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ドラクエ3
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これからの広告における想像力のあり方について論考をまとめました。つねづねぼくはクリエイティビティとは、すなわちアブダクティビティであると考えてきました。クリエイティブという概念はもっと抜本的に変わるべきです。もうひとつの動機として、マーケティング研究者の栗木契さんが2003年にかかれた『リフレクティブ・フロー』を読み、その発展を意識してかいてます。栗木さんの議論はたいへん混みあってるので本文ではやむなく省いてしまいましたが、その考えをふまえていることを整理して改めてテキストにする必要を感じています。 アブダクティブ・イシュー 〜 Why to Sayを問う構想力 〜 本論の目的は、広告会社におけるクリエイティビティの可能性を引き出すことで、不完全な時代を補完するのではなく、不完全なままにどう生きるか主体的に考える想像力を誕生させることにある。いま日本人はみな、先行きの見えない暗闇をともに歩
ぼくは7年つとめた中小広告代理店をやめて、2011年2月に電通へ転職した。それから約3ヶ月たった。その間に知人から必ず尋ねられるのは「なんで転職したんですか?」「転職していちばん変わったことはなんですか?」である。この質問は転職した人ならだれしもがどこかで答えてるから一般的な話に過ぎないのだろうけど、ぼくが答えることはけっこう意味がありそうな気がしたのでブログでかこうと思った。 というのもぼくは美大でデザインを学び、広告代理店に新卒で入ってからは営業を3年、マーケターを3年半、シンクタンクで研究員を2年勤めてきた。いろんな業種のクライアントに関わり、自分で見積りもかいて原稿作りまでやっていた。すべてのメディアを扱って企画から交渉までやってきた。コンペは数知れず取りくんでたまに勝っては狂喜乱舞し、ほとんど負けまくって呑んだくれた(笑)。ちなみに大学生の頃には社員3名のベンチャー広告代理店のバ
ある論文を書き終えて、ほっと一息している。ブログをさぼってTwitterばかりやってたので、そこで貯めたメモをブログで書いていくことにしよう。それにしてもTwitterを試していて確信したのだが、私はTwitterそのものは否定しないのだが、Twitterに群がっている人たちに疑問があるんだなと思った。 というのも、賑わいをみせているソーシャルメディア(SNSでも動画サイトでもモバイルゲームでも何でもいいのだが)に群がりはじめる人は、そこでなにかビジネスをできないか考えている人々だ。このソーシャルメディアは会員も多くて接続時間も長いんで、プロモーションに使えると思ってるわけだ。 だがこの発想はじつは大きな間違いをしている。なぜならプロモーションに使おうとする発想そのものが、ソーシャルメディアの本質と矛盾しているからだ。たとえばソーシャルメディアに人が集まるのは、そのメディアそのものの用具性
表現論の分析と名付けながら、実際にやっているのは京都アニメーション(略称:京アニ)の太鼓持ちばかりをしているが、実際に京アニこそが表現レベルにおいて評価されるべき作品を数多く残しているから仕方がない。では開きなおって、京アニの優れたところは何かを解説してみたいと思う。 京都アニメーションはもともと仕上げを中心とした下請けの制作会社だった。その丁寧な絵の作り込みや品質の高さに定評が高く、元請けを行うようになってから『AIR』『CLANNAD』『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『けいおん!』と大ヒット作を数多く手掛けてきた。 京アニの優れた点は、単純にアニメーションとしての品質が極めて高いということだ。下請け時代もその評判から仕事の依頼が絶えず、京アニに仕事を依頼するために元請けの会社がスケジュール調整をしていたという、業界の常識では考えられない事態がおきていたほどだ(アニメ業界において元請け
3年振りにながめの論考をかきました。我ながら とてもよくかけてると思います。転職して5年、血のにじむような体験をして(笑)蓄積からうまれた思考がほとばしっています。ある懸賞論文に応募してましたが あえなく落選したのでブログで公開してしまいます。まあダメだったものは仕方がない。 ここで考えたことをベースに査読やら学会やらしようとも思ったけど、アカデミズムにむいたテキストになってないので やっぱり使い道がない。2015年はマーケティング4.0 研究会にどっぷり浸かっていたこともあり、コトラーを読みなおして コトラー回帰という素朴な結論にもなっており、新鮮味はまるでない。でも骨太なテキストはかけたと信じてます。テクノロジーを身につけなきゃ、とあせってる人にこそ読んでほしい。ぼくはこれでマーケティングそのものを深めていくことはしばらくお休みして、ちがう世界の研究をしてみます。 アクションエコノミー
第2回目のエントリで、タギングはカテゴリの概念と何がどう異なるのかという課題を残した。そのための手引きにしたいのは濱野智史による「ニコニコ動画の生成力」という論考である。濱野はクリエイティブのあり方を、創造力と生成力に分けている。そしてニコニコ動画では、物語が永遠に生成=N次創作されていくのに重要な概念として、タグの存在を取り上げている。 カテゴリとタギングの違いを考えるには、YouTubeとニコニコ動画の違いを思い浮かべてみるとよい。私たちはYouTubeで動画を視聴を続ける時は、まずキーワードで動画を検索し、その後に関連動画を次々とクリックしていく。そしてYouTubeでは関連動画からインスパイアされて、次の新たな動画が二次創作されていくというツリー型の体系となっている。一方でニコニコ動画での視聴では、動画に埋め込まれたタグを追跡し、タグのテキストそのものを消費しながら、関連動画が次々
明らかにマーシャル・マクルーハンの意義を振り返る人が増えている。学識者はもちろん産業人も参照している。これはなぜか。私はメディア論はそれこそマクルーハン程度しか触っていない体たらくだが、コミュニケーション論を語るうえでマクルーハンは欠かせない。彼はテレビによって地球は一つの思想で染色される「グローバル・ビレッジ」を夢想したが、その夢はインターネットがローカル・ビレッジの集合体という形になって具現された。思想の通奏低音のせいか、多くのネット論者はマクルーハンからの引用が目立つ。 さて、私がとりわけ注目しているのは「メディアはメッセージである」というあまりに有名な宣言だ。これは極論すると「メッセージはメッセージ(コンテンツ)ではない」と意味している。 マクルーハン流のメディア論について想定される批判はこうだ。「媒体はしょせん道具だ」「一番大事なのは内容だ」とよく語られることだろう。だがこの感性
2008年に書いた小論をアップしておく。私がソーシャルタギング論を考えることになったきっかけやその必然性が描かれていると思う。ぜひご覧あれ。 「動機と同期 ― 広告表現とクリエイターの再編成論」 本論では、情報飽和社会において求められる広告表現と、クリエイターが捉えるべき新しいクリエイティブの視点とは何か明らかにすることを目的としている。 結論を先取りしておくと、第一に広告表現は“圧縮された情報が生活者のココロの中で解凍し、膨張されていく表現”になるべきだと筆者は考えている。例えば膨大なデータは圧縮ソフトで縮減され、解凍ファイルで元に戻すことができるのを思い起こしてほしい。圧縮と解凍は主にデジタル技術の革命として捉えられていたものだが、その着想は広告業の実務でも有効なアイデアであることを論証していきたい。 第二にクリエイターは “生活者の記憶の容積の中にすでに貯まっている記憶の原型に基づい
第1回目のエントリで筆者は、広告制作においてコピーライティングとプランニングの水準はタギングに移行されてゆくと記した。この変化を哲学的にいえば確定記述から固有名詞の優位性へ推移したと分析できるだろう。 どういうことか。例えばクライアントがラーメン屋であった場合、私たちはまずこのラーメン屋のどこが魅力的かを分析する作業から始めていた。「スープにマグロ節を使っている」ことが特徴だと見出したとすると、コピーは「マグロの旨味が舌で暴走する」など、事実に主観性を混ぜたメッセージを書くのが基本形となる。そしてコピーから連想されるビジュアル、例えば大間のマグロを撮影し、荒波を撮影し、広告の素材として原稿に配置してゆくだろう。これまでの広告表現では、USPに立脚したコピーとそれをより象徴化したビジュアルの構成によって表現が成立してきたのである。 だがタギングの制作過程では、そのプロセスが大きく異なる。1つ
熱力学にエントロピーという概念がある。これは情報理論でも使われいて、似非科学的な解釈の中では情報量=エントロピーという解釈がある。例えば大前提としてコミュニケーションAとBとCはそれぞれ、人に与える情報量が異なっている。Aは物質的にまったく変わらないけど、そこに時間や空間や偶然性の概念を与えたら情報量が変わってしまうことがある。例えばAを何度も見せてたら情報量がむしろ減っていくが(飽きてしまう)。すごく希少性があるように見せれば情報量が大きくなる(びっくりする)。 ところでなぜこのような発想を私はしなければならないのか。人間には蓄積情報量の限界があるからだ。その上でコミュニケーションを考えるべき時代になっている。 コミュニケーションの未来を考える上でもうひとつ、捉えておきたいのは物理学で議論されてきた決定論だ。決定論とはあらゆる決定項は因果律に倣っているとする立場のこと。つまり結果には原因
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