玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)の1号機について、九州電力が昨年12月、廃炉計画を申請した。東日本大震災による福島第1原発事故を経験し、「廃炉」にはどのような教訓や課題があるのか。震災時に内閣府原子力委員会委員長代理を務めていた長崎大学核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎教授(原子力工学)に聞いた。 廃炉に関していちばん大きな課題は、原発の解体で出る放射性廃棄物の処分場が存在しないことだろう。制御棒など比較的放射能レベルが高い部分は、国の規制基準が決まっていないため、現時点では処分場の設計すらできない。 使用済み核燃料の再処理工場などが建設されている青森県六ケ所村は、物理的には受け入れ可能だ。しかし、発電過程で出た廃棄物しか受け入れないことになっており、どこか別の場所を探す必要がある。 専門家が「当たり前のこと」を発言できない状況に 廃炉の在り方については、福島の事故以前、原子力委員会の
![国も電力会社も、「廃炉」への対応が甘すぎる](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/203cd1d59776b40c9c3fb6af9f71520686ef8179/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2F9%2F1200w%2Fimg_19e97cab3f770f018e3accd587be931593957.jpg)