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アメリカ大統領選
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日本の研究力が凋落している 過日、私のところに財務官僚が3名きて「最近、日本の科学論文の引用数が落ちています」と言いました。その少し前に、文部科学省科学技術の学術制作研究所が「科学技術指標2023」という報告書を公表していました。 そこには、日本は自然科学の分野において1年あたりの論文数(2019-2021年の平均・分数カウント法)では世界5位でありながら、質が高いとされる被引用数「トップ1%論文」の数では2022年版の10位から12位になったとあります。そして、「トップ10%論文」数でもイランに抜かれて過去最低の世界13位まで転落してしまっています。 私が「ひどい凋落だよね。なぜだと思う?」と問いかけると、3名はしばらく考えて、「なぜでしょう。予算は出しているのですが……」と困惑しています。読者のみなさんにも、お聞きします。なぜ、二十年ほど前にはトップ10%論文で世界4位だった日本が、以
→English 東大の入学式は毎年4月12日に行われます。 私たちが入学した頃は桜の季節でした。 日本の大学の入学式は学生さんにとって最も大事な人生の第一歩です。多くの家族の方たちも列席します。 今年の入学式で私が祝辞を述べることになりました。その連絡を受けたとき、私にはちょっと驚きでした。このサイトを時々訪れる方の中には「なぜ?」とご理解してもらえるかもしれません。でも素直にうれしかったですね、そんな時代になったのかと...。 武道館での入学式。浜田総長、そして石井教養学部長の後に、私の祝辞です。 新入生に私の気持ちを10分ほどで伝えたいと考えました。 私の祝辞はこちらです。ビデオもいずれリンクします。
→English 今回の大災害、そして原発の事故、日本の状況は「国家の大危機」です。 このところ、3月25日からいくつかポストしましたが、未曾有の危機に政府の反応はどうでしょうか。 4月2日の朝日新聞の「オピニオン 耕論 3.11」に何人かの意見が出ていました。その一人が、大惨事があって、すぐに電話があった冨山和彦さん。「すべては子供のために」です。冨山さんについてはこのblogでも何回か紹介、最近は「カイシャ維新」、「挫折力」 という組織、人間の本質に迫る刺激的な本を出しました。このサイト内で「冨山和彦」でサーチしてください。私の尊敬する経営者の一人です。自分が責任を負っている会社の従業員の放射能への懸念についての電話でした。 この朝日の記事には、彼の忌憚のない意見が出ています。とても参考になると思いますので以下に掲載します。 「すべては「子どものために」 冨山和彦さん (株式会社
→English 私の友人でもあり、この30年前から日本にも調査などでよく来ている自称「変な外人」、イノベーションの研究者としても知られ、世界中を調査、講演で飛び回わり、いくつもの大学でも教えています。 ダボスでもお会いしましたが、彼から「日本人の行動パターン」について「10の質問リスト」をもらいました。彼は日本ファンなのですが、私は「変な日本人」だそうです。 皆さんは、どう思いますか?皆さんはどんな返事をするでしょうか? QUESTIONS / ISSUES (1) “Why is it that most Japanese go to conferences and always stay and sit together in a corner and talk to each other, without including any foreigner into their co
→English 昨日の夜中にBangladesh「ドラゴン桜」 の税所くん (資料1,2)からメールが来ました。 「村からの電話が鳴り止まず殺到しています。多くは驚き!!!とおめでとう!!!の電話で、村中で大騒ぎしているようです。 「今回はダッカ大学Bコース(文系)、全受験者は3万6千人 合格者は3000名。ドラゴン桜からは13人受験しました。そのうちボラン・ウディン・ヘラル1名が1276位で合格! 「ダッカの名だたる名門校の子が2300位、ダッカの名だたる有名予備校の生徒が1500位で合格のところ、村出身のヘラルは1276位での合格!快挙です! 「われらがドラゴンは13名が受けて1人合格。 大手予備校UACは1000人受けて50名合格。 大手予備校UCCは2000人受けて180名合格。 大手予備校からみてもまったくひけをとらない合格率です。 「ダッカ大学受験 Cコース(11月26日)
→English ハーバード大学のMichael Sandel教授による連続講義「JUSTICE」がNHKの教育テレビで毎週日曜夜6-7時に放送され、深夜にBSで再放送されていることをご存知の方も多いでしょう。このブログでも先日ご紹介したばかりです。 この連続講義はハーバード大学で大評判で、時には1,000人もの学生が出席するとかで、あまりの人気の高さにHarvard大学では初めて「On-line」で公開しました。NHKのテレビを見た人はまるで自分が講堂に学生として座っているかのような気分になります。 私もこの講義のファンで、どうしたらこういう講演ができるのか、番組から学ぶことは多いと思っています。 ところで、この講義シリーズに関してはいくつか驚くような事実があります。1つ目は、Sandel教授はこのテーマに関して数冊の本を書かれていますが、私は教授の著作の 「JUSTICE」をKindl
4月6日は、慶応義塾大学SFC の新入生1,000名を迎えて、いろいろな行事があるのですが、今年の特別講演にお招きを受けました。光栄なことです。村井 純 (資料1)(環境情報学部)、国領二郎 (資料1)(総合政策学部)の両学部長としばらくお話しをした後、θ館講堂で(入れなかった人たちは別室でもテレビ中継があったそうです) 80分ほどの時間をいただきました。 SFCは今年が開校20周年。4月4日にはその記念行事が盛りだくさんあったようです。私も何人かの卒業生とは仕事の関係でよく知っています。皆さん、「日本の常識」を外れた、グローバルキャリアの方ばかりですが、、、。それが、あまり変でないところがSFCのひとつの特徴でしょう。これからの計画などについてもお話をうかがうことができました。 ホームページを見れば、SFCの歴史、内容、キャンパス、その素敵さが想像できると思います。 約18%の新入生が留
→English Singaporeは小さな島です。歴史的に水の供給の大部分はMalaysiaに依存しており、Johor Bahrから水を送ってもらうことになります。ここの水プラント、管理等はすべてSingaporeが負担です。これは交渉ごとであり、国の弱みでもあるので、長期的には当然のことですが、国の生命線として致命的になる可能性もあります。 日本でも同じですが、1960年代までは川や海は、生活廃棄物も含めて工業排水さえも流していました。水俣病などの公害もこのような結果のひとつです。1962年のRachael Carson著「Silent Spring」も大量規格工業製品生産と消費社会の環境破壊への警告書です。Singaporeの川にも生活排水も、ごみもたくさん捨てられていました。 そこで、長期の国家計画のひとつが水計画 です。 今回、19日に定例のA*STAR会議 (資料1)終了後にM
→English 先日ご紹介しましたが、元SONY会長の出井さんが主催する「Asia Innovation Forum」が、9月14、15日の両日にわたって六本木ヒルズで開催されました。プログラムをご覧になると分かるように「Group20」 が苦労しながらの作品、いい仕上がりです。大勢の方が参加され、うれしいことでした。会議の運営についてはTwitter、webcastなども取り入れ、いっそうの効果を出そうと工夫しました。 今回は初めからの予定で主たる参加者を日本の方にしたので、日本人でない方は少数派でした。他にも用事があり第1日目のはじめの部分は出られませんでしたが、セッションは快調に進んだようです。スピーカー はそれぞれ一人ひとりの方たちが素晴らしいし、皆さん論客であり、時間の制限のなかで言いたいことも多いので、司会の方は苦労しましたね。司会の方たちも素晴らしかったです。 第2日は一日
→English 研究申請や研究論文の評価にピアレビューが大事であることは論を待ちません。しかし、「イノベーション」は私の言う「新しい社会的価値の創造」ですから、思いがけないアイデアや、「常識はずれ」「枠を外れた」「出る杭」から生まれることが多いのです。“By definition, peer review is not compatible with innovation”です。 ピアレビューは方法や考え方などから研究の質を保証するのに必須ですが、考え方が「時代の常識」の枠内にとどまるのは、その性質上、いたし方ないところです。 ゲイツ財団のグローバルヘルス分野での活動はつとに知られていますが、2年前から始めたのがGrand Challenges Explorationsです。財団の掲げるミッションに合う、大胆で、「枠を外れた」提案やアイデアを世界中から募集しているのです。提案を2ページに
→English AMSC(Asian Medical Students Conference)というアジアの医学生たちの集まりがあります。毎年、会議を開催し活動を展開していますが、私も過去3回ほどお招きを受け参加しました。毎回とても楽しいです。私はこういう若者主催の会が大好きです。みな将来を担う人材、人財ですから。今年は第29回で、東京で開催され、閉会式でお話をさせてもらいました。400人ほどの参加だったそうです。私の話の要旨は、この29年間に起こったものすごい変化とグローバル化時代について、そして「3つのスピーチ」の話をしました。 3つのスピーチの話とは、webでも観ることのできる3つの講演、Steve Jobsが2005年にStanford大学の卒業式で行ったスピーチ(この機会に集まった皆さんにとって、この会での1週間がキャリアの「dot」のひとつになるだろうことを楽しみにしていると
デイビット・マックニール博士来訪 各国の科学研究への貢献度についてまとめたオープンなリポートがNature Indexです。その2023年版であるNature Index 2023で“Will Japan’s new ¥10-trillion university fund lift research performance?”という記事を執筆されたデイビッド・マックニール博士が政策研究大学院大学の研究室にいらっしゃったので、日本の科学研究力についてディスカッションを行いました。 Nature Index 2023では、中国の科学研究のアウトプットが長年にわたり科学研究で世界トップを走っていたアメリカを抜き、すでに世界1位となっていることが報告されました。中国は、国内総生産(GDP)に占める研究開発費の割合を前年比で上昇させており、2015年から2021年にかけて、質の高い研究成果において
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