江川紹子氏のインタビューした大沼保昭氏に典型的にあらわれているように、慰安婦問題には原発とよく似たバイアスがある。 第1の共通点は、騒ぐのは事件が起こってから参加した人だということだ。私のように朝日新聞が騒ぐ前に慰安婦を取材した者は、強制連行という問題が存在しないことを知ったが、大沼氏のように事件の発生後に参加した人は「何か問題があったはずだ」という前提から入る。朝日の報道を知っている「元慰安婦」は、それに合わせて話をつくるので、確証バイアスが補強される。 原発も同じだ。田原総一朗氏や私のように、3・11の前から原発とつきあっていると、問題が複雑だということを知っているが、事故が起こってから参加した人は「原発はとてつもなく危険なものだ」という第一印象を刷り込まれるので、その印象にあう情報だけを集め、それ以外の情報をみない。 第2に、このように事後的に問題をみると、可能性はゼロではないという
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