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原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は9日の衆院経済産業委員会で、日本国内の原発がミサイル攻撃を受けた場合、「放射性物質がまき散らされることが懸念される。現在の設備で避けられるとは考えていない」との見解を示した。ウクライナを侵攻したロシア軍が原発を攻撃したことを受けて質問した立憲民主党の山崎誠氏に対する答弁。 国内の原発を巡り、政府はテロ対策を進めているとは説明してきたが、軍事的な攻撃に対する危険性は明言してこなかった。更田氏は経産委で「2国間の紛争による武力攻撃を(安全上の)審査などで想定していない」と説明。原発が占拠されれば「コントロール全体を握られる。その後はどんな事態も避けられない」と指摘した。 鬼木誠防衛副大臣はミサイル技術の向上により迎撃が難しくなっているとして「敵基地攻撃能力を含めてあらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していく」と答弁。山崎氏は「地震やテロ、そして今回
福井県にある敦賀原子力発電所2号機について、原子力規制委員会の更田委員長は運営する日本原子力発電が原発の真下を通る断層に関する資料に書き換えなどがあった問題に触れ、「データに直接、手を加えるのはひどいことだ」などと会社の対応に厳しい見解を示しました。 これについて、規制委員会の更田豊志委員長は、12日の定例会見の中で「ちょっとひどいというのが率直な感想だ。一次情報のデータに新たに書き足すなら理解できるが、直接、手を加えたのは問題。科学や技術について、最も初歩的な部分が欠落している」と会社の対応に厳しい見解を示しました。 そのうえで、日本原電に対して経緯を含めた説明を求めるとしました。 資料について、日本原電は「誤解を与えたところはプロセスが分かるよう、新旧のデータを今後しっかり説明していきたい」などとしていて、14日に改めてデータなどについて説明するとしています。
日本原子力研究開発機構が起こした国内最悪の内部被曝(ひばく)事故。これまで何度も問題になってきた、原子力機構による放射性物質のずさんな管理が再び繰り返された。作業員が吸ったプルトニウムは体内に長い間とどまり、がんのリスクを高めると指摘されている。 被曝(ひばく)事故があったのは、26年前に封がされた保管容器の中身を確かめようとした時だった。 原子力機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)にある燃料研究棟。6日朝、作業にあたる職員5人が分析室に直径10センチほどのステンレス製の保管容器を持ち込み、分析用の作業台に載せた。保管容器の中には、プルトニウムとウランなどの酸化物が入ったポリ容器が、二重のビニール袋に包まれて入っていた。 午前11時15分ごろ、50代の男性職員が6本のボルトを緩めて保管容器のフタを開けると、突然、ビニール袋が破れ、中にあった放射性物質が飛び散った。この職員は2万2千ベ
文部科学省によりますと、6日、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の核燃料の研究施設で、袋の中から放射性物質の粉末が漏れ出し、作業員5人の手袋や服などが汚染されたトラブルで、新たに1人の肺からおよそ2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたということです。どのくらい被ばくしているかは、まだ分かっていないということです。このため、この1人を含む5人全員について内部被ばくについての詳しい検査が必要だとして5人を現在、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送しているということです。
今後の高速炉の開発の在り方を議論する経済産業省の会議が開かれ、世耕経済産業大臣は、廃炉を含めて抜本的に見直す高速増殖炉「もんじゅ」などで得た技術的な知見を生かせば、次の高速炉の実証炉の設計は十分可能だという考えを示しました。 27日の会議では、文部科学省側が、「もんじゅ」や実験炉の「常陽」で、これまでの運転で得られた核燃料などに関する技術について説明しました。 これに対して、世耕経済産業大臣は「相応な知見が獲得され、貴重な資産となっている」と述べ、これまでに「もんじゅ」と「常陽」で得られた技術的な知見を生かせば、次の高速炉の実証炉の設計は十分可能だという考えを示しました。 これを受けて会議では、今後、海外との研究開発などを通じて、次の実証炉の規模や実施体制の具体的な検討に入る方針ですが、どこまで実現性を高められるかが問われています。
◇日本原子力研究開発機構が規制委に提出 2012年に発覚した約1万件の機器点検漏れを機に原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)について、運営主体の日本原子力研究開発機構は18日、「問題を是正した」とし、命令解除を求める報告書を規制委に提出した。提出は14年に次ぐ2回目だが、もんじゅでは最近も新たな点検漏れなどの不備が相次ぎ、解除の見通しは立っていない。 今回の再提出について、記者会見した児玉敏雄理事長は「全機器の点検を終了し、品質保証体制も再構築できた」と強調した。だが規制委は昨年11月、問題が長期間改善されていないとして、運営主体を他の組織に交代するよう求める勧告を出した。その後も、使用済み核燃料プールの水質悪化を示す警報が半年間放置されていたほか、機器の点検漏れを3カ月間見過ごす不備も発覚している。児玉理事長は「うみを出す過程で出た
東京電力福島第一原発の汚染水対策として1~4号機を「氷の壁」で囲う凍土壁について、東電は18日、凍結開始から4カ月半で、なお1%ほどが凍っていないと原子力規制委員会の検討会に報告した。地下水の流れを遮るという当初の計画は達成されておらず、規制委の外部有識者は「破綻(はたん)している」と指摘した。 東電の報告によると、3月末に凍結を始めた長さ約820メートルの区間の温度計測点のうち、8月16日時点で99%が零度以下になったが、地下水が集中している残りの部分はまだ凍っていないという。東電は、セメントなどを注入すれば凍らせられると主張した。 凍土壁の下流でくみ上げている地下水の量は、凍結開始前とほとんど変わっていない。外部有識者の橘高(きつたか)義典・首都大学東京教授は「凍土壁で地下水を遮る計画は破綻している。このまま進めるとしても、別の策を考えておく必要がある」と指摘。検討会は、上流でくみ
東京電力福島第一原子力発電所で汚染水対策の柱として、ことし3月末に運用が始まった「凍土壁」は、これまでに8割以上が凍結し、凍った壁によって、一部で地下水の流れをせき止める効果が表れていることが分かりました。 これについて、東京電力が今月17日に凍結状況を調べたところ、およそ6000ある観測点のうち8割以上で地中の温度が氷点下を下回り、凍結が進んでいることが確認できたということです。 また、ほぼ凍っている海側の凍土壁と建屋との間の水位を計ったところ、凍結の前よりも高くなる傾向が見られたということで、東京電力は山側の一部の凍っていない部分から流れ込んだ地下水が海側の凍った壁によって遮られ、せき止められたためだとみています。 19日の記者会見で東京電力は「地下水を遮断する壁としての効果が表れ始めている」と述べ、運用をさらに続けて効果を見極めるとともに、課題を洗い出し、凍土壁の完成を目指したいとし
東日本大震災の「トモダチ作戦」に従事し、福島第一原発沖で被曝(ひばく)したとして、東京電力側を相手に集団訴訟を起こした米海軍の元兵士らが400人に達した。「原発ゼロ」を唱える小泉純一郎元首相(74)が訪米して健康被害の訴えに耳を傾け、「見過ごせない」と涙を流した。 小泉氏は訴訟支援者の求めに応じ、15日から原告の元兵士ら10人と面会。窮状を聞き、17日(日本時間18日)に現地で記者会見を開いた。「救援活動に全力を尽くしてくれた米国の兵士たちが重い病に苦しんでいる。見過ごすことはできない」。感極まって泣き、訴えた。「原発推進論者も反対論者も、何ができるか共同で考えることだ」 また、オバマ米大統領の広島訪問の意義に触れ、「核兵器の削減、廃絶にどうつなげていくかが大事だ」と指摘。「原発も原爆もゼロに」と呼びかけた。 原子力空母ロナルド・レーガン… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続き
北陸電力志賀原発。手前から1号機、2号機=石川県志賀町で2016年4月26日午後3時12分、本社ヘリから小関勉撮影 原子力規制委員会は27日の定例会で、北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内断層について、1号機原子炉直下に活断層が存在する可能性を盛り込んだ有識者調査団の報告書を正式に受理した。新規制基準では活断層の真上に原子炉など重要施設を造ることを認めておらず、北陸電が調査団の判断を覆すことができなければ1号機は廃炉になる可能性が高い。【柳楽未来】
熊本地震に関連する原発報道について「公式発表をベースに」と内部の会議で指示していたNHKの籾井勝人会長が、同じ会議で「当局の発表の公式見解を伝えるべきだ。いろいろある専門家の見解を伝えても、いたずらに不安をかき立てる」などとも指示していたことが26日分かった。 会議は20日に開かれた災害対策本部会議。朝日新聞が入手した会議の記録では、専門家に言及した部分はなかった。「発言をそのまま載せると問題になると考え、抜いたのでは」と話す関係者もいる。NHK広報局は「部内の会議についてはコメントできない。原発に関する報道については、住民の不安をいたずらにあおらないよう、従来通り事実に基づき正しい情報を伝えている」としている。 この会議について籾井氏は26日の衆院総務委員会でも質問を受けた。民進党の奥野総一郎氏に対し、「事実に基づいて、モニタリングポストの数値などを、我々がいろんなコメントを加味せずに伝
チェルノブイリでの史上最悪の原発事故から26日で30年となる。5年前には東京電力福島第一原発事故も起きた。世界の原発は今、どうなっているのか。将来はどこに向かうのか。 原発大国、フランスの不安 4月11日、ルクセンブルク。ベッテル首相は仏バルス首相との共同記者会見で語った。「仏カトゥノム原発の閉鎖を望む。重大事故があれば国が地図から消える」 菜の花畑の黄色が鮮やかな国境地帯から10キロほど先にある同原発は、出力130万キロワットの原子炉4基を備える。稼働は「チェルノブイリ」の1986年。2011年に東京電力福島第一原発の事故が起き、ルクセンブルク議会は翌12年、カトゥノムの閉鎖を求めて、政府に行動を促す決議を全会一致で採択した。 国境の村エムランジュに住む会社員シャンタル・ブゼンさん(50)は「人が言うほど危険を感じるわけではない」としつつ、「原発は古くなった。(運転し続けるなら)ルクセン
◇識者「独自取材、萎縮させる」 NHKが熊本地震発生を受けて開いた災害対策本部会議で、本部長を務める籾井勝人(もみい・かつと)会長が「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と指示していたことが22日、関係者の話で分かった。識者は「事実なら、報道現場に萎縮効果をもたらす発言だ」と指摘している。 会議は20日朝、NHK放送センター(東京都渋谷区)で開かれた。関係者によると、籾井会長は会議の最後に発言。「食料などは地元自治体に配分の力が伴わないなどの問題があったが、自衛隊が入ってきて届くようになってきているので、そうした状況も含めて物資の供給などをきめ細かく報じてもらいたい」とも述べた。出席した理事や局長らから異論は出なかったという。 議事録は局内のネット回線を通じて共有され、NHK内には「会長の個人的見解を放送に反映させようと
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