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『Reading Monkey|note』

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  • 理系にも分かる「空気を読む」ーー「全員が反対なのに誰も反対しない」を数理で解剖する|Reading Monkey

    28 users

    note.com/reading_monkey

    はじめに——「空気」は日本固有か、それとも普遍的な現象か「空気を読む」という言葉は、しばしば日本社会に固有の文化として語られる。山本七平は『「空気」の研究』において、日本の組織的意思決定を支配する「空気」を、論理や責任の所在を超えて作動する一種の「絶対的支配力」として描いた[1]。戦艦大和の出撃のような、事後的に見れば不合理な決定さえも「あの場の空気では仕方なかった」と正当化される——山本が抽出したような事態は、我々の周囲でも散見される。 しかし、文献を渉猟すれば、この「空気」に対応する現象は日本の外でも繰り返し発見され、名前を与えられてきたことが分かる。多元的無知(pluralistic ignorance)、沈黙の螺旋(spiral of silence)、選好の偽装(preference falsification)、情報カスケード(information cascade)。呼び名は

    • 世の中
    • 2026/08/03 13:59
    • 数学
    • あとで読む
    • 社会
    • 「文学部」はなぜ〈文芸〉だけの学部ではないのか——「文学・literature・letters」の語誌と大学組織史|Reading Monkey

      124 users

      note.com/reading_monkey

      要約——「文学部」は文芸だけの学部ではない。1877年創設時の東京大学文学部は、史学・哲学・政治学と和漢文学から成っていた。本稿は、英語 literature の語誌、ヨーロッパの大学組織史、日本語「文学」の概念史という三つの異なる歴史を突き合わせ、この名称の広さが例外ではなく当時の通常の語義だったことを示す。ジョンソン『英語辞典』(1755年)とトッド版(1818年)で literature の語義は「学識」のみであり、大槻文彦『言海』(1889–91年)の「文学」にも〈文芸〉の語義はない。帝国大学令は「文科大学」の名を挙げるが、その内実を条文化してはいない。「文学部=文芸の学部」という理解は、後発の狭義を先行する制度語へ遡及的に投影したものである。 はじめに——三つの歴史を区別する「文学部」という名称は、現代日本語では小説・詩・戯曲などの〈文芸〉を主として研究する学部、という連想を招き

      • 学び
      • 2026/08/02 08:07
      • 大学
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      • 文学
      • education
      • 教育
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      • 査読の歴史――なぜ学問は相互吟味を必要とするのか|Reading Monkey

        30 users

        note.com/reading_monkey

        要旨「査読は1665年の科学雑誌創刊とともに始まった」という通説は、歴史的に支持できない。アインシュタインの1905年論文もEPR論文も、ワトソン=クリックのDNA論文も外部査読を経ていない。外部査読が標準となるのは第二次世界大戦後、「peer review」という語の定着は1970年代である。本稿は、学問がなぜ相互吟味を要するのかを可謬性・依存・責任・稀少性・構成の五つの理由に分解し、査読を含む学術的相互吟味の歴史を巡り、中世の討論から生成AIまでを検討する。現代査読の形式は、主として責任と資源配分の観点からの要請だったにもかかわらず、認識論と「品質保証」の語彙で正統化されてきた——この乖離(査読神話)が今日の論争を噛み合わなくしている。学問が必要としてきたのは査読ではなく相互吟味であり、査読はその一実装にすぎない。 序論 二つの問い1 通説とその解体「査読(peer review)」は

        • 学び
        • 2026/08/02 01:54
        • 研究
        • あとで読む
        • 国家と学問の二重契約、そして「人文嫌い」ーーなぜヒトは人文学を罰したくなるのか|Reading Monkey

          3 users

          note.com/reading_monkey

          要約 国家は何故、自らの由来や正統性を否定しうる学問を、公費によって制度化したのか。人文学の批判性は、権威ある文書、伝承、法、解釈の真正性を審査する技法として、近代以前から人文学に内在していた。近代国家に特有なのは、その批判能力を大学、学会、史料館、図書館、専門職として制度化したことである。その際、国家と人文学のあいだには、共同体に時間・言語・記憶・規範を与える「構成的契約」と、国家の自己理解を検証し、権力を制約する「批判的契約」とが重ねて成立した。この二重契約の歴史を、ヴァッラの文書批判から近代大学、戦争協力、歴史認識論争、現代の反アカデミズムと研究資金削減まで検討し、現代の「人文嫌い」を、役に立たず、信頼できる批判者でもないという二重の契約違反告発として捉え直す。学界の閉鎖性への批判を認めつつ、自己修正の基盤を壊す一律削減は改革ではなく懲罰だと論じる。 序論 権力はなぜ、自らの権威を疑

          • 学び
          • 2026/07/31 17:01
          • 会議はただの話し合いではない---30年の「会議科学 Meeting Science」が示す5つの顔|Reading Monkey

            42 users

            note.com/reading_monkey

            会議は人を消耗させ、情報を処理し、発言権を配り、権力を演じ、文化をつくる。Rogelbergらの2026年総説から、会議を見るための科学的な地図を紹介する。 1.「また同じ話をしている」会議が進まないとき、私たちは人を責める。 「あの人は話が長い」「論点を理解していない」「結論を出す気がない」「そもそも議論の仕方を知らない」 複数の部署や専門分野が集まる合同会議を思い浮かべよう。毎回、誰かが「そもそもこのプロジェクトの目的は何か」と根本論に立ち返る。前回までに積み上げたはずの議論は棚上げされ、終了時刻が来ると「続きは次回」となる。そして次回、また同じ根本論が始まる。 こういう会議を経験すると、私たちはほとんど反射的に、参加者の資質を疑う。あの分野の人は抽象論が好きすぎる。あの人は決断力がない。あのチームは議論の訓練を受けていない——。 だが、奇妙なことがある。参加者を入れ替えても、似たよう

            • テクノロジー
            • 2026/07/30 07:59
            • 研究
            • あとで読む
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            • 人権と治安はトレード・オフか?――「自由を制約すれば社会は安全になる」という命題の実証的検討|Reading Monkey

              173 users

              note.com/reading_monkey

              要旨治安の悪化に直面した社会では、しばしば「安全のためには、ある程度の人権制約はやむを得ない」と主張される。この言明は一見すると常識的である。犯罪容疑者を逮捕し、危険人物を拘禁し、一定の監視を行うことなく、国家が治安を維持することは困難だからである。 しかし、このことから直ちに、「人権を制約するほど治安は改善する」「治安と人権は、一方を増やせば他方が減る関係にある」と結論することはできない。本稿は、警察活動、監視、拘禁、外出禁止、テロ・反乱対策に関する実証研究を検討し、人権と治安の関係が単純なトレード・オフとして理解できるかを検証する。 結論を先に述べれば、人権と治安の間に一般的・単調なトレード・オフがあるという命題は、現在の研究によって支持されていない。特定の重大な危険に対し、対象・目的・期間を限定した権利制約が有効となる場合はある。しかし、広範で無差別な制約は効果が小さいか、効果を持た

              • 暮らし
              • 2026/07/21 03:16
              • 人権
              • あとで読む
              • 社会
              • 政治
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              • 「ながら」と「によって」のあいだ:エルサルバドルの治安回復を「人権侵害の成功」と呼べるか|Reading Monkey

                81 users

                note.com/reading_monkey

                橘玲氏は、2026年7月20日付の記事「人権を侵害して治安を急回復させたエルサルバドルの『不都合な成功』」において、ナジブ・ブケレ政権による非常事態、大量拘禁、巨大刑務所CECOTへの収容、適正手続の制限を取り上げ、それらを契機として犯罪が大幅に減少したと論じている。^1 同記事の重要な功績は、リベラルな政治思想が回避しがちな事実を正面から提示したことにある。 エルサルバドルの治安は実際に大幅に改善した。しかも、その改善は、自由と人権を深刻に制約する政策の下で生じた。治安を回復できない政治思想は、抽象的にどれほど高潔であっても、選挙において支持を失いうる。この警告は真剣に受け止める必要がある。 しかし、元記事の結論は、この重要な事実から一歩を踏み越えている。 政策に人権侵害が含まれていたという事実と、人権侵害が政策の有効成分であったという因果命題は同一ではない。 言い換えれば、 ブケレ政権

                • 世の中
                • 2026/07/20 21:34
                • 人権
                • 司法
                • 政治
                • 社会
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                • 猿でも分かるエビデンス 〜信じるためではなく、判断するために〜 |Reading Monkey

                  90 users

                  note.com/reading_monkey

                  It is wrong always, everywhere, and for anyone, to believe anything upon insufficient evidence. (不十分な証拠にもとづいて何かを信じることは、いつでも、どこでも、誰にとっても、誤りである。) William Kingdon Clifford (1877). "The Ethics of Belief"Evidence does not make decisions, people do. (エビデンスは意思決定しない。意思決定するのは人である。) Haynes RB, Devereaux PJ, Guyatt GH. (2002), Physicians' and patients' choices in evidence based practice.. 1. 「エビデンスがあります」は本当に

                  • 暮らし
                  • 2026/07/09 21:55
                  • 科学
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                  • science
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                  • 「フランス現代思想」とは何か、それはどこから来て、どこへ行くのか――2020年代から見た遺産目録と批判史|Reading Monkey

                    248 users

                    note.com/reading_monkey

                    「フランス現代思想」とは何か、それはどこから来て、どこへ行くのか――2020年代から見た遺産目録と批判史 0. この記事の問いと射程最初に断っておけば、「フランス現代思想」という括り自体が、当のフランスには存在しない、受容側の発明である——米国では「フレンチ・セオリー」として、日本では1980年代のニュー・アカデミズムの流行を通じて広まった呼び名である(この来歴には第1節で立ち入る)。それでも本稿がこの語を使うのは、断罪も崇拝もこの名の下で流通しており、括りを解体するにも、まず名指す必要があるからである。そしてこの主題には、全体をひとまとめに裁く語り方を招きやすいところがある。断罪する側はこの名で括られたものをまとめて棄却しようとし、擁護する側はまとめて弁護しようとしてきた。だが判定の単位が大きすぎると、議論は事実から離れていく。2020年代の現在から見えるのは、どちらの図式にも収まらない

                    • 暮らし
                    • 2026/07/07 02:14
                    • 哲学
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                    • 「棍棒」としてのソーカル事件——寓話化された『知の欺瞞』史観の批判的再検討|Reading Monkey

                      136 users

                      note.com/reading_monkey

                      要約本稿は、1996年のソーカル事件を、単なる「ソーカル 対 ポストモダン」の勝敗劇としてではなく、事件そのもの、『「知」の欺瞞』による事後的再解釈、そして後続の受益者による寓話化・棍棒化という三層の出来事として再検討する。Social Text 編集部の判断が重大な失敗であったこと、またラカンやクリステヴァらの一部テキストに科学・数学用語の誤用が存在することは否定しない。しかし本稿は、そこから「ポストモダン思想全体の破産」「人文学の欺瞞」「科学と理性の全面的勝利」へと進む通俗的推論には、証拠の射程を超えた飛躍があると論じる。 とくに本稿は、『「知」の欺瞞』的批判に含まれる複数の命題を分解する。すなわち、(A) 科学用語の誤用が存在すること、(B) その誤用が読者に深遠な科学性として受け取られたこと、(C) その印象が思想家の権威や影響力を高めたこと、さらに (D) 科学用語の濫用が彼らの

                      • 世の中
                      • 2026/07/03 06:47
                      • 科学
                      • 事件
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