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ソーシャルがなぜ重要なのか ──社会がどのように分断されているかを発見するための「社会的なもの」 鼎談:市野川容孝×宇城輝人×宇野重規 ▼これだけ世間的に「ソーシャル」と言われているにもかかわらず、「社会的なもの」についての認識がそれほど深いものではなかったと、自戒をこめて思う。案外、誰しも似たような思いを抱くのではなかろうか。『社会的なもののために』(ナカニシヤ出版)刊行を機に、編者の市野川容孝氏、宇城輝人氏と、同書に参加した宇野重規氏に語り合ってもらった。(対談日・2月27日、東京・神田神保町にて〔須藤巧・本紙編集〕) ◆「社会的なもの」とは何か ――東日本大震災から二年、いまどうお感じになっていますか? 宇城 「社会的なもの」についての研究は、既に結構あります。欧米では八〇年代に盛んになされました。福祉国家批判やフーコーがやったようなことです。日本でも九〇年代以降、ある意味で流行と
言葉、この不可解なもの ──ド・マンを正面から読み直す好機が訪れた 対談:土田知則×巽孝之 ▼「脱構築批評」を打ち立て、文学研究にとどまらず哲学や思想に大きな影響を与えた点でジャック・デリダと並び称される、ポール・ド・マンの主著『読むことのアレゴリー』がついに邦訳された。同時に、訳者である土田知則氏のド・マン論『ポール・ド・マン』も刊行されている。去る2月6日、東京・神田神保町の東京堂書店において、一貫してド・マンを基礎に理論構築してきたアメリカ文学者の巽孝之氏と、土田氏のトークセッション「ポール・ド・マン・ルネサンスのために」が開催された。その一部をここに収録する。(編集部) ◆ナチ問題と詐欺――ド・マンの暗い過去 土田 私がド・マンを読むようになった理由の一つに、言葉の問題があります。言葉がこれほど奇妙なものだということを、私に教えてくれたのがド・マンだったんです。言葉は一筋縄ではい
「目に見えるものしか見ようとしない」現代 ――フロイト『文化の中の居心地悪さ』の現代版としてまずは読まれるべき本 評者:松本卓也(自治医科大学精神医学教室/精神病理学) 一昨年、偶然目にした『文藝』誌上で本書のもとになった連載を発見した私は、すぐさまそれまで数回分のバックナンバーを注文した。前著『精神分析と現実界』によって日本のラカン研究を一気に数段押し上げた著者が、現代的なラカン派やフランス思想の議論を軸に、現代のさまざまな社会現象や文化事象を華麗な文体で批評していたからである。連載中にみられたペシミスティックな雰囲気を少々軌道修正するようなエピローグを付され、いま一冊の単行本として私たちの手元に届けられた本書は、まずは『文化の中の居心地悪さ』(フロイト)の現代版として読まれるべきであろう。 フロイトは、精神分析理論をさまざまな社会現象や文化事象に応用していくなかで、「文化」というものが
アーレントのシオニスト的遺産? ――シオニズムとの出会いから決別までのアーレントの政治的軌跡をあとづけたドキュメント 評者:赤尾光春(大阪大学文学研究科助教、ユダヤ文化研究) ハンナ・アーレントの英語版論集“The Jewish Writing”(二〇〇七)の全訳である本書は、アーレントが一九三〇年代から六〇年代にかけてユダヤ人をめぐる問題について書いた文章の集成である。日本語版では第一巻に「反ユダヤ主義」、第二巻に「アイヒマン論争」とタイトルがつけられているが、アイヒマン論争を扱った論考は数篇にとどまり、全体の分量では、ホロコースト前夜からイスラエル建国にかけての一九四〇年代に執筆されたものが圧倒的に多い。アーレントは一九三三年から四三年までの約一〇年のあいだシオニストであったと述べているが、その意味で本書は、シオニズムとの出会いから決別までのアーレントの政治的軌跡をあとづけたドキュメン
ブックカバーは本屋さんの顔!! ただいまe-honでは、ブックカバーコンテストを実施中です。 全国約50店の本屋さんにエントリーしていただきました。 あなたのお気に入りの本屋さんやブックカバーに投票して 本屋さんを応援しちゃいましょう!! 投票受付期間 2013年12月2日(月)~2014年1月20日(月) 投票ご参加にあたっての注意点 ・投票はe-hon会員のみご参加いただけます。 ⇒会員登録はこちら(登録費無料) ・お1人様3書店まで投票可能です。(4回以上投票されていた場合、最新の3回のみ有効となります) ・同じ書店を複数回投票された場合、有効票は1票のみとさせていただきます。 ・プレゼントはお選びいただけません。 ・当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
「怪談レストラン」「学校の怪談」をはじめ、数々の怪談を発表されている常光徹さん。多くの怪談実話を本にまとめ、今はホラー作家としてご活躍中の平山夢明さん。「怪談」をライフワークとされているお二人に、普遍的な「怪談」の魅力をお話しいただきました。 1948年高知県生まれ。民俗学者。国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授。73年國學院大學卒業後、91年まで東京都の公立中学校教員を勤める。90年、教え子に聞いた怪談を基に『学校の怪談』(講談社)を発表。同作はベストセラーとなってシリーズ化され、同シリーズを原作とした映画が4作品作られるなどの社会現象を巻き起こした。96年より子供向け怪談シリーズ「怪談レストラン」(童心社)を著者の1人として執筆。同作は2009年にアニメ化され、今年8月21日より実写とアニメを融合した映画が公開される。現在、日本民俗学会、日本口承文芸学会等の会員
【渡邉大輔(わたなべ・だいすけ)】 1982年栃木県生まれ。日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程芸術専攻修了。博士(芸術学)。日本映画史・映画学 専攻。現在、日本大学芸術学部非常勤講師、早稲田大学演劇博物館招聘研究員。『21世紀探偵小説』など共著多数。 【佐々木敦(ささき・あつし)】 1964年生まれ。批評家。音楽レーベルHEADZ主宰。雑誌「エクス・ポ」編集発行人。早稲田大学文学学術院教授。『批評時空間』『未知との遭遇』『即興の解体/懐胎』『「批評」とは何か?』『ニッポンの思想』『小説家の饒舌』『絶対安全文芸批評』『文学拡張マニュアル』『テクノイズ・マテリアリズム』『ゴダール・レッスン』など著書多数。 〝映像圏〟から〝批評時空間〟へ ――テン年代の映画批評に向けて 対談:渡邉大輔 ×佐々木敦 ▼ 図書新聞企画イベント第1弾はR・ボラーニョ『2666』をめぐって、越川芳明氏と小野正嗣氏の
1949年創刊。硬派な人文書からホットなサブカルチャーまで紹介する週刊の書評新聞「図書新聞」とe-honのコラボ企画! 「図書新聞」の紙面で紹介した書評や、対談記事をご紹介します。【週1回更新】 取り上げる本や評者を厳選し、確かな見識で深く掘り下げた書評は「読み応えアリ」です! ⇒「図書新聞」定期購読はこちら 4月3日に図書新聞主催で実施された「渡邉大輔氏と佐々木敦氏のトークセッション」全文を、 e-honサイト限定で公開中! 図書新聞3139号(12月21日号)で掲載した毎年恒例の特集 「2013下半期 読書アンケート」 で、各方面の専門家の方々が選んだ2013年下半期の注目書籍をe-honでも全点ご紹介!ぜひチェックしてみてください。 ◆ 3160号(5月24日発売号掲載) ⇒過去の掲載記事はこちら 水煙への誘い ――『金井美恵子エッセイ・コレクション』(全四巻・平凡社)を読む 評者:
円城 ありがとうございます。未だに実感はないんです(笑)。むしろ段々普通の暮らしに戻っている。昨年末から最近までの記憶があまりなくて受賞のことは既に忘れつつあります。特に気負うこともなく今まで通りです。きっと感慨はゆっくりやってくるのでしょう。この度の受賞で読んでくださる方の数が増えるでしょうから、そのことは今後の作品の中で考えていくと思います。 ── 受賞作「道化師の蝶」はどんなきっかけで発想したのでしょうか。 円城 ウラジーミル・ナボコフに『道化師をごらん!』という作品があり、その本の見返しに蝶の落書きをした箇所があるんです。道化師の服のような柄の羽が可愛いなと気になっていて、それをモチーフに小説を書こうとしました。昨年は割と旅行をする機会が多かったんです。飛行機に乗っている間は不思議と何もすることができず、その体験が、冒頭の「わたし」とA・A・エイブラムスが出会う場面になっています。
実施期間:9月1日(木)~9月15日(木) ※こちらのキャンペーンの受付は終了致しました。たくさんのご応募ありがとうございました。 2,000円以上/5,000円以上ご購入頂いた方から抽選で合計30名様に、e-honでも販売し、ご好評頂いている書見台「easy-read」と、 光が強すぎず弱すぎず、就寝前の読書にピッタリな「寝室読書灯 LFX1-OLE」をプレゼント致します。 注文番号1件につき、1口のエントリーとなります。お一人様何度でもエントリー可能です。買えば買うほど当選確率がアップします! 実施期間:9月16日(金)~9月30(金)
学生時代に、読書感想文や小論文などの際に慣れ親しんだ原稿用紙。 現在のように1文字ずつマス目で区切られた形の原稿用紙は、 神楽坂にある老舗・相馬屋源四郎商店さんで生まれたといわれています。 相馬屋源四郎商店さんの創業は1659年。江戸時代まで遡ります。 紙漉き職人として創業し、後に和紙問屋となり、武家屋敷や寺などに和紙を納め、 明治以降は、宮内庁御用達に。創業から350年以上たった現在も変わらず、 神楽坂一の老舗文房具屋として店を構えています。 そんな相馬屋さんで、現在の形の原稿用紙が生まれたきっかけは、 近所に住む作家・尾崎紅葉からの助言からでした。 「明治時代中期、和紙から洋紙への移行が進む中、店先に廃棄用に積んであった洋紙を見た尾崎紅葉が、 「マス目を印刷してはどうか」と提案されました。それに応えて作ったのが“原稿用紙の始まり”だったようです。」 と、現在で11代目の当主・長妻直哉さ
e-honで買えます、週刊誌。 e-honでは、一部の週刊誌が購入できます。毎週きっちり買うわけではないけれど、特集によってはどうしても読みたい号があるという方も多いのでは?そんな時は、ぜひこちらの一覧をチェックしてみてください。お取り扱い中の週刊誌をご紹介いたします。 2月3日(金)発売の週刊誌
── 二〇〇三年に上梓された『マルドゥック・スクランブル』は、近未来を舞台に、陰謀により殺されかけた十五歳の少女娼婦・バロットが、万能兵器のネズミ・ウフコックやドクター・イースターと共に敵に立ち向かう物語です。 冲方 デビューしたての頃ライトノベル雑誌『ザ・スニーカー』誌(角川書店)から五十枚の原稿の依頼を受けました。構想やテーマは今の物語と変わらないものが頭にありましたが、書き始めたら、五十枚の時点で登場人物が揃わない。結局書き上がると千八百枚になっていました。枚数の感覚が分ってなかったんですね(笑)。原稿を抱えて放浪しているうちに早川書房さんに拾っていただいたんです。 ── 同作は漫画化され、十一月にはアニメーション映画が公開となります。これを機にハードカバーの[改訂新版]としてリニューアルされ、文庫三冊の[完全版]も出版されました。何故大幅な改訂をされたのでしょうか。 冲方 漫画、ア
アルファ・ブロガーとして知られる小飼弾さん。 運営する書評ブログ『404 Blog Not Found』は月間100万ページビューを誇り、注目を集め続けています。 そんな小飼さんは著書『新書がベスト』で、“教養を育むには「新書」が最適”と説き、おすすめの新書を数多く紹介しています。その中から12タイトルを厳選。小飼さんのおすすめコメント付きでご紹介します。是非ご覧ください。 ★全国の書店さんでもフェア展開!! ⇒実施予定書店はこちら 本の選び方に正解なんてない。全部読もうとしなくていい。コツをつかんで「たかが読書」と思えるようになれば、知的レベルは自然と上がっていくのです。そこで最適なのが、新書。どんどん「つまみ読み」して脳内マップを広げていけば、他の本なんて読まなくても十分です。もはやウェブ抜きの読書はありえない時代。莫大な情報を誰でも簡単に取り出せるからこそ、読み方を変えないと「情報弱
── 『ドーン』は、宇宙飛行士を主人公にした書き下ろし長編小説です。二〇三〇年代の未来を描いた理由をまず教えて下さい。 平野 前作『決壊』で犯罪を扱って、「自分がこうなったのは生い立ちのせい」とか、過去と現在の因果関係で自分を説明している犯罪者の例をたくさん見ました。過去の原因をあげて破綻の説明を繰り返しているのは、今の社会も同じ状況だと思うんです。僕も現在を考える参考にしようと小説で過去から現代までを書いてきましたが、『決壊』を書いて現代社会の行き詰まった状況が自分なりに見えて、じゃあ、どうしたらいいんだという思いが残りました。現代で終わったら、過去と現在の因果で堂々めぐりになる気がして、だったら逆に思い切り想像力を膨らませて未来を舞台にし、そこから今の世の中の問題や方向性を探ったらどうかと考えました。 ── 確かに『決壊』は、現代社会の行き詰まりを実感させられる作品でした。『ドーン』
── 『ゴルゴ13』連載四十周年おめでとうございます。感慨、もしくは手ごたえはいかがでしょうか。 さいとう 周りから四十周年と言われて「ありがとうございます」と答えていますが、一所懸命連載を続けてきたら四十周年を迎えただけで、私自身はピンときてなかったんです。先日『週刊ポスト』で小説家の福井晴敏氏と対談をしました。そこで彼は「私はゴルゴと同い年なんですよ」とおっしゃった、それも十一月生まれなんだそうです。『ゴルゴ13』が始まったのが一九六八年十一月発売の『ビッグコミック』です。「だからぴったり同い年なんです」と言われましてね。ゴルゴを描きだした時に生まれた方が今は小説の世界で活躍をされている。その話を聞いた時にはじめて年月の長さを感じました。 ── 四十年に亘って一度の休載もなく、モチベーションを保ち続け読者を楽しませてきた秘訣は何でしょうか。 さいとう 大いなるマンネリだと思っています。
e-honでは、雑誌の一部を立ち読みいただけます。表紙はもちろん、特集記事の一部も閲覧OK。 このページでは、立読み対象商品をズラリとご紹介します。毎日発売される雑誌の、最新記事がチェック可能!店頭に並んでいる雑誌を手にするような感覚で、お買い物をお楽しみください。
長嶋有(ながしま・ゆう) 1972年埼玉県生まれ。2001年に「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞、02年に「猛スピードで母は」で第126回芥川賞、2007年に「夕子ちゃんの近道」で第1回大江健三郎賞を受賞。ブルボン小林(コラムニスト)としても活動している。今作が初の連載長編となる。 〈主な著作〉「猛スピードで母は」(文藝春秋)、「ジャージの二人」(集英社)、「パラレル」(文藝春秋)、「泣かない女はいない」(河出書房新社)、「夕子ちゃんの近道」(新潮社)、「エロマンガ島の三人―長嶋有異色作品集」(エンターブレイン)他多数。 ――『ぼくは落ち着きがない』は、図書室の管理運営を部活動にしている「図書部」の高校生たちを描いた青春小説です。語り手は高三の中山望美ですが、今回、高校生を主人公にした理由を教えてください。 長嶋 出版社から依頼を受けたとき、「学園小説にしましょう」と自分から言ったん
桜庭一樹(さくらば・かずき) 1999年デビュー。2003年開始の『GOSICK』シリーズで多くの読者を獲得し、翌年の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を受賞。このたび『わたしの男』で直木賞を受賞した。主な著書に『少女には向かない職業』、『少女七竃と七人の可愛そうな大人』、『青年のための読書クラブ』などがある。 ―― 第一三八回直木賞受賞おめでとうございます。 桜庭 ありがとうございます。賞をいただいたことで作風が変わることはありませんが、より多くの読者に私の作品を読んでもらえるいい機会となり、嬉しく思っています。好きなテーマを好きなように書く自由度も広がりそうですし。 ―― 受賞作『私の男』は、十五年におよぶ養父「腐野淳悟」と娘「花」の物語を、東京から紋別、奥尻島を舞台に、時間を遡りながら描いた大作です。 桜庭 編集者と打ち
綿矢りさ(わたや・りさ) 1984年京都府生まれ。早稲田大学卒業。2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞し17歳でデビュー。04年『蹴りたい背中』で芥川賞を史上最年少・19歳で受賞する。『蹴りたい背中』は127万部のベストセラーとなり、社会現象になる。また、デビュー作『インストール』は単行本・文庫本をあわせて86万部のベストセラーとなる。 ―― 三年半ぶり、芥川賞受賞後第一作の長編小説です。刊行までのいきさつを教えてください。 綿矢 二作目の『蹴りたい背中』より進化したものを書こうと、大学生活を送りながら小説を書いていたのですが、なかなかうまくいかなくて、一年、二年と時間が過ぎてしまいました。一年半ほど前に『夢を与える』を発想し、行き詰まっていた作品と同時に進めているうちに、『夢を与える』を書くスピードが加速していって完成しました。女の子が成長する話、その子は芸能界で仕事をしてい
うちどく×FMラジオタイアップ展開中 本の持つ不思議な力を更に読者に伝えようと、K-MIX(静岡FMラジオ)にて、ラジオタイアップ企画を展開中です。毎週1冊「うちどく(家読)」におすすめの本を朗読してご紹介しています。 静岡FM放送K-mix「モーニングラジラ」番組内『ラジラ FRIDAY STORY』 毎週金曜日10:12~10:20頃放送! 詳しくはこちら うちどく × 辞書引き学習 子どもの「自ら考え、答えを導く力」「読解力」を身につける学習法「辞書引き学習」を「うちどく」に取り入れることをご提案します。家庭で習慣的に辞書を引き、家族で意味や言葉の遣い方を確認しながら、よりレベルの高い本にもどんどんチャレンジしましょう。 詳しくはこちら 学校では授業が始まる前の時間を利用して、全員が好きな本を読む「朝の読書」が定着しています。そこで、「朝の読書」を通して読書が習慣化し、読書の楽しさを
綿矢りさ(わたや・りさ) 1984年、京都市生まれ。現在、早稲田大学に在学中。2001年、『インストール』により史上最年少の17歳で第38回文藝賞を受賞する。同書は28万部のベストセラーとなる。『蹴りたい背中』は待望の文藝賞受賞後第一作。 進藤 新作の『蹴りたい背中』ですが、何ともいえない閉塞感や内向的な高校生の女の子の気持ちが微妙に描かれていますね。私は自分の中学・高校時代をリアルに思い出しましたが、この作品に綿矢さん自身は投影されてるんでしょうか。 綿矢 小説として突き放して書いていますし、また、そう心がけていましたけれど、自分の気持ちや感じ方が入っている部分もあると思います。 進藤 デビュー作を書かれてから一年半経って今回の『蹴りたい背中』が出たんですが、その間、大学受験があったり、上京して生活環境も変わったり、小説を書くのが大変でしたか。それにデビュー作が20万部を超えるベストセラ
伊坂幸太郎 (いさか・こうたろう) 1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。96年「悪党たちが目にしみる」がサントリーミステリー大賞佳作に。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し作家デビューをはたす。『ラッシュライフ』、『陽気なギャングが地球を回す』が好評を博し、洒脱なユーモアと緻密な構成で読者の注目度も急上昇中。大学時代より仙台在住。 --前作から2ヵ月という短いインターバルで『重力ピエロ』が刊行になりましたが、かなり根を詰めて書かれたんですか。 伊坂 昨年『ラッシュライフ』が出るまでに時間があって、じつは前作『陽気なギャングが地球を回す』とこの『重力ピエロ』は並行して書いていて、ほぼ同時に書きあがっていたんです。 --それにしても『陽気なギャング~』のクライムコメディから一転して『重力ピエロ』の帯の言葉を借りるなら、連続放火事件に残された謎のグラフィティア
絲山秋子 (いとやま・あきこ) 1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、住宅設備機器メーカーに入社、2001年まで営業職として勤務。03年『イッツ・オンリー・トーク』で文學界新人賞、04年『袋小路の男』で川端康成文学賞、05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。この度、『沖で待つ』で第134回芥川賞を受賞。著書に『ニート』、『スモールトーク』、『逃亡くそたわけ』がある。今もっとも注目を集める気鋭の作家。 石川 この度は、第一三四回芥川賞受賞おめでとうございます。 絲山 ありがとうございます。でも、賞をいただいたことで自分が振りまわされてしまうようでは、せっかくの賞の価値がなくなってしまいます。受賞はもう終わったことだと思っています。 石川 受賞作『沖で待つ』は、住宅設備機器メーカーに同期入社した「太っちゃん」と「私=及川」の男女の友情を描いた小説で、太っちゃんの突
菅野 児玉さんは海外のミステリなど、おもにエンターテインメント系の本をいち早く原書で読んで、そのおもしろさを紹介されてきた。『寝ても覚めても本の虫』はそれをまとめた本ですが、親しみやすくて一気に読んでしまいました。植草甚一さんに『雨降りだからミステリでも勉強しよう』という名著がありますが、あの現代版のようですね。 児玉 ぼくの出す初めての本でしょう。これまでは毎月の連載なので責任が軽かったんですが、一冊にするとなると果たして読んでいただけるか、心配していたんです。 菅野 この本でいいなと思うのは、あくまでも児玉さんご自身がおもしろいと思われた本を取り上げているという熱意がいつも伝わってくることですね。 児玉 ただもう読みたい作家のおもしろい本のことしか書きませんから。ですからいつも舞い上がっていて、友達から褒め過ぎじゃないかと言われたりします。 菅野 児玉さんの読書好き、本好きの原点の一つ
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