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夏の料理
note.com/sakomoko
※このお話は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の真相に触れています。未読の方はご注意ください。 千和崎真は眠れない夜を過ごしていた。 確かに、普段とは違うベッドではあったけれど、どのような場所であってもすぐ寝入ることができるのが、自分の長所の一つだ。以前、その長所を雇い主に語ったら、「繊細さと無縁なところが、とても真ちゃんらしいですね。素晴らしいと思いますよ」と笑顔で告げられてしまった。もちろん、嫌味であることはわかったので、手頃な雑誌を丸めて小気味良い音を立ててやったのは言うまでもない。 暗闇の中、毛布の下で寝返りを打って、雇い主が眠る隣の寝台へと眼を向けた。闇に慣れた視界であっても、ぼんやりとしたシルエットしか見えない。静かな寝息を立てて、城塚翡翠は眠っているようであった。相変わらず寝相が悪いようで、かけた布団がはだけてしまっているようだ。はたして、繊細さと無縁なのはどちらの方だろうか
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