東京電力福島第1原発事故で出た除染廃棄物を一時保管する仮置き場の延長が相次いでいるが、期限付きで土地を明け渡した地権者からは「約束が違う」と不満がくすぶっている。仮置き場を撤去しなければ復興が進まないばかりか、家の近くに廃棄物の袋が並んでいるという外観が、心理的に住民の帰還をためらわせている。(野田佑介) ◆復興進まず不満 「国は3年と言っていたはずだ。その間に(中間貯蔵施設に)持っていってくれると思ってたんだ。約束は守ってもらいたい」 一部地域に避難指示が出ている福島県川内村にほど近い、いわき市川前地区。畜産業を営む猪狩宗利さん(83)はこう言って、ため息をついた。 猪狩さんは、放射性物質が付着した堆肥を、国の求めに応じ自身の畑に仮置きしている。廃棄物の詰まった100を超えるフレコンバッグ(袋)は黒いビニールシートに覆われ、フェンスで囲われている。 畑では自宅そばの牛舎で飼育し
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