デンマークの6,000人以上を対象としたランダム化比較試験(RCT)で、マスクを着用した人と着用しなかった人でCOVID-19のウイルス感染率に有意差が無かったという論文が発表された。 この論文について解説する。 目次1 RCTで有意差なしの意味2 この実験はマスク群が有利にデザインされていた3 マスク群の家族に感染が多かった理由4 まとめ 1 RCTで有意差なしの意味 はじめにランダム化比較試験(RCT)とは何か?を解説する。 RCTは、対象者が他の条件では等しくなるように振り分けられて、ある要因(マスク着用)が結果(感染率)にどう影響するかを確かめる臨床試験だ。 RCTで統計的に有意な差が認められれば、科学的に因果関係を証明することができる。 逆にRCTで有意な差が出なければ、その要因(マスク)は結果(感染率)を増減する原因ではないと考えられる。 RCTは、エビデンスレベル1と医学的エ