニケーター界では、全くといっていいほど評価されていない。 ある高名なノンフィクション作家Y.Kは、脳死問題などで発言していたせいか、科学関係の出版賞の審査員で呼ばれたらしい。すると、開口一番、オレの本をけなし始めて、「こんな訳のわからない本は、そもそも、賞に値しない」と不満をぶちまけたのだと。 もしかしたら、Y.Kは、学校で嫌な理数系の先生に教わったか、赤点でも取って、それ以来、数学や物理がトラウマになったのかもしれない。そのとばっちりを受けるのがオレということなのか。 もっとショックだったのは
どの世界でも「投票」がからむ場合には、事前の情報収集により「票読み」をするのが鉄則だ。 もちろん、「票固め」ができるに越したことはないが、仮にそれだけのインサイダー情報がない場合でも、少なくとも票読みができなければ、戦いになどならない。 今回、私が現地入りして、日本のテレビ業界のアカデミーにおける「代表」であるべき人たちと話をした正直な感触は、彼らが自分たちの役割(=人的交流、日本の番組を理解してもらうための文化交流、過去のイギリスの受賞数の偏りの是正措置などなど)をきちんと果たしていなかった、というものだ。 今回、アカデミーの関係者が出席した事前の試写会では、イギリスの作品は「よくあるスター誕生モノ」で、よもや、5年連続でイギリスが獲ることはあるまい、という評価だったという。しかし、それは、どれくらい「確実な情報」にもとづいたものだったのか。単なる希望的観測にすぎなかったのではないか。
ベイズ確率、ネットでかなり盛り上がってますなぁ。 一部の人からオレがやり玉にあげられているので(汗)、ちゃんと解説しておこう。 まず、問題は、 「5回に1回の割合で忘れ物をする癖のある人がいる。A・B・C・Dの4箇所を回って家に帰ったとき、忘れ物をしたことに気づいた。2番目のBに忘れてきた確率を求めよ。ただし、忘れ物をしたのはどこか1箇所のみ」 というもの。 番組では、事前に「5回に1回の割合で忘れ癖がある」という情報だけがあり、その後、立ち寄った四箇所の「どこかで忘れた」という新たな情報に気づいたので、確率が変化した、という点を解説したつもりだ。 肝心な点は、忘れたことに気づく前は、確率計算は、 Aで忘れる確率=1/5 Bで忘れる確率=Aで忘れないでBで忘れる=4/5×1/5 Cで忘れる確率=AとBで忘れないでCで忘れる=4/5×4/5×1/5 Dで忘れる確率=4/5×4/5×4/5×1
イタリアのセリエAのカターニアが来日を中止した。海外での報道の不正確さが浮き彫りになった。 柏崎刈羽原発の放射能洩れは、東京電力の情報開示とトップの対応のまずさにより、日本国内でもネガティヴ・キャンペーンの様相を呈している。 実際の放射能洩れは、人体には全く影響がないわけだが、人間の原初的な心理(=恐怖)だけが、増幅されて、独り歩きをしている。 NEWS ZEROでは、努めて「それでも原子力発電に頼るしかない」現状を付け加えるようにしているが、各局のコメンテーターの中には、「原発はやめて太陽光発電にすべき」などと安易な発言をする人もいる。 日本にお金と土地が有り余っているのであれば、それでかまわないと思う。 しかし、現状では、石油は(地球温暖化に歯止めをかけるために)やめろ、原子力発電は怖いからやめろ、ということになり、その代替案が太陽光発電と風力というのでは、あまりに無責任な発言といわざ
去年は、いろいろあったわけだが、二年連続の出版賞の落選は、前代未聞だったし、明らかに一部の選考委員の嫌がらせ(あるいは職業蔑視)だったように思う。 でも、もっと酷い事件もあったりする(笑) もう、ほとぼりが醒めたから、書いてもいいだろう。 実は、東大から科学インタープリター養成講座の特任教授として3年間、やってくれないか、という打診があったのだ。 オレは仕事は順調だったし、特任教授を受けてしまうと、本を書くペースも遅れるし、収入は半減してしまう。おまけに、3年だけやって、それでおしまい、というのである。(教授じゃなくて「特任」教授だからだ) かなり悩んだが、職業的な重要性が認知されていない「科学インタープリター」を本気で養成することができれば、と考え、思い切って引き受けることにした。 ところが、取材旅行から戻ってみると、「あの件は忘れてください」という連絡が入っていた。「本社からお偉いさん
先週は、ある事件をきっかけに大きく凹んだ。 私の妻は、さる事情で大学進学を断念した過去があり、これまでもさまざまな形の差別にさらされてきたが、それでもがんばって生きている。 実際、妻は、一昨年から放送大学の科目を履修し始め、生物科学系は全て単位を取得し終わったところだ。 プロのヨガ・インストラクターとして、毎日レッスンをこなしながら、空いた時間に放送大学の教科書を取り出しては勉強している。 人間は、さまざまな事情で、さまざまな人生を送っている。 裕福な家庭環境で、恵まれた勉学条件で、有名大学に行って、有名企業に就職する人々。 かと思えば、中学や高校を出て、すぐに就職をしなくてはいけない人々。 以前、そういった事情について語ろうと思って、ブログで「大学出でもダメな人はいる。高校出でも仕事ができる人もいる」と書いたところ、「あなたの学歴差別で深く傷ついた」という抗議文をもらって、自分の言葉のい
なんでも横文字にすりゃあ、いいってもんじゃない。 白襟免除・・・漢字でも意味不明だ。 そもそも、「免除」するってのも、怪しいもんで、実際には、これまでよりお給金が減って、労働時間だけが長くなるんじゃないのか? *** オレのような自由業の人間は、むかしから、エグゼンプト(免除)されてきた。 だから、まるまる3ヶ月かけて本を書いたとしても、それが売れなければ、半年後に銀行口座に25万円くらいが振り込まれて終わり、てなこともある。(たまにある) 逆に、同じ3ヶ月かけて本を書いて、運よくベストセラーになったなら、一ヶ月後に何百万円も振り込まれることもある。(たまにある) ようするに、労働時間は関係なくて、本の出来(=自己評価や出版社による評価)も関係なくて、最終的に町の本屋さんで売れるかどうかで、すべてが決まるのだ。 結果だけが重要なのであり、過程は関係ない。 それが、労働時間に比例した報酬から
春山茂雄氏個人と氏が経営する病院が破産。 以前、たまたま救急でK妻が搬送されたことがあり、そのときのあまりに酷い病院事情に唖然とした憶えがある。(事の顛末はブログにも書いたが) 搬送直後、病人が高熱で唸っているのに、いきなり、 「私を知っていますか?」 と、付き添いの私に訊ねるのである。 「は? いいえ」 そう答えると、氏は、怪訝そうな顔つきになり、 「ほら、そこの売店でも私の本を売っていますよ。600万部も売れたんです」 と、一階ロビーの奥の売店を指差した。 ようやく、これが「脳内革命」の著者だと気づいたが、あまりの無神経さと自意識過剰さに、 「じゃあ、私を知っていますか?」 と、聞き返してやろうかと思ったくらいだ。(無論、聞き返さなかったが!) その後、一週間にわたり、私は主治医の顔を見ることがなかった。なぜなら、一度も診察に訪れなかったからである。一週間目に、私は、「馬鹿にするな。医
在留イラン人家族の国外退去に長勢法務大臣は「お引き取り願いたい」と冷たく言い放った。 http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006120501000409.html http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061121k0000e040046000c.html 非人道的とは、このような対応のことを言う。 日本語しかしゃべることのできない二人の子供の立場に、どうして、思い至らないのか、不思議としか言いようがないが、しょせんは、これが安倍政権の正体ということなのだろう。大きな失望感を抱いた。 私は帰国子女であるため、「言語」に関しては、過敏なのかもしれないが、18歳になってから、いきなり日本語以外の環境に追いやるのは、残酷な仕打ちでしかない。 長勢法務大臣は、御自分が、同じ目に遭ったらどう感じるのだろうか・・・いや、残念
今年度の生理学・医学賞については、友人のMさんがブログに書いているが、あまりのスピード受賞に驚かされた。なんと、ワトスンとクリックのDNAの二重螺旋の発見の9年を追い抜いてしまった。 RNA干渉の基礎研究および臨床への応用の幅広さが評価されたのだろう。 物理学賞にも正直いって驚かされた。 やはり、COBEの観測データの発表から、さほど時間がたっていない。 もちろん、WMAPの業績のほうが、受賞してもおかしくないが、ここには、ノーベル賞ならではの「精神」が隠れている。 日本の田中耕一さんのときもそうだったが、ノーベル賞は、常に大きな成果の元となった「水源」のような研究に優先的に賞を出すのである。 華やかで数値的にもわかりやすいWMAPではなく、宇宙論を初めて精密科学の域まで押し上げて、来るべきWMAPへの道を開いた「COBE」(コービー)の立役者たちに賞を出したのも、そういった精神の反映だと
冥王星の話は「99・9%は仮説」でも大きく取り上げたが、当初、いろいろなところで書いていたにもかかわらず、なかなか「冥王星問題」の存在を一般読者に理解してもらうことができなかった。 なぜなら、NASAが「十番目の惑星」などと、センセーショナルに宣伝すると、マスコミも含めて、かなりの人が、「そうなのか」と思い込んでしまうからだ。 実際には、背後にさまざまな関係者の思惑や動機が存在し、その結果、「情報操作」に近いマスコミ発表がなされるものなのだ。 *** 俳優のメル・ギブソンさんが飲酒運転で捕まって、ユダヤ人を差別する発言をした、という報道の場合も、なぜ、そんな発言が飛び出したのか、という背景を(ニュースの現場にいないわれわれは)知りたいのだ。 たとえば、当時進行中だったイスラエルによるレバノン空爆と民間人の死傷者の問題が関係していたのか、それとも、もともとメル・ギブソンさんが人種差別主義者だ
文部科学省の信じられない官僚主義の「毒」にあたって、きわめて大きな精神的打撃を受けた。 友人と恩師がかかわっているため、詳細は書けない(書かない)が、文部科学省が進めている科学インタープリター、サイエンスライター養成プログラムは、完全にインチキだったのだとわかり、今後、一切、かかわらないことに決めた。 ただし、7月5日と12日に予定されている二回の臨時講義は、友人と学生に迷惑がかかるので、誠心誠意、きちんとやる。でも、それでおしまいだ。次はない。 人を愚弄するにも限度というものがあるだろう。 いや、お高い文部科学省から見れば、オレみたいなフリーの人間など、下界のゴミ屑にすぎない、ということなんだろうな。きっと。 電車に乗っていて、気がついたら、涙がボロボロ出てきちゃったよ。 *** ゴミはゴミなりに、同じ目線の読者(と視聴者)のためにガンバル。 それしかない。 (この件、今後、一切書きませ
一歳半になる娘のためにディズニーの英語システムを導入した。 セサミと迷ったが、セサミは販売中止になっていて中古しか手に入らず、サンプルを見ることもかなわないので、選択からはずれた。 小学校三年生のとき、親の転勤で、いきなりニューヨークの現地校に転校させられた。ABCもわからないまま、いきなり別の言語空間に放り込まれたのだから、たまったもんじゃない。1年もたつと、同級生たちと普通に会話ができるようになり、学校の勉強も追いついたが、精神的な傷(トラウマ)は今でも引きずっているようだ。 アメリカに移住した子供たちの追跡調査などを読んでいて、赤ちゃんの母国語の発話と似たような経過を辿って、子供たちが新天地の言語を習得することを知った。一つの単語、それから二つの単語をくっつける……といった具合だ。 娘には、自分のようなトラウマとセットになったバイリンガルもどきにはなって欲しくない。楽しく遊びながら、
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